彼方に告げる思い(前編)

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「お母さん、今日は私の大切な人を連れてきたよ」


私は今こなたと二人で、かなたさんの墓前にいる


   「彼方に告げる思い」


事の発端は、夏休みのある朝のこと。
こなたが突然、家に来ないかと誘ってきた。
当然断る理由も無く、いつも通りにOKの返事。
ちなみに、つかさはまだ夢の中。まあ、たまには二人きりでもいいわよね?

その時までは普通にこなたの家で遊ぶのだろうと思っていたが、
家に着くなり開口一番、こなたはこう言った。

「一緒にお母さんのお墓参り行かない?」

見ると、こなたは既に外出する準備が整っている。
そうじろうさんも慌しそうに準備を進めていた。

「お父さん、遅いよ~。もう、かがみ来ちゃったじゃない」
「おお、悪い悪い! もうちょっと待っててくれ!」
「全く~……まあ、お父さんが準備できるまで
 少し家の中でくつろいでてよ」

そう言われ、私はこなたの部屋に通された。

「こなた、これは一体どういうことなのよ……?」
「え? だから、かがみにもお墓参りに来て欲しいな、って」
「でも……その、折角家族だけになれる機会なのに、
 私がいたら迷惑じゃ……」
「そんなことないよ。それに……」
「……?」
「私とかがみのこと、お母さんにきちんと報告したいから」

こちらを見つめながら、そう言い切るこなた。
こなたと恋人という関係になって既に数ヶ月。
確かにこのような機会は今まで無かった。

「……そうね。そういうことなら、私も一緒に行くわ」
「おーい、準備できたぞ~!」

廊下からそうじろうさんの声が響く。

「決まりだね。それじゃ行こっか!」

家の外では、そうじろうさんが車に乗ってスタンバイしていた。

「おはよう、かがみちゃん。暑い中、わざわざ済まないね~」
「いえ、こちらこそ急にすみません」
「急にって、こなたから何も聞いてなかったのかい?」
「いやー、かがみを驚かせようと思ってね~」
「まったく、毎度毎度こなたには驚かされるわよ……。
 そういえば、ゆたかちゃんは?」
「ゆーちゃんは、ちょっと早めに実家に帰省中だよ。
 だから今回は私達だけ」
「よし、それじゃ出発するか!」

およそ20分程で私達は町外れの霊園に到着。
こなた達の後に着き従うように進み、
やがて一つの墓の元に辿り着いた。


一通りお参りを済ませた後、こなたがそうじろうさんに切り出した。

「しばらく、かがみと二人だけになりたいんだけど」
「そうか。それじゃ、俺は10分後くらいに戻ってくるな」

そう言って、そうじろうさんは霊園の休憩所へと歩いて行った。


「さてと……お母さん、今日は私の大切な人を連れてきたよ」

こなたが語りかけるように話を続ける。

「私の嫁のかがみ。いや、夫かな?」
「おいおい、身も蓋も無い紹介だな……」
「とにかく、私の大事なパートナー。それも、一生モノのね。
 今日はそのことを、二人で報告に来たんだ。
 ……私達のこと、これからもずっと見守っててね?」

こなたが話し終わった所で、私も続く。

「改めて、柊かがみです。
 その、こなたの……恋人、です……」
「恋人宣言に照れるかがみん萌え♪」
「恥ずかしい茶々入れるなっての! ……コホン。
 前の結婚式の時もお願いしましたけど、
 どうか私達のことずっと見守っていてください。
 二人で精一杯頑張っていこうと思ってます」


一通り語り終えた私達は、再び目を閉じて墓に向かい合掌した。




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