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シェアワールド作品School of Lifeの小説庫です。絵や漫画は別館にあります。
詳しい設定などは、公式wiki「School Of Life ×TRANQUILIZER×学園2nd」にありますので、よければそちらもご覧ください。





Story

tranquilizer

1 精神安定[鎮痛]剤,トランキライザー
be on ~s  精神安定[鎮痛]剤を服用している.
2 (心・感情を)静める[落ち着かせる]人[物].

トランキライザー、それが舞台となる学園都市の名称だ。
かつて日本列島を生活の場とした者たちが、首都と呼ぶ土地に建てられた威容の要塞学園、人により築かれし、世界最高峰の混沌都市である。
学園の創設企業にして、経営主でもある〝ライザーインダストリー〟のライザーとは、そもそも〝起床する者〟を意味し、覚醒をシンボルとする日系最後の企業だ。
だが、それにより創られたニュージェネレーション(新世代)育成の都市は、未だライザー(覚醒)に満たない若輩が集い来るカオスの巣窟、そこに在っては精神の安定などありえない。それこそ、トランキライザー(精神安定剤)が必要なほどに………。
だからこそ、この学園の名はトランキライザー――ライザーに至らぬが故に精神安定を欠いた者共の学び舎なのだ。

常に競い、常に争い、ときに笑い、ときに挫け、ときに悔やんでは、また過ちを繰り返す。それは、なんとも血腥い学園生活だろう。
だが、私はその時間の名を知っている。過激にすぎる人生の一瞬、しかし、それこそが〝青春〟と呼ぶに相応しき、自らの一篇だという真実を、私は知っているのだ。
さあ、生を謳歌しよう。ここは混沌共の覚醒駅、未だ目覚めぬ、しかして最強、最優、最狂、最悪、最凶の者たちが集う理想郷である。





作品リスト






History

西暦二〇五六年七月、民族間、宗教間で端を発した戦争の火種は、一気に国家間の本格的武力衝突へと発展した。世に云う〝第三次世界大戦〟の勃発である。
その背景には、当時において、すでに世界の先頭に立ち、独裁的ともとれる思想と理念により、世界の政治経済の方針を指揮していたアメリカ合衆国に反旗を翻した形でもあった。
同年十二月、ロシア連邦共和国は、核兵器妨害装置(NuclearJammerSystem)の開発に成功し、これによって世界が核の脅威にさらされる事態を未然に回避する。
その行為は、地球という星にとって有益なものであり、賞賛に値する功績でもあったが、同時に人々が営む世界に在っては、止まることのない戦争という存在の愚かさをまざまざと見せ付ける結果となった。これより、〝第三次世界大戦〟は、次なるステージ、〝第一次非核大戦〟へと移行した。
アルティメットウェポンとまで称された核兵器を封じられた各国は、泥沼の闘争期を向かえ、ある国は消滅し、ある国は解体された。
核兵器妨害装置は、兵器のみならず、生活の基盤を担っていた原子力発電施設の稼動をも不可能としたことで、戦時に在って世界の人口は緩やかに、だが確実に減少する。
人々の生活基盤が脅かされる最中、体よく前線基地の役割を押し付けられた国が存在した。東の洋上に浮ぶ小さな島国の名を日本と云う。
日本国には、アメリカ海軍の主力、第七艦隊が停泊し、そこをロシアとの主戦場と選んだのだ。
各国から敵味方入り乱れた流入が続き、数年の後に島国は解体され、後にはスラム街のみが残された。
それでも戦争が止まることを知らなかったのは、結局のところ、戦争という背景で目覚しい発展を続けた軍需産業、ひいては、それを下地とした後の世に活きる科学技術の進展を各国の上層部が目の当たりにし、一部の利権に凝り固まった面々が、この戦争を盤面上のチェスかなにかと勘違いし始めた愚鈍さに他ならない。
戦時に在って、世界は確かに凄まじい発展を見せた。大気に満ちるマナの存在解明、本来活動することのない脳の七割を解放する術、動物と人の因子を使った融合実験、機械技術の発展、数え上げればきりなどない。
しかし、各国の中枢が、この期に及んで暗君ぶりを発揮していた事実は、今更言うまでもないだろう。
西暦二〇六二年七月、〝第一次非核対戦〟開戦から六年が経過し、世界は完全に疲弊した。高い技術力が培われ、後の世を愁う心配などない。だが、国という枠組みが生きられる時代も、また終焉を迎えたのだ。
国家は、信頼性、財政などあらゆる面において見放され、人々の帰属意識は薄れていった。
同年十月、戦争を生き延びた諸国は休戦条約を締結、勝者のない。いや、一部の選民思想家たちのみが甘い汁を吸い上げた戦争が、一端の終わりを告げた。

その後も、技術より安全、そして経済復興を求める人々の叫びは、開発競争に突入した各国の上層部の前に踏み躙られる。他国に遅れることを恐れ、国々が技術躍進に邁進した時代であった。
事ここに至って、民衆の怒りは限界に達そうとしていたが、ついに彼らの願いを聞き届ける者たちが現れる。
それこそが、当時、自国家解体や国内情勢の悪化を鑑みて、国という枠組みに早々の見切りを付け始めてた〝企業〟という存在であった。
各国に存在した巨大企業は、未だ世界に残る中小企業を統合し、戦後の経済復興の立役者となる。
これより四年の後、企業体は国家体制を旧暦の体制とし、国という存在自体の排斥を決定した。
国とは果たしてなにか。それは人の集合体のことだ。企業と国、どちらに帰属するかを選択できるのなら、この時代の人間たちは、確実に企業についただろう。
間違っても、各々の利権のために六年も世界大戦を継続するような暗君に従う者など存在しない。
そして更に二年、最後の国家アメリカ合衆国が七月に解体、開戦も七月、休戦も七月なら、国家消滅も七月だった。皮肉な話だ。
世界は黎明を向かえ、旧暦最後の夜が開ける。新暦元年を迎えたのだ。
その後、各地の企業は、秩序回復と経済復興に尽力した十二の企業体を世界の頂点とした〝ゾディアックソサエティ(黄道十二宮協会)〟を発足し、人々が望み続けた安全を世界に約束した。
協会主導の下、新たに建設されたドームシティが、人々の生活環境の場となり、創り上げられた安寧に人々は涙した。
それから五十六年が過ぎ、ときは、黄道暦五十六年となる。