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【Abitudinario】 「……」  丈之助は黙々と、レジーナのために取ってきた果実を皿へと移していた。  レジーナの餌やりは丈之助の日課である。  山盛りの果実をレジーナがいるであろう場所に運ぶと、そこにはレジーナの他にもう一匹。 「……お待たせ」 「遅いぞ、丈之助」  僅かな間であったはずなのに。 「ごめん」  心底申し訳なさそうに頭を下げ、一先ずレジーナへと皿を差し出す。 「ちょっと待ってて。何か持ってくる」  牡丹の頭を撫ぜて丈之助は元来た道を辿る。  常備しておいたドッグフードを手に戻ると、またしても数が増えていた。 「えっと……」  とりあえず牡丹の前にドッグフードを置き、「邪魔してるよ」とばかりに鳴く楽へと視線を向ける。 「いらっしゃい……?」  もう一度元来た道を辿り、これまたきちんと常備してあるキャットフードを手に戻る。 「……あれ?」  またもきちんと数が増えている。 「お前にも持ってくるよ」  楽にキャットフードを渡すと、蛇の頭を一撫でしてからもう一度同じ事を繰り返す。 「んー……」  蛇に餌を渡すと、丈之助は小さく唸った。 「……青さんの食事って何?」 「それは兎も角、今度からは一度に全て持ってきてはどうだ? お前ならそれくらい容易いだろう?」  その一言に、丈之助は「あぁ、そっか」と手を叩く。 「頭良いな、青さん」  ――確実に明日も同じ事をするだろうけれど。

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