もう一つの待ち時間

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気が乗らなかった。憂鬱っていう言葉に言い直してもいいかもしれない。
とにかく何をやってもつまらなかった。

「はぁ……」

私はため息をはくと同時に、ネトゲーを終了させた。
そしてイスから立ち上がると、そのままフラフラとベットへ倒れこんだ。
そして近くにあった漫画を手に取ってパラパラとページをめくった。

まったく頭の中に入ってこなかった。

「はぁ……」

またため息を吐くと、私は手に取った漫画を元の場所に戻した。
私がこんな風になってしまった理由。それはもうはっきりしている。
あまりにはっきりしてるから、自分でも困ってるくらいだ。
私を知ってる人がこの理由を聞いたら、なんて思うかな。きっと大笑いだよね。
私自身が『こんな理由で?』って思ってるんだから。

その理由、原因っていうのは……


かがみに……


かがみにしばらく家に来るなって言われたってこと。



『もう一つの待ち時間』



別にかがみとケンカしたわけでもなんでもないんだよ。

ただ今日かがみの家に行ったときに……

「今週ちょっと大学のレポートで忙しいのよ。だから今週はなるべく来ないようにしてね。」

って言われただけ。
別におかしくないよね。『忙しいから来ないでくれ』なんて言葉にどこに文句を言えばいいのだろう。
文句なんて言えない。言えるはずがない。だけど……

「かがみの馬鹿。」

別にかがみと一緒にゲームやアニメが見たいわけじゃない。遊びたいわけじゃない。
確かに一緒にそういうことが出来たら楽しいけど、別に出来なくてもかまわない。
かがみが課題で忙しいっていうんなら、端っこの方でおとなしくてる。
私はただかがみと一緒にいられれば、それで構わないのに。
それを分かってくれない鈍感な恋人をちょっとだけ恨んだ。……本当にちょっとだけ。

「それにしても……たったこれだけのことなのにねぇ。」

思わず苦笑してしまった。本当になんでこれだけのダメージを受けているのか自分でも不思議なくらいだ。
本当は今日だって色々理由をつけてかがみの家に泊まるつもりだったんだ。
ちゃっかり何時ものお泊り道具も、鞄の中に入ってたし。
それがあの言葉を聞いた途端、こうしてトボトボと家に帰ってきちゃったんだから、とんでもないダメージだ。

「これで別れ話なんて言われたらどうするんだろう?」

自分でも冗談めいた言葉だったと思う。かがみがそんなことをいうはずがない。それは分かってる。
だけどその言葉に、自分の背筋が凍りついたのがはっきりと分かった。
そう、私はすっかり忘れてたんだ。
今のこの幸せがとんでもない奇跡によってもたらされてるってことを。

「………」

途端に不安になった。言いようもなく。
だって、そんなこと絶対にありえないんだから……
大丈夫、大丈夫だからと、私は目を閉じて心の中で必死に呟いた。
もう一度目を開ける頃には不安もすっかり消えて……いるわけがなかった。
はっきり言って、私はそこまで強い人間じゃない。漠然とした不安。それが心の中にはっきりと残った。
それは決して小さいものじゃなくて……かがみとの関係を表す証、絆のようなものが欲しい。そう思わせるほどだった。

「絆かぁ……」

絆って言っても心の繋がりみたいのから、結婚指輪みたいな物までいろいろあるよね。
私とかがみの心の繋がりは誰にも負けないくらい強いから、私が欲しいのは後者かな?

それを見ただけで、私とかがみは恋人同士なんだなって分かるような……。

身に着けるだけで、まるでかがみと一緒にいるみたいに感じるような……

そんなのが欲しいな。
思ってみたはいいけれど、そんなのって何があるかな?
ん~、さっき考えた結婚指輪みたいな指輪とか?
でもかがみにいきなり指輪を渡したらビックリするよね。私だったら思うもん。
だとしたら、あとは一体何があるんだろう……?

考えてみたけれど、何にも思いつかなかった。想像力がないのかな?
やっぱ、そんな都合のいい物ないと思いかけていたとき、今日かがみに聞いた話を思い出した。

「そういえば、今日かがみが手袋なくしたって言ってたよね。」

手袋……手袋かぁ……

うん、手編みの手袋なんかどうかな?それで二つ作ってお揃いなんかにしたりして。
手袋だったら、今の時期何時でも使える。お揃いにすれば、恋人同士なんだなって感じられる。
一緒につけて外に出たりすれば、これはもう指輪とかと変わらないんじゃないかな?

「よしっ!決めた!!」

手袋を編もう。二つ作って、一つをかがみにプレゼントしよう。そうすれば、お揃いだ。
かがみもきっとすごく喜ぶよ!だって私の手作りなんだから!

これ渡したら、かがみどんな反応してくれるかな?
手袋をかがみに渡したときのことを思うと、なんだか想像が止まらない。

―――――――

『はい、かがみ!これ私が一生懸命作ったんだよ。受け取って!』

私はそういってかがみに手袋を渡す。かがみはその手袋を受け取って手にはめてこう言うんだよ。

『ありがとう、こなた。すごく……すごく暖かい。』

その言葉とかがみの笑顔に、私はもう嬉しくて……
でも、かがみの言葉はそれだけじゃ終わらない。

『でもね、こなた?』
『なに?』
『こうした方が、もっと暖かいんじゃない?』

そう言って私を思いっきり抱きしめてくれるんだ。

『か、かがみ……』

いきなりの事で私はびっくりしちゃうんだけど、かがみはそれでも抱きしめる事をやめない。

『これ作るの、頑張ったんでしょ?』
『う、うん……』
『お礼に、もっと暖めてあげる。もしかしたら、暖かいじゃなくて、熱くなっちゃうかも知れないけど。』

かがみはそこまで言うとゆっくりと顔に唇を近づけて………そして……

――――――――

「いや~、かがみからしてくれるなんて!……私恥ずかしいよ?照れちゃうよ?!」

私は枕に顔をうずめながら、足をバタバタと動かした。

と…そんな風に体を動かす事、およそ数秒。だんだんと冷静になってきた。

「まったく……何考えてんだ、私。」

まさか私にこんな妄想が考えられるとは思わなかった。これじゃあ、かがみやひよりんのことを悪く言えないよ。

「コホン……と、とにかく……手袋を作るのは決定だね。」

手編みの手袋を作る。それもかがみの分と私の分の合わせて二つ。
手袋を作るなんて始めてだし、作れるのかという不安はあった。

「でもまあ、なんとかなるか。」

自信がまったくない訳じゃない。
実は小学生くらいのとき編み物を教わった事があるだよね……お父さんに。
お父さんはどういうわけかこう言ったことも得意で、私が小さいときによく手編みのセーターとか手袋とか作ってくれた。
父さんが夜なべをして手袋を編んでくれた……なんて、余りにも馬鹿馬鹿しいから誰にも言ってないけど。
というわけでそんなお父さんの下、暇つぶしに編み方だけは教えてもらってるんだよね。
ただ問題は、あくまでも教えてもらったのは編み方だけ。
実際に手袋なり、セーターなり、使えるものを作った事をはないってことなんだけど……

「とりあえず、実行あるのみだよ!」

無理を通して道理を蹴飛ばす。これが俺達何とか団だ!……なんて台詞のあるアニメがあったけど、まったくその通り。
やってみないと結果は分からないよね。それにもしものときはお父さんにだって聞いてみればいい。出来れば聞きたくないけど。

「それじゃあまずは、ネットで情報収集だ!」

私はそう言って、ベットから飛び起きた。それはもう、思いっきり勢いよく。

―――――――

問題は唐突に訪れた。

「しまった……どうしよう……?」

私用の蒼色の手袋が何とか完成し(それでも10日もかかったけど)、かがみ用の手袋を作り始めて2日目。
私はとんでもないミスをしたことに気が付いたのだ。

「……かがみの手って、どれくらいの大きさなのかな?」

そう、かがみの手のひらの大きさがまったく分からなかったんだ。
私はすでに完成していた私用の手袋を手に取った。

「この大きさじゃ駄目だよね……」

私にピッタリの蒼色の手袋。私にピッタリじゃ、かがみの手には合わないだろう。

「これくらい……かな?」

私用の手袋より、ほんの少し大きくしてみる。

「……なんか違う気がするね。もう少しかな?」

さっきよりさらに大きくしてみる。

「……これでも小さい気がするよ。」

少しずつ、少しずつ、その大きくしていった。だけど、どれだけ大きくしても足りない気がした。

「やっぱ誰かの手を参考にしたほうがいいのかな?」

だとしたら、お父さんやゆーちゃんは無理。ゆーちゃんは私よりも小さいし、お父さんは大きすぎる。
みゆきさんやつかさに頼んでみる?それとも近場でみさきちとか?

「………」

なんでだろう?それでも合わない気がした。少なくとも今よりは正確になるはずなのに……

「やっぱり、かがみじゃないと駄目だよ。」

だけど、それは無理だ。せっかくのかがみへのプレゼントなのに、そんなこと出来るわけがない。

「はぁ……」

八方塞だった。思わずため息も出るってもんだよね。

「かがみの手の大きさかぁ……」

そういえば前に手の大きさを比べた事があったなぁ……

―――――――――――

『なに見てるのかがみ?』

私は遊んでいたゲームを中断すると、かがみを見つめた。さっきから私の手ばっか見てるんだよね、かがみ。

『あんたって、手も小さいんだなって思ってね。まっ、体が小さいんだから当然か。』

ムカッときた。私が背が低い事を少しだけ気にしてるのを、かがみだって知ってるはずなのに。なに、その言い方!

『そんなことないよ。』

私はその気持ちが気付かれないように何気ないように言った。

『そんなことあるわよ。ほら?』

そう言ってかがみは私の左手をとると、私の手のひらと自分の手のひらを重ねた。

『もう片方も……』

今度は右手。互いに両手を突き出して、手のひらを重ねている格好になる。

『ねっ?全然小さいじゃない。』

事実だった。私の手は全然小さくて、かがみの指の第一関節に届くかどうかの大きさしかなかった。

『む~~~』

悔しさのあまり、思わず唸ってしまった。呻ったところで、どうなるわけでもないけど。

『………』
『かがみ?』

かがみは何も言わないで突き出した私の手を、そのまま包み込みようにギュッと握ってくれた。

『本当に小さいのね……』

かがみは独り言のように言った。今度は私が何も言えなくなる番。
実際、かがみが手を離してくれるまで私は何も言えず、なにもすることができなかったんだから。

―――――――――――

あの時はずっとドキドキしっぱなしだったし、あまりの恥ずかしさにかがみの顔も見られなかった。
けど、かがみの手の大きさ、その暖かさははっきりと覚えてる。
なんだ……誰かに頼まなくたって、私はしっかりと分かってるよ。

「……うん!」

自分を信じよう。かがみのことなら誰よりも知っている私だ。
あの時のかがみの手の大きさを考えれば、絶対にピッタリに作れるはず!

「よ~し!なんだか燃えてきたよ!!」

私はそんな熱意を胸に、作りかけの手袋をもう一度手に取った。

―――――――――――

「できた~!!」

もうすぐ日が昇るであろう時間に、ようやくかがみ用の手袋が完成した。
これを作るまでに4日。慣れたとはいえ随分時間がかかった気がする。

私はまじまじと完成した菫色の手袋を見つめた。

出来がいいとはお世辞にも思わなかった。
目が粗い。縫い目が合ってない。作り慣れてる人だったら、もっとうまく作れただろう。
それでも二週間、一生懸命頑張った。
アニメや漫画もほとんど見なかった。ネトゲーだってやってない。
今週は経験値とドロップ率が2倍の期間で、なんとしてもINしようってずっと前から考えていたのに。
かがみの家にだって行かなかった。かがみに来るなって言われたからっていうのもあるけれど、それでもやっぱり行きたかった。
会って直に話がしたかった。でも、それすらもこれが出来るまではと我慢した。

「だって、かがみの電話とメール、変なときに来るんだもん……」

そう、不思議な事にこの二週間。毎日のようにかがみから電話がきたりメールが届いたりした。
さらに変なことに、決まって私がこの作業をサボろうかななんて思ったときに。
電話もメールも内容はたいした事なかったんだけど、なんだか『はやく作ってよね。待ってるんだから』と言われてるような気がした。

だから余計に一生懸命になれた。頑張れた。そう考えると、こんなに早く完成したのも、かがみのおかげかもしれない。

「ちゃんと出来てるよね?」

私は出来を確認するため菫色の手袋を自分の手にはめてみた。

「ぶかぶかだ……」

かがみの為に作った手袋は大きかった。私の手よりも一回りくらい。
試しに私の手袋を合わせてみる。私の手袋は、あの時と同じように第一関節ぐらいの大きさしかなかった。
でも、これがかがみの手の大きさなんだ。これが私の好きな人の手なんだな……
そう思うと自然と顔が綻んだ。なぜだか分からないけれど、うれしくて堪らない。
この気持ちがかがみにも分かってくれるとうれしいな…と私は思った。

「なんだか安心しちゃって眠くなってきたよ。」

緊張が解けちゃったのかな。ものすごく眠い。
今はもう寝てしまって、起きたらすぐにかがみのところに行こう。
私はそんなことを思いつつ、ベットにもぐりこんだ。
横になると、すぐに睡魔が襲ってくる。私は手袋を渡したときのかがみの顔を想像しつつ、それに任せて眠りに落ちた。

かがみの手袋をつけっぱなしで眠っちゃったのは、私だけの秘密だ。

―――――――――――

そして今、私はかがみの家の前にいる。
かがみへの連絡はしてない。プレゼントも含めてサプライズだからね。
連絡しちゃったら驚かないじゃん。

私はそっと鞄の中を覗き込んだ。いつものお泊りセット。それに二つの手編みの手袋。
小さいのは私の分で、大きいのはかがみの分。
せっかくのプレゼントなんだから、ラッピングぐらいしてくればよかったかな。
今更になってそう思ったけど、もう遅いよね。
それに家を出たときは早くこれを渡したくて……早くかがみに会いたくて堪らなかったんだから、そんなこと気付きもしなかった。

「それじゃあ、かがみのところに行きますか!」

今日はいつもとはちょっと違うのだ。そう気合を入れつつ、私はインターフォンに指を近づけた。

「ん~、でもチャイムを鳴らしたらかがみが来ちゃうかもしれないよね。」

かがみが出てしまったら、サプライズもなにもあったもんじゃない。
私は危うくインターフォンを押そうとした指を引っ込めた。

つかさにでも電話して開けてもらおうかな。などと思いつつ、冗談半分にドアノブを回してみる。

ガチャ...

「おお、開いた。」

そのまま中を覗いてみると、誰かがいる気配がした。玄関にもかがみの靴がある。留守って訳ではないみたいだ。

「まったく、無用心だよね。」

鍵をかけないで出かけるなんて、きっとつかさに違いない。まったく、つかさも仕方がないよね。
私はそのままかがみの家に入ると、ドアの鍵を閉めた。私はつかさと違って几帳面だから。

―――――――――――

「なんだか緊張するな~。」

いつものだったらなにも考えずにドアを開けるんだけど、今日は違う。
今日はサプライズ。かがみにプレゼントを渡すんだから。

私は音を立てないように少しだけ、そいてゆっくりとドアを開けた。
その隙間から中を覗くと、かがみの姿が見えた。
久しぶりのかがみの姿に思わず顔が綻んだ。
おっと、いけないいけない。心の中でそう呟いて、かがみを見つめ続ける。
どうやらパソコンで何かしているみたい。レポートが大変ってこの前言ってたからそれかな?
少し待ってみたけど、まったくこっちに振り返ろうともしない。
しかたがないので私は足音を立てないように、ゆっくりとかがみの隣へと近づいていった。
かがみは私が隣に来ても、まだ気が付いてくれなかった。
真っ直ぐに、目の前のパソコンの画面だけを見ている。

かがみの愛しの私が隣にいるのに、何で気が付かないかな?

ちょっとムカっときた。文句の一つでも言おうかなと思ったその時だった。

「もしかして……私に飽きた?私のこと、嫌いになった?!」

かがみが叫び声をあげた。横から顔を覗いてみると、顔色が悪い。
一体誰がかがみのことを嫌いになったの?
そんなことを思いつつ、チラッとかがみが凝視しているパソコンの画面を見てみた。
そこに表示されてるのはレポートの内容なんかじゃなくて……

『こなた』

私の名前だった。
あれ?もしかして、かがみが今考えてるのって私のこと?!
私がかがみのことを嫌いになったと思ってた?!
その疑問は、次のかがみの言葉で解決することとなった。

「いや、そんなことない!こなたが私を嫌いになるなんてありえない!」

そう言ってブンブンと頭を振るかがみ。本人は必死みたいだけど、傍から見ると馬鹿っぽい。
それにしても、やっぱり私のことだったか。
いやね、私がかがみを嫌いになるなんてことは、確かにありえないけど……
あなたは一体なにを考えているのかな?

「………えへ。」

うわっ、今度はものすごいニヤけ顔だよ。さっきの悲壮な顔は一体なんだったんだろう?
こんなかがみの顔初めて見たよ……

「となると、なにか他に理由が……」

うん。で、なんのどういう理由なの?きっと私絡みなんだろうけどさ。
というか、まだ私が隣にいるのに気が付いてないのかな?

私は『考え込んだ顔→ニヤけ顔』のコンボを繰り返すかがみの隣で、手を上下に振ってみたりした。
でも、まったくもって私に気が付いてくれない。いつもだったら絶対気が付くのに、ものすごい集中力だね。

「だけど、他に何が………あっ!」

急に何か大切な事を思いだしたかのように、かがみが言った。
今度は一体何なんだろう。なんだか、だんだんかがみの一人舞台を見るのが楽しくなってきたよ。

「まさか……まさか間女!」

間女?!間女って何!?

「やっぱりこなたと同じ大学にすればよかったわ!」

その間女ってやっぱり私関係だったりするの?!
私とその間女には、一体どういう関係が?!

私の疑問など露知らず、かがみは必死な顔をしながら目の前の画面を見つめていた。
こんなかがみの顔も初めてだ。なんだか今日はレアなかがみをいっぱい見てる。
そんなことを思っていると、またかがみの表情が変わった。
今度はなんだか怒ってるみたい。いや、怒ってるんじゃなくて嫉妬かな?

「絶対駄目!こなたにそういう事をしていいのは、私だけなんだから!」

いきなり机を叩きながら大声で叫ぶかがみ。
その表情はとても怖くて……なんていうのかな、うまく言えないけど『恨めしいわ!』っていう台詞がよく似合う顔をしてた。

「そういうことって、どういうこと?」

思わず聞いてしまった。もう少しかがみをみていたかったのだけど……私がどんなことをされてたのか気になるし。

「そりゃあ、抱きしめたり、キスしたり、頭を撫でたり、髪を梳いたり、頬ずりしたり…他にもたくさんあるけど、そんなの全部よ!!」

ああ、かがみの頭の中でそんなことされちゃってるんだ私。
けどね、かがみ。普通に受け答えしてるけど、ちゃんと私が隣にいること気が付いてたの?

「そうだね。私もかがみ以外にはそんなことされたくないよ。」

かがみがそうだったから、私も普通に返事をした。返事の内容は本当のことだから問題ないよね。

「でしょ?!そうに決まってるわよね、こな……た?」

どうやら本当に気が付いていなかったみたいだ。
かがみがキョトンとした顔で私の顔を見つめている。


ああ、それにしても……


やれやれ、やっと気が付いてくれた。
私は気がつかれないようにそっとため息をはいた。そしてずっと手に持ってた鞄をギュッと握り締める。
中には大切な手袋が二つ。小さいのは私の分で、もう一つはかがみの分。
かがみ、気に入ってくれるといいけどな。

改めてそんなことを思いつつ、私は何事もなかったかのように手を上げていった。

「やふー、かがみん!」




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  • これは良いこなかがですね。


    GJ&GJ!! -- 名無しさん (2010-06-30 19:59:24)
  • いやぁ~前作に続き、何とも暖かくて心和む作品ですよ~。
    これからもあなたの作品は要チェックですよ。GJ!! -- kk (2009-02-05 20:59:46)
  • これ以上…えへwとさせないで欲しいwwGJ! -- 名無しさん (2009-02-05 20:44:04)
  • かがみんにの魅力にまた一つ気付いただけだぞぉww -- 名無しさん (2009-02-05 12:41:11)


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