かがみでいず

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「トイレ、借りるね」
いつになく重い雰囲気のまま、こなたが腰を上げた。
「…………」
話がある、と言ってアポも取らずにやって来たのはこなたの方なのに、何の話も切り出さないまま30分余りが経過していた。
(こなたのやつ、何考えてるのよ……)
かがみは言い知れぬ不安を感じていた。
普段ならくつろぎの場であるはずのこの居間が、全く違う異次元の空間であるかのような気さえしていた。
その時、かがみの携帯が軽快な着信音を奏でた。
「……こなた?」
携帯の液晶パネルは、たった今この部屋から出て行ったばかりの少女の名前を表示していた。
『題名:かがみへ』
「……?」
不審に思いながらも、かがみはメールを開く。
本文は何も書かれていない……かのように見えたが、改行が何回も入れられていた。
かがみはそれに促されるように画面をスクロールしていく。
連続する改行マークが途絶えた先、最後の一行にたった四文字。
それが、かがみの目に飛び込んできた。

『愛してる』

「かがみ!」
次の瞬間、こなたの声が背後から響いた。
「!?」
かがみがその方向に振り返ると同時、こなたがかがみの胸に勢いよく飛び込んできた。
「こ、こな……こな、こ、こなあああッ!!??」
ぶっしゃああああああ。
興奮の余り、かがみは鼻腔から血流を噴出した。
「あ、あぐあっあ……」
そのとてつもない量の出血は、一瞬にしてかがみを貧血状態に陥れた。
眩暈がし、足元がふらつく。
こなたが飛び込んできた衝撃もあって、かがみは勢いそのままに仰向けに倒れこんだ。
「う、うぐっ。う……」
まずい。なんとか出血を止めなければ。
慌てるかがみ。
しかし、かがみの上半身には。
「!?」
涙をぼろぼろこぼしながら、非難するような目で自分を見ているこなたがいた。
(あ……あかん!!)
ぶっしゃああああああ。
涙目こなたを間近で見たことにより、またしても大量の血液がかがみの鼻腔から放出された。
「う、げほっ、ごほっ……」
やばい。このままでは失血死してしまう。
しかしなおも、こなたは攻撃の手を緩めなかった。
「ひどいよ、かがみ……昨日一緒にゲマズ行こうって言ってたのに! みさきちとの約束を優先して!」
それはそっちの約束の方が先だったから……とかなんとか言おうとしたかがみだったが、血液が口内にも流れ込んできて言葉にならない。
ぐぼっ、がぼっと醜い音を立てることしか出来なかった。
「ずるいよ! 自分ばっかり、みさきちと幸せになろうなんて!」
あるぇー? なんか話変わってないかー?
とかなんとかツッコもうとしたかがみだったが、目を真っ赤に晴らして自分を責めているこなたを見ていると、
なんかもう興奮の絶頂を通り越して新世界の神にでもなってしまいそうなエクスタシーを感じた。
(ふ、ふふふ……私は神、神なのよ……ああっ)
ぶっしゃああああああ。
三度目の血液を鼻腔から放出し、かがみは力尽きた。
その表情は恍惚そのものであり、泉そうじろうをして「これぞまさに萌死にの体現だッ!」と言わしめるほどであったという。


――その後、買い物から帰宅したつかさがかがみの亡骸を発見し、すかさず「ど、どんだけ~~!!??」とツッコミを入れ、
私今のツッコミちょっと上手かったよねエヘヘと一人で悦に入っていたのはまた別の話である。






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  • なんという惨劇・・・ -- 名無しさん (2008-12-28 12:07:13)

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