プロジェクト・こなかがX 挑戦者達

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「えーと、これで良いんでしょうか……?あ、こんな感じで、ハイ」

 ――これは、泉こなたと柊かがみという2人の少女、その淡い恋を応援する、挑戦者達の物語である。

 ~プロジェクト・こなかがX 挑戦者達~

「風の中のスバル~♪」
「ゆきちゃん、何してるの~?」
「あ、ちょっとお笑いを練習してみました……それだけです」

 というわけで、放課後の学校。
 人影もまばらになり、窓から紅く差し込む光と相まってうら寂しく感じるものだ。
 が、確かに人数は減るが、外では運動系の部活が、ある部屋では文化系の部活が、それぞれ活動していて熱気を感じさせる。
 で、ここは文化系の中でも特に異彩を放つ‘アニメーション研究部 通称・アニ研’の部室である。
 この物語の主人公といい加減言うのも面倒になってきたし、シリーズ物なのでそろそろ御馴染みになってきたと思うので、紹介を省く4人組も今、ここにいる。
 さて、受験生であり、ましてやアニ研とまったく無関係な4人が何故ここにいるのかと言うと、
「機関紙を作る?」
 と言ったのはかがみ。さり気なく、そして当たり前にこなたの隣に立ちながら、その手をそっと掴んでいる。いや、実に微笑ましい。
 本人にそれをやってる自覚が無いのだから、いや全く……。
「そうッス」
 答えたのはアニ研メンバー、田村ひより。こなかがの様子を見ながら必死に何かを堪えている様が、逆に怪しい。

「えっとッスね。我がアニ研も、一応研究部って事になってるんで、なにか成果物を出さなくちゃいけないんですけど……え~と……」
 どもるひより。4人を呼んだ理由を今、考えているからだ。
 前回のことは、お読み頂いた方なら分かると思うが、兎に角、みゆきによってひよりがこなかがをくっつけるために捻り出した案、ラブレター。日本語で恋文。
 でもラブレター、なんて素直に書くわけ無いじゃない?だから、尤もらしい理由を考えることになったのだが、
「えっと、えっとッスね」
 思いつかなかったらしい。

 その様を見たみゆきはそっとかぶりを振ると、コホン、と咳払いを一つ。
「その成果物として、どうやら、アニ研の方で‘去りゆく三年生に思い出を’と言うコンセプトの元、文芸部と合同で機関紙を作ることにしたようです」
「成る程ねぇ~、で、私達が呼ばれた理由は?」
 と、こなた。かがみより背が低いので、手を掴まれると自然、引っ張られると言うか寄り添う形になる。
 当然、本人はそんな事してる自覚は無いわけで、でもかがみのことは好き。
 さて、みゆきは苦笑しながら、
「実は、アニ研、文芸部共に手が足りない状態で……文芸部にいたっては仮入部者一名。
 ですから、3年生にも‘後輩達に足跡を残そう’をコンセプトに一筆願いたいそうです。ね、田村さん?」
「そ、そうッス!いや~、困ってるわけでして」
「ふ~ん、理由は分かったわ。でも、何で私達な訳?」
「ギ、ギクゥッ……え~、高良先輩?」
 そろ~り、ひよりがみゆきを見る。
 苦笑を深くしたみゆきは、両掌を上に向け、肩を竦めながら、
「かがみさん、泉さん。文化祭でチアをやったこと覚えてますか?」
 頷く、2人。それを見てから、
「どうやら私達は、それで目立ってしまったようで、ありがたくも3年生代表を拝命したようです」
 いかにも困った、と言った感じで話すが、でまかせ、嘘っぱち、アドリブ。
 本当ならひよりにここまで考えていて欲しかったのだが、まぁ、仕方が無い。
「受験勉強もあるから、と最初はお断りしたのですが。是非にと、アニ研部長の八坂さん、そして文芸部仮入部者、みなみさんに頼まれたものですから」
「ほほぅ。みなみちゃんが文芸部員……通だね、ひよりん」
「あ、分かります?」
「勿論!眼鏡は、あり、なし?」
「なしのほうッス」
「ちょっと、その手の話は後にしなさいよ」

 さて、かがみがツッコンだ所で、本筋へ回帰。
「じゃあ、みゆきには最初に話が言ってた訳?」
「はい。それとつかささんにも。ね?」
 バトンを渡されたつかさはコクコク頷く。ボロを出さないように、喋らないで、とみゆきの目は語っているので、頷くだけ。
「お昼休みの時に泉さん、かがみさんのご意見も聞こうと思っていたのですが、つい、ウッカリ……すみません」
「ドジなみゆきさん、萌え~」
 ギュ、とこなたの手を握るかがみの手に力がこもる。
 好きだと自覚はしてるのだ。好きな相手が、別の人に好意を向けるような発言は腹立たしいのだろう。
 いや、これで両想いと気が付かないのは何故?と小一時間問い詰めたいが、それはくっついたときにでも聞いてみよう。
「事後承諾になってしまいますが、よろしいでしょうか?」
 と、みゆき。事後承諾なら、
「いいかなんて聞かなくても、やるしかないんでしょ?」
 と、かがみ。
「理解が早くて助かります」
「はぁ……で、私達は何を書けばいいの?」
「それは、田村さん」
「あ、はいッス」
 さて、ひよりが持ってきたのはお菓子箱。但し中身は勿論お菓子なんかじゃなく、
「今からクジで決めるそうです」
「うわ~、適当だよ、ひよりん」
「すいませんッス……」

 さて、このシリーズを前から見て頂いている方ならお分かりになるだろうし、そうでない方でもピンと来ないか?
 この世の中には、運命、と言うものが存在する。それを占うのがクジな訳だが、作るのは人の手だ。
「さぁ、まずは泉さん、かがみさんからどうぞ」
 ズイ、と差し出されたクジ箱。何の気なしに引く二人。引いた紙に書いてあるのは、
「「恋愛小説?」」
 ニヤリ。眼鏡を抑えるみゆき。頭を抱えるひより、苦笑するつかさ。
 絶対運命決定力クジ鷹宮神社で好評発売中!
「高良先輩も、柊先輩もどうぞッス」
 みゆき、つかさの順で引く。
「ちょ……みゆきさんか、つかさのどっちか、代わってくんない?」
「同感」
 と、こなかが。
 みゆきは引いた紙を表にしながら、
「恋愛ミステリでよろしければ」
 つかさは、
「恋愛面白エッセイ、でよければ」
「「はぁ!?」」
 また二重奏。
「え、何?最近、恋愛物が流行ってるの?」
 と、こなた。ひよりは、やや冷や汗をかきながら、
「いやあ~、それがッスね……」
 返答に困る。だって書いたの私じゃないし。と言いたい、でも言うとみゆきが何をするか分からない。
 どうしようか。と考えた時、救いの主が現れた。

「そうだ。恋愛物が流行ってる」
「桜庭先生!」
 そう、アニ研顧問にして3年C組担任、桜庭ひかる。
「いいか、他人の恋愛程、馬鹿馬鹿しくどうでもいいことは他にないが、冷やかしていて楽しいのもこれ以外に無い」
 言い切った。まぁ、同感。
「と、言う訳で。このクジは桜庭先生がお書きになったものです」
 嘘。書いたのはみゆき。でも、言い返すのもだるいので桜庭先生は何も言わない。これも計算の内。
「でも、内容が何気にハ○ヒのパクリっぽい上に、アニ研と関係ないような気がするんだけど」
 と、妙に鋭いこなた。みゆきは眼鏡の位置を直すフリをして表情を隠す。
「文芸部の方が人数が少ないからでしょう。それに、パクリではなくインスパイア、若しくはリスペクトです」


 さて、場面転換。ここは3年B組の教室。
 何故、ここに場面が変わったか?主人公が移動したからさ。
「で、私達がモデルな訳?」
 とは、ジト目のかがみの談。ひよりはやや押されながら、
「は、はいッス。今回載せるのが恋愛漫画でして……」
 必死に言い訳。
「お2人の身長差が、丁度イメージピッタリでですね。是非、モデルを、と」
「でもさ、教室の机とか片付けて、場所作ってある辺り、やっぱり事後承諾じゃん」
 少し、頬を膨らませるこなた。
 ピク、かがみの腕が動いた。ピキーン、ひよりの直感が光って唸る。
(アレは、自重しろ、自重しろ、私。の構えッス!むぅ、柊先輩中々どうして……)
 いやいや、と首を振って。とりあえず、
「抱き合ってください」
「はぁっ!?」
「な、何で!?」
(ハッ、いかん。自重できなかったのは私ッスか!?)
 うっかり口が滑った。田村ひより、人生で何度目かの大ピンチ。
「そういった場面もあるらしいですよ」
 と、言いながら現れたのはみゆき。とりあえず、文芸部員(仮)のみなみにも話をつけてきた。
「ご安心を。学校内で作るものですから、一般向けです」
 要るのか要らないのか分からないフォローをいれて、教室の隅に落ち着いた。
「さ、どうぞ」
 両手を向ける。
「出来るかっ!」
 とはかがみ。
「大丈夫。私達はいないものとして考えてください」
「いや、みゆきさん、そういうことじゃなくて……」
 と、こなた。
「ああ、田村さん、他にご注文は?」
 さらりと、まるでいないのはこなかがである様に矛先を変えるみゆき。
「そうッスね……髪型を入れ替えて欲しいッス。髪の長いのが主人公で、相手役がツインテールの予定ッスから」
「と、いうことです」
 あくまで笑顔のみゆき。なんと言うかもう、
「やること決定?」
「ハイ」


 さて、髪型チェンジ&ポジション確保。
「そうッスね、もっとこう……抱きしめる感じで」
 スケブ片手に、ペンを立て。マジモードひよりん。ちなみに、マジモードで完成すればどうなるかは……ご想像にお任せします。

「なんか、ツインテールじゃないかがみって、新鮮だね」
 至近距離でこなたが呟く。
「あんたも、髪型変わってるの、珍しいわよ」
 こなたの肩に手を回しながら、かがみも呟く。
「それに、かがみ温かいし」
「ばっ!恥ずかしいこと言わないの。さっさと終わらせるわよ」
「直ぐに、離したい?」
 上目遣いに、更に声を潜めて、こなたは呟いた。
「私は、もう少しこうしていたい」
「こなた……」
「かがみは?どう?」
 問われる。身長差から、こなたの吐息が丁度胸の辺りに当たって、くすぐったい。
 フワ、とこなたの髪から甘い香りがした。
「かがみの心臓、ドキドキ言ってるよ。私には、丁度聞こえる、かな」
「……私にだって、あんたのドキドキ、伝わってるわよ。だって、抱きしめてるんだもの」
「じゃあ?」
「私だって、もう少しこうしていたい、かな」
 かな、のアクセントにこなたの真似をしてみる。目が合う、クスリと笑いあった。
「じゃあ、いいよね」
「うん」
 ツと、顔が近づいた。合宿中に一回、キスをしてしまったが、アレは事故だったと、両者の間で暗黙の了解。だが、今回は、
「あのね、私、後でかがみに聞いてもらいたいことがある」
「私も、後でこなたに聞いてもらいたいことがある」
 目を閉じるこなた。その唇にゆっくりと近づいていくかがみ。

「おお、なんかいい感じッス」
「しー、静かに。今が正念場です」

 ゆっくりと、ゆっくりと、まるで永遠の刻をかけるかのように、その距離を縮めていく、唇。そして、
「WAWAWA、忘れ物~♪」
 闖入者。入り口で固まる谷……白石みのる。
 ス、と後ずさって、
「スマン……ごゆっくりぃ~!!!」
 現れた時同様、突然去って行った。後には、気まずい空気。

「あ、あ~。もういいよね、ひよりん」
「そ、そうよ。ここまでやったんだから、ちゃんと完成させてよね」
 離れる二人。そして、
「実は聞いてもらいたかったことって、ゲ○ズ寄らない?ってことでさ~」
「そ、そう。私も、ラノベの新刊発売日だから、行かない?ってことだったのよ」
「そ、そうだよね~」
 なんて、笑いあいながら、ささっと荷物を纏めると2人は帰ってしまった。

「あ、あの~……高良先輩?」
「……やれやれ」
 次の日、3年B組に欠席者が出たのは言うまでも無いだろう。





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  • 白石、許さねえぇぇぇぇ!!! -- 白石消去委員会 (2013-02-11 15:05:55)
  • 白石ぃィィィ!! -- 名無しさん (2012-12-20 20:40:24)
  • 白石乙! -- 名無しさん (2009-11-14 19:08:01)
  • みゆき、地上の星か・・・w -- 名無しさん (2009-11-14 09:42:40)
  • 消されたww -- 名無しさん (2009-04-27 02:02:24)
  • 白石ww -- 名無しさん (2009-02-01 09:25:24)

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