「この子どこの子?」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

この子どこの子?」(2023/01/03 (火) 17:59:56) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「お姉ちゃん?」 「かがみ、帰るよー」 「…あ、ごめんっ!私、今日も用事があるんだ」 「え、またなの?」 「…うん。じゃあ悪いけど先に帰るわね」 最近、かがみが一緒に帰ってくれなくなった。 放課後になると慌てて“今日はちょっと寄るところがある”なんて言って先に帰ってしまう。 私もその度に着いて行くって言ってるのに、何故か“あんたは来るな”と拒絶されてしまう。 うぅ、酷いよ。私達付き合ってるのにさ。一緒に帰るのも許されないんて…。 …ちょっと怪しい。まさか浮気とか!? ………それは流石にないない。こう見えて、私はかがみのこと…誰よりも1番信じてるからね。 でも、それとこれとはまた話が別。気になるものはやっぱり気になる。 面と向かって聞いたところできっと“あんたには関係ない”とか言われるだろうし…。 よし!こうなったらかがみが私達を避けて早く帰る理由を探ってやろう。 そうと決まればつかさも誘っ………ん?待て待て。 つかさにこんなこと言ったら“そんなことしちゃダメだよ、こなちゃん”とか言ってかがみに気を使いそうだ。私の計画が台無しになってしまう。 ここは仕方ない… 「じゃあこなちゃん、帰ろっ「ごめんつかさっ!今日は俺の嫁の限定版CDの発売だからは一緒に帰れないんだよ!では私は先に失礼しますってことでー!」 一目散に教室を飛び出す。よし!我ながら完璧な作戦だね。つかさには悪いけど、今度アイスでも奢って許してもらおっと。 「………こなちゃん、どんだけー」 「…あら?つかささんじゃありませんか」 「あ、ゆきちゃん。委員会はどうしたの?」 「今日は資料の配布だけで済んだんですよ。つかささんはどうしたんですか?」「あのね、こなちゃんが急に用事があるって先に帰っちゃって…呆気に取られてたの」 「そうでしたか…なら私でよければ途中までご一緒しますよ?」 「ほんとに!?ゆきちゃん、ありがとう!」 「いえいえ…」 ―――。 急いで追い掛けたのが良かったのか、学校を出たすぐの所でかがみを見付けることができた。 私は一定の距離を保ってあとをつけていった。 かがみの行動は明らかにおかしい。いつも帰る時にこんな道は通らないし、なぜか足早だった。 かがみを見失わないようにスピードを合わせて着いていくと、学校から少し離れた公園へと入っていった。私は傍の電柱に身を隠し、その様子を観察することにした。 なんだか探偵にでもなった気分。無駄にドキドキしながらその雰囲気を楽しんでいる自分っておかしいよね。 さてかがみと言えば、キョロキョロと辺りを見回している。何か探しているみたいだけど…ここからじゃ様子が良くわからないな。 もう少しだけ、かがみにバレない程度に顔を覗かせた… 「こなたー」 「ふ、ふぇ!?」 かがみが急に私の名前を呼んだ。こちらの方を見ることもなく。かがみってば、いつの間に気配探れるようになったのさ!? しかしまずい…まさか私の完璧な尾行がバレるなんて、間違いなく死亡フラグじゃん。色々と終わったね、うん。 観念してかがみのところに謝りに行こうとしたその時… にゃあ。 「あ、いたいた!こっちおいでー」 「あり???」 猫?それともぬこか? いや、別にどっちでもいいんだけどさ。 かがみの前に現れたのは一匹の子猫だった。 その猫を見た瞬間、かがみの表情が見たこともない程に緩んでいたのには驚いた。 「どこ言ってたのよー!全く、心配したんだからね」「にゃあ」 「ふふふ、あんたはホント可愛いわねー」 「にゃー」 かがみは子猫を抱き上げ、その胸に抱きながら優しく撫でている。猫も気持ち良さそうに目を閉じていた。…く、くそぅ!なんて羨ましいんだ。私もかがみの胸でパフパ……違う違う。 私がこんな馬鹿なことを考えている間に、猫はかがみの腕から離れ、その足元に擦り寄っていた。 わ、私だってまだあんなことしてないのに!蹴り飛ばされたことなら……だから違うってば、自分。 うわ、頭の中がごちゃごちゃだ。パチンと頬を叩いて意識を取り戻し、猫は放っておいてかがみを見る。 かがみは何か鞄の中をガサゴソとあさっていた。 「じゃあご飯でも食べよっか、こなた」 「ほぇ?わ、私?」 「にゃあー」 私の声と猫の鳴き声がハモったのはほぼ同時。そこで何故その猫が反応するのさ!こなたってのは私の名前で………ん?待てよ…。 「こなたー、いっぱい食べなさいよ?」 「にゃー」 「ほんと素直で可愛いわね。同じ名前でも性格は全然違うわねー」 「にゃぁ?」 …ふふーん、そういうことだったのか。 やってくれるではないか、かがみん。だが私だってやられっぱなしじゃないよ? 私はかがみに気付かれないよう、抜き足差し足忍び足で近づいていく。ラッキーなことに、かがみは私に背中を向けている状態だった。 「かーがみん」 「へ?」 「えらく楽しそうだねー」「こ…こここここなたっ!?な、なんであんたがここにいるのよ!?」 「なんでだろーねぇ?」 かがみは案の定顔を真っ赤にして焦りまくっている。全く、可愛いなぁ…。でもちょっと吃り過ぎだよ。 顔がニヤニヤするのをどうにか堪えながら、私は話を続ける。 「かがみはこんな所で何してるの?」 「わ、私は…たまたま此処を通りかかったら子猫がいて………気になったからちょっと見てただけ」 「…ふーん。そなんだ」 「そ、そうよ!悪い?」 「いーや、悪くないよ。その子は野良猫なの?」 「そ、そうみたい…」 私はかがみと子猫を交互に見遣る。子猫はワケが分からないという表情でいる。かがみは…口に出したら怒られそうだけど、明らかに挙動不審。 目は泳いでるし、手は後ろに回したり前にやったりで…とにかく面白い限り。 「かがみってば可愛いねー」 「な、何がよ!」 「だってさー…」 「言いたいことがあるならハッキリ言いなさい!」 「じゃあ言うよ?」 「何よ…」 「猫に恋人の名前をつけて呼ぶかがみんが、凄く萌えかな…ってね」 「なぁ!?」 1番触れてはならないところに触れられて、かがみの顔がこれでもかというくらい赤くなっている。なんかもう、色々な意味で爆発しそうな感じに。 「あ、あんた…知ってたの?」 「そりゃあんな大きな声で名前呼んでたらさ、すぐ分かるよ」 「さ、最悪…」 「だろうねー」 「ホント、目眩してきたわ…」 かがみはこめかみを押さえながらため息をついている。意地悪しすぎたかな、なんて思いながらも私は言葉を続ける。 「そんなこと言わないでさ。私だって…ちょっと気分が優れないし」 「…何であんたが?」 「だって…」 周りに人がいないことを確認して、グッとかがみを抱き寄せる。かがみは意味が分からないようで身体を強張らせていた。 「かがみを取られてたと思うと…凄く妬ける」 「こっ、こなた?」 「かがみは私のだもん。例え猫にだって取られたくない」 「こなた…」 かがみの身体から力が抜け、そっと抱き返してくれた。その手はさっきの子猫をしていたみたいに私の頭を優しく撫でている。 「ずっとずっと、寂しかったんだよ…?」 「…うん」 「かがみの馬鹿」 「…ごめん」 「許さない」 「じゃあどうすれば…」 「私のお願い、聞いてくれる?」 「…無茶言うのだけはやめなさいよ?」 そんなことを言いながらも、何だかんだで無茶苦茶な注文をやってくれるのがかがみなんだけど…ね。 「えっとね…」 「うん」 「………今度からは、一緒にこの子の世話してもいい?」 ホントならもっと私欲に使うべきだったかもしれないけど、かがみ優しい心を私も見習ってみよう。 「…当たり前じゃない。大歓迎するわ」 「良かったー。あ、あとさ…キスしよ!」 「どさくさに紛れて何を言うか、あんたは!」 「…ダメ?」 「………むぅ」 かがみは口を一文字にして納得いかない様子。 ここで私も負けじと上目使い。とびっきりのおねだり顔をお見舞いする。 「かーがーみー、おねがい」 「ま、全く………しょうがないわね」 「えー!!これは当たり前じゃないの?」 「調子に乗るな!」 そんな風に怒りながらも、照れ臭そうに目を閉じて顔を近付けてくるかがみをみて、心底可愛いなと感じたのは秘密。 こんな二人の様子を子猫…いや、こなたは相変わらずワケの分からないような顔で見上げていた気がする。 ―――。 数日後、放課後の教室にて。 「こなちゃん、お姉ちゃん!飼ってくれる人見付かったよー!」 「「ホントに!?」」 「うん!ゆきちゃんがね、ご近所の人に聞いて回ってくれたんだって!」 「そっか、良かった…」 みゆきさんの協力もあり、どうやらあの子猫の飼い主が見付かったらしく、かがみは安堵の表情を見せている。 「かがみー」 「ん?」 「残念だね」 「なんでよ?」 「愛するこなたが一人減っちゃってさー」 「バカ、何言ってんのよ…」 「あれ?寂しくないの?」「寂しくないわよ。」 「へぇ、意外だ…」 かがみの性格からして、こんな時は絶対に強がっているとばかり思っていた。 だけどかがみはニヤニヤしながらこっちを見ている。こ、この不気味な笑顔は何だ!? 「…………私にはあんたがいるからねっ」 その言葉と同時に私はの身体は宙に浮く。こ、これってお姫様抱っこじゃんか!?かがみのニヤニヤの理由はこれだったんだ…。 「うにゃぁー!?」 「ははは、何よその声?猫みたーい!」 「ちょ!このシチュは普通逆でしょ?私がかがみを…」 「そんなの知らない。猫は大人しく抱っこされときなさい!」 舌を出して悪戯に笑うかがみ。…むぅ、反則に可愛いではないか。 …まさか私が一本取られるとは。このツンデレさんは侮れないね。 しかしこれがあの猫が味わった抱かれたときの至福というわけか…。 うん………凄く暖かいや。 fin **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - GJだにゃー!! -- 名無しさん (2014-08-17 00:10:51) - 終始ニヤケっぱなしだったよ。くそぅ -- 名無しさん (2012-11-21 16:29:32) - 甘いな〜いいなぁ〜 &br()ヤキモチこなたんとデレデレかがみんは、やっぱりベストカップルだw &br()GJ!! -- にゃあ (2008-10-23 04:45:13)
「お姉ちゃん?」 「かがみ、帰るよー」 「…あ、ごめんっ!私、今日も用事があるんだ」 「え、またなの?」 「…うん。じゃあ悪いけど先に帰るわね」 最近、かがみが一緒に帰ってくれなくなった。 放課後になると慌てて“今日はちょっと寄るところがある”なんて言って先に帰ってしまう。 私もその度に着いて行くって言ってるのに、何故か“あんたは来るな”と拒絶されてしまう。 うぅ、酷いよ。私達付き合ってるのにさ。一緒に帰るのも許されないんて…。 …ちょっと怪しい。まさか浮気とか!? ………それは流石にないない。こう見えて、私はかがみのこと…誰よりも1番信じてるからね。 でも、それとこれとはまた話が別。気になるものはやっぱり気になる。 面と向かって聞いたところできっと“あんたには関係ない”とか言われるだろうし…。 よし!こうなったらかがみが私達を避けて早く帰る理由を探ってやろう。 そうと決まればつかさも誘っ………ん?待て待て。 つかさにこんなこと言ったら“そんなことしちゃダメだよ、こなちゃん”とか言ってかがみに気を使いそうだ。私の計画が台無しになってしまう。 ここは仕方ない… 「じゃあこなちゃん、帰ろっ「ごめんつかさっ!今日は俺の嫁の限定版CDの発売だからは一緒に帰れないんだよ!では私は先に失礼しますってことでー!」 一目散に教室を飛び出す。よし!我ながら完璧な作戦だね。つかさには悪いけど、今度アイスでも奢って許してもらおっと。 「………こなちゃん、どんだけー」 「…あら?つかささんじゃありませんか」 「あ、ゆきちゃん。委員会はどうしたの?」 「今日は資料の配布だけで済んだんですよ。つかささんはどうしたんですか?」「あのね、こなちゃんが急に用事があるって先に帰っちゃって…呆気に取られてたの」 「そうでしたか…なら私でよければ途中までご一緒しますよ?」 「ほんとに!?ゆきちゃん、ありがとう!」 「いえいえ…」 ―――。 急いで追い掛けたのが良かったのか、学校を出たすぐの所でかがみを見付けることができた。 私は一定の距離を保ってあとをつけていった。 かがみの行動は明らかにおかしい。いつも帰る時にこんな道は通らないし、なぜか足早だった。 かがみを見失わないようにスピードを合わせて着いていくと、学校から少し離れた公園へと入っていった。私は傍の電柱に身を隠し、その様子を観察することにした。 なんだか探偵にでもなった気分。無駄にドキドキしながらその雰囲気を楽しんでいる自分っておかしいよね。 さてかがみと言えば、キョロキョロと辺りを見回している。何か探しているみたいだけど…ここからじゃ様子が良くわからないな。 もう少しだけ、かがみにバレない程度に顔を覗かせた… 「こなたー」 「ふ、ふぇ!?」 かがみが急に私の名前を呼んだ。こちらの方を見ることもなく。かがみってば、いつの間に気配探れるようになったのさ!? しかしまずい…まさか私の完璧な尾行がバレるなんて、間違いなく死亡フラグじゃん。色々と終わったね、うん。 観念してかがみのところに謝りに行こうとしたその時… にゃあ。 「あ、いたいた!こっちおいでー」 「あり???」 猫?それともぬこか? いや、別にどっちでもいいんだけどさ。 かがみの前に現れたのは一匹の子猫だった。 その猫を見た瞬間、かがみの表情が見たこともない程に緩んでいたのには驚いた。 「どこ言ってたのよー!全く、心配したんだからね」「にゃあ」 「ふふふ、あんたはホント可愛いわねー」 「にゃー」 かがみは子猫を抱き上げ、その胸に抱きながら優しく撫でている。猫も気持ち良さそうに目を閉じていた。…く、くそぅ!なんて羨ましいんだ。私もかがみの胸でパフパ……違う違う。 私がこんな馬鹿なことを考えている間に、猫はかがみの腕から離れ、その足元に擦り寄っていた。 わ、私だってまだあんなことしてないのに!蹴り飛ばされたことなら……だから違うってば、自分。 うわ、頭の中がごちゃごちゃだ。パチンと頬を叩いて意識を取り戻し、猫は放っておいてかがみを見る。 かがみは何か鞄の中をガサゴソとあさっていた。 「じゃあご飯でも食べよっか、こなた」 「ほぇ?わ、私?」 「にゃあー」 私の声と猫の鳴き声がハモったのはほぼ同時。そこで何故その猫が反応するのさ!こなたってのは私の名前で………ん?待てよ…。 「こなたー、いっぱい食べなさいよ?」 「にゃー」 「ほんと素直で可愛いわね。同じ名前でも性格は全然違うわねー」 「にゃぁ?」 …ふふーん、そういうことだったのか。 やってくれるではないか、かがみん。だが私だってやられっぱなしじゃないよ? 私はかがみに気付かれないよう、抜き足差し足忍び足で近づいていく。ラッキーなことに、かがみは私に背中を向けている状態だった。 「かーがみん」 「へ?」 「えらく楽しそうだねー」「こ…こここここなたっ!?な、なんであんたがここにいるのよ!?」 「なんでだろーねぇ?」 かがみは案の定顔を真っ赤にして焦りまくっている。全く、可愛いなぁ…。でもちょっと吃り過ぎだよ。 顔がニヤニヤするのをどうにか堪えながら、私は話を続ける。 「かがみはこんな所で何してるの?」 「わ、私は…たまたま此処を通りかかったら子猫がいて………気になったからちょっと見てただけ」 「…ふーん。そなんだ」 「そ、そうよ!悪い?」 「いーや、悪くないよ。その子は野良猫なの?」 「そ、そうみたい…」 私はかがみと子猫を交互に見遣る。子猫はワケが分からないという表情でいる。かがみは…口に出したら怒られそうだけど、明らかに挙動不審。 目は泳いでるし、手は後ろに回したり前にやったりで…とにかく面白い限り。 「かがみってば可愛いねー」 「な、何がよ!」 「だってさー…」 「言いたいことがあるならハッキリ言いなさい!」 「じゃあ言うよ?」 「何よ…」 「猫に恋人の名前をつけて呼ぶかがみんが、凄く萌えかな…ってね」 「なぁ!?」 1番触れてはならないところに触れられて、かがみの顔がこれでもかというくらい赤くなっている。なんかもう、色々な意味で爆発しそうな感じに。 「あ、あんた…知ってたの?」 「そりゃあんな大きな声で名前呼んでたらさ、すぐ分かるよ」 「さ、最悪…」 「だろうねー」 「ホント、目眩してきたわ…」 かがみはこめかみを押さえながらため息をついている。意地悪しすぎたかな、なんて思いながらも私は言葉を続ける。 「そんなこと言わないでさ。私だって…ちょっと気分が優れないし」 「…何であんたが?」 「だって…」 周りに人がいないことを確認して、グッとかがみを抱き寄せる。かがみは意味が分からないようで身体を強張らせていた。 「かがみを取られてたと思うと…凄く妬ける」 「こっ、こなた?」 「かがみは私のだもん。例え猫にだって取られたくない」 「こなた…」 かがみの身体から力が抜け、そっと抱き返してくれた。その手はさっきの子猫をしていたみたいに私の頭を優しく撫でている。 「ずっとずっと、寂しかったんだよ…?」 「…うん」 「かがみの馬鹿」 「…ごめん」 「許さない」 「じゃあどうすれば…」 「私のお願い、聞いてくれる?」 「…無茶言うのだけはやめなさいよ?」 そんなことを言いながらも、何だかんだで無茶苦茶な注文をやってくれるのがかがみなんだけど…ね。 「えっとね…」 「うん」 「………今度からは、一緒にこの子の世話してもいい?」 ホントならもっと私欲に使うべきだったかもしれないけど、かがみ優しい心を私も見習ってみよう。 「…当たり前じゃない。大歓迎するわ」 「良かったー。あ、あとさ…キスしよ!」 「どさくさに紛れて何を言うか、あんたは!」 「…ダメ?」 「………むぅ」 かがみは口を一文字にして納得いかない様子。 ここで私も負けじと上目使い。とびっきりのおねだり顔をお見舞いする。 「かーがーみー、おねがい」 「ま、全く………しょうがないわね」 「えー!!これは当たり前じゃないの?」 「調子に乗るな!」 そんな風に怒りながらも、照れ臭そうに目を閉じて顔を近付けてくるかがみをみて、心底可愛いなと感じたのは秘密。 こんな二人の様子を子猫…いや、こなたは相変わらずワケの分からないような顔で見上げていた気がする。 ―――。 数日後、放課後の教室にて。 「こなちゃん、お姉ちゃん!飼ってくれる人見付かったよー!」 「「ホントに!?」」 「うん!ゆきちゃんがね、ご近所の人に聞いて回ってくれたんだって!」 「そっか、良かった…」 みゆきさんの協力もあり、どうやらあの子猫の飼い主が見付かったらしく、かがみは安堵の表情を見せている。 「かがみー」 「ん?」 「残念だね」 「なんでよ?」 「愛するこなたが一人減っちゃってさー」 「バカ、何言ってんのよ…」 「あれ?寂しくないの?」「寂しくないわよ。」 「へぇ、意外だ…」 かがみの性格からして、こんな時は絶対に強がっているとばかり思っていた。 だけどかがみはニヤニヤしながらこっちを見ている。こ、この不気味な笑顔は何だ!? 「…………私にはあんたがいるからねっ」 その言葉と同時に私はの身体は宙に浮く。こ、これってお姫様抱っこじゃんか!?かがみのニヤニヤの理由はこれだったんだ…。 「うにゃぁー!?」 「ははは、何よその声?猫みたーい!」 「ちょ!このシチュは普通逆でしょ?私がかがみを…」 「そんなの知らない。猫は大人しく抱っこされときなさい!」 舌を出して悪戯に笑うかがみ。…むぅ、反則に可愛いではないか。 …まさか私が一本取られるとは。このツンデレさんは侮れないね。 しかしこれがあの猫が味わった抱かれたときの至福というわけか…。 うん………凄く暖かいや。 fin **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - GJ!(≧∀≦) -- 名無しさん (2023-01-03 17:59:56) - GJだにゃー!! -- 名無しさん (2014-08-17 00:10:51) - 終始ニヤケっぱなしだったよ。くそぅ -- 名無しさん (2012-11-21 16:29:32) - 甘いな〜いいなぁ〜 &br()ヤキモチこなたんとデレデレかがみんは、やっぱりベストカップルだw &br()GJ!! -- にゃあ (2008-10-23 04:45:13)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
記事メニュー
目安箱バナー