セカンドライフ

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――――長くも短くも感じる高校生活が幕を閉じた
あれから私の、いや・・・私たちの世界は変わっていった――――

「あの時いつまで泣いてたんだろ」
夜明け前に一人、くっきりと窓から見える満月の下で思いふける
そう、私は今や大学生だ

あれから卒業した後、一人暮らし・大学生活が始まった

こなた、みゆきは勿論
つかさとも離ればなれになってしまった

つかさは一人暮らしを嫌がってた
寂しがりやだから、当然か

なら私と住めば良かったのに――
多分、中学生の頃から一人暮らしがしたいって言ってた私を
つかさなりに気をつかっての事なのか

しかし内心、私はそれでホットしたと思う
別につかさが嫌いな訳じゃ全然ない
何故なのか――
もう高校生じゃないんだし、姉離れも少しはして貰わないと
本音は他にもあるんだけど、今はそれが主な理由にしておく


それぞれに新たな道が開き

つかさは念願の料理の専門学校に入学した
入学時、全く新しい環境に放り込まれたつかさは緊張し、酷く疲れきっていた
しかし、つかさ曰く、一週間やそこらで友達にも初の彼氏にも恵まれたらしい
どんな男か見てみたい
まぁ心配は不要だったという事だ


みゆきは大学に入ると、ほとんど会う機会が無くなった
けど電話なら、最近でも結構かけたりする
今どうしてるだろうか――

みゆきの事だ、将来に向けて24時間勉強・就寝で埋まってるのかも

でも、みゆきは性格も良いし、スタイルも良くて、しかも頭も良い、大学で彼氏ならすぐに作れるわね
萌え要素も備えてあるし・・・って私はこなたか!?
と虚しく一人ツッコミ


こなたとはどうしてか、平日に構わず週に3、4回は会っている・・・って言うか私の家に1時間前予告で来る
アルバイトが終わって日没あたりに
チョコレート等のちょっとしたお菓子を持って

こなたは今、何をしているかと言うと結局大学には行かず、あのアルバイトをずっと続けると言っている・・・ここは反対すべきなのか・・・まぁこなた自身が決めた事だし・・・

いつも私の家に来た時のこなたの表情は、自覚が無いのか伝わってくる程すごく嬉しそうだ
まるで小学生が遠足を待ちわびてたように
「かーがーみー」
毎回それにつられ、私の心はドキッと揺らいでしまう
そして最近になって、こなたは笑って言ってきた――
「頬染めてデレてるかがみん萌え―!」
私も自覚なく頬を赤くしていたのを最近気付いた

毎回私の家に来たら来たで掴み(ツッコミ)所満載の正直どうでもいい話のオンパレード――
しかし今の私からしたら、この和みの場は唯一の癒しの場とも言える

私も慣れない生活に疲れたりもする
素直になれない私は、感謝の言葉をこなた本人に直接こそ言えないが
心の奥底から、感謝でいっぱいだ
「いつかこの気持ちをこなたに伝えよう・・・」

―五月、土曜の晩
雨風が窓を叩き、開けると冷える
「それでね、こなちゃんは――――と悪いからって、―――」
話の内容をさかのぼると、こなたの家
実は卒業後、父親が再婚したって、つかさから電話で聞いた――

いつもなら、家や外出先での出来事を全て話してくれるのに、この事はこなた本人から話してくれなった
話してくれなかった事も悲しいけど、私よりこなた自身悲しかったはず

翌日の日曜に私からこなたに直接会ってその事について聞く事にした
今思えば余計だったかも知れない――

でも一人の・・・友達、として心配だったから

私からこなたを家に誘うのは卒業式の日以来だ
そわそわしながら、電話をかけた
「こなた急だけど、明日私の家に来れる?―――」

こなたは相変わらず冗談も込めてOKした
「―――いいともっ!!
・・・ってどったの?
珍しいじゃん、なんか大事な話でもあるの?
あ、かがみんはウサちゃんだから、聞くのは余計だったね。
あ、で――」

「ウサちゃんの方が余計だわ!!――――ガチャ」
話を強制終了させ、私は電話の子機を切ったと同時にベッドの上に投げつけた

子機を拾う私の手は、怒りとは少し違った感情で震えていた―――

――あの後いつの間にか
精神的に疲れてた訳か、10時間以上熟睡していた
起きたのが昼の12時を回っていた

大きな欠伸と同時に上半身を起こす
一瞬キョドったが、まだこなたは来てないようだ

携帯に1件の留守電が入っている

P―――今日のバイト遅くまであるから、何時までにそっち行けるかわかんないや―p-p――

「はぁ~」と力の抜けた、ため息をする
推測するに22時を回りそうだ
しかし、直接会って何から話すべきか
その時は一言も思いつかなかった

きっとこなたも、わざわざ家に呼んだ理由を薄々感付いていたのかも、とその事を気にした

私は待ってる間、ひたすら来月の試験勉強を、刻々と時計の秒針と共に進めた―――

熟睡した後だから、睡魔にも襲われず
周りは誰も邪魔する者はいない

日が沈んだ頃に、昨日より勢い増した雨が降りだし
洗濯物を急いで取り入れた

あっという間に22時を過ぎ
テレビをつけて待った

23時を過ぎた頃
「かがみごめ~ん待った?」とようやく現れた
ミスドの紙袋を片手に提げて

「あ、私の方こそ呼び出しちゃって・・・雨で濡れたのね」
こなたはミスドの紙袋を差し出し
私は大きめのタオルを手渡した

空腹だったのか、一瞬ドーナツの甘い香りにつられ、心の中でニヤついたが、こなたの疲れきった顔をみて、しおらしくなり表情さえもが消えてしまっていた

いつものように整った部屋に招き入れて、先に丸いふわふわの座布団に座らせ、私が四角いテーブルの上にある2つのマグカップに温かいコーヒーを注ぐ

私は今か今かと家庭での事を聞き出そうとした―――

「もしかして、かがみ怒ってる?」意外とこなたから喋りだした

「何をよ!!」
つい私はビクついて怒鳴り、部屋に響き渡り会話を止めてしまった
「あっ、ごめん・・・。」すぐに謝った
怒鳴る気なんか全くなかったから
こなたもその声に、口を開けたまま驚いていた

そして声を震わせて言った
「いや、ただ・・・
かがみがいつも温かく微笑んで迎え入れてくれてたから、その・・・今日のかがみ、少し寂しい・・・。」

驚きを隠せなかった
あのこなたがそんな事を言い出すなんて

続けて声を震わせて言った
「私、今一人なんだ
再婚する前までのお父さんはいつも顔には出さないけど、本当に寂しそうだった
私が再婚を勧めた時、お父さんはとても嬉しそうで
新しいお母さんは良い人だし、本当のお母さんって感じで・・・
でもなんでか、その中に私は相容れない
私を生んでくれたお母さんを忘れるのはやっぱり嫌だ
お父さんと喜んであげたいけど、もうあの家に居るのはツラい・・・。」

既にこなたの顔は、いつもとは遥かに違っていた
何より、今までに見たことがない悲しい表情―――

私はすぐに言葉を探した
灰色に凍てついた世界から抜け出せるような、偽りない言葉を―――


「――たに会いたかった・・・」
その瞬間、色を取り戻した

「えっ」と、こなたは呆然と口を小さく開いた

そして間髪を入れずに、もう一度大声で言った
「私はいつでもこなたに会いたかった!」

こなたの目から大粒の涙が溢れ落ち、それを拭った
私も突然、目にウルっときた
涙腺が緩んだというやつか

私はこなたの傍に寄り、包み込むように優しく、こなたは離さないように強く抱いてきた

互いの涙が互いの肩を濡らした


数分後、こなたが落ち着きを取り戻し、こなたが何か言いたそうだったので、私は咄嗟に腕を引っ込めた
・・・もう少し、抱いてはいたかったが

「かがみ・・・今日はこのまま居ていい?」
こなたは私の耳元で呟いた


私はふと思いついた言葉を迷いなく、そのまま口にした

「そうだ、一緒に住もう。」


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  • ケチ付けるつもりじゃないんですけどね、やっぱり、そうじろうさんにはね、かなたさん一筋でいて欲しいですね…。誰が何と言おうとも。 正直辛いです(T_T)
    -- 名無しさん (2012-12-22 12:40:15)

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