友達じゃなくなった日

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私はかがみが好き。

口では否定しているけどかがみはツンデレで、可愛くて、優しくて……。

でも私とかがみは女の子同士、普通じゃない。

かがみに知られたら……嫌われてしまう……。

だから私は心の奥底に閉じ込める事にした。

絶対にかがみに知られない様に、本当の気持ちを封印して……私はかがみ達と一緒に居る。



――友達じゃなくなった日――



「でさー、そこで……」


「ホント、アンタはそればっかだな」


「えーと……それは面白いのかな?」


「ど、どうでしょうか……?」


いつもと変わらない日常。

毎日学校に行き、昼休みにかがみ達と絡み、放課後お喋りをして帰る。

……正直に言うね……。

……物凄く苦しいよ……。

だって……好きな人がこんなにも側に居るんだよ?

だけどこの気持ちを表に出す訳にはいかない、かがみに知られる訳にはいかない。

……かがみ……私……かがみが好きなんだよ……?

かがみはどう思ってるの……?

やっぱり……同姓愛なんて……嫌だよね……。


「でさー……ってこなた?」


「え?な、何!?」


……しまった……かがみの事を考え過ぎた……。


「どうしたの?上手く説明出来ないけど……何か変よ?」


「……変じゃないよー?それともかがみんは私の事心配してくれるのかな~?」


「……当たり前でしょ」


……え?


「かがみ……?」


「だって私達は親友じゃない、当然心配するわよ」


『親友』

この言葉が私の胸を貫く。

親友……そう……私達は親友なんだ……。


「だからさ……困っている事があったら相談しなさいよ?話ぐらいは聞いてあげるから……」


「……大丈夫だよー?私に悩みなんて無いの一言!」


「また何かのアニメネタか?」


「かがみよ……だからお前はアホなのだぁ!!」


「知らんわ!!」


相談……出来る訳ないよ……。

親友……私は……親友じゃ嫌だ……。

でも……親友でいたい……。

……どうすればいいのかな……?


――――――――――
「えーと……うわ……また失敗しちゃった……」


家に帰ってから私はかがみの事ばかり考えてしまい、何にも集中する事が出来なくなってしまった。

ネトゲも何だかやる気がしない……漫画も読んでいるとかがみの顔が浮かび上がってくる。

一旦忘れようとして格ゲーをやっても全く集中出来ない。

今まで出来てたコンボも今は失敗してしまう。


「……はぁ……」


格ゲーもやる気が失くなってきたので消す。

さっきから重い空気が部屋を支配している。


「……かがみ……」


目を閉じるとかがみの言った言葉が蘇ってくる。

――親友。

この言葉を思い出す度に胸が痛くなってくる。

私は親友の一歩上に行く事を望んでいる。

でもかがみに拒絶されたら……私達は親友ではなくなってしまう。

それどころか気持ち悪がれて二度と話す事が出来ないかもしれない。

……でも……かがみを諦める事なんて……出来ない……。

気が付くと私はいつの間にか眠っていていた。

そして、遅刻して先生にいつもの様に怒られた。


――――――――――

昼休み、私達はいつものように皆でご飯を食べている。

勿論私はチョココロネをはもはもしている。


「そういえばさー、同姓愛についてのニュースがやっててさー」


かがみから出た言葉に私の時間が止まる。


「もうニュースの人が物凄く批判しているのよ、『有り得ない』、『人としての道を外れてる』って」


私の心に深く突き刺さる。


「確かに……世間には受け入れられていない事ですからね……」


もう皆の声が私には届いていない。


「でも……なんか悲しいな……同姓の人を愛しちゃいけないなんて……」


気持ち悪い、頭が痛い、なんか胸の中がドロドロする。


「……よね、私は……同姓愛……有り得ない……人間じゃないって思う」


かがみの言葉に私は絶望の底へと突き落とされた。


――――――――――

気が付くと私は屋上に居た。

耳鳴りが酷くて何も聞こえない。

まだ昼なのに真っ暗。

そして……泣いていた。

やっぱり……かがみは駄目だったんだ……。

分かっていたよ、これが普通なんだっていう事を。

……私は普通じゃなかったんだ……人間じゃ……なかったんだ……。

……どうして女の子だったんだろう。

どうしてかがみは女の子だったんだろう。

もしどちらかが異性だったなら……こんな事にならなかったのに……。

……諦めるしかない、かがみは普通、私は普通じゃない。

……でも……諦めるなんて……出来ないよ……!!

かがみ……かがみぃ……!!


「こなた!!」


何も聞こえない……そのはずなのにかがみの声が聞こえた。

振り返ると……かがみが息を切らせながら立っていた。


「か……がみ……?」


「……アンタ……何で……泣いているのよ……?」


私は慌てて目を擦る……逆効果だ。


「な、何でもない!!何でも……ないよ……」


「嘘つき」


かがみはピシャリと言う。


「何でもない筈なら急に泣きながら走る訳ないでしょ?」


……その通りだ……。


「……かがみには……関係ない……事だよ……」


「また嘘ついてる」


……え?


「私は気付いてた、気が付くとアンタが私の事をずっと見ている事を」


……そんな……気付かれてたなんて……!!


「それにさっきだって私の言った事に反応してたしね」


知られちゃ駄目なのに、知られたら……全部駄目になる……。


「だからさ……私が関係してるんでしょ?……教えてこなた」


「……だから……何でもないって……」


「こなた」


かがみは私の事を見据えている。

全部見透かした様に……。


「…………っ……ひっく……」


言えない、言ったら絶対に嫌われてしまう。

同姓愛なんて……間違っているのに……!!


「泣いたって分からないわよ……言ったよね?話ぐらいは聞くって」


「……でも……話したら……親友じゃ……なくなっちゃう……」


「最初から決め付けないの、話してみなさい」


……もうごまかせそうもない、封印した筈の想いが今にでも溢れ出そうだ。

……絶対に……嫌われる……。


「……言え……ない……」


「それは駄目、話しなさい」


「……うぅ……」


「…………」


かがみは一歩も引かない。

だって……だって……普通じゃないよ……こんな……話……。


「……私がこなたを泣かせたのかな?」


「違うよ!!」


反射的に否定する。

かがみが悪いんじゃない、私が全部悪いんだ……私の……。


「違うよ……全部……私のせい……だよ……」


「そんな訳ないでしょ……」


「だって…………だって……」


――かがみの事が好きなんだもん!!――


……新しい風が吹き抜ける。

ついに抑え切れなくなってしまった私はかがみに普通じゃない想いをぶつける。


「……ずっと……ずっと……好きだった……好きだったけど……これは……普通じゃ……ない……」


これは人間の見えないルールからはみ出した物。


「気持ち悪いよね?女の子を好きになるなんて……だから……もう……かがみとは……親友じゃなくなっちゃったんだ……」


「……そうね」


……やっぱり……そうなるよね……。


「私達はもう親友じゃないわね、だって……」


ついに訪れた絶望への瞬間。

これから私はどうやって生きていこう、どうやって……。


「…………私も……こなたの事が好きだから!!」


……え?


「……嘘……」


「嘘でこんな事は言わないわよ」


……何で?どうして?


「だって……かがみ……同姓愛は人間じゃないって……」


「そんな事言ってないわよ?」


「だって!!さっき教室で……」


するとかがみはため息をついて……。


「こなた、勘違いしてるよ」


「え…………」


「私は同姓愛を批判している人が人間じゃないって言ったのよ」


……嘘だぁ……こう簡単に都合よくなるはずがない。


「確かに気持ち悪がる人も居る、でも私は気持ち悪がらない、私も……同じだから」


……という事は……両想いって事……?


「ほら……そんな所に立ってないで……おいで」


かがみが両手を突き出して私に来いと言ってくる。


「……で、でも!!私達は親友じゃないって……!!」


「まだ分からないの?こなた」


するとかがみは私の方へと歩いて来て……抱きしめてきた。

そして……かがみは言ってくれた。


「私とこなたは……」


――恋人同士でしょ?――

  • END-


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  • GJ! とても読みやすくてすばらしいSSでした。
    長い文章ではないのに、そこにこめられたものをしっかりと
    感じさせてもらえる、SSのお手本のような話だと思います。
    ですが、私は「人間じゃない」という言葉は少し過激ではと
    思います。
    終わり方が暖かですばらしい分、どうしてもそこが気になって
    しまいました。あくまでも一個人の意見ですが、参考にしていた
    だければと思います。次の作品も楽しみにしています。 -- 名無しさん (2009-02-01 08:01:43)
  • 泣けました -- ラグ (2009-01-30 12:24:05)


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