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初めてのデート【午前】
---------------------
カーテンを開けると、そこはよく晴れた朝だった。
やっと来たね、今日の太陽。待ってたよ。
金曜の夜はネトゲで朝まで、なんて生活が日課な私だけど、昨夜ばかりは違った。
なんとこの私がゆうちゃんより早く寝たんだから驚きだよね。
起きてすぐにお風呂に入った。うわっ、乙女ちっくだな私。
今朝のご飯は私が当番。パンを3つに目玉焼きを3つ。サラダ3つよそって、牛乳2つにお茶1つ注いで出来上がり。簡単だね。
「「「いただきまーす」」」
朝食を3人で囲む。私の気持ち的には4人だけどね。
お父さんは牛乳飲んでる私に言った。
「こなた~、今日デートなんだろ?」
「!ぶはっ、…!!、げほげほ。…し、知ってたの?」
不意打ちにもほどがあるよ、全く。てゆうか、デートばれてたのか…隠してるわけじゃないけど。
「いやぁ、早寝・早起きで朝風呂と来たらもうこれしかないかなーなんて」
「それだけかい…」
流石は小説家。見抜かれた。ちょっと恥ずかしい。
「そうなんだ、お姉ちゃん…がんばってね」
にこっと言うゆうちゃん。がんばれって、まぁ、うん。がんばるよ。
900 :名無しさん:2008/10/23(木) 00:14:29 ID:yAAJYOhA
「ありがと、ゆうちゃん。ゆうちゃんこそ、みなみちゃんにいっぱいアピールするんだよ~」
するとゆうちゃんの顔がボッと音がするくらいに紅くなった。可愛いねぇ~。
「もぅ、お姉ちゃんってば~。私とみなみちゃんはそんなんじゃなぃって」
そんな様子を見ながらお父さんは言った。
「なあ…なんでうちの娘はみんな百合なんだ?」
「…!!」
それは言っちゃいかんでしょう。ゆうちゃんはまだその域には達していないんだし。
てゆうか、ゆうちゃん傷つくかもよ?
当のゆうちゃんは百合=花のようで、頭に?を浮かべていた。
「百合って花ですよね?でも意味が通らないし…さっきのってどうゆう意味なんですか?」
「いやぁ、それはなあ…」
ふふふ。焦ってるね、お父さん。
「…こなた、答えてあげなさい」
なっ!き、きたない。逃げたな。
私はまぁ、適当に答えることにした。
「…花より美しいなにか、かな?ひ、ひよりんに聞いてごらん…」
朝食の片付けはゆうちゃんがやってくれた。
洗濯物を干し終えると、短い針が8と9の間を、長い方が6を指していた。
つまるところ、8時半。
だいたい予想通り。さて、行く準備をしますかな。
昨日からずっと考えた、今日の服。いろいろ考えたけど、日中の暖かさから考えて七分袖にした。その上に半袖でレイヤード。下はスカートにしようかな?
出かける前に、仏前へ。
お線香をあげて、いつものように拝む。
「お母さん、行ってきます」
---------------------
「もうすぐ来る時間ね」
腕時計を見ると、9時55を過ぎていた。ちゃんとあと5分で来るかな?
玄関先に出て待つ私。
本当はどっか駅とかに待ち合わせがよかったんだけど、こなたはなぜか私の家の前を指定した。なんでだろ?
「お~い、かがみ~ん」
「!」
声のする方へすぐに振り返るとその先には、私の恋人が近づいてきていた。
私は近くへ、かけてゆく。
「待たせたかな?」
「待つもなにも、時間通りよ。ほら」
と言って腕時計を見せると…
「計画通り。ニヤリ」
なんて言った。またなんかのネタだろうか?
改めてこなたを見ると…なんかめちゃくちゃオシャレじゃない。お決まりだけど、言わなきゃね。
「に、似合ってるわよ」
そう言うとこなたはパァーと顔が明るくなった。
「おぉ、まさにデートの決まり文句!」
茶化すなっての。なんか恥ずかしいじゃない。
「ありがとね、かがみん。かがみんも似合ってるよ~、その格好」
…!結構、誉められるのって恥ずかしい。
「あ、ありがと…」
そんなことしか言えない自分が少し嫌だ。口下手だな、私って。
「じゃ、行こっかかがみん♪」
手を差し伸べるこなた。
そのこなたは、ほんとに嬉しそうで。
その純真無垢な瞳がまぶしくて。
ますます恋に落ちそうだった。
こなたをこんなにも好きになれて、ほんとによかったな。
手をとって、私は言った。
「よし、行こっか。私とこなたの初デートに」
-----------------------
「ところでさぁ、なんで待ち合わせは私の家の前が良かったの?」
かがみは私に聞いてきた。できれば言いたくないな…。
「いいじゃん、別になんでも~。細かいこと気にしてるとモテないよ~?」
するとすぐに返答するかがみ。
「別にモテなくったっていーわよ。私は、…こなたがいればいいし」
…それはそれは可愛かった。頬を紅らめながら、ツンとしながら、言うかがみ。
私の恋人の、かがみ。
かがみはやっぱり、世界最高のツンデレなんじゃないのかな?
ギュッと抱き締めたくなる衝動におそわれたが、まだ午前中だし。やっぱそうゆうのは別れ際とかだよね。
だから、ブレーキを頑張ってかけた。
そうに言ってくれたお礼に、私は耳元で囁く。
「ありがとね。だいすきだよ」
言って無性に恥ずかしかったけど、それはお互い様。
たぶん2人して、顔は真っ赤だったろうな。
--------------------
「お昼はなにがいい?」
私はこなたに聞いた。チョココロネが好きなこなただけど、こうゆう時って何を食べたがるのかな…。
「いつもと同じでもいいけど。マックとか?」
…拍子抜けしちゃった。こなたらしくていいんだけどね。
こなたらしい。やっぱり、それに尽きるのかも。
「じゃ、そうしよっか」
「うん♪」
ま、あんたと一緒なら何でも美味しいんだけどね。
店内へ入った。まあまあ混んでた。お昼時だし仕方ない。
レジの列に2人で並んだ。何を食べるかな?
「こなたは何を食べるの?」
こなたは頭上のメニューを見ながらちょっと悩んで、答えた。
「私はチーズバーガーかなぁ?あ、かがみんはやっぱりビッグマック3つとか!?」
アホか!!そんなに食べられん。
とゆうか…
「今ダイエット中だし」
するとこなたがニヤニヤしだす。よくない兆候だ。でも、…かわいいんだよなぁ。
「ということはダイエットしてなければ食べる、というより食べられるんだ♪かがみの食いしんぼ♪」
…やっぱりいじってきたか。
「なんでそーなる!食べられないから!」
即座に反論した。
でもこなたはまだ何か言いたそうだ。こいつめ。
「なんでそんなにかがみはダイエットするの?全然太ってないじゃん」
…予想だにしない言葉に拍子抜けしちゃった。本日2度目。どうせまたからかってくるとばかり思ってたから。
それに、そこは聞かないで欲しかったなぁ…。言いづらいんだもん。
「べ、別にいいでしょ?私の勝手なんだし」
適当に返した。そうしたらこなたは言った。
「もしかして、私の為とかじゃないよね~?」
ず、図星…。
そう。
私はあんたの為にしてるのよ、ダイエット。
あんたみたいにかわいい人の恋人なんだから、ふさわしい人になりたいのよ。
キレイになりたいのよ…。
そう思ったら、気づいた。
これって、結局自分の為なんじゃないのかな。
こなたにふさわしくなりたい。
可愛くて。
いっつも適当なくせに、でも意外と現実的で。
そんなこなたに、お似合いだねって言われるようになりたかった。
でも恥ずかしくて。
ついついあんたの為だ、とか思うようにしちゃってたんだね。
こなたと付き合いだして、こなたの知らない面をどんどん知っていった。
恋人じゃなきゃわからないことがたくさんあった。
こなたをどんどん好きになっていった。
まだまだ私の知らないこなたを知りたくて。
でも、知れば知るほどあんたはすっごく魅力的で。
ほんとにあんたの恋人が自分なんかでいいのか、不安になっていった。
だからダイエット、してたんだ。
しなくちゃいけない気がしたんだ。
――あんたにふさわしい恋人になるために。
「ねぇ、こなた。ほんとに、私なんかでいいのかな?…わ、私なんかが恋人にふさわしいのかな…?」
つい、言ってしまった。
いきなりこんなことを言われて、迷惑だったよね…。
こなたの目の色が、少し変わった。
そしてこなたは口を開く。
「かがみは…ダイエットなんかしなくても私にふさわしいんだよ?」
いつもの猫口なのに、なんか真剣さがあった。
こなたは表情こそいつも通りだけど、すごく真剣だっだ。
ずっとずっと心にあった気持ちを、言霊にした。
「今のまんまでもいいのかな?私」
すこし、沈黙。
そのあと、こなたは愛しさを含んだ笑顔で、言った。
「あたりまえじゃん♪…私だって、かがみにふさわしいかわからないよ。でも、そんなことはどうでもいいんだ。好きなら、それだけでいいと思ってるよ…。」
…そうなんだ。
その言葉を聞いて、わかった…
私の杞憂だったんだね。
こなたは私に、勇気をくれた。
自信を、くれた。
私はこなたにふさわしくなれた気がした。
ありがとう、こなた。
言葉で伝えなくちゃ、ね。
「あ、ありがと…」
つっけんどんになってしまった私のお礼。またこなたに惹かれちゃったからなんだからね?
「ふふん、やっぱかがみはツンデレさんだねぇ♪」
「ま、まあね」
なぜか普通に返せた。まぁ、ちょっと恥ずかしかったけどね。
「ちょっとかがみ~…素直に認めたらツンデレじゃないよ~」
ちょっといじけ気味。確かにそうかもしれないけど。でもこなた、あんたは。
「ツンデレじゃなくても好きでいてくれるんでしょ?」
こなたがこなたらしいのに尽きるように。
今度は自分が自分らしくいるように、こなたに貰った勇気と自信で頑張るよ。
「当たり前だよ、かがみん♪」
結局私は、こなたと一緒のものを注文した。
-----------------
「速く速く、始まっちゃうよかがみ!」
「ま、待ちなさい、よ…」
ちょっとスピードを落とした。
流石のかがみでも私の足には着いてこられないのかな。
あんま無理させちゃ可哀想だよね…。私のせいなんだし。
さてなんで走ってるかと言うと…
私が映画の時間を間違っちゃったからなんだ。
映画の始まる時間を調べた時、何を間違えたか、12時30を13時30とメモしてしまった。
それに気がついたのがお昼ができるのを待ちながら、テーブルに座っていた時だった。
「このあとは映画だよね~」
「そうね。1時30から始まるから余裕でつきそうね」
暇だったから映画の時刻をみてみたら…
驚愕!!
「か、かがみ…」
「んー?どしたー?」
「ま、マツガエタ…」
「え…」
それからが大変だった。
店内に入った時は12時ちょうど。
混んでたから私たちが注文するのに待って10分。
なかなかできないハンバーガーを待つのに5分。
つまり15分で食べて映画館に行かなきゃなのだ…!!
これはキツかった。
私たちは別に早食いなんて特技ないし。というか、かがみに早食いなんてさせたくなかった。
食べた後いきなり走らせたくもないよ。
でも、かがみは頑張ってくれた。
だから私も頑張った。
結果。
「ま、間に合わなかったか…」
時間を見ると、12時50。20分も遅れちゃ、もう入れない。
かがみにすごく申し訳なくなった。
せっかくのデートなのに。
間違えてしまった。
それでも頑張って食べて、走ってくれたのに。
「ごめん…かがみ…」
かがみの顔が見れなかった。自分の足元で精一杯だった。
あ…やだ。目から、雨が降りそう…。
おかしいな…いつもならこれくらいじゃ泣かないのに。
でも、すごく申し訳ない気持ちで一杯で、こらえきれなそう…。
「まぁ、仕方ないわよ。誰だって間違いはあるんだし…って、こなた…」
足元に、水の後がつく。
靴に、滴がぶつかる。
ほんとにごめん、かがみ…。
せっかく楽しみにしてくれてたのに。
私は台無しにした。
私はかがみに泣き顔が見られたくなかったから、その場から逃げ出した。
-[[初めてのデート【午後Ⅰ】>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/828.html]]へ続く
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- なんスかコレ? &br()妙に萌えちまうじゃねーですか(# ̄З ̄) -- 名無しさん (2012-08-17 18:41:20)
- 店内であんな百合トークを⁈Σ(・□・;) &br()自重しろw -- 名無しさん (2010-09-25 23:59:36)
- そうじろうwww &br()その発言はw -- 白夜 (2009-10-09 07:18:16)
初めてのデート【午前】
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カーテンを開けると、そこはよく晴れた朝だった。
やっと来たね、今日の太陽。待ってたよ。
金曜の夜はネトゲで朝まで、なんて生活が日課な私だけど、昨夜ばかりは違った。
なんとこの私がゆうちゃんより早く寝たんだから驚きだよね。
起きてすぐにお風呂に入った。うわっ、乙女ちっくだな私。
今朝のご飯は私が当番。パンを3つに目玉焼きを3つ。サラダ3つよそって、牛乳2つにお茶1つ注いで出来上がり。簡単だね。
「「「いただきまーす」」」
朝食を3人で囲む。私の気持ち的には4人だけどね。
お父さんは牛乳飲んでる私に言った。
「こなた~、今日デートなんだろ?」
「!ぶはっ、…!!、げほげほ。…し、知ってたの?」
不意打ちにもほどがあるよ、全く。てゆうか、デートばれてたのか…隠してるわけじゃないけど。
「いやぁ、早寝・早起きで朝風呂と来たらもうこれしかないかなーなんて」
「それだけかい…」
流石は小説家。見抜かれた。ちょっと恥ずかしい。
「そうなんだ、お姉ちゃん…がんばってね」
にこっと言うゆうちゃん。がんばれって、まぁ、うん。がんばるよ。
900 :名無しさん:2008/10/23(木) 00:14:29 ID:yAAJYOhA
「ありがと、ゆうちゃん。ゆうちゃんこそ、みなみちゃんにいっぱいアピールするんだよ~」
するとゆうちゃんの顔がボッと音がするくらいに紅くなった。可愛いねぇ~。
「もぅ、お姉ちゃんってば~。私とみなみちゃんはそんなんじゃなぃって」
そんな様子を見ながらお父さんは言った。
「なあ…なんでうちの娘はみんな百合なんだ?」
「…!!」
それは言っちゃいかんでしょう。ゆうちゃんはまだその域には達していないんだし。
てゆうか、ゆうちゃん傷つくかもよ?
当のゆうちゃんは百合=花のようで、頭に?を浮かべていた。
「百合って花ですよね?でも意味が通らないし…さっきのってどうゆう意味なんですか?」
「いやぁ、それはなあ…」
ふふふ。焦ってるね、お父さん。
「…こなた、答えてあげなさい」
なっ!き、きたない。逃げたな。
私はまぁ、適当に答えることにした。
「…花より美しいなにか、かな?ひ、ひよりんに聞いてごらん…」
朝食の片付けはゆうちゃんがやってくれた。
洗濯物を干し終えると、短い針が8と9の間を、長い方が6を指していた。
つまるところ、8時半。
だいたい予想通り。さて、行く準備をしますかな。
昨日からずっと考えた、今日の服。いろいろ考えたけど、日中の暖かさから考えて七分袖にした。その上に半袖でレイヤード。下はスカートにしようかな?
出かける前に、仏前へ。
お線香をあげて、いつものように拝む。
「お母さん、行ってきます」
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「もうすぐ来る時間ね」
腕時計を見ると、9時55を過ぎていた。ちゃんとあと5分で来るかな?
玄関先に出て待つ私。
本当はどっか駅とかに待ち合わせがよかったんだけど、こなたはなぜか私の家の前を指定した。なんでだろ?
「お~い、かがみ~ん」
「!」
声のする方へすぐに振り返るとその先には、私の恋人が近づいてきていた。
私は近くへ、かけてゆく。
「待たせたかな?」
「待つもなにも、時間通りよ。ほら」
と言って腕時計を見せると…
「計画通り。ニヤリ」
なんて言った。またなんかのネタだろうか?
改めてこなたを見ると…なんかめちゃくちゃオシャレじゃない。お決まりだけど、言わなきゃね。
「に、似合ってるわよ」
そう言うとこなたはパァーと顔が明るくなった。
「おぉ、まさにデートの決まり文句!」
茶化すなっての。なんか恥ずかしいじゃない。
「ありがとね、かがみん。かがみんも似合ってるよ~、その格好」
…!結構、誉められるのって恥ずかしい。
「あ、ありがと…」
そんなことしか言えない自分が少し嫌だ。口下手だな、私って。
「じゃ、行こっかかがみん♪」
手を差し伸べるこなた。
そのこなたは、ほんとに嬉しそうで。
その純真無垢な瞳がまぶしくて。
ますます恋に落ちそうだった。
こなたをこんなにも好きになれて、ほんとによかったな。
手をとって、私は言った。
「よし、行こっか。私とこなたの初デートに」
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「ところでさぁ、なんで待ち合わせは私の家の前が良かったの?」
かがみは私に聞いてきた。できれば言いたくないな…。
「いいじゃん、別になんでも~。細かいこと気にしてるとモテないよ~?」
するとすぐに返答するかがみ。
「別にモテなくったっていーわよ。私は、…こなたがいればいいし」
…それはそれは可愛かった。頬を紅らめながら、ツンとしながら、言うかがみ。
私の恋人の、かがみ。
かがみはやっぱり、世界最高のツンデレなんじゃないのかな?
ギュッと抱き締めたくなる衝動におそわれたが、まだ午前中だし。やっぱそうゆうのは別れ際とかだよね。
だから、ブレーキを頑張ってかけた。
そうに言ってくれたお礼に、私は耳元で囁く。
「ありがとね。だいすきだよ」
言って無性に恥ずかしかったけど、それはお互い様。
たぶん2人して、顔は真っ赤だったろうな。
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「お昼はなにがいい?」
私はこなたに聞いた。チョココロネが好きなこなただけど、こうゆう時って何を食べたがるのかな…。
「いつもと同じでもいいけど。マックとか?」
…拍子抜けしちゃった。こなたらしくていいんだけどね。
こなたらしい。やっぱり、それに尽きるのかも。
「じゃ、そうしよっか」
「うん♪」
ま、あんたと一緒なら何でも美味しいんだけどね。
店内へ入った。まあまあ混んでた。お昼時だし仕方ない。
レジの列に2人で並んだ。何を食べるかな?
「こなたは何を食べるの?」
こなたは頭上のメニューを見ながらちょっと悩んで、答えた。
「私はチーズバーガーかなぁ?あ、かがみんはやっぱりビッグマック3つとか!?」
アホか!!そんなに食べられん。
とゆうか…
「今ダイエット中だし」
するとこなたがニヤニヤしだす。よくない兆候だ。でも、…かわいいんだよなぁ。
「ということはダイエットしてなければ食べる、というより食べられるんだ♪かがみの食いしんぼ♪」
…やっぱりいじってきたか。
「なんでそーなる!食べられないから!」
即座に反論した。
でもこなたはまだ何か言いたそうだ。こいつめ。
「なんでそんなにかがみはダイエットするの?全然太ってないじゃん」
…予想だにしない言葉に拍子抜けしちゃった。本日2度目。どうせまたからかってくるとばかり思ってたから。
それに、そこは聞かないで欲しかったなぁ…。言いづらいんだもん。
「べ、別にいいでしょ?私の勝手なんだし」
適当に返した。そうしたらこなたは言った。
「もしかして、私の為とかじゃないよね~?」
ず、図星…。
そう。
私はあんたの為にしてるのよ、ダイエット。
あんたみたいにかわいい人の恋人なんだから、ふさわしい人になりたいのよ。
キレイになりたいのよ…。
そう思ったら、気づいた。
これって、結局自分の為なんじゃないのかな。
こなたにふさわしくなりたい。
可愛くて。
いっつも適当なくせに、でも意外と現実的で。
そんなこなたに、お似合いだねって言われるようになりたかった。
でも恥ずかしくて。
ついついあんたの為だ、とか思うようにしちゃってたんだね。
こなたと付き合いだして、こなたの知らない面をどんどん知っていった。
恋人じゃなきゃわからないことがたくさんあった。
こなたをどんどん好きになっていった。
まだまだ私の知らないこなたを知りたくて。
でも、知れば知るほどあんたはすっごく魅力的で。
ほんとにあんたの恋人が自分なんかでいいのか、不安になっていった。
だからダイエット、してたんだ。
しなくちゃいけない気がしたんだ。
――あんたにふさわしい恋人になるために。
「ねぇ、こなた。ほんとに、私なんかでいいのかな?…わ、私なんかが恋人にふさわしいのかな…?」
つい、言ってしまった。
いきなりこんなことを言われて、迷惑だったよね…。
こなたの目の色が、少し変わった。
そしてこなたは口を開く。
「かがみは…ダイエットなんかしなくても私にふさわしいんだよ?」
いつもの猫口なのに、なんか真剣さがあった。
こなたは表情こそいつも通りだけど、すごく真剣だっだ。
ずっとずっと心にあった気持ちを、言霊にした。
「今のまんまでもいいのかな?私」
すこし、沈黙。
そのあと、こなたは愛しさを含んだ笑顔で、言った。
「あたりまえじゃん♪…私だって、かがみにふさわしいかわからないよ。でも、そんなことはどうでもいいんだ。好きなら、それだけでいいと思ってるよ…。」
…そうなんだ。
その言葉を聞いて、わかった…
私の杞憂だったんだね。
こなたは私に、勇気をくれた。
自信を、くれた。
私はこなたにふさわしくなれた気がした。
ありがとう、こなた。
言葉で伝えなくちゃ、ね。
「あ、ありがと…」
つっけんどんになってしまった私のお礼。またこなたに惹かれちゃったからなんだからね?
「ふふん、やっぱかがみはツンデレさんだねぇ♪」
「ま、まあね」
なぜか普通に返せた。まぁ、ちょっと恥ずかしかったけどね。
「ちょっとかがみ~…素直に認めたらツンデレじゃないよ~」
ちょっといじけ気味。確かにそうかもしれないけど。でもこなた、あんたは。
「ツンデレじゃなくても好きでいてくれるんでしょ?」
こなたがこなたらしいのに尽きるように。
今度は自分が自分らしくいるように、こなたに貰った勇気と自信で頑張るよ。
「当たり前だよ、かがみん♪」
結局私は、こなたと一緒のものを注文した。
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「速く速く、始まっちゃうよかがみ!」
「ま、待ちなさい、よ…」
ちょっとスピードを落とした。
流石のかがみでも私の足には着いてこられないのかな。
あんま無理させちゃ可哀想だよね…。私のせいなんだし。
さてなんで走ってるかと言うと…
私が映画の時間を間違っちゃったからなんだ。
映画の始まる時間を調べた時、何を間違えたか、12時30を13時30とメモしてしまった。
それに気がついたのがお昼ができるのを待ちながら、テーブルに座っていた時だった。
「このあとは映画だよね~」
「そうね。1時30から始まるから余裕でつきそうね」
暇だったから映画の時刻をみてみたら…
驚愕!!
「か、かがみ…」
「んー?どしたー?」
「ま、マツガエタ…」
「え…」
それからが大変だった。
店内に入った時は12時ちょうど。
混んでたから私たちが注文するのに待って10分。
なかなかできないハンバーガーを待つのに5分。
つまり15分で食べて映画館に行かなきゃなのだ…!!
これはキツかった。
私たちは別に早食いなんて特技ないし。というか、かがみに早食いなんてさせたくなかった。
食べた後いきなり走らせたくもないよ。
でも、かがみは頑張ってくれた。
だから私も頑張った。
結果。
「ま、間に合わなかったか…」
時間を見ると、12時50。20分も遅れちゃ、もう入れない。
かがみにすごく申し訳なくなった。
せっかくのデートなのに。
間違えてしまった。
それでも頑張って食べて、走ってくれたのに。
「ごめん…かがみ…」
かがみの顔が見れなかった。自分の足元で精一杯だった。
あ…やだ。目から、雨が降りそう…。
おかしいな…いつもならこれくらいじゃ泣かないのに。
でも、すごく申し訳ない気持ちで一杯で、こらえきれなそう…。
「まぁ、仕方ないわよ。誰だって間違いはあるんだし…って、こなた…」
足元に、水の後がつく。
靴に、滴がぶつかる。
ほんとにごめん、かがみ…。
せっかく楽しみにしてくれてたのに。
私は台無しにした。
私はかがみに泣き顔が見られたくなかったから、その場から逃げ出した。
-[[初めてのデート【午後Ⅰ】>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/828.html]]へ続く
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- (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-24 13:15:15)
- なんスかコレ? &br()妙に萌えちまうじゃねーですか(# ̄З ̄) -- 名無しさん (2012-08-17 18:41:20)
- 店内であんな百合トークを⁈Σ(・□・;) &br()自重しろw -- 名無しさん (2010-09-25 23:59:36)
- そうじろうwww &br()その発言はw -- 白夜 (2009-10-09 07:18:16)
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