「初めてのデート【午前】」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

初めてのデート【午前】」(2023/05/24 (水) 13:15:15) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

初めてのデート【午前】 --------------------- カーテンを開けると、そこはよく晴れた朝だった。 やっと来たね、今日の太陽。待ってたよ。 金曜の夜はネトゲで朝まで、なんて生活が日課な私だけど、昨夜ばかりは違った。 なんとこの私がゆうちゃんより早く寝たんだから驚きだよね。 起きてすぐにお風呂に入った。うわっ、乙女ちっくだな私。 今朝のご飯は私が当番。パンを3つに目玉焼きを3つ。サラダ3つよそって、牛乳2つにお茶1つ注いで出来上がり。簡単だね。 「「「いただきまーす」」」 朝食を3人で囲む。私の気持ち的には4人だけどね。 お父さんは牛乳飲んでる私に言った。 「こなた~、今日デートなんだろ?」 「!ぶはっ、…!!、げほげほ。…し、知ってたの?」 不意打ちにもほどがあるよ、全く。てゆうか、デートばれてたのか…隠してるわけじゃないけど。 「いやぁ、早寝・早起きで朝風呂と来たらもうこれしかないかなーなんて」 「それだけかい…」 流石は小説家。見抜かれた。ちょっと恥ずかしい。 「そうなんだ、お姉ちゃん…がんばってね」 にこっと言うゆうちゃん。がんばれって、まぁ、うん。がんばるよ。 900 :名無しさん:2008/10/23(木) 00:14:29 ID:yAAJYOhA 「ありがと、ゆうちゃん。ゆうちゃんこそ、みなみちゃんにいっぱいアピールするんだよ~」 するとゆうちゃんの顔がボッと音がするくらいに紅くなった。可愛いねぇ~。 「もぅ、お姉ちゃんってば~。私とみなみちゃんはそんなんじゃなぃって」 そんな様子を見ながらお父さんは言った。 「なあ…なんでうちの娘はみんな百合なんだ?」 「…!!」 それは言っちゃいかんでしょう。ゆうちゃんはまだその域には達していないんだし。 てゆうか、ゆうちゃん傷つくかもよ? 当のゆうちゃんは百合=花のようで、頭に?を浮かべていた。 「百合って花ですよね?でも意味が通らないし…さっきのってどうゆう意味なんですか?」 「いやぁ、それはなあ…」 ふふふ。焦ってるね、お父さん。 「…こなた、答えてあげなさい」 なっ!き、きたない。逃げたな。 私はまぁ、適当に答えることにした。 「…花より美しいなにか、かな?ひ、ひよりんに聞いてごらん…」 朝食の片付けはゆうちゃんがやってくれた。 洗濯物を干し終えると、短い針が8と9の間を、長い方が6を指していた。 つまるところ、8時半。 だいたい予想通り。さて、行く準備をしますかな。 昨日からずっと考えた、今日の服。いろいろ考えたけど、日中の暖かさから考えて七分袖にした。その上に半袖でレイヤード。下はスカートにしようかな? 出かける前に、仏前へ。 お線香をあげて、いつものように拝む。 「お母さん、行ってきます」 --------------------- 「もうすぐ来る時間ね」 腕時計を見ると、9時55を過ぎていた。ちゃんとあと5分で来るかな? 玄関先に出て待つ私。 本当はどっか駅とかに待ち合わせがよかったんだけど、こなたはなぜか私の家の前を指定した。なんでだろ? 「お~い、かがみ~ん」 「!」 声のする方へすぐに振り返るとその先には、私の恋人が近づいてきていた。 私は近くへ、かけてゆく。 「待たせたかな?」 「待つもなにも、時間通りよ。ほら」 と言って腕時計を見せると… 「計画通り。ニヤリ」 なんて言った。またなんかのネタだろうか? 改めてこなたを見ると…なんかめちゃくちゃオシャレじゃない。お決まりだけど、言わなきゃね。 「に、似合ってるわよ」 そう言うとこなたはパァーと顔が明るくなった。 「おぉ、まさにデートの決まり文句!」 茶化すなっての。なんか恥ずかしいじゃない。 「ありがとね、かがみん。かがみんも似合ってるよ~、その格好」 …!結構、誉められるのって恥ずかしい。 「あ、ありがと…」 そんなことしか言えない自分が少し嫌だ。口下手だな、私って。 「じゃ、行こっかかがみん♪」 手を差し伸べるこなた。 そのこなたは、ほんとに嬉しそうで。 その純真無垢な瞳がまぶしくて。 ますます恋に落ちそうだった。 こなたをこんなにも好きになれて、ほんとによかったな。 手をとって、私は言った。 「よし、行こっか。私とこなたの初デートに」 ----------------------- 「ところでさぁ、なんで待ち合わせは私の家の前が良かったの?」 かがみは私に聞いてきた。できれば言いたくないな…。 「いいじゃん、別になんでも~。細かいこと気にしてるとモテないよ~?」 するとすぐに返答するかがみ。 「別にモテなくったっていーわよ。私は、…こなたがいればいいし」 …それはそれは可愛かった。頬を紅らめながら、ツンとしながら、言うかがみ。 私の恋人の、かがみ。 かがみはやっぱり、世界最高のツンデレなんじゃないのかな? ギュッと抱き締めたくなる衝動におそわれたが、まだ午前中だし。やっぱそうゆうのは別れ際とかだよね。 だから、ブレーキを頑張ってかけた。 そうに言ってくれたお礼に、私は耳元で囁く。 「ありがとね。だいすきだよ」 言って無性に恥ずかしかったけど、それはお互い様。 たぶん2人して、顔は真っ赤だったろうな。 -------------------- 「お昼はなにがいい?」 私はこなたに聞いた。チョココロネが好きなこなただけど、こうゆう時って何を食べたがるのかな…。 「いつもと同じでもいいけど。マックとか?」 …拍子抜けしちゃった。こなたらしくていいんだけどね。 こなたらしい。やっぱり、それに尽きるのかも。 「じゃ、そうしよっか」 「うん♪」 ま、あんたと一緒なら何でも美味しいんだけどね。 店内へ入った。まあまあ混んでた。お昼時だし仕方ない。 レジの列に2人で並んだ。何を食べるかな? 「こなたは何を食べるの?」 こなたは頭上のメニューを見ながらちょっと悩んで、答えた。 「私はチーズバーガーかなぁ?あ、かがみんはやっぱりビッグマック3つとか!?」 アホか!!そんなに食べられん。 とゆうか… 「今ダイエット中だし」 するとこなたがニヤニヤしだす。よくない兆候だ。でも、…かわいいんだよなぁ。 「ということはダイエットしてなければ食べる、というより食べられるんだ♪かがみの食いしんぼ♪」 …やっぱりいじってきたか。 「なんでそーなる!食べられないから!」 即座に反論した。 でもこなたはまだ何か言いたそうだ。こいつめ。 「なんでそんなにかがみはダイエットするの?全然太ってないじゃん」 …予想だにしない言葉に拍子抜けしちゃった。本日2度目。どうせまたからかってくるとばかり思ってたから。 それに、そこは聞かないで欲しかったなぁ…。言いづらいんだもん。 「べ、別にいいでしょ?私の勝手なんだし」 適当に返した。そうしたらこなたは言った。 「もしかして、私の為とかじゃないよね~?」 ず、図星…。 そう。 私はあんたの為にしてるのよ、ダイエット。 あんたみたいにかわいい人の恋人なんだから、ふさわしい人になりたいのよ。 キレイになりたいのよ…。 そう思ったら、気づいた。 これって、結局自分の為なんじゃないのかな。 こなたにふさわしくなりたい。 可愛くて。 いっつも適当なくせに、でも意外と現実的で。 そんなこなたに、お似合いだねって言われるようになりたかった。 でも恥ずかしくて。 ついついあんたの為だ、とか思うようにしちゃってたんだね。 こなたと付き合いだして、こなたの知らない面をどんどん知っていった。 恋人じゃなきゃわからないことがたくさんあった。 こなたをどんどん好きになっていった。 まだまだ私の知らないこなたを知りたくて。 でも、知れば知るほどあんたはすっごく魅力的で。 ほんとにあんたの恋人が自分なんかでいいのか、不安になっていった。 だからダイエット、してたんだ。 しなくちゃいけない気がしたんだ。 ――あんたにふさわしい恋人になるために。 「ねぇ、こなた。ほんとに、私なんかでいいのかな?…わ、私なんかが恋人にふさわしいのかな…?」 つい、言ってしまった。 いきなりこんなことを言われて、迷惑だったよね…。 こなたの目の色が、少し変わった。 そしてこなたは口を開く。 「かがみは…ダイエットなんかしなくても私にふさわしいんだよ?」 いつもの猫口なのに、なんか真剣さがあった。 こなたは表情こそいつも通りだけど、すごく真剣だっだ。 ずっとずっと心にあった気持ちを、言霊にした。 「今のまんまでもいいのかな?私」 すこし、沈黙。 そのあと、こなたは愛しさを含んだ笑顔で、言った。 「あたりまえじゃん♪…私だって、かがみにふさわしいかわからないよ。でも、そんなことはどうでもいいんだ。好きなら、それだけでいいと思ってるよ…。」 …そうなんだ。 その言葉を聞いて、わかった… 私の杞憂だったんだね。 こなたは私に、勇気をくれた。 自信を、くれた。 私はこなたにふさわしくなれた気がした。 ありがとう、こなた。 言葉で伝えなくちゃ、ね。 「あ、ありがと…」 つっけんどんになってしまった私のお礼。またこなたに惹かれちゃったからなんだからね? 「ふふん、やっぱかがみはツンデレさんだねぇ♪」 「ま、まあね」 なぜか普通に返せた。まぁ、ちょっと恥ずかしかったけどね。 「ちょっとかがみ~…素直に認めたらツンデレじゃないよ~」 ちょっといじけ気味。確かにそうかもしれないけど。でもこなた、あんたは。 「ツンデレじゃなくても好きでいてくれるんでしょ?」 こなたがこなたらしいのに尽きるように。 今度は自分が自分らしくいるように、こなたに貰った勇気と自信で頑張るよ。 「当たり前だよ、かがみん♪」 結局私は、こなたと一緒のものを注文した。 ----------------- 「速く速く、始まっちゃうよかがみ!」 「ま、待ちなさい、よ…」 ちょっとスピードを落とした。 流石のかがみでも私の足には着いてこられないのかな。 あんま無理させちゃ可哀想だよね…。私のせいなんだし。 さてなんで走ってるかと言うと… 私が映画の時間を間違っちゃったからなんだ。 映画の始まる時間を調べた時、何を間違えたか、12時30を13時30とメモしてしまった。 それに気がついたのがお昼ができるのを待ちながら、テーブルに座っていた時だった。 「このあとは映画だよね~」 「そうね。1時30から始まるから余裕でつきそうね」 暇だったから映画の時刻をみてみたら… 驚愕!! 「か、かがみ…」 「んー?どしたー?」 「ま、マツガエタ…」 「え…」 それからが大変だった。 店内に入った時は12時ちょうど。 混んでたから私たちが注文するのに待って10分。 なかなかできないハンバーガーを待つのに5分。 つまり15分で食べて映画館に行かなきゃなのだ…!! これはキツかった。 私たちは別に早食いなんて特技ないし。というか、かがみに早食いなんてさせたくなかった。 食べた後いきなり走らせたくもないよ。 でも、かがみは頑張ってくれた。 だから私も頑張った。 結果。 「ま、間に合わなかったか…」 時間を見ると、12時50。20分も遅れちゃ、もう入れない。 かがみにすごく申し訳なくなった。 せっかくのデートなのに。 間違えてしまった。 それでも頑張って食べて、走ってくれたのに。 「ごめん…かがみ…」 かがみの顔が見れなかった。自分の足元で精一杯だった。 あ…やだ。目から、雨が降りそう…。 おかしいな…いつもならこれくらいじゃ泣かないのに。 でも、すごく申し訳ない気持ちで一杯で、こらえきれなそう…。 「まぁ、仕方ないわよ。誰だって間違いはあるんだし…って、こなた…」 足元に、水の後がつく。 靴に、滴がぶつかる。 ほんとにごめん、かがみ…。 せっかく楽しみにしてくれてたのに。 私は台無しにした。 私はかがみに泣き顔が見られたくなかったから、その場から逃げ出した。 -[[初めてのデート【午後Ⅰ】>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/828.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - なんスかコレ? &br()妙に萌えちまうじゃねーですか(# ̄З ̄) -- 名無しさん (2012-08-17 18:41:20) - 店内であんな百合トークを⁈Σ(・□・;) &br()自重しろw -- 名無しさん (2010-09-25 23:59:36) - そうじろうwww &br()その発言はw -- 白夜 (2009-10-09 07:18:16)
初めてのデート【午前】 --------------------- カーテンを開けると、そこはよく晴れた朝だった。 やっと来たね、今日の太陽。待ってたよ。 金曜の夜はネトゲで朝まで、なんて生活が日課な私だけど、昨夜ばかりは違った。 なんとこの私がゆうちゃんより早く寝たんだから驚きだよね。 起きてすぐにお風呂に入った。うわっ、乙女ちっくだな私。 今朝のご飯は私が当番。パンを3つに目玉焼きを3つ。サラダ3つよそって、牛乳2つにお茶1つ注いで出来上がり。簡単だね。 「「「いただきまーす」」」 朝食を3人で囲む。私の気持ち的には4人だけどね。 お父さんは牛乳飲んでる私に言った。 「こなた~、今日デートなんだろ?」 「!ぶはっ、…!!、げほげほ。…し、知ってたの?」 不意打ちにもほどがあるよ、全く。てゆうか、デートばれてたのか…隠してるわけじゃないけど。 「いやぁ、早寝・早起きで朝風呂と来たらもうこれしかないかなーなんて」 「それだけかい…」 流石は小説家。見抜かれた。ちょっと恥ずかしい。 「そうなんだ、お姉ちゃん…がんばってね」 にこっと言うゆうちゃん。がんばれって、まぁ、うん。がんばるよ。 900 :名無しさん:2008/10/23(木) 00:14:29 ID:yAAJYOhA 「ありがと、ゆうちゃん。ゆうちゃんこそ、みなみちゃんにいっぱいアピールするんだよ~」 するとゆうちゃんの顔がボッと音がするくらいに紅くなった。可愛いねぇ~。 「もぅ、お姉ちゃんってば~。私とみなみちゃんはそんなんじゃなぃって」 そんな様子を見ながらお父さんは言った。 「なあ…なんでうちの娘はみんな百合なんだ?」 「…!!」 それは言っちゃいかんでしょう。ゆうちゃんはまだその域には達していないんだし。 てゆうか、ゆうちゃん傷つくかもよ? 当のゆうちゃんは百合=花のようで、頭に?を浮かべていた。 「百合って花ですよね?でも意味が通らないし…さっきのってどうゆう意味なんですか?」 「いやぁ、それはなあ…」 ふふふ。焦ってるね、お父さん。 「…こなた、答えてあげなさい」 なっ!き、きたない。逃げたな。 私はまぁ、適当に答えることにした。 「…花より美しいなにか、かな?ひ、ひよりんに聞いてごらん…」 朝食の片付けはゆうちゃんがやってくれた。 洗濯物を干し終えると、短い針が8と9の間を、長い方が6を指していた。 つまるところ、8時半。 だいたい予想通り。さて、行く準備をしますかな。 昨日からずっと考えた、今日の服。いろいろ考えたけど、日中の暖かさから考えて七分袖にした。その上に半袖でレイヤード。下はスカートにしようかな? 出かける前に、仏前へ。 お線香をあげて、いつものように拝む。 「お母さん、行ってきます」 --------------------- 「もうすぐ来る時間ね」 腕時計を見ると、9時55を過ぎていた。ちゃんとあと5分で来るかな? 玄関先に出て待つ私。 本当はどっか駅とかに待ち合わせがよかったんだけど、こなたはなぜか私の家の前を指定した。なんでだろ? 「お~い、かがみ~ん」 「!」 声のする方へすぐに振り返るとその先には、私の恋人が近づいてきていた。 私は近くへ、かけてゆく。 「待たせたかな?」 「待つもなにも、時間通りよ。ほら」 と言って腕時計を見せると… 「計画通り。ニヤリ」 なんて言った。またなんかのネタだろうか? 改めてこなたを見ると…なんかめちゃくちゃオシャレじゃない。お決まりだけど、言わなきゃね。 「に、似合ってるわよ」 そう言うとこなたはパァーと顔が明るくなった。 「おぉ、まさにデートの決まり文句!」 茶化すなっての。なんか恥ずかしいじゃない。 「ありがとね、かがみん。かがみんも似合ってるよ~、その格好」 …!結構、誉められるのって恥ずかしい。 「あ、ありがと…」 そんなことしか言えない自分が少し嫌だ。口下手だな、私って。 「じゃ、行こっかかがみん♪」 手を差し伸べるこなた。 そのこなたは、ほんとに嬉しそうで。 その純真無垢な瞳がまぶしくて。 ますます恋に落ちそうだった。 こなたをこんなにも好きになれて、ほんとによかったな。 手をとって、私は言った。 「よし、行こっか。私とこなたの初デートに」 ----------------------- 「ところでさぁ、なんで待ち合わせは私の家の前が良かったの?」 かがみは私に聞いてきた。できれば言いたくないな…。 「いいじゃん、別になんでも~。細かいこと気にしてるとモテないよ~?」 するとすぐに返答するかがみ。 「別にモテなくったっていーわよ。私は、…こなたがいればいいし」 …それはそれは可愛かった。頬を紅らめながら、ツンとしながら、言うかがみ。 私の恋人の、かがみ。 かがみはやっぱり、世界最高のツンデレなんじゃないのかな? ギュッと抱き締めたくなる衝動におそわれたが、まだ午前中だし。やっぱそうゆうのは別れ際とかだよね。 だから、ブレーキを頑張ってかけた。 そうに言ってくれたお礼に、私は耳元で囁く。 「ありがとね。だいすきだよ」 言って無性に恥ずかしかったけど、それはお互い様。 たぶん2人して、顔は真っ赤だったろうな。 -------------------- 「お昼はなにがいい?」 私はこなたに聞いた。チョココロネが好きなこなただけど、こうゆう時って何を食べたがるのかな…。 「いつもと同じでもいいけど。マックとか?」 …拍子抜けしちゃった。こなたらしくていいんだけどね。 こなたらしい。やっぱり、それに尽きるのかも。 「じゃ、そうしよっか」 「うん♪」 ま、あんたと一緒なら何でも美味しいんだけどね。 店内へ入った。まあまあ混んでた。お昼時だし仕方ない。 レジの列に2人で並んだ。何を食べるかな? 「こなたは何を食べるの?」 こなたは頭上のメニューを見ながらちょっと悩んで、答えた。 「私はチーズバーガーかなぁ?あ、かがみんはやっぱりビッグマック3つとか!?」 アホか!!そんなに食べられん。 とゆうか… 「今ダイエット中だし」 するとこなたがニヤニヤしだす。よくない兆候だ。でも、…かわいいんだよなぁ。 「ということはダイエットしてなければ食べる、というより食べられるんだ♪かがみの食いしんぼ♪」 …やっぱりいじってきたか。 「なんでそーなる!食べられないから!」 即座に反論した。 でもこなたはまだ何か言いたそうだ。こいつめ。 「なんでそんなにかがみはダイエットするの?全然太ってないじゃん」 …予想だにしない言葉に拍子抜けしちゃった。本日2度目。どうせまたからかってくるとばかり思ってたから。 それに、そこは聞かないで欲しかったなぁ…。言いづらいんだもん。 「べ、別にいいでしょ?私の勝手なんだし」 適当に返した。そうしたらこなたは言った。 「もしかして、私の為とかじゃないよね~?」 ず、図星…。 そう。 私はあんたの為にしてるのよ、ダイエット。 あんたみたいにかわいい人の恋人なんだから、ふさわしい人になりたいのよ。 キレイになりたいのよ…。 そう思ったら、気づいた。 これって、結局自分の為なんじゃないのかな。 こなたにふさわしくなりたい。 可愛くて。 いっつも適当なくせに、でも意外と現実的で。 そんなこなたに、お似合いだねって言われるようになりたかった。 でも恥ずかしくて。 ついついあんたの為だ、とか思うようにしちゃってたんだね。 こなたと付き合いだして、こなたの知らない面をどんどん知っていった。 恋人じゃなきゃわからないことがたくさんあった。 こなたをどんどん好きになっていった。 まだまだ私の知らないこなたを知りたくて。 でも、知れば知るほどあんたはすっごく魅力的で。 ほんとにあんたの恋人が自分なんかでいいのか、不安になっていった。 だからダイエット、してたんだ。 しなくちゃいけない気がしたんだ。 ――あんたにふさわしい恋人になるために。 「ねぇ、こなた。ほんとに、私なんかでいいのかな?…わ、私なんかが恋人にふさわしいのかな…?」 つい、言ってしまった。 いきなりこんなことを言われて、迷惑だったよね…。 こなたの目の色が、少し変わった。 そしてこなたは口を開く。 「かがみは…ダイエットなんかしなくても私にふさわしいんだよ?」 いつもの猫口なのに、なんか真剣さがあった。 こなたは表情こそいつも通りだけど、すごく真剣だっだ。 ずっとずっと心にあった気持ちを、言霊にした。 「今のまんまでもいいのかな?私」 すこし、沈黙。 そのあと、こなたは愛しさを含んだ笑顔で、言った。 「あたりまえじゃん♪…私だって、かがみにふさわしいかわからないよ。でも、そんなことはどうでもいいんだ。好きなら、それだけでいいと思ってるよ…。」 …そうなんだ。 その言葉を聞いて、わかった… 私の杞憂だったんだね。 こなたは私に、勇気をくれた。 自信を、くれた。 私はこなたにふさわしくなれた気がした。 ありがとう、こなた。 言葉で伝えなくちゃ、ね。 「あ、ありがと…」 つっけんどんになってしまった私のお礼。またこなたに惹かれちゃったからなんだからね? 「ふふん、やっぱかがみはツンデレさんだねぇ♪」 「ま、まあね」 なぜか普通に返せた。まぁ、ちょっと恥ずかしかったけどね。 「ちょっとかがみ~…素直に認めたらツンデレじゃないよ~」 ちょっといじけ気味。確かにそうかもしれないけど。でもこなた、あんたは。 「ツンデレじゃなくても好きでいてくれるんでしょ?」 こなたがこなたらしいのに尽きるように。 今度は自分が自分らしくいるように、こなたに貰った勇気と自信で頑張るよ。 「当たり前だよ、かがみん♪」 結局私は、こなたと一緒のものを注文した。 ----------------- 「速く速く、始まっちゃうよかがみ!」 「ま、待ちなさい、よ…」 ちょっとスピードを落とした。 流石のかがみでも私の足には着いてこられないのかな。 あんま無理させちゃ可哀想だよね…。私のせいなんだし。 さてなんで走ってるかと言うと… 私が映画の時間を間違っちゃったからなんだ。 映画の始まる時間を調べた時、何を間違えたか、12時30を13時30とメモしてしまった。 それに気がついたのがお昼ができるのを待ちながら、テーブルに座っていた時だった。 「このあとは映画だよね~」 「そうね。1時30から始まるから余裕でつきそうね」 暇だったから映画の時刻をみてみたら… 驚愕!! 「か、かがみ…」 「んー?どしたー?」 「ま、マツガエタ…」 「え…」 それからが大変だった。 店内に入った時は12時ちょうど。 混んでたから私たちが注文するのに待って10分。 なかなかできないハンバーガーを待つのに5分。 つまり15分で食べて映画館に行かなきゃなのだ…!! これはキツかった。 私たちは別に早食いなんて特技ないし。というか、かがみに早食いなんてさせたくなかった。 食べた後いきなり走らせたくもないよ。 でも、かがみは頑張ってくれた。 だから私も頑張った。 結果。 「ま、間に合わなかったか…」 時間を見ると、12時50。20分も遅れちゃ、もう入れない。 かがみにすごく申し訳なくなった。 せっかくのデートなのに。 間違えてしまった。 それでも頑張って食べて、走ってくれたのに。 「ごめん…かがみ…」 かがみの顔が見れなかった。自分の足元で精一杯だった。 あ…やだ。目から、雨が降りそう…。 おかしいな…いつもならこれくらいじゃ泣かないのに。 でも、すごく申し訳ない気持ちで一杯で、こらえきれなそう…。 「まぁ、仕方ないわよ。誰だって間違いはあるんだし…って、こなた…」 足元に、水の後がつく。 靴に、滴がぶつかる。 ほんとにごめん、かがみ…。 せっかく楽しみにしてくれてたのに。 私は台無しにした。 私はかがみに泣き顔が見られたくなかったから、その場から逃げ出した。 -[[初めてのデート【午後Ⅰ】>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/828.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-24 13:15:15) - なんスかコレ? &br()妙に萌えちまうじゃねーですか(# ̄З ̄) -- 名無しさん (2012-08-17 18:41:20) - 店内であんな百合トークを⁈Σ(・□・;) &br()自重しろw -- 名無しさん (2010-09-25 23:59:36) - そうじろうwww &br()その発言はw -- 白夜 (2009-10-09 07:18:16)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
記事メニュー
目安箱バナー