こなた×かがみSS保管庫

無題(1-176氏)

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「ん、メールだ」
「珍しいわね、あんたにメールが来るとか」
「誰から?」



帰り道。みゆきと別れた後の電車のホーム。
電車を待っていると、こなたの携帯が鳴り出したのだった。



「おゃ、ひよりんからだ。どれどれ・・・っぷわっは!」
「何だよ、突然吹き出して」
「いやー、ゆーちゃんのクラスメートで同人誌描いてる娘が居てさ。面白いもん見つけたら
メールしてって言ってあったんだよ・・・そしたらこれ」
「!」
「?」



送られてきた写メには、有名な錬金術師のコスプレをしている人が見て取れた。しかも手には、
その錬金術師の弟の鎧のマスコット。さらに、向かいには、同じ漫画に登場する軍服を着た人が。



「居るんだねー、こういう人」
「あんただってコスプレしてるじゃないのよ」
「あれは仕事だもん。仕事場でしかそういう格好しないよ」
「ところでこなちゃん。これって何の格好?」



私があきれている間に、こなたがつかさに説明をする。



「釘宮さんが男役やってるのって、他にはリヴィエラのエクセルくらいしか無いのかなぁ。
ん?そういえばルウリの声があきら様そっくりだなぁ。セレネの声も似てるかも」
「おーい、話が分からなくなってきたぞー」
「私にはさっぱり分からないや」



声優ネタとか言われても分からないっつーの。



「もっと分かりやすい話にしなさいよ。話に付いていけないじゃない」
「おやー?ひょっとして私と共通の話題がないと寂しい?」
「そ、そんな訳・・・無いわよ」
「おやおやー?かがみん、顔が赤いよ?」



ニヤついた顔で半身を乗り出し、口元に手を当ててこちらを見る。いつものこなたのからかいスタイルだ。



「き、気のせいよっ!!」



嘘。赤くないわけがない。だって私は





こなたが好きなんだから。




恋の始まりは忘れてしまった。
気が付いたらこなたが凄く身近な存在になっていて。
一度こなたが、『忌引』で学校を休んだ日。
寂しくて仕方なかった。その感情に戸惑った私は、その日中、原因を探し回った。
答えはあっさりと、昼休みの中頃に見つかった。



こなたが居ないからだ。



胸を締め付けるような切なさと、言い知れぬ感情が混ぜ合わさって、寂しさを生み出していた事にも気づいた。
簡単な方程式。言い知れぬ感情の正体はすぐに分かった。
これは恋だと。



その日から、私は日記を付け始めた。他人が見れば、ストーカーが書いた散文だと思われるかも知れない。
でも、書かずに居られなかった。こなたの一挙一動を忘れたくなかった。だから忘れない内に書き留めておくのだ。
私は、その日記を机の奥にしまった。





「ん、良いこと思いついた。じゃあさ、かがみ。赤くなったついでに」
「私がエビか何かだとでも言いたいの?」
「いやいや、もっと赤くしたらどうなるかなと思ってね?」
「・・・嫌な予感がするわね」
「今日、二人とも私の仕事場来ない?」



そして、言われるままにホイホイとついてきてしまった。場所はいつだかのコスプレ喫茶。
暫く奥の方でこなたが店長と話をしていたようだが、話は長引かなかったらしく、すぐに出てきた。


「OK貰ったから」
「何のだよ」
「それではお二人様、ご案内~」
「何処へ」
「衣装室」
「何でよ!」
「赤くなって貰おうかなと・・・」
「そりゃ、恥ずかしくて赤くなるわよ!!第一何で私たちがコスプレしないといけないのよ!」
「・・・・・・だから・・・まあとにかくコスプレ姿を見てみたいんだよ」



その時、こなたは少し困ったような、さらに少々恥ずかしげな表情をして、ほんのり頬を朱に染めた顔をしていた。
・・・可愛い。



「しょ、しょうがないわね・・・あんたがどうしてもって言うなら・・・ほら、行くわよ。つかさも」
「ええっ、私も?!」



「うんうん。似合うよつかさ!」
「そ、そうかな・・・えへへ」
「髪型似てるし、妹だし」
「妹って言うのは関係あるのか?」
「あるよ!大アリだよ!!」



そんな熱く語られても・・・



「どう、つかさ。カラコン入れる?」
「い、いいよ、そういうの苦手だし!」



衣装室に入るのを拒んでいたつかさは、こなたに拉致され、あらかじめこれと決めてあったようで、テキパキと衣装を着せられてしまった。
ずいぶんと可愛らしい。イギリスとか、そんな感じがする衣装だ。中でも特徴的なのが、シルクハットと、持たされた大きな鋏だ。
蒼星石、というキャラらしいのだが。



「わー、カワイイですネ!」



パトリシアさんがつかさを見つけ寄ってきた。
つかさもまんざらではないらしく、顔は赤いままだが結構楽しそうにしている。



「じゃあかがみ、かがみの衣装探そ?」
「え、決めてたんじゃ無かったの?」
「・・・だって・・・・・・」



こなたが何やらゴニョゴニョ言っている。
私には、その内容が気になって仕方なかった。



「そんな小さな声じゃ聞こえないわよ。何?」
「だから・・・」



そのまま、こなたは下を向いてしまった。
私のせいかなと、ちょっとショックを受けた私が何と声をかけようかと迷っていると、突然こなたがガバッと顔を上げた。



「な、何よっ」



驚いた私の顔を、いつになく真剣な目つきで見つめるこなたの顔が、そこにあった。



「かがみと一緒に服を選びたかったからっ!」



ボッ
私の上気の仕方が効果音付きで表されるなら、間違いなくこの音に尽きる。
これは・・・?



こなたから、デートの誘い?!



後から考えれば、この解釈は結構突飛なものだと分かっただろうが、こなたに誘われて来た、という事で
浮かれていた私には、これしか考えられなかった。
私の頭の中が、一瞬でパニックに陥った。
確かに私はこなたの事好きだしこなたが私のこと好いてくれるならそれは嬉しくて仕方ないことなんだけど
えーとほら私たち女同士だし



その時、グイと私の手が引っ張られた。



「ふぇ?」



思わず間抜けな声が出る。
格闘技をやっていた、と言うだけあって、それなりに剛力の持ち主であるこなたに引かれるがまま、私は衣装室に連れ込まれた。
衣装室の扉が、パタンと軽い音を立てて閉じる。



「あのさ、かがみ。聞いてくれる?」
「な、何よ突然!」



パニックは収まらない。むしろ加速していく一方だ。



「好きですっ!!!」



こんどは思考回路が停止した。
突然告られるとは思っても見なかった。
今まで、私は一方的にこなたに恋心を抱いていたのだ。こなたが私を好きになることなんか無いだろうと思っていた。
想定と現実の乖離具合に私が困惑している間、こなたはずっと私からの返事を待っていたらしく、



「駄目・・・?」



と言うこなたの悲しげな声を聞いて、私はようやっと我にかえった。



「だ、駄目なわけ無いじゃない・・・わ、私だって・・・」



気が付くと、視界がゆがんでいた。
うれし涙が床へと落ちる。



「私だって好きよ・・・」



喉から絞り出した声は小さく、こなたに聞こえているか疑問だった。


「こなたぁ」



この気持ちを伝えなきゃ。
この機を逃せば、こなたとは気まずいまま毎日を過ごさなくてはいけなくなるかも知れない。
ふと、そんな事を考え、私は耳元でさっきの言葉をもう一度・・・と、こなたに抱きついた。





「・・・好きよ」





涙が止まらなかった。





私にとっては、永遠とも思える時間、そうしていた。
ノックの音で我に返る。



『お姉ちゃん?こなちゃん?まだー?』



ドア越しにつかさの声。



「!」
「?!」



あわてる私とこなた。



「とっ、取りあえずこれなんかどう??」
「あ、良いわね!それにする!」



そろいもそろって白々しい・・・
ロクに見もせず適当に、こなたが選んだ服を着込む。
こなたも衣装を選んで、制服を脱ぎ始めた。



「ねえ、こなた」
「何?」
「いい加減涙拭いたら?」
「かがみこそ」
『ぷっ』



まだ目尻に涙をためたままの顔がおかしくて、吹き出す私たち二人。
私は思ったことを口にした。



    「ね」
『私たち息ピッタリかも』
    「ネ」



本当にぴったりだった。
おかしくて、笑いがこみ上げて来る。
しばらく笑いながら着替えを続ける。この服が何のキャラなのかは、私の知識にはなかったので分からなかった。



「さぁ、着替え出来た?」
「出来たけど・・・結構派手ね」



ゴシックなドレス。裾が広くて、結構重かったりする。
小道具も多い。付けづらかったいくつかは、こなたに手伝って貰った。



「お披露目に当たって、心の準備はOK?」
「・・・ちょっと緊張するわね」
「じゃあ、はい。腕組んで。落ち着く?」
「あ、あんたと腕なんか組んだら・・・よけいに緊張するわよ・・・」



顔は真っ赤だ。気恥ずかしくて顔を背ける。



「かーがみんっ」



その一言で胸が高鳴った。
魔法をかけられたように、すぐに振り向いてしまう。




ちゅっ



「ふぇっ・・・」



またも間抜けな声が出た。
振り返った私は、待ち伏せしていたこなたの唇に、ほっぺたを当てる格好になってしまったのだった。
呆然としている私を、こなたが腕を組んで引っ張って行く。
バンッと勢いよく開け放たれた扉から、こなたが戦陣切って乗り出して行く。



「ティリエル!贄殿遮那欲しい!!」
「突然言われたって何のキャラだかわかんないから、何て言ったら良いのかわかんないわよ!」
「えー、かがみならラノベ読んでるから分かると思ったのにぃ」



アヒルのような口をするこなた。
それがまた可愛くて・・・こなたで・・・
そこでふと、私は「贄殿遮那」から記憶の糸の先にあるものを手繰り寄せることに成功していたことに気づいた。



「分かりましたわ、お兄様!」



こなたへの愛も込めて、私は力一杯こなたを抱きしめた。


コメントフォーム

名前:
コメント:
  • ま、またはなぢが・・・・・・(―T―) -- ぷにゃねこ (2013-01-27 18:22:16)
  • かがみんにお兄様って呼ばれたら嬉しすぎて死んじゃう -- かがみんラブ (2012-09-14 20:38:03)
  • 灼眼のシャナだよ。だからかがみはこのネタがわかった -- 名無しさん (2012-08-31 11:53:12)
  • ローゼンは分かるけどもう一つのネタ何? -- 名無しさん (2012-02-08 15:35:10)
  • シュールなネタが多いな
    アルフォンスやら「にえとののしゃな」とかわかる人にしかわからんネタだ -- 名無しさん (2010-03-13 12:09:57)
  • つかさの蒼い子は、イメージぴったりだな。gj -- 名無しさん (2009-12-05 22:44:55)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー