ドラゴン


現在のマグノラントでは、巨竜種と呼ばれる十メートルを越える大型のドラゴンは既に絶滅しているとされる。原因は食糧難と言われており、竜はその巨体を維持するために、多量の食糧と魔力を必要とする。
しかし、獲物となる側も馬鹿ではない。ドラゴンのような目立つ上に強大な魔力を持つ生物が近付けば、大抵の獲物は姿を見せる前に遥か彼方に逃げ去ってしまうのだ。いかに強大な力を持っていても、獲物を食べられなければ意味がない。地上最強の生物であるが故に、自然界では弱者だった。
こうして飢えた竜はその数を大きく減らしていき、生存競争に生き残るべく、徐々に小型化、雑食化していった。
それでも、僅かに生き残っていた肉食竜達は、食糧を求めて当時一箇所に固まって生活している原始人類に目をつける。
竜は度々人類の集落を襲ったが、文明を築き始めていた人類もこれに激しく抵抗。人と竜との戦い……それが、人類の直面した最初の危機であり、戦争となった。戦いは、当初竜が人類を一方的に喰らうばかりだったが、時をへる内に人類も文明を進歩させ、また、戦術を用いて竜に対抗、徐々に竜の側も撃退され、あるいは狩られるようになっていった。
原始的な魔術やそれを用いた兵器など、人類の持つ戦争の技術は、竜との戦いで大きく発展したとされる。
どんな戦争もそうであるように、最後は圧倒的な物量が勝つ。
竜に比べ繁殖力で大きく勝る人類は、次第に竜を圧倒するようになり、肉食竜は狩り尽くされ、大陸から姿を消していった。
僅かな生き残りも、勇者や竜殺しを名乗る人間達に狩られていった。