西暦2016年
この日、彼女は選ばれた。
“人類史の存続”を目的とする人理継続保障機関カルデアのマスター、その一人に。
“人類史の存続”を目的とする人理継続保障機関カルデアのマスター、その一人に。
所長の話が終わると、医療部門の責任者であるロマニ・アーキマンに連れられた。
「僕のことはDr.ロマンとでも呼んでくれ。そして、こちらが」
彼の隣には、眼鏡を掛けた白衣の少女がいた。
少女が少し緊張した面持ちで口を開く。
少女が少し緊張した面持ちで口を開く。
「マシュ・キリエライトといいます。これからよろしくお願いしますね。先輩」
先輩?
その呼び方に少女は少し疑問に思う。
何故なら少女が今、ここにいるのはおよそ2日前くらいなのだから。
その呼び方に少女は少し疑問に思う。
何故なら少女が今、ここにいるのはおよそ2日前くらいなのだから。
「あぁ、気にしないで。彼女はいつもこうなんだ。特に君みたいな年頃にはね」
少女は、クスッと笑った。
マシュがなんとも恥ずかしそうに顔を真っ赤にしているからだ。
素直に可愛らしいとも思った。
マシュがなんとも恥ずかしそうに顔を真っ赤にしているからだ。
素直に可愛らしいとも思った。
「ありがとう、マシュちゃん。改めて、八神マリアです」
少女―――マリアは、自然とマシュに手を伸ばすと、マシュがしっかりと握手した。緊張していたぶん、マリアの人柄に少し安心感をもったのだろう。
「では、八神先輩。これよりサーヴァントの召喚を行うので、召喚サークルへどうぞ」
「マリアでいいよ。私もマシュちゃんって呼ぶから」
「は、はい! では・・・マリア先輩」
「うん!」
「は、はい! では・・・マリア先輩」
「うん!」
二人の間に自然と笑顔がこぼれているところに、ロマンが和やかな顔で咳払いを一つした。
「じゃあ、サーヴァントってのは、もう知っているよね?」
「はい。過去の英雄や偉人が英霊となって、自分と一緒に戦ってくれる人達ですよね?」
「その通り。魔力量が増えれば、数多くのサーヴァントを使役することができるけど、今の君だとまだ一人だね」
「適性はあるとは言われましたけど、自覚はないんですよねぇ」
「まぁ、新人はみんなそんなものさ。じゃ、さっそくだけど召喚サークルに手を伸ばしてみて」
「はい。過去の英雄や偉人が英霊となって、自分と一緒に戦ってくれる人達ですよね?」
「その通り。魔力量が増えれば、数多くのサーヴァントを使役することができるけど、今の君だとまだ一人だね」
「適性はあるとは言われましたけど、自覚はないんですよねぇ」
「まぁ、新人はみんなそんなものさ。じゃ、さっそくだけど召喚サークルに手を伸ばしてみて」
マリアはそっとカルデアに存在する特別な台に手を伸ばす。
自分の適性、魔力量、そして相性などから数ある英霊がそこから誕生するのだ。
自分の適性、魔力量、そして相性などから数ある英霊がそこから誕生するのだ。
「さっそく起動させるよ」
ロマンが言うなり、マリアの手に熱が帯びる。
熱いような痛いような。とにかく全身の力が一気に抜けるような感じに襲われた。
熱いような痛いような。とにかく全身の力が一気に抜けるような感じに襲われた。
召喚サークルから光が迸り、やがてそこから一人の英霊が現れる。
褐色の肌にまるでウェディングドレスのような白の衣服でありながら、その手には三色に光る剣が握られている。
「私の夢より呼んだのは、お前か?」
白いサーヴァントが問う。
「は、はい。確かに呼びました。えっと、あなたは・・・?」
恐る恐るといったふうにマリアが尋ねる。
「我が名はアルテラ。――-フンヌの裔たる軍神の戦士だ」
これが、軍神アルテラとそのマスターたる八神マリアが出会った瞬間だった。