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今年もあと少し。 いやぁ、早いような遅いような。 どっちともつかない、一年間だったなあ…。 でも一つだけわかること。 恋に落ちてゆく時間は、速かった。 何せ、自分で落ちていくことに気づかなかったくらいだもん。 ◇ 「志望校、決まった?」 かがみが私に聞く。 場所はいつもの、私の部屋。 土曜日の午後は、家庭教師がやってくる。 ――私の大好きな、家庭教師。 最近、勉強が好きになった。 これもひとえに、かがみが理由。 かがみに褒めてもらいたい。 かがみに喜んでもらいたい。 最初はそんな理由で勉強してたけど、気付いたら好きになってた。 あれ…これって勉強が好きなんじゃなくて、かがみが好きなんだね。 「一応…ね」 一応決めたよ、志望校。 私が行きたい学校。 入学して、時を過ごしたい場所。 「どこどこ?」 興味津々な瞳。…可愛いね。 それでいて、美しい…。 ますます、恋に落ちてゆく。 「言わなきゃ、駄目?」 「…当たり前でしょ?」 正直、言いたくない…。 理由は単純明快、恥ずかしいのだ。 だって、それは…。 「……ぅ……ぃ…」 口を3%使って話してみた。 何と比べて3%かは内緒。 「聞こえないわよ…なんで言ってくれないのよ?」 かがみが私に懇願。 …その瞳は、反則だよぉ…。 まるで寂しい、ウサギみたい。 「じゃあここに書くよ」 「…はぁ。なんで言わないのよ。まぁ、いいけどさ」 開いていたノートの右端にちょこちょこっと書く。 私が書いた大学の名前を見て、驚きの表情。 口を開くかがみ。 「ここって…」 そうだよ。 言わないでよ、恥ずかしいから。 あぁ、やだよ、顔から火炎放射。熱い。 多分顔は真っ赤っか。 だってそれは… 「私と一緒の、大学…」 ◇ バレちゃったかな、私がかがみを好きだってこと。 普通「あなたと同じ大学行きたい」って言うだけで、そんな恥ずかしがらないよね。 意識しちゃってるの、気付いたよね。 …どうしよう。バレてませんように。 今かがみはうちのトイレへ。 つまりここにいない。 自分の部屋に、私は1人。 「はぁ…」 バレないでと思ってはいるものの、自分の気持ちを知ってほしい、とも思ってしまう。 毎日毎日、あなたばかり考えてますって。 …でも、女に好かれて嬉しい人はいないわけで。 そうゆう人は中にはいるけど、かがみがそうとは限らない。 つまり。 知られたら今の関係は続いてくれない。 普通女に好かれて嬉しいハズがない。 言った瞬間、きっと今のような時は過ごせなくなる。 かがみが私に勉強を教えて、休憩の時は馬鹿みたいな話して。 くだらない冗談言ったり、からかいあったり。 そうゆう時を過ごせなくなるなんて、嫌だ。 だからやっぱり、私はこの想いをまた心の箱に隠す。 それで、1人の時、こっそり蓋をあけるんだ。 それで、私は充分なんだ。 充分な、はずなんだ…。 ◇ 一つ、いいこと思いついた。 かがみが女の子に好かれてどう思うか調べる方法。 「かがみ~。生物教えて~」 「センターレベルならいいわよ。でも今やらなくていいんじゃない?」 「いいからいいから。善は急げってことよ」 ということで半ば強制的に生物の勉強。 「範囲は?最初から?」 「いやわからないとこ。いい?」 「いいわよ。で、どこ?」 どうして生物の勉強か。それは… 「遺伝子のとこ~」 「あー、確かにめんどくさいとこね。いいわよ、何でも聞いて」 さぁ、調査開始。 ◇ 「ここがね、こうしてこうして…ここが1:2:1だから?」 「答えは…ア!」 「正解♪」 「ねぇ、かがみ」 「なーに?」 「こうゆう実験てさ…本人の意志お構いなしだよね。かってに掛け合わせしちゃって」 「確かに…可哀想よね。まぁ、このおかげで生物学が新しいステップにすすめたんだけどね」 「かがみがさ、もしこうゆう生物実験にかけられちゃったら、どうする?国家の陰謀とかで」 「また何かの漫画ネタか?イヤに決まってるじゃない」 「相手が見ず知らずの奴で」 「無理無理。気持ち悪い…」 「じゃあ、もし、友達だったら?」 「…ねぇ、もうこの話題なめないか?なんかもう気分悪い…友達でもやーよ」 「じゃあ…日下部さんだったら?」 「…はぁ?日下部は女よ?まだ勘違いしてたの?」 「いや、知ってるよ」 「じゃあ…なんで日下部の名前が出てくるのよ」 「モノの例えだよ」 「……説明不要でしょ」 ◇ 結論。やっぱりかがみは普通な方。 かがみにヤラシイ質問しちゃって本当に申し訳なかった。 でも、知りたかったから仕方ない。 女同士は“説明不要”。 つまり仲良しさんからそうゆう関係に進展する可能性はない。 …別に、私はかがみとそうゆう実験の手段の、その…染色体がからむような行為がしたいわけじゃないからね。 純粋に、あくまで純粋に、かがみが女を恋愛対象にみてないかを調べるために、そうゆう実験の手段を持ち出したんだから、ね。 などと心でかがみに言い訳してる私。 こんなこと聞いて、馬鹿みたいだ。 今はかがみが帰った後。 私は1人、溜め息をついた。 -[[君が愛してくれるなら>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/994.html]]に続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 続きまだかなー。 -- 名無しさん (2009-01-23 16:40:55) - 大学名を見た時にかがみが何を思ったのか気になる。 -- 名無しさん (2009-01-12 05:58:12) - 続きが読みたいかって?説明不要だろWWW -- 名無しさん (2009-01-12 03:28:28) - アプローチの仕方が斬新ですね!!(^^) -- 名無しさん (2009-01-12 01:25:16) - 続くかな?続くかな?(^-^)ワクワク -- 無垢無垢 (2009-01-12 00:51:08) - アプローチが凄いな…生物忘れたけどw &br()決して要望ってワケじゃあないですが、現代文でそれっぽい文章を読んでみるとかのアプローチも面白いかも、と思いました。 &br()GJ!続きも楽しみにしてます! -- 名無しさん (2009-01-12 00:20:39) **投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください) #vote3()
今年もあと少し。 いやぁ、早いような遅いような。 どっちともつかない、一年間だったなあ…。 でも一つだけわかること。 恋に落ちてゆく時間は、速かった。 何せ、自分で落ちていくことに気づかなかったくらいだもん。 ◇ 「志望校、決まった?」 かがみが私に聞く。 場所はいつもの、私の部屋。 土曜日の午後は、家庭教師がやってくる。 ――私の大好きな、家庭教師。 最近、勉強が好きになった。 これもひとえに、かがみが理由。 かがみに褒めてもらいたい。 かがみに喜んでもらいたい。 最初はそんな理由で勉強してたけど、気付いたら好きになってた。 あれ…これって勉強が好きなんじゃなくて、かがみが好きなんだね。 「一応…ね」 一応決めたよ、志望校。 私が行きたい学校。 入学して、時を過ごしたい場所。 「どこどこ?」 興味津々な瞳。…可愛いね。 それでいて、美しい…。 ますます、恋に落ちてゆく。 「言わなきゃ、駄目?」 「…当たり前でしょ?」 正直、言いたくない…。 理由は単純明快、恥ずかしいのだ。 だって、それは…。 「……ぅ……ぃ…」 口を3%使って話してみた。 何と比べて3%かは内緒。 「聞こえないわよ…なんで言ってくれないのよ?」 かがみが私に懇願。 …その瞳は、反則だよぉ…。 まるで寂しい、ウサギみたい。 「じゃあここに書くよ」 「…はぁ。なんで言わないのよ。まぁ、いいけどさ」 開いていたノートの右端にちょこちょこっと書く。 私が書いた大学の名前を見て、驚きの表情。 口を開くかがみ。 「ここって…」 そうだよ。 言わないでよ、恥ずかしいから。 あぁ、やだよ、顔から火炎放射。熱い。 多分顔は真っ赤っか。 だってそれは… 「私と一緒の、大学…」 ◇ バレちゃったかな、私がかがみを好きだってこと。 普通「あなたと同じ大学行きたい」って言うだけで、そんな恥ずかしがらないよね。 意識しちゃってるの、気付いたよね。 …どうしよう。バレてませんように。 今かがみはうちのトイレへ。 つまりここにいない。 自分の部屋に、私は1人。 「はぁ…」 バレないでと思ってはいるものの、自分の気持ちを知ってほしい、とも思ってしまう。 毎日毎日、あなたばかり考えてますって。 …でも、女に好かれて嬉しい人はいないわけで。 そうゆう人は中にはいるけど、かがみがそうとは限らない。 つまり。 知られたら今の関係は続いてくれない。 普通女に好かれて嬉しいハズがない。 言った瞬間、きっと今のような時は過ごせなくなる。 かがみが私に勉強を教えて、休憩の時は馬鹿みたいな話して。 くだらない冗談言ったり、からかいあったり。 そうゆう時を過ごせなくなるなんて、嫌だ。 だからやっぱり、私はこの想いをまた心の箱に隠す。 それで、1人の時、こっそり蓋をあけるんだ。 それで、私は充分なんだ。 充分な、はずなんだ…。 ◇ 一つ、いいこと思いついた。 かがみが女の子に好かれてどう思うか調べる方法。 「かがみ~。生物教えて~」 「センターレベルならいいわよ。でも今やらなくていいんじゃない?」 「いいからいいから。善は急げってことよ」 ということで半ば強制的に生物の勉強。 「範囲は?最初から?」 「いやわからないとこ。いい?」 「いいわよ。で、どこ?」 どうして生物の勉強か。それは… 「遺伝子のとこ~」 「あー、確かにめんどくさいとこね。いいわよ、何でも聞いて」 さぁ、調査開始。 ◇ 「ここがね、こうしてこうして…ここが1:2:1だから?」 「答えは…ア!」 「正解♪」 「ねぇ、かがみ」 「なーに?」 「こうゆう実験てさ…本人の意志お構いなしだよね。かってに掛け合わせしちゃって」 「確かに…可哀想よね。まぁ、このおかげで生物学が新しいステップにすすめたんだけどね」 「かがみがさ、もしこうゆう生物実験にかけられちゃったら、どうする?国家の陰謀とかで」 「また何かの漫画ネタか?イヤに決まってるじゃない」 「相手が見ず知らずの奴で」 「無理無理。気持ち悪い…」 「じゃあ、もし、友達だったら?」 「…ねぇ、もうこの話題なめないか?なんかもう気分悪い…友達でもやーよ」 「じゃあ…日下部さんだったら?」 「…はぁ?日下部は女よ?まだ勘違いしてたの?」 「いや、知ってるよ」 「じゃあ…なんで日下部の名前が出てくるのよ」 「モノの例えだよ」 「……説明不要でしょ」 ◇ 結論。やっぱりかがみは普通な方。 かがみにヤラシイ質問しちゃって本当に申し訳なかった。 でも、知りたかったから仕方ない。 女同士は“説明不要”。 つまり仲良しさんからそうゆう関係に進展する可能性はない。 …別に、私はかがみとそうゆう実験の手段の、その…染色体がからむような行為がしたいわけじゃないからね。 純粋に、あくまで純粋に、かがみが女を恋愛対象にみてないかを調べるために、そうゆう実験の手段を持ち出したんだから、ね。 などと心でかがみに言い訳してる私。 こんなこと聞いて、馬鹿みたいだ。 今はかがみが帰った後。 私は1人、溜め息をついた。 -[[君が愛してくれるなら>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/994.html]]に続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-31 08:12:15) - 続きまだかなー。 -- 名無しさん (2009-01-23 16:40:55) - 大学名を見た時にかがみが何を思ったのか気になる。 -- 名無しさん (2009-01-12 05:58:12) - 続きが読みたいかって?説明不要だろWWW -- 名無しさん (2009-01-12 03:28:28) - アプローチの仕方が斬新ですね!!(^^) -- 名無しさん (2009-01-12 01:25:16) - 続くかな?続くかな?(^-^)ワクワク -- 無垢無垢 (2009-01-12 00:51:08) - アプローチが凄いな…生物忘れたけどw &br()決して要望ってワケじゃあないですが、現代文でそれっぽい文章を読んでみるとかのアプローチも面白いかも、と思いました。 &br()GJ!続きも楽しみにしてます! -- 名無しさん (2009-01-12 00:20:39) **投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください) #vote3()

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