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前編「ファースト・ブライダル」」(2009/05/30 (土) 12:12:23) の最新版変更点

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それは、放課後のこと…… 「かがみ、ハイこれ」 「……何コレ……?」 「私がやってるネトゲの、スタートキット。かがみにも1つあげるよ」 「ネトゲって……私、そういうの興味ないし。それに、タダで貰うのも悪いわよ」 「ああ、これは布教用だから、お金とか気にしないでいいよ。  月額料金もこのキットに含まれてるしね」 「で、でもやっぱり私、ネトゲとかやったことないし……」 「大丈夫! いつも宿題写させて貰ってるお返しに、  私が手取り足取り教えてあげるから。ね?」 いやいや、宿題は自力でやらんかい! と突っ込みたい所だけど、こなたが上目遣いで おねだりしてくるのを見てると、どうにもそういう気になれない。 意志が弱いな、私……。 「全く、仕方が無いわね……。  そこまで言うならちょっとだけよ?」 「ありがと、かがみ!  じゃパソコンにインストールして、男性のキャラ作ってね♪  私は先に帰って準備してるね~!」 「あ、ちょっとこなた!」 ……もう、行っちゃった。 インストールして男性キャラ作ってって言ってたわね……。 ……って、ちょっと待て。何で私が男性キャラなんだ!? やや腑に落ちないけれど、とりあえず私も家に帰ることにした。 待たせたら悪いしね。 家につくと、最近買って貰ったパソコンを起動した。 こなたに貰ったゲームをインストールし、キャラも作成。 準備はOKかな。 丁度そこに、こなたから携帯が。 「やっほ~、かがみん。準備はOKかな~?」 「ちょっと、何で私が男性キャラなのよ?」 「え~、それはもちろん、かがみが男らし///」 「どういう意味よっ!!」 「きゃ~♪ かがみんが怒った~☆」 ったく、こいつは……。 「まあまあ、とにかく始めようよ。私のキャラ名は○○で、女性キャラね」 「もう……私は××よ。……アレ?  こなた、男性キャラでプレーしてるって言ってなかったっけ?」 「それは1垢目の1stキャラだよ。  このキャラはかがみと一緒にプレーするための2垢目の3rdキャラ。」 「って、おい! どんだけキャラ持ってるのよ!?」 「大袈裟だなあ、かがみは。2垢持ちくらい、今時普通だって」 ……時折私は、こなたの感性についていけなくなる。 べ、別にそういう所が嫌いって訳じゃないんだけど……。 これがオタクと一般人の違いってやつなのかな……? ゲームを始めると、私とこなたのキャラは街らしき場所に現れた。 私がタイピング苦手なのに配慮してか、 当分は、携帯で会話しながら一緒に進めてくれるみたい。 「ここが、私が拠点にしてる街だよ。まずは資金をあげるね。  何かと必要になるだろうし」 「わざわざごめんね……って、ちょ!  こなたさん! 何すか、この金額!?」 「大丈夫だよ。私の全財産の20分の1だから」 500万で20分の1って……恐るべきはネトゲ経済のインフレか それとも、こなたの資金力か……。 「んじゃ~、街の施設を案内するね」 こなたから、店や重要な施設の案内を受けていく。 ある程度廻ったところで、教会に辿り着いた。 「ここは教会。異性のキャラ同士が結婚できるんだよ」 「結婚、ねえ……。こなたも、別のキャラでしてるんだっけ。  ゲームの中でまで、結婚したいものなの?」 「いやあ、結婚してると専用装備の婚約指輪とか  婚約者同士で使えるスキルとか貰えるからさ。  後は勢いでネ♪」 「あー……要は、情より利を取ったんだな……」 「まあNE☆ というわけで、かがみんや」 「何よ?」 「結婚しよか」 ブッ!!! 思わず、パソコンの前で吹き出してしまう。 「な、なな、何言ってるのよ!?  大体、私達女同士だし……」 「リアルの性別は関係ないんだよ。  クランの皆も、その辺り気にせず結婚してるしね。  ゲームなんだしいいじゃん、ね?」 「う……ま、まあたしかにゲームだし……」 そうして、流されるままに 私としこなたは式をあげることになった。 「かがみのタキシード姿、凄くお似合いだね♪」 「その言い方、非常に納得がいかないんだが」 「そして私はウェディングドレス装備、っと。  んじゃ始めよっか♪」 私の不満は華麗にスルーされて、式が始まった。 教会に入り、こなたと並んでヴァージンロードを歩く。 まさか、こんなことになるなんてね……。 ……でも、不思議と嫌な感じはしなかった。 ゲームにしては意外と本格的で、 聖書朗読、賛美歌、神前での誓い……と、一通り進んでいく。 そして、指輪の交換に。 「アイテムの交換はさっき説明したよね?  それで指輪を私に渡してくれればOKだよ」 「分かったわ」 交換すると、キャラクターが自動的に指輪をはめる動作をとる。 思わず、その動作に私は魅入ってしまった。 「何だか、こそばゆい感じね……」 「そだね♪ さ、かがみ、次はいよいよお待ちかねの……」 「え……まさか……!?」 「……誓いの口づけを」 神父の声、というよりもメッセージが画面に表示された。 「き、きき、キスって……どうすればいいのよ!?」 「ほら、エモーション機能の中にあったじゃん。  私に近づいて、キスエモでOKだよ」 う……機能の説明はさっき受けたし、 操作が分からない訳じゃないけど…… なぜか、ためらわれてしまう。 「……? どったの、かがみん?  操作方法忘れちゃった?」 「え!? いや、そうじゃなくって、その……」 「……? ……ははーん、さてはかがみん  私とチューするのが恥ずかしいんだ?」 「な、そ、そんなんじゃないわよ!」 「もう、ホントかがみは可愛いんだから♪」 「ああ、もう、うるさいっての!」 こうなったらヤケよ! キスのエモーションを選択して…… 私のキャラとこなたのキャラが顔を近づける。 そして…… 式は全て終わり、私とこなたのキャラは 晴れて夫婦となった。 「これで、私達夫婦だね☆」 「あー……うん」 「おや、かがみは照れてるのかな?  全くカワイイやつめ♪ 「だ、誰が照れてるってのよ!」 全くもう……こいつはいつもこうなんだから…… 「……でもさ」 「ん? 何よ、改まって?」 「いつかは本当にこういう式挙げたいよね……」 ブハッ!!! 本日二度目の吹き出し。 確かに、このゲームでの結婚式ではちょっとドキドキしたけど…… まさかリアルでも……? こなたって、まさか私のこと…… でもそんな女の子同士で…… 「こ、こなた……それって……」 「え? 何、かがみ?」 「あ、あのねこなた……。  私も……その……こなたのことは嫌いじゃないけど……。  でも、いきなりそんなこと言われても……。  何より、私達女の子同士だし……」 「……あ、あのー……もしもし、かがみさんや……?」 「でも、その……こなたの気持ちが  どうしても固まってるのなら……私……」 「す、ストーーップ!!  かがみ、何か物凄い誤解をしていない……?」 「え……?」 「いやさ、私は『二人もいつかこういう式を挙げて、  花嫁になれたらいいね』って意味だったんだけど……」 「……え……!?」 時既に遅し。 私は自分の早とちりを、ちょっぴり後悔した。 「ふーん……でもそっか~……。  かがみ、私のこと嫌じゃないんだ~♪」 「ば、バカっ! それは、あんたが紛らわしいこと言うから……!」 「照れるな照れるな☆  私も、かがみのそういうツンデレなとこに萌えちゃうしね♪」 「あー、もう! 知らない!」 そう言って、私は携帯を切り、ゲームをログアウトさせた。 「え、ちょ、かがみ!? もしもーし!!?  あちゃ~、本気で怒らせちゃったかな……」 「全く……人の気も知らないで……」 ……勢いで切ってしまったとはいえ、 冷静になると、ちょっと罪悪感を感じてしまう。 明日、学校できちんとこなたに謝ろう。 そう決意し、その日は早めに休むことにした。 -[[中編「いつか見た夢」>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/254.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 彼女俺にまたがりっぱなしで、朝まで休ませてもらえんかったww http://younube.net/calnova/66061 -- ボンちゃん (2009-05-30 12:12:23)
それは、放課後のこと…… 「かがみ、ハイこれ」 「……何コレ……?」 「私がやってるネトゲの、スタートキット。かがみにも1つあげるよ」 「ネトゲって……私、そういうの興味ないし。それに、タダで貰うのも悪いわよ」 「ああ、これは布教用だから、お金とか気にしないでいいよ。  月額料金もこのキットに含まれてるしね」 「で、でもやっぱり私、ネトゲとかやったことないし……」 「大丈夫! いつも宿題写させて貰ってるお返しに、  私が手取り足取り教えてあげるから。ね?」 いやいや、宿題は自力でやらんかい! と突っ込みたい所だけど、こなたが上目遣いで おねだりしてくるのを見てると、どうにもそういう気になれない。 意志が弱いな、私……。 「全く、仕方が無いわね……。  そこまで言うならちょっとだけよ?」 「ありがと、かがみ!  じゃパソコンにインストールして、男性のキャラ作ってね♪  私は先に帰って準備してるね~!」 「あ、ちょっとこなた!」 ……もう、行っちゃった。 インストールして男性キャラ作ってって言ってたわね……。 ……って、ちょっと待て。何で私が男性キャラなんだ!? やや腑に落ちないけれど、とりあえず私も家に帰ることにした。 待たせたら悪いしね。 家につくと、最近買って貰ったパソコンを起動した。 こなたに貰ったゲームをインストールし、キャラも作成。 準備はOKかな。 丁度そこに、こなたから携帯が。 「やっほ~、かがみん。準備はOKかな~?」 「ちょっと、何で私が男性キャラなのよ?」 「え~、それはもちろん、かがみが男らし///」 「どういう意味よっ!!」 「きゃ~♪ かがみんが怒った~☆」 ったく、こいつは……。 「まあまあ、とにかく始めようよ。私のキャラ名は○○で、女性キャラね」 「もう……私は××よ。……アレ?  こなた、男性キャラでプレーしてるって言ってなかったっけ?」 「それは1垢目の1stキャラだよ。  このキャラはかがみと一緒にプレーするための2垢目の3rdキャラ。」 「って、おい! どんだけキャラ持ってるのよ!?」 「大袈裟だなあ、かがみは。2垢持ちくらい、今時普通だって」 ……時折私は、こなたの感性についていけなくなる。 べ、別にそういう所が嫌いって訳じゃないんだけど……。 これがオタクと一般人の違いってやつなのかな……? ゲームを始めると、私とこなたのキャラは街らしき場所に現れた。 私がタイピング苦手なのに配慮してか、 当分は、携帯で会話しながら一緒に進めてくれるみたい。 「ここが、私が拠点にしてる街だよ。まずは資金をあげるね。  何かと必要になるだろうし」 「わざわざごめんね……って、ちょ!  こなたさん! 何すか、この金額!?」 「大丈夫だよ。私の全財産の20分の1だから」 500万で20分の1って……恐るべきはネトゲ経済のインフレか それとも、こなたの資金力か……。 「んじゃ~、街の施設を案内するね」 こなたから、店や重要な施設の案内を受けていく。 ある程度廻ったところで、教会に辿り着いた。 「ここは教会。異性のキャラ同士が結婚できるんだよ」 「結婚、ねえ……。こなたも、別のキャラでしてるんだっけ。  ゲームの中でまで、結婚したいものなの?」 「いやあ、結婚してると専用装備の婚約指輪とか  婚約者同士で使えるスキルとか貰えるからさ。  後は勢いでネ♪」 「あー……要は、情より利を取ったんだな……」 「まあNE☆ というわけで、かがみんや」 「何よ?」 「結婚しよか」 ブッ!!! 思わず、パソコンの前で吹き出してしまう。 「な、なな、何言ってるのよ!?  大体、私達女同士だし……」 「リアルの性別は関係ないんだよ。  クランの皆も、その辺り気にせず結婚してるしね。  ゲームなんだしいいじゃん、ね?」 「う……ま、まあたしかにゲームだし……」 そうして、流されるままに 私としこなたは式をあげることになった。 「かがみのタキシード姿、凄くお似合いだね♪」 「その言い方、非常に納得がいかないんだが」 「そして私はウェディングドレス装備、っと。  んじゃ始めよっか♪」 私の不満は華麗にスルーされて、式が始まった。 教会に入り、こなたと並んでヴァージンロードを歩く。 まさか、こんなことになるなんてね……。 ……でも、不思議と嫌な感じはしなかった。 ゲームにしては意外と本格的で、 聖書朗読、賛美歌、神前での誓い……と、一通り進んでいく。 そして、指輪の交換に。 「アイテムの交換はさっき説明したよね?  それで指輪を私に渡してくれればOKだよ」 「分かったわ」 交換すると、キャラクターが自動的に指輪をはめる動作をとる。 思わず、その動作に私は魅入ってしまった。 「何だか、こそばゆい感じね……」 「そだね♪ さ、かがみ、次はいよいよお待ちかねの……」 「え……まさか……!?」 「……誓いの口づけを」 神父の声、というよりもメッセージが画面に表示された。 「き、きき、キスって……どうすればいいのよ!?」 「ほら、エモーション機能の中にあったじゃん。  私に近づいて、キスエモでOKだよ」 う……機能の説明はさっき受けたし、 操作が分からない訳じゃないけど…… なぜか、ためらわれてしまう。 「……? どったの、かがみん?  操作方法忘れちゃった?」 「え!? いや、そうじゃなくって、その……」 「……? ……ははーん、さてはかがみん  私とチューするのが恥ずかしいんだ?」 「な、そ、そんなんじゃないわよ!」 「もう、ホントかがみは可愛いんだから♪」 「ああ、もう、うるさいっての!」 こうなったらヤケよ! キスのエモーションを選択して…… 私のキャラとこなたのキャラが顔を近づける。 そして…… 式は全て終わり、私とこなたのキャラは 晴れて夫婦となった。 「これで、私達夫婦だね☆」 「あー……うん」 「おや、かがみは照れてるのかな?  全くカワイイやつめ♪ 「だ、誰が照れてるってのよ!」 全くもう……こいつはいつもこうなんだから…… 「……でもさ」 「ん? 何よ、改まって?」 「いつかは本当にこういう式挙げたいよね……」 ブハッ!!! 本日二度目の吹き出し。 確かに、このゲームでの結婚式ではちょっとドキドキしたけど…… まさかリアルでも……? こなたって、まさか私のこと…… でもそんな女の子同士で…… 「こ、こなた……それって……」 「え? 何、かがみ?」 「あ、あのねこなた……。  私も……その……こなたのことは嫌いじゃないけど……。  でも、いきなりそんなこと言われても……。  何より、私達女の子同士だし……」 「……あ、あのー……もしもし、かがみさんや……?」 「でも、その……こなたの気持ちが  どうしても固まってるのなら……私……」 「す、ストーーップ!!  かがみ、何か物凄い誤解をしていない……?」 「え……?」 「いやさ、私は『二人もいつかこういう式を挙げて、  花嫁になれたらいいね』って意味だったんだけど……」 「……え……!?」 時既に遅し。 私は自分の早とちりを、ちょっぴり後悔した。 「ふーん……でもそっか~……。  かがみ、私のこと嫌じゃないんだ~♪」 「ば、バカっ! それは、あんたが紛らわしいこと言うから……!」 「照れるな照れるな☆  私も、かがみのそういうツンデレなとこに萌えちゃうしね♪」 「あー、もう! 知らない!」 そう言って、私は携帯を切り、ゲームをログアウトさせた。 「え、ちょ、かがみ!? もしもーし!!?  あちゃ~、本気で怒らせちゃったかな……」 「全く……人の気も知らないで……」 ……勢いで切ってしまったとはいえ、 冷静になると、ちょっと罪悪感を感じてしまう。 明日、学校できちんとこなたに謝ろう。 そう決意し、その日は早めに休むことにした。 -[[中編「いつか見た夢」>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/254.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3)

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