らき☆すた OVA こなかがEdition ~夢の続き~

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らき☆すた OVA こなかがEdition ~夢の続き~

「というわけで、つかさがなんか言ってきたとしても、なんでもないから。分かった?」
「あ~、分かったような、分からないような…」
「分かれ!」

私はそう言って目の前にあるお茶を口に運んだ。

ここはこなたの部屋。昨日寝言でとんでもない事を言ってしまい、あろうことかつかさに聞かれてしまった。
つかさにメールを送られる事はとりあえず阻止することが出来たが、つかさの事だ。
何時いかなるタイミングでその話題を口にするか分からない。
というわけで、先手必勝でこなたに言い訳にやってきたわけだ。

しかし…

私はお茶を啜りながら考える。
本当にどうしてあんな夢を見てしまったのか。
日付が変わった今でも、思い出しただけで本当に腹が立ってくる。
夢に腹を立てるなんて事、長い人生でも少ないだろう。

「ねえ、かがみ。なに怒ってるの?」

その怒りを気づいたのか、こなたがそう聞いてきた。

「怒ってない。」
「え~。その口調、その言い方、すっごい怒ってるじゃん!
私のかがみの仲なんだから、隠し事なんてしなくてもいいじゃん!」

そういってこなたが私の腕をつかんで体を揺らしてきた。
ああ、こなたに言っても分からないと思うけど、
少しだけ…少しだけなら言ってもいいだろうか?

そして…
「なんであんたは魔法使い役で、夢の中に出てきたわけ?」

ついこんなことを口走ってしまった。

「はい?」

こなたはそう言って首をかしげた。
それはそうだろう。
怒ってる理由を聞いたのに、魔法使いなんて単語が出れば、誰だって頭にクエスチョンマークが浮かぶ。
それに、私はこなたに夢の内容を話していない。

言ったって分からない。
なのに、どうしてだろうか?私の言葉は止まらない。

「そうよ!なんであんたが『魔法使い』役で、日下部が『王子』役な訳!?
私の夢の中だったら、こなたが『王子』役で出てくるのが当然じゃない。
それが何?魔法使いでやってきて、無理やり日下部の武道会に連れ出して、
ふざけるんじゃないわよ!
そんなに日下部と私をくっつけたかったの!
挙句の果てに、無理やりあんな事言わせて!
そんなこと言わせなくても、こなたにだったら分かってるでしょ!」

なんていう八つ当たり。
私の夢の中なんだから、私が考え出したお話なのに。

そう、私は私自身に腹が立っている。
あんな事を言わせたこなたにではなく、こんな馬鹿な夢を見てしまった自分自身に。

こなたが王子役じゃないってことは何か?
この期に及んで、まだ私は心のどこかで「こなたと自分は相応しくない」なんて思ったりしていたのか?

魔法使い役で出てきたのは何か?
こなたと私の関係は、シンデレラと魔法使いのそれと同じとでも思ってたのか?

考えれば考えるほど腹が立ってくる!
私のこなたに対する思いはその程度だったのか!

そんな馬鹿なことを思っていると、涙が出てきた。
溢れてくる。止まらない。

そうやって泣いていると、こなたは私を抱きしめて
「ごめんね。」
といってくれた。

ああ、こなたは悪くないのに。

そう思っても、今の私にはそれを口にすることはできず、ただただ泣くことしかできなかった。



「落ち着いた?」
「うん。」

こなたに抱きしめられたまま、どれくらいの時間が過ぎただろう?
5分、いや10分くらいかな?
ようやく、私から流れていた涙は止まってくれた。

「なんだかよく分からないけど、かがみが見た夢ってシンデレラ?」
私を抱きしめながら、こなたが私にそう聞いた。
私はそれに対して、黙ってうなずく。

「それでみさきちが王子役で、主役のシンデレラがかがみと。
私はシンデレラを無理やり舞踏会へ連れていく魔法使いと。」
「うん。」

正確には、舞踏会じゃなくて武闘会なのだが、まあそこは言わないでおく。

「はまり役だと思うけどね。私は文化祭でもそんな格好してたし。
ああ、あれは長門のコスプレだから、正確には違うけど。」
「はまり役じゃなくても、王子役はこなたがよかった。」

これは本当。もし王子役がこなただったら、なんだかんだ言いながらきっと武闘会でも何でもいっただろう。

「だから、自分の夢に自分で怒ってたの。こなたに対して怒ったのはただの八つ当たり。ごめんね。」
「これはツンデレのデレだね。」
「ツンデレいうな、それに私はツンデレじゃない。」

こんなやり取りをしてる間も、こなたは私を抱きしめ続けてくれている。
今はこなたの温もりが心地いい。

「んー、結局のところ、かがみとしては、夢の中でのダンスの相手が私だったら良かったんでしょ。
そうすれば、その怒りも解決と。」
「それは…まあ。」
「じゃあ、夢の続きということで…」

こなたはそう言って、私の背中を抱きしめていた腕を元に戻した。
そして立ち上がると、

「魔法使いに無理やり舞踏会に連れてこられたシンデレラですが、やはりそれは面白くありませんでした。」

そんな事を言い始めた。

その間にもこなたはクローゼットに向かい、そしてそれを開く。
中にはゲームやら漫画やらが大量に収まっている。何か探しているようだった。

「なんで魔法使いは舞踏会なんか行かせたがったんだろう?
そう思いながらシンデレラは一人家路に向かって歩いていきます。
すると、道の途中のど真ん中、あの魔法使いが立っていました。」

ああ、これはきっと夢の続き。
私が見た夢とは全然違うけど、こなたが見せてくれる夢の続きだ。

「魔法使いはシンデレラが大好きでした。
だけど、ただの魔法使いである自分よりは、素晴らしい才能を持つ王子様のほうが相応しいと考えたのです。
だから魔法使いは舞踏会に参加させたかったのです。
ですが、一人さびしく帰っていくシンデレラを見て、魔法使いはついに決心します。
そして大好きなシンデレラの前に現れて、魔法使いはこういいました。」

そこまで言い終えると、こなたは私の方に振り返った。
帽子とマントを身に着けて。
それは服装こそ違うが、文化祭のときの、そして夢の中での魔法使いだった。

「シンデレラ、王子様とは違い、何のとりえの無い魔法使いの私ですが…」

こなたはそう言うと、クローゼットの前から私の前にやってきて。

「一緒に踊ってくれますか?」
なんてキザな事を言って、私に手を差し伸べた。

やっぱり、こなたにはそんな台詞は似合わないないな。
これじゃあ、小学校のお遊戯会だ。

なんて失礼なことを思っても…

「はい、よろこんで。」

笑いながら手を取ってしまう私は、本当にこなたが大好きなのだ。





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