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【Cocco(可愛い人)】 「あ、ランキングだー」  沙鳥が指差した先へと、傍らを歩いていた藤司朗と丈之助も視線を向ける。 「人気投票? 暇なんだね……」 「あ……沙鳥11位」 「ホントだーw 藤司朗と丈之助もいるよ! すごーい!」  手を叩いて喜びながら、ランキングに挙がっている自分達の名を指す。 「うわ。ホントに名前ある。物好きもいるんだね……篭森さんの方が可愛いと思うんだけどな。あ、丈もあと一票で世都母の小父さんと並ぶよ」 「……どれ?」 「ほら、この人。ついでにこっちが南王でこっちが東王。……そろそろ覚えてあげないと泣かれるんじゃない?」 「南王……東王……あぁ、知ってる!」  ようやく合点がいったとでも言うのか、「この間どっかで見た! 何かしてた!」などと曖昧な「ちゃんと知ってるよ」アピールが続く。 「はいはい。本人の前では言わないようにね。……それより、一位はクロムウェルとワクダネルとエルサムニーさんの三人が同列か。英人勢強いなぁ……」 「やっぱりねードナちゃんもジェイル君もファヒマちゃんも可愛いもんね! 甲乙つけ難し!」 「そうだね。姫宮さんも望月さんも不死川も可愛いし。やっぱり可愛い人は強いんだな」 「二重ちゃんも理事ウサ可愛いもんなー」 「確かに不死原も北王も可愛いけど、俺にとっては沙鳥が一番可愛いよ。ぶっちぎりで一位!」 「けど、可愛いランキング負けてるー……」 「なら、俺以外には気付かれてないんだね。良い事だ」 「そっかー……なら良し!! この調子だとワル君もγ君もまだまだ上がってきそうだね!」 「善紅峰先生もレティシアさんもこのままでは終わらないでしょ。手強いなぁ」 「青さんだってもっと上でも良いのにねぇ」 「小父さんも南王も東王もかなりの可愛さだからまだまだ上に行くと思うよ」 「こりゃ、まだまだ油断は出来ませんなぁ」 「そうですなぁ」  そんな二人の会話を聞きつつ、丈之助は深々と考え込む。 「……可愛い?」  ランキングに挙がっている面々全員の顔を思い出す事は出来ないが、何となく思い出せる人もいない事は無い。  霞とか東華とか。よく見かける気がするし。  二人の会話から察するに、名前は思い出せないけど小父さんも挙がってるらしい。どこかに。 「……可愛い?」 「あぁ、安心して。丈も可愛いよ。沙鳥には負けるけど」  藤司朗の言葉に丈之助は「本気で止めてくれ」と身震いする。 「何でー丈之助も藤司朗も可愛いよー?」  視線を合わせて「ねー」と首を傾げる二人を見て、丈之助は視線を逸らしつつ溜息を吐いた。 「……可愛いの基準が分からない」
【Cocco(可愛い子)】 「あ、ランキングだー」  沙鳥が指差した先へと、傍らを歩いていた藤司朗と丈之助も視線を向ける。 「人気投票? 暇なんだね……」 「あ……沙鳥11位」 「ホントだーw 藤司朗と丈之助もいるよ! すごーい!」  手を叩いて喜びながら、ランキングに挙がっている自分達の名を指す。 「うわ。ホントに名前ある。物好きもいるんだね……篭森さんの方が可愛いと思うんだけどな。あ、丈もあと一票で世都母の小父さんと並ぶよ」 「……どれ?」 「ほら、この人。ついでにこっちが南王でこっちが東王。……そろそろ覚えてあげないと泣かれるんじゃない?」 「南王……東王……あぁ、知ってる!」  ようやく合点がいったとでも言うのか、「この間どっかで見た! 何かしてた!」などと曖昧な「ちゃんと知ってるよ」アピールが続く。 「はいはい。本人の前では言わないようにね。……それより、一位はクロムウェルとワクダネルとエルサムニーさんの三人が同列か。英人勢強いなぁ……」 「やっぱりねードナちゃんもジェイル君もファヒマちゃんも可愛いもんね! 甲乙つけ難し!」 「そうだね。姫宮さんも望月さんも不死川も可愛いし。やっぱり可愛い人は強いんだな」 「二重ちゃんも理事ウサ可愛いもんなー」 「確かに不死原も北王も可愛いけど、俺にとっては沙鳥が一番可愛いよ。ぶっちぎりで一位!」 「けど、可愛いランキング負けてるー……」 「なら、俺以外には気付かれてないんだね。良い事だ」 「そっかー……なら良し!! この調子だとワル君もγ君もまだまだ上がってきそうだね!」 「善紅峰先生もレティシアさんもこのままでは終わらないでしょ。手強いなぁ」 「青さんだってもっと上でも良いのにねぇ」 「小父さんも南王も東王もかなりの可愛さだからまだまだ上に行くと思うよ」 「こりゃ、まだまだ油断は出来ませんねぇ、藤司朗さん」 「そうですねぇ、沙鳥さん」  そんな二人の会話を聞きつつ、丈之助は深々と考え込む。 「……可愛い?」  ランキングに挙がっている面々全員の顔を思い出す事は出来ないが、何となく思い出せる人もいない事は無い。  霞とか東華とか。よく見かける気がするし。  二人の会話から察するに、名前は思い出せないけど小父さんも挙がってるらしい。どこかに。 「……可愛い?」 「あぁ、安心して。丈も可愛いよ。沙鳥には負けるけど」  藤司朗の言葉に丈之助は「本気で止めてくれ」と身震いする。 「何でー丈之助も藤司朗も可愛いよー?」  視線を合わせて「ねー」と首を傾げる二人を見て、丈之助は視線を逸らしつつ溜息を吐いた。 「……可愛いの基準が分からない」

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