『作品舞台および概要』
 舞台となる大陸『ディエリスオン』。かつて、この大陸は、五大元素を司る、炎の赤龍、水の青龍、雷の紫龍、風の緑龍、地の黄龍。そして、昼夜を司る、光の白龍と影の黒龍。この七柱の龍神が各々の力を用いてそこに住むモノを導き護っていた。それすなわち、“七龍伝説”。伝説で語られた時代より、数千年・・・龍神たちは深き眠りについたが、いまだその加護は失われておらず、それは国家という形に姿を変えて、現代に存在した。

 夜を司り、容赦無き黒龍の加護を受けしモノは、心の闇を飼いならし、力による統治を進め、黒の大国・軍事国家『レストール』となった。
 昼を司り、慈悲深き白龍の加護を受けしモノは、その優しき御心を伝え広めることで、白の大国・神聖教国『グリフォード』となった。
 この二つの大国間では、その在り方の違いから争いが絶えず、互いの国境線での睨み合いが続いている。

 炎を司り、魂熱き赤龍の加護を受けしモノは、諦めぬ不屈の心により、技術を蓄積し、赤の小国・技術国家『エスロンド』となった。
 水を司り、静謐な青龍の加護を受けしモノは、心穏やかに海と一体となり、青の小国・海洋国家『スムレーン』となった。
 雷を司り、聡明な紫龍の加護を受けしモノは、新たな力を有効活用し、紫の小国・機械国家『ラズメスタ』となった。
 風を司り、自由な緑龍の加護を受けしモノは、自由な心を全て受け継ぎ、緑の小国・遊牧国家『フロスティーレ』となった。
 地を司り、堅実な黄龍の加護を受けしモノは、大地の恵みと共に生き、黄の小国・農耕国家『チグランツ』となった。

 二大国の国境線だけでなく、その他の国同士でも小さな小競り合いや牽制が続いている中、大陸全土にて、突如無差別攻撃を行なう存在が出現、各国はその対応に追われることとなり、他国に干渉する暇はなくなったように思われた。

 この物語は、赤の小国『エスロンド』にて、『爆槌の戦闘姫』と『流旋の双剣』の邂逅から始まる。


『あらすじ?』
 赤の小国『エスロンド』の第一皇女にして、最凶の槌、レスティール・フロス・エスロンドは、己の愛機の前に立ちはだかる“モノ”を未だ理解できないでいた。
 一言で表現するならば、出来損ないの恐竜。いや、出来損ないであればこそ視覚情報からの恐怖は倍増する。しかし、聖騎士としての矜持から悲鳴だけはあげずにいた。お付の似非忍者は、恐慌状態に陥っているようだが。

 ルフト・シュベルトは、超貧乏である。というか、宿無し金無しである。己の駆る機体を換金すれば、それなりの生活はできるだろうが、既に半身と言っても過言でない“こいつ”を手放すなどありえないことである。むしろ、飯の種がなくなるのは死活問題だし・・・などと考えていると視線の先に化け物がいた。うん、今日の晩飯発見。

 振り下ろされる爪の衝撃を覚悟した瞬間、振り下ろした爪そのものが大回転・・・明後日の方向へ流れた。唖然とするこちらの耳を叩くの声は、

「両目と両腕・・・それと獲物が二本・・・それがあれば、どんな攻撃も捌いてやるよ」

 静かな少年の声だった。