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少しづつ空気が澄んできた、12月最後の登校日。 私、泉こなたは、高校の最寄り駅である朝の通勤・通学ラッシュ真っ只中の糟武スカイツリーライン 糟日部駅南口にて、親友である柊かがみ、柊つかさと待ち合わせをしていた。 珍しく早く起きることが出来き、そのため普段より早く待ち合わせ場所に着いた。 普段は親友二人を待たすことが多いから正直珍しい。 普段とは違い余裕があるからか、なんとなく物思いにふける。 目の前には駅前ロータリーがあり、そこに植樹されている木々もすっかり落葉して 冬らしい光景を作りだしていた。また空気も澄み切っており、晴れ渡った空も青々と 透明感があるからかすごく清々しく感じられる。 そんな清々しさとともに寒々しさも感じられそうな光景だが、風も無くぽかぽかとしている ため、そんなに寒く感じられなかった。 そうしてたたずんでいると、かがみとつかさの二人がやって来た。 二人より早く来たことに対しかがみから、『今日は雪か?』とからかわれつつも バス停へと向かっていった。 南口から外へ出た際、風が運んできた香りに、すれ違う人とキンとする空気を感じ、 なんとはなしにわくわくするような、気分が弾むようななんとも言えない感情にどうすればいいかわからず、 交差点で一瞬立ち止まりかける。 「ん、どうしたの?」 そんな私に気付いたのか、かがみが話しかけてきた。 この親友は私が言葉にしづらい感情を感じているとき、一緒にいれば必ずと言っていいくらいに 気にかけてくる。 「…いや、なんでもないよ。」 とそっけなく返事をする。 急になぜそんな気持ちになったのか考えを巡らせてみる。 そういえばこの時期になると早く次にゆきたいような、今をもっと味わいたいような、 微妙な時間感覚の中に彷徨い出すようなビビッドな感触を覚える。 …多分、唐突にそんな感覚を感じたからなのだろう。 そう一人納得していると、その様子を見たかがみが話しかけてくる。 「なんでもないって?ほんとに?」 ほんとはなんでもないって訳ではないが、二人に話しても本当に反応に困るだけだろう。 よし、ここは。 「あのさ…今日本で問題になっていると言えば、老人のゲートボール離れじゃない、奥さん。」 「いや、一回も聞いたことない。そんなの。てか、誰が奥さんだ。」 よし、通常運転に戻った。このまま続けよう。 「あ~くだらない内容だった。気にかけて損した。」 「いやいや、重要なことだよ。でね普及のためにアニメ化が効果あると思う。 …わしの名前はゲートボーラー米蔵。ひょんなことからゲートボールの神様に出会ってしまっての。 そこから始まる、愉快痛快寿ストーリー。新番組『ゲートボーラー米蔵』。 毎週火曜朝四時放送。転がれーワシの寿命よりも長く。」 「ワシの寿命よりながく――。」 つかさも一緒に最後のフレーズをハモってきた。 「誰が見るんだよ。何今の決め台詞。ワシの寿命よりも長く…縁起でもない。 あと朝四時、早い。それとつかさもハモってくるんじゃない。」 「えへへ、気に入っちゃって。つい。」 「あと今ならワシのサイン入り入れ歯をプレゼント。」 「いらねえよ。って、なんで寝てんのよ、おい。」 「いや、夢落ちにしようと思って。」 「なんだよ、その発想。」 「なんかうやむやにしたくなって。」 「うやむやにしたくなってじゃないわよ。 ほんとに寝るな、お~い起きろ。お~い。」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「お~い、お姉ちゃ~ん、ここで寝ると風邪ひくよ~。」 「う~ん、ゆ~ちゃん?」 気がつくと、目の前に従妹である小早川ゆたか、愛称ゆーちゃんがいた。 しかも自宅リビングのこたつにはいっている。 あれ、たしかさっきまで高校の通学路にいたはずなんだけど? もしかして夢だったのだろうか。 たまに妙にはっきりした高校時代の夢を見るんだよな~。 そんなに思い出深いのだろうか? 徐々に意識がはっきりし始め、女子大生である私は猫のイラストが プリントされた部屋着にどてらを羽織った姿でこたつの上に突っ伏した。 「あけましておめでとう。お姉ちゃん。」 「あけましておめでとう。ゆーちゃん。」 簡単な年始の挨拶をしてきたゆーちゃんに対し、 体をゆーちゃんの方へ向け簡単な年始の挨拶をする。 もう年が明けたんだ。ってことは毎年恒例のコミケから帰ってきてすぐ突っ伏してしまったみたいだ。 あ~紅白の水樹奈々を見逃してしまった~~~。やってもうたーーー。 しょんぼりしながら、自分のケータイの表示を見てみる。 ふざけてかがみを押し倒した画像の待ち受け画面に2013年1月1日6:00と表示されている。 そう今日は1月1日元旦、昨日は大みそかおよび冬コミ最終日で帰ってきてすぐ寝てしまった んだった。 ふざけてかがみを押し倒した画像を見て、ゆーちゃんがかなり呆れつつぼそっと 『ホントにあったんだ、その画像…』と呟く。 ごめんねゆーちゃん。この画像は私のエネルギーの源なのだよ。これだけは譲れない。 その画像を見て思い出したのか、ゆーちゃんが話しかけてきた。 「そういえば柊先輩のところの神社、初詣の参拝客が増えたみたいでかなり忙しそうだね。 東京メトロのメトロガイドでも紹介されていたしね。」 「そうだね、年末年始はそうとう忙しいみたいだね。かがみとつかさには年末年始はこっち からの連絡は控えているからね。でもそろそろ休憩に入るんじゃないかな。」 「よく分るね。お姉ちゃん。」 「そりゃ何度もかがみん家の神社に初詣しているからね…そうだ、今から神社行ってみようかな? 今から行けばかがみたちの休憩時間に間に合うだろうし。」 「今から行くの?すごく寒いよ。大丈夫?」 「平気、平気。それじゃ、行ってくるね。」 そう言うが否や自室へ戻り、すぐに着替え、家の外へ出る。 まだ夜の帳は大分おりていたが、東の空からわずかに日が昇っており、 空は日の光と夜の闇のコントラストが出来ており、太陽と月の両方が見え、 空気もとてもクリアになり遠くまで見通せるようになっているからか、 見慣れた日常の光景にも関わらず、不思議と幻想的なものを見ている気持ちになった。 外の空気も案の定、とても冷たく空気がキンとした感じがしていたが、なんていうかわくわくしていた。 正月は見るもの感じるものすべてが、何か新しく感じるのが不思議だ。 突拍子もなく出てきたが、こんな不思議と楽しい気持ちの中、普段居心地の良い場所を作ってくれる 親友、特に自分の言葉にできない心の奥底にある気持ちをすくって、見てくれるかけがえのない 存在に会って笑いあいたい。天の邪鬼で素直でないけど情に厚い子に。 特にさっきまでその子と楽しく過ごしていた時の夢を見ていたからなおさらだ。 そんな気持ちだからこそ唐突だけど、飛び出してきてしまった。 それでは行ってこよう。 こうして私は自宅駐車場に止めてある、自家用車であるセダンに乗り込み 朝もやが出来始めた街に向かって、鷹宮神社へと進んでいった。 県道 加須幸手線を通り、鷹宮神社付近に辿り着き、鷹宮神社の臨時駐車場へ車を駐車させる。 そして鷹宮神社へと歩いて行った。 境内は、ピーク時を過ぎたからかわずかに列が短く、思ったよりも早く本殿へと辿り着いた。 そして神社の社務所へと向かうと、巫女装束姿のつかさがいた。 「つかさ、あけおめー。」 「こなちゃん。あけましておめでとー。今から休憩だから。」 「そっか。そういえばかがみは?」 「お姉ちゃんは今別のところにいるから、休憩時間に合わせてもうしばらくしたらこっちにくるよ。」 「…そーなんだ。」 そうやって返答する私に対して、つかさは。 「お姉ちゃんいなくて寂しい?」 ととても返答に困ることを言ってきた。 かなりドギマギした私は。 「そ、そんなことはナイデスヨ?」 と焦り気味に返した。なにを言うかな~?この子は? 「え~?こなちゃん、お姉ちゃんといるときと普段の時、大分落差あるよ。」 「いやいやいつも平行線デスヨ?ワタシ…」 「自覚していないだけだよ~。どちらかっていうとお姉ちゃん目当てで来たんじゃない?」 「二人に会いたくて来たんだよ~。やだな~。」 「ホントに~?」 「ホントだよ~。…うう、つかさのクセに(小声でボソッと)。」 そんな風につかさにいじられるやり取りをしていると、遠くから髪を一結びにし巫女装束を着た かがみがやってくるのが見えた。 よしここは、かがみ対して何かアクションして紛らわそう。 「(和太鼓を叩くジェスチャーをしつつ)一ぼっくり、二ぼっくり、三ぼっくり食べたい。 四ぼっくり食べたら腹壊す。」 「一ぼっくりでも腹壊すわよ、こなた。一体なんなのよそれ?」 境内にある松の木に対して壮大なボケをかましていると、後ろからかなり呆れかえりつつ かがみが突っ込んできた。 「松ぼっくり祭り!!急に電波を受信して、やってみた。」 「なんじゃそら。私にも対応不可能なボケはあるわよ。」 「(小声で。でもこなたに聞こえるように。)ほら、やっぱり態度が全然違うよ。こなちゃん。」 とつかさが呟く。 確かにかがみとのやりとりはコントみたいになって、すごく楽しい。 だって、今かがみを見かけた瞬間に何かが始まった感じがしたんだもん。 気持ちそのものが明らかに変わったんだから、外から見ても明らかに変わっているかもしれない。 つかさの言うことも否定できない。でもそれでいいんじゃないかと思う。 だってすごく躍動的で楽しい気持ちになるんだから。それでいてどこか穏やかさを感じられる、 ハッキリ言って特別なんだ。 つかさやみゆきさんといるのも当然いいのだけれども、かがみは何かが明らかに違う。 だから 「うん、そうだね。」 とハッキリと返した。 そんな私に少し驚きつつもつかさは納得したみたいで、普段の穏やかな笑顔で返してきた。 いつも通りのやりとりを始めますか。 「かがみ…ひそひそ(耳打ちをする)」 「ちっちゃい声で『かがみ、実は整形してる?』って言ってんじゃないわよ。つーかしてないわ。 何年も付き合っているじゃないの。なぜいまさら言うのよ。」 「長年の疑問を新年の今言おうと思って…」 「そんなわけないないでしょ。」 「えっ!ちがうの、お姉ちゃん?」 「なんで双子の妹であるあんたが私の容姿を疑うのよ。 それこそあんたは生まれたころからの付き合いじゃないの。」 「いや~~お約束だよ、かがみん。」 「「ね~~」」 「うるさ~い。二人してハモってうなずいているんじゃないわよ。」 脱力系のいつもと変わらない光景に、ココロは安らぐ。 これから起こってゆくであろう出来事に期待が膨らむ。 こんな愛おしい日々を今年も始めてゆこう。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - つかさがこなたをいじるかw &br()ありがとうございます -- 名無しさん (2014-12-28 08:27:41) - 今年はらき☆すたが10周年だから、ここも盛り上がってほしいですね(・ω・) -- 名無しさん (2013-01-18 22:53:49) - 久しぶりに、こなかがをと訪れたら今も更新されているとは! &br()すごい!! -- な (2013-01-04 05:42:31) - タイムリーな新作ですね、楽しく読ませていただきました。 &br()ありがとうございます。 -- kk (2013-01-02 22:04:39) **投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください) #vote3(18)
少しづつ空気が澄んできた、12月最後の登校日。 私、泉こなたは、高校の最寄り駅である朝の通勤・通学ラッシュ真っ只中の糟武スカイツリーライン 糟日部駅南口にて、親友である柊かがみ、柊つかさと待ち合わせをしていた。 珍しく早く起きることが出来き、そのため普段より早く待ち合わせ場所に着いた。 普段は親友二人を待たすことが多いから正直珍しい。 普段とは違い余裕があるからか、なんとなく物思いにふける。 目の前には駅前ロータリーがあり、そこに植樹されている木々もすっかり落葉して 冬らしい光景を作りだしていた。また空気も澄み切っており、晴れ渡った空も青々と 透明感があるからかすごく清々しく感じられる。 そんな清々しさとともに寒々しさも感じられそうな光景だが、風も無くぽかぽかとしている ため、そんなに寒く感じられなかった。 そうしてたたずんでいると、かがみとつかさの二人がやって来た。 二人より早く来たことに対しかがみから、『今日は雪か?』とからかわれつつも バス停へと向かっていった。 南口から外へ出た際、風が運んできた香りに、すれ違う人とキンとする空気を感じ、 なんとはなしにわくわくするような、気分が弾むようななんとも言えない感情にどうすればいいかわからず、 交差点で一瞬立ち止まりかける。 「ん、どうしたの?」 そんな私に気付いたのか、かがみが話しかけてきた。 この親友は私が言葉にしづらい感情を感じているとき、一緒にいれば必ずと言っていいくらいに 気にかけてくる。 「…いや、なんでもないよ。」 とそっけなく返事をする。 急になぜそんな気持ちになったのか考えを巡らせてみる。 そういえばこの時期になると早く次にゆきたいような、今をもっと味わいたいような、 微妙な時間感覚の中に彷徨い出すようなビビッドな感触を覚える。 …多分、唐突にそんな感覚を感じたからなのだろう。 そう一人納得していると、その様子を見たかがみが話しかけてくる。 「なんでもないって?ほんとに?」 ほんとはなんでもないって訳ではないが、二人に話しても本当に反応に困るだけだろう。 よし、ここは。 「あのさ…今日本で問題になっていると言えば、老人のゲートボール離れじゃない、奥さん。」 「いや、一回も聞いたことない。そんなの。てか、誰が奥さんだ。」 よし、通常運転に戻った。このまま続けよう。 「あ~くだらない内容だった。気にかけて損した。」 「いやいや、重要なことだよ。でね普及のためにアニメ化が効果あると思う。 …わしの名前はゲートボーラー米蔵。ひょんなことからゲートボールの神様に出会ってしまっての。 そこから始まる、愉快痛快寿ストーリー。新番組『ゲートボーラー米蔵』。 毎週火曜朝四時放送。転がれーワシの寿命よりも長く。」 「ワシの寿命よりながく――。」 つかさも一緒に最後のフレーズをハモってきた。 「誰が見るんだよ。何今の決め台詞。ワシの寿命よりも長く…縁起でもない。 あと朝四時、早い。それとつかさもハモってくるんじゃない。」 「えへへ、気に入っちゃって。つい。」 「あと今ならワシのサイン入り入れ歯をプレゼント。」 「いらねえよ。って、なんで寝てんのよ、おい。」 「いや、夢落ちにしようと思って。」 「なんだよ、その発想。」 「なんかうやむやにしたくなって。」 「うやむやにしたくなってじゃないわよ。 ほんとに寝るな、お~い起きろ。お~い。」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「お~い、お姉ちゃ~ん、ここで寝ると風邪ひくよ~。」 「う~ん、ゆ~ちゃん?」 気がつくと、目の前に従妹である小早川ゆたか、愛称ゆーちゃんがいた。 しかも自宅リビングのこたつにはいっている。 あれ、たしかさっきまで高校の通学路にいたはずなんだけど? もしかして夢だったのだろうか。 たまに妙にはっきりした高校時代の夢を見るんだよな~。 そんなに思い出深いのだろうか? 徐々に意識がはっきりし始め、女子大生である私は猫のイラストが プリントされた部屋着にどてらを羽織った姿でこたつの上に突っ伏した。 「あけましておめでとう。お姉ちゃん。」 「あけましておめでとう。ゆーちゃん。」 簡単な年始の挨拶をしてきたゆーちゃんに対し、 体をゆーちゃんの方へ向け簡単な年始の挨拶をする。 もう年が明けたんだ。ってことは毎年恒例のコミケから帰ってきてすぐ突っ伏してしまったみたいだ。 あ~紅白の水樹奈々を見逃してしまった~~~。やってもうたーーー。 しょんぼりしながら、自分のケータイの表示を見てみる。 ふざけてかがみを押し倒した画像の待ち受け画面に2013年1月1日6:00と表示されている。 そう今日は1月1日元旦、昨日は大みそかおよび冬コミ最終日で帰ってきてすぐ寝てしまった んだった。 ふざけてかがみを押し倒した画像を見て、ゆーちゃんがかなり呆れつつぼそっと 『ホントにあったんだ、その画像…』と呟く。 ごめんねゆーちゃん。この画像は私のエネルギーの源なのだよ。これだけは譲れない。 その画像を見て思い出したのか、ゆーちゃんが話しかけてきた。 「そういえば柊先輩のところの神社、初詣の参拝客が増えたみたいでかなり忙しそうだね。 東京メトロのメトロガイドでも紹介されていたしね。」 「そうだね、年末年始はそうとう忙しいみたいだね。かがみとつかさには年末年始はこっち からの連絡は控えているからね。でもそろそろ休憩に入るんじゃないかな。」 「よく分るね。お姉ちゃん。」 「そりゃ何度もかがみん家の神社に初詣しているからね…そうだ、今から神社行ってみようかな? 今から行けばかがみたちの休憩時間に間に合うだろうし。」 「今から行くの?すごく寒いよ。大丈夫?」 「平気、平気。それじゃ、行ってくるね。」 そう言うが否や自室へ戻り、すぐに着替え、家の外へ出る。 まだ夜の帳は大分おりていたが、東の空からわずかに日が昇っており、 空は日の光と夜の闇のコントラストが出来ており、太陽と月の両方が見え、 空気もとてもクリアになり遠くまで見通せるようになっているからか、 見慣れた日常の光景にも関わらず、不思議と幻想的なものを見ている気持ちになった。 外の空気も案の定、とても冷たく空気がキンとした感じがしていたが、なんていうかわくわくしていた。 正月は見るもの感じるものすべてが、何か新しく感じるのが不思議だ。 突拍子もなく出てきたが、こんな不思議と楽しい気持ちの中、普段居心地の良い場所を作ってくれる 親友、特に自分の言葉にできない心の奥底にある気持ちをすくって、見てくれるかけがえのない 存在に会って笑いあいたい。天の邪鬼で素直でないけど情に厚い子に。 特にさっきまでその子と楽しく過ごしていた時の夢を見ていたからなおさらだ。 そんな気持ちだからこそ唐突だけど、飛び出してきてしまった。 それでは行ってこよう。 こうして私は自宅駐車場に止めてある、自家用車であるセダンに乗り込み 朝もやが出来始めた街に向かって、鷹宮神社へと進んでいった。 県道 加須幸手線を通り、鷹宮神社付近に辿り着き、鷹宮神社の臨時駐車場へ車を駐車させる。 そして鷹宮神社へと歩いて行った。 境内は、ピーク時を過ぎたからかわずかに列が短く、思ったよりも早く本殿へと辿り着いた。 そして神社の社務所へと向かうと、巫女装束姿のつかさがいた。 「つかさ、あけおめー。」 「こなちゃん。あけましておめでとー。今から休憩だから。」 「そっか。そういえばかがみは?」 「お姉ちゃんは今別のところにいるから、休憩時間に合わせてもうしばらくしたらこっちにくるよ。」 「…そーなんだ。」 そうやって返答する私に対して、つかさは。 「お姉ちゃんいなくて寂しい?」 ととても返答に困ることを言ってきた。 かなりドギマギした私は。 「そ、そんなことはナイデスヨ?」 と焦り気味に返した。なにを言うかな~?この子は? 「え~?こなちゃん、お姉ちゃんといるときと普段の時、大分落差あるよ。」 「いやいやいつも平行線デスヨ?ワタシ…」 「自覚していないだけだよ~。どちらかっていうとお姉ちゃん目当てで来たんじゃない?」 「二人に会いたくて来たんだよ~。やだな~。」 「ホントに~?」 「ホントだよ~。…うう、つかさのクセに(小声でボソッと)。」 そんな風につかさにいじられるやり取りをしていると、遠くから髪を一結びにし巫女装束を着た かがみがやってくるのが見えた。 よしここは、かがみ対して何かアクションして紛らわそう。 「(和太鼓を叩くジェスチャーをしつつ)一ぼっくり、二ぼっくり、三ぼっくり食べたい。 四ぼっくり食べたら腹壊す。」 「一ぼっくりでも腹壊すわよ、こなた。一体なんなのよそれ?」 境内にある松の木に対して壮大なボケをかましていると、後ろからかなり呆れかえりつつ かがみが突っ込んできた。 「松ぼっくり祭り!!急に電波を受信して、やってみた。」 「なんじゃそら。私にも対応不可能なボケはあるわよ。」 「(小声で。でもこなたに聞こえるように。)ほら、やっぱり態度が全然違うよ。こなちゃん。」 とつかさが呟く。 確かにかがみとのやりとりはコントみたいになって、すごく楽しい。 だって、今かがみを見かけた瞬間に何かが始まった感じがしたんだもん。 気持ちそのものが明らかに変わったんだから、外から見ても明らかに変わっているかもしれない。 つかさの言うことも否定できない。でもそれでいいんじゃないかと思う。 だってすごく躍動的で楽しい気持ちになるんだから。それでいてどこか穏やかさを感じられる、 ハッキリ言って特別なんだ。 つかさやみゆきさんといるのも当然いいのだけれども、かがみは何かが明らかに違う。 だから 「うん、そうだね。」 とハッキリと返した。 そんな私に少し驚きつつもつかさは納得したみたいで、普段の穏やかな笑顔で返してきた。 いつも通りのやりとりを始めますか。 「かがみ…ひそひそ(耳打ちをする)」 「ちっちゃい声で『かがみ、実は整形してる?』って言ってんじゃないわよ。つーかしてないわ。 何年も付き合っているじゃないの。なぜいまさら言うのよ。」 「長年の疑問を新年の今言おうと思って…」 「そんなわけないないでしょ。」 「えっ!ちがうの、お姉ちゃん?」 「なんで双子の妹であるあんたが私の容姿を疑うのよ。 それこそあんたは生まれたころからの付き合いじゃないの。」 「いや~~お約束だよ、かがみん。」 「「ね~~」」 「うるさ~い。二人してハモってうなずいているんじゃないわよ。」 脱力系のいつもと変わらない光景に、ココロは安らぐ。 これから起こってゆくであろう出来事に期待が膨らむ。 こんな愛おしい日々を今年も始めてゆこう。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-10-29 10:45:41) - つかさがこなたをいじるかw &br()ありがとうございます -- 名無しさん (2014-12-28 08:27:41) - 今年はらき☆すたが10周年だから、ここも盛り上がってほしいですね(・ω・) -- 名無しさん (2013-01-18 22:53:49) - 久しぶりに、こなかがをと訪れたら今も更新されているとは! &br()すごい!! -- な (2013-01-04 05:42:31) - タイムリーな新作ですね、楽しく読ませていただきました。 &br()ありがとうございます。 -- kk (2013-01-02 22:04:39) **投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください) #vote3(18)

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