ハレ舞台

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「ハイ、お姉ちゃん。できたよ」
「ん、ありがと。つかさ」

服を調えてくれたつかさに礼を言い、用意された鏡に映った自分を見る。
着慣れない白いタキシードは、思ってた以上には、私に似合っている。
いつもはツインテールにしている髪も今日は後ろで纏めてみた。

……あいつ、どう思うかな。

ほんの少し上気した頬は、この後の式を思ってか、愛する人を思ってか。

「お姉ちゃん、格好いいよ」
「そ、そう?」
つかさの賛辞に照れ笑いをしながら、これなら、あいつも……こなたも気に入ってくれるかな、と思う。

と、その時、私たちのいる控え室のドアがノックされた。
「は~い」
つかさが返事をして扉を開ける。

「かがみ、準備できた~?」
そこに立っていたのは、ウェディングドレスを着た、こなた。
その姿に一瞬、心臓がはねる。だ、ダメだ……可愛すぎる。
「ちょ、こなた……ドレスのまま歩き回って、崩れたらどうするのよ」
それを悟られないようにと、少し視線をそらす。

私の気持ちを知ってか知らずか、こなたは部屋の中に入ると、ツツツと私に寄って、上目使いに見上げてきた。
「だって、折角の晴れ姿だよ?やっぱりかがみに早く見て欲しくってさぁ」
バ、バカ……そんなこと言ったら、余計に照れちゃうじゃないの。
「あるぇ?かがみ照れてんの?ねぇ、照れてんの?」
そう言ってふっくらした頬を擦り付けてくるこなた。何か言い返そうと思ったが、図星なので何も出てこない。
「ふふっ、あ~やっぱりかがみは可愛いねぇ。私、かがみを選んで正解だったヨ」
「もう……」
諦めて、こなたのされるがままになっている私。弱いなぁ、と思う。でも、まぁ、いいか。

そんな私達を横でニコニコと見つめていたつかさが口を開く。
「それにしても、今日からこなちゃんもお義姉ちゃんになるんだね~」

それを聞いて、私から体を離したこなたが大きく頷く。
「その通り。こなたお義姉ちゃんでも、こなたお義姉様でも好きなように呼びたまへ~」
「え?う~ん、こなちゃんはやっぱりこなちゃん、かな」

そんな会話を聞いていると、今日と言う日の実感が急に湧いて来る。
そうか、こなたも今日から我が家の一員なんだ。

こっちを向いたこなたが、ニカッと微笑む。
「明日からはずっとかがみと一緒だね。これからは私が毎日かがみのお弁当を作ってあげるよ。
 代わりに、毎日宿題写させてもらうけど」
「結局それか!」
と、ツッコミながらふと微かな疑問を感じる。ん、宿題?まだ高校卒業してなかったっけ?
「何言ってんのかがみ?女の子は16歳から結婚できるんだよ」
あ、そうか。そういえばそうだったわね。

「んじゃあ、そろそろ時間だから、私行くね。また後でね、かがみ、つかさ」
「うん、後でね。こなちゃん」
あ……後ですぐ会えると分かっているのに、なんだか、寂しい。
「あ、そうそう、かがみ。子作りなら任せてね。何たって私は、不可能を可能にする女だから」
「なっ、そんな恥ずかしいことを堂々と言うなっ!!」

数時間して、ついに私とこなたの結婚式が始まった。
憧れだった赤い絨毯を、こなたと腕を組んで、歩く。
帰り道とかでよくこなたが抱きついてきたりするけど、その時とはまた違ったドキドキだった。

「こなた……」
「ん、何?」
そう言うこなたの顔はヴェールに包まれていてよく見えない。だけれど、きっと私と同じで、真っ赤になっているんだろう。

「なんでもない……」
ふと、辺りを見渡す。今日の私達を祝福するために集まってくれた友人、家族、先生。

みなみちゃんとゆたかちゃんは私達を見ながら寄り添っている。いつかは自分達もって思ってるのかしら。

日下部と峰岸は割れんばかりの拍手。中学時代からの友人に祝福されると、なんだかこそばゆい。

田村さんは持っているスケッチブックに何かを描き殴っている……スルーしよう。

パトリシアさんは、「オウ、コレが百合萌えデスネ!」と叫んでいる。これもスルー。

黒井先生……先を越されたからって、もう自棄酒ですか……。桜庭先生も止めてあげてください。

成実さんは目が合うと手を振ってくれた。私達もあなたに負けないくらいの幸せな家庭を築きます。

つかさ、まつり姉さん、いのり姉さん、お母さん、お父さん。いろいろあったけど、私、ここまで来ました。

そうじろう叔父さ……お義父さんは、かなたさんの遺影を抱いて滝のような涙を流している。
私、こなたを絶対幸せにします!

そんなことを思っている間に、私達は絨毯を歩き終わり、永遠の愛を誓う場所へとたどり着いた。
そこには、神父服を着た、みゆき。

「おめでとうございます、泉さん、かがみさん」
「ありがとね、みゆきさん」
「ありがとう、みゆき」

聖母の様な微笑みで頷くと、みゆきは私たちを促した。ここからが式の本番。
「汝、泉こなたは、柊かがみを夫とすること誓いますか?」
「誓います」
俯き加減で、でもしっかりと答えるこなた。その姿がたまらなく愛しい

「では、汝、柊かがみは泉こなたを妻とすることを誓いますか?」

誓います……その一言を発するだけのはずなのに、すごく緊張する。
でも、言わなくちゃ、こなたと結ばれるために。
「誓います!!」
うあ……思わず叫んでしまった。そんな私にみゆきは苦笑い。

「では、指輪の交換と、誓いのキスを」

互いに指輪を交換し、左手の薬指にはめる。こなたの手……ちっちゃいけど、大きいな。
そして……キス。こなたの顔に掛かったヴェールを、震える手でゆっくりと上げる。
「かがみ……顔が真っ赤だよ」
「し、仕方ないでしょ!!」
そう言いながら、こなたも真っ赤だぞ、と心の中で付け加える。

こなたが目を閉じる、それを合図にして突き出た唇に、自分の唇を重ねる。
この瞬間、ついに私とこなたは結ばれたのだった。

カラーンコローン、カランカランコロン。

鐘の音が響き渡り、ライスシャワーと祝福の言葉が私とこなたの上に降り注ぐ。
永遠の愛を誓った私達は、再び赤い絨毯を渡り、外に用意された車に向かっていた。

「結婚式、終わっちゃったね」
寂しそうに呟いたこなた。
その体をぎゅっと抱きしめる。

「何言ってるのよ。これからが始まりなのよ」
「え……?」
不思議そうに私を見上げるこなた。
もう、私がこんなに近くにいるんだから、寂しがることなんて無いのに。

「あんたと私の始まり、ね」
「……うん!」
途端に笑顔になるこなた。

ふふっ、全く、手が掛かるわね。嫁が今からこんな調子じゃ、この先どうなることやら。
私がもっとしっかりしないとね。

「ね、こなた。ブーケを投げてあげようか」
「ん、そだね。じゃあ行くよ~……」

天高く舞う私とこなたのブーケ。拾った人に私とこなたと同じ最大級の祝福を。
私、柊かがみ。泉こなたと人生の新たな門出に立ちます!!

「……らぎ。柊!!」
「う~ん……こなたぁ……愛してる……」
「何寝ぼけとんねん!起きんか~い!!」

スパーン、という小気味いい音と共に強烈な痛みが後頭部を襲う。
目を開けると、仁王立ちした黒井先生の姿が。
「あれ……?」

現在時刻を確認。5時間目の真っ最中だ。うん、一番眠くなる時間帯なのよね。
……じゃあ、今のは、夢?
…………
………
……
ぐあ、今すぐ首吊りてぇ!
キョンじゃ無いけど、日本が銃社会でないことに感謝するべきだわ……
「ところで柊……」
「……はい?」
「誰が誰に先を越されたんや?ん?言うてみ?」

どうやら、寝言はしっかり聞こえていたようだ。
青ざめる私と、不気味な笑顔の黒井先生。
黒井先生が私の寝言をこなたに言って、私がこなたにからかわれるのは、また別のお話。

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  • いつか現実になってほしい。その時には俺も行きます -- 名無しさん (2012-12-16 14:17:43)
  • この式には俺も参加してぇ -- 名無し (2010-03-29 13:03:05)
  • 俺も参加www -- 名無しさん (2010-01-24 09:54:06)
  • 俺もwwwwwwww -- 名無しさん (2010-01-23 08:17:38)
  • その式には俺も参加させてwww -- 名無しさん (2009-12-08 20:04:00)

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