風邪引きかがみん、お見舞いこなた

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Side Kagami

「うーん…」
何だろ。
頭が痛い。身体が重い。寒気がする。
夕べ勉強してたときに暖房の温度低く設定しすぎたか?
でも、学校行かなきゃ。
よいしょ、と身体を起こして、ベッドから降りて…あれ?目の前がくらくらする…

ばたん。

痛い。
のは体調的な意味ではなく、物理的な意味だ。
要するに。
着替えようと起きたつもりが、盛大に「落ちて」しまったんだ。

「お姉ちゃん!?」
きっと隣の部屋まで聞こえるくらいの音だったんだろう。慌てた声が聞こえてきた。
そりゃ部屋の扉開けたら、姉が床に突っ伏しているのが目に入ったらうろたえるわよね…
って私人事みたいだな。これ。

「38度7分…これじゃ学校行くのは無理だよ」
情けないことにつかさに半ば無理やりベッドに寝かされて、さっきまで口に咥えさせられ
ていた電子体温計の数値を告げられ。
こうして、私は風邪で休むことになった。
テスト前だってのに情けないなぁ。

それに…あいつに会えないのは、寂しいし。

面と向かって口に出してなんて絶対に言わないけど。
言えば何を言われるかわかったものじゃないけど。

「お姉ちゃん?聞いてる?」
つかさの声に、はっと我に返る。
うだうだ考えてる間に、傍らでは小さな土鍋が湯気を上げてる。
「おかゆ作っておいたから、食べられるときに食べといてね。薬も置いといたから」
ああ。
こういう時のつかさは本当に頼りになる。
普段は天然でぽやぽやだけど。いざという時にはきちんとやる子なんだ。
つかさはいいお母さんになれるよね、なんてぼんやりと考えてた。
「今日なるべく早く帰るね」
「気にしなくていいわよ。こんなの今日一日寝てれば治るって。それに姉さんもお母さん
もいるんだから」
「ん…でも心配だもん」
「いいからあんたはさっさと学校行きなさい。遅刻するわよ」
「はう!ご、ごめんねお姉ちゃん!ゆっくり寝ててねー!」
ばたばたと慌てて出て行くつかさを見送って。
それじゃ、つかさ謹製のおかゆをいただいて、薬を飲んで寝るとしましょうか―――



Side Konata

いつもの昼休み。だけど、何かが足りない。と思っていたら、
「かがみが休み?」
「うん…38度も熱出しちゃって。今日一日寝てれば治る、って言ってたけど」
「この季節は特に気を使わないとすぐ風邪をひいてしまいますからね」
「お姉ちゃん受験が近いからって夜中でも頑張っていたから…」
「うーん。かがみもバカじゃなかったってことだね」
「こ、こなちゃん…」
「冗談冗談だよつかさー」

そう。
かがみは私なんかと違って頭いいんだから、そんなの知ってる。
大体私だって風邪ひくんだから、「バカは風邪引かない」なんて間違ってるよね。うん。
いつかみゆきさんが「夏風邪はバカがひく」って言ってたけど。今は冬だし。
しかし、かがみが風邪かぁ…これはある意味チャンスかもしれない!
そう思った瞬間。
脊髄反射で身体が動いていた。

「ねえつかさ」
「何?こなちゃん」
「帰りにさ、かがみのお見舞い行っていいかな?」
「うん!きっとお姉ちゃん喜んでくれるよ!」

やった。
二つ返事でOKしてくれたよ。まぁつかさは断らないだろうと思ってたけどさ。
それにしても、やけに勢いよかったな。
隣じゃみゆきさんがいつものにこにこ顔で見てるし。

「みゆきさんも一緒にどうかな?」
「え?あ、あの…ご一緒したいのは山々なのですが…今日は家の用事で早く帰らなきゃな
らないので…申し訳ありません」
「そっかー…じゃあしょうがないよね」

残念。
でも、ちょっとだけお家の人に感謝。なんて不謹慎かな私。
みゆきさんをのけ者にするつもりなんて毛頭ないけど、やっぱり私が一番、かがみに会い
たいんだ。
突っ込み分がいないと私のネタも切れないし、それにこの機会に病床のかがみに萌えてい
たいしね。
え?いつかもやっただろ?昔の話は忘れたな。

本当の本音は、やっぱりかがみが心配だからだよ…
なーんて。口に出して言うなんて私のキャラじゃないよね。うん。
何はともあれ。
決行は放課後。かがみんのためにエネルギー充填しておかないとね。

「泉ー?ええ度胸やなぁ?」

…充填しようとして寝てしまって頭にでっかいたんこぶ作っちゃったのはご愛嬌だよ。



Kagami Side

「ん…」
よく寝たなぁ。まだ身体はだるいけど。
枕元の時計に目をやると、もうとっくの昔に学校終わってる時間か。
つかさのおかゆ食べて、薬飲んで寝たのが大体9時くらいだから…6.7時間は寝てたのか私。
そういえばつかさ遅いわね。早く帰る、って言ってたのに…
「んー…相変わらずかわいい寝顔ですなぁかがみん♪」
「!!」
いきなりこんな声が飛び込んできた。
「ちょ、あんた…」
「おはよ…きゃんっ!」

ごっつん!

………不意に聞こえた声に反応して。
思わず回りも何も確かめずにそれはもう勢いよく起き上がった結果。
一瞬、私の目の前に火花が散ったのが見えた…星が見える、って言うけどあれ本当のこと
だったんだなぁ。

「…あいたたたた…見舞いに来て間もないのにもう情熱的なキッスでお別れ、ってアレで
すかかがみ様…」
「どこの死神だ私は!」
「わかってくれるかがみんに萌え」
「…いろんな意味でだるいから突っ込まなくていいか?」
はぁ。
まったくこいつは…。病人を何だと思ってるんだか。
でも。
あんな勢いよく起き上がってしまったのは。
こなたが来てくれた、って事実に舞い上がってしまったからなんだよね…本当のところは。

「で?何しに来たのよ」
「うわ辛辣なお言葉。さっき言ったじゃん。お見舞いに来たって」
「あんたの見舞いは人の寝顔眺めてニヤニヤすることなのかよ。いつかもやったよな?」
「昔の事は忘れ…うにゃあああああああ痛い痛いかがみさまー!」
くだらない事を言おうとしてたので、とりあえず拳でぐりぐりしてやったら、涙目になっ
たので、かわいそうだからこのくらいにしておいた。
…ってか可愛い。

「あうう…意外と元気そうじゃんか」
「さっきまでぐっすり寝てたからね。おかげで少しは持ち直してきたわよ。それよりつか
さはどうしたのよ?」
「ん?夕飯の買い物だって。『こなちゃんがついてくれてるなら安心だよ~』って言って
くれたよ?」
「そっくりそのまま声まで真似しなくていい。ってかマジで似てるからやめい」
「んーかがみんはツンデレだなぁ」
「ツンデレ言うな」
大体私のどこがツンデレだって言うのよ。
そりゃこなたが来てくれたのは嬉しかったし、でも嬉しいはずなのに素直に口にできない
なんて…ってあれ?
そもそもツンデレって何だっけ?
あー…長年こなたと付き合ってきてそんな事にも頭が巡らないなんてやっぱり調子悪いわ

「んーかわいい寝顔みせてもらったし、かがみんのツンデレも見られたし、満足満足」
「あんたね…」
そもそもお見舞いってそういうもんじゃないだろうが。
と、言おうとしたのに。
「でも、かがみに会いたかったのは本当だよ」
なんて。
何でもないようにサラリと、こんな嬉しいことを言ってくれるなんて。
反則だ。
「な…いっつも会ってるんだから今日一日くらい我慢できなかったの?」
なんて、自分でもわかるくらい真っ赤な顔で言っても。
私も正直こなたに会いたかったんだから説得力なんて全くない。
「おお…これぞツンデレ…」
「悪かったわね」
言うと思った。…ってかやっとさっきの意味がわかったわ。
こんな反応するからだ。きっと。
「そんじゃ私はこのくらいで帰るよ…と、その前に」
「何よ?」
帰る、と言いながら何でまたベッドに乗っかるんですかこなたさん。
だんだん顔が近くなってるし…

ちゅ。

…間近に迫ったこなたの顔。
その距離がゼロになったのを感じて。
やっと、こなたにキスされた、と自覚した。

「…な…な…あんた…」
何の心の準備もしてないのに。
いきなりの事に頭が混乱する。
「最後は情熱的なキッスでお別れ♪幾千にも、幾万にもごきげんよう~かがみん」
こいつはこいつで。
例の猫口でしてやったり、な顔で。
キスを済ませるとひょい、とベッドから降りてネタをかましてさっさと部屋を出て行って
しまった。

…あいつ…明日覚えてなさいよ…

後日談。

「全く…こなたの奴、見舞いに来ておいて何してんだか」
「それは泉さんなりの思いやりかもしれませんよ」
「うん…それは前に聞いたけどね。ってか今日こなたは?」
「こなちゃんも今日は風邪でお休みだって。お姉ちゃんのが移ったのかな?」
「まさか。アイツがそんな玉かっての」

そうか、こなたが風邪か…ふっふっふっふっふ…
復讐するは我にあり。放課後アイツの家に押しかけてやろう。

「お姉ちゃん口ではああ言うけど」
「実はとても泉さんが心配なのですね」
「こなちゃんも昨日はこんな感じだったよね」
「お互い相思相愛でいいことですよね」

なんてのほほんと何か聞き捨てならない台詞が聞こえた気がするけど、そんなの今の私に
は聞こえない。
さて、どうやってリベンジしてやろうかしら。

一方泉家。
「ふふ…かがみの風邪ならうつされても本望…でも、キスで本当に風邪移るんだねぇ…」



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コメント:
  • 好きな人から風邪うつされると、風邪でしんどくてもテンション高くなるよね -- 名無しさん (2011-02-17 03:24:05)
  • ラブラブでいいなあ… -- 名無しさん (2010-12-04 18:35:59)

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