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四象零

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四象 零(ししょう れい)


性別
外見 銀髪交じりの黒髪。両端が撥ねたネコミミ型の髪型。花柄模様の外套
ICV 水樹奈々
登場作品 幻夢譚 斬羽

穂群原学園3年(hollow時。stay night時は2年)
1月12日生まれ。B型。
弓道部に所属、茶道部部長も兼任していた。
古来より続く、退魔を生業とした家庭に生を受ける。
実家は既に断絶しており、彼が『姉さん』と慕う宗家の家に預けられて育った。
菓子作りが好きで、将来的には、現在勤めている喫茶店の暖簾分けをしてもらうのが夢。
茶目っ気のある言動や容姿とは裏腹に、中身はしっかり男の子。
クールで鯔背な年齢にそぐわぬ落ち着きと、甘え上手な少年らしさが同居しており、好感度が上がるに連れダメ人間評価がついていく(但し、本当の際には頼りになるので、甘やかしたくなる愛らしさというのが妥当)。
飄然としたストイックさのある風体だが、それは熱くなり易い自分を抑える為のリミッターの様なもの。
根っこは静かに燃えるタイプで、一歩間違えば恋愛暴走狂。
奇行が目立つ為、『穂群原三大変人』の一人として数えられる。
他にも、『穂群原で一番愛でたい男』第一位を獲得するなど、奇妙な生態から{『眠れる珍獣』と呼ばれている。
喫茶店アーネンエルベでアルバイト中。

+ 家系
生家は古来より脈々と受け継がれた退魔の家系。
その昔、『究極の退魔』を作ろうとした家系があった。
この国における四大退魔、フジョウ、アサガミ、リョウギ、ナナヤ、四つの一族の血を貪欲に取り込み、魔を討つ最高の素材を作り上げようとした。
四象家の興りである。
五大退魔と呼ばれないのは、四象が四大退魔の一つの分家筋に当たるため、そしてその異端さからである。
四象の家は代々宗家と同じく、がらんどうの肉体を持つものを傑出しやすい。
宗家がそこに多数の人格を植えつけようとする所を、四象は空いた肉体のキャパシティに『魔』を取り込むことで魔に拮抗しようとした一族である。
『魔』をその内に取り込み、その身になじませる事で、後天的な超能力者の開発を行おうとした家系。
肉体的には普通の人間である為、混血とは呼ばれない。
自己の体を、概念武装の域まで改造する業を伝えてきた一族。
現在は、零の両親が10年ほど前に他界した為、一族はほぼ断絶状態になっている。
どのような能力が発露するかは、宿した魔と本人の性質に由来する。

あまりにも多くのモノを取り込みすぎた為、”四象”という家系自体が「他者(の能力)を取り込む」事に特化しすぎた存在となっている。
魔術師にせよ、退魔にせよ、代続きをしている特殊な家系の多くが閉鎖的で、狭いカテゴリーの中で純度を保つ事によって己が在り方を高める所を、四象は外部からの刺激によって発展してきた特異な例。
『吸収』や『模倣』とも異なる、得たものを昇華し自己改造を行う。
その分、混ざり物が多すぎる為、退魔の一族としての純度は低い。
しかし、他者を取り込んでいく性質上、周囲からの影響で、飛躍的な成長を遂げるものが多いのもまた事実。

+ 性質
10年前に家が断絶してからは、宗家に引き取られて育った。
尊敬する人は宗家のご令嬢とその恋人(と零は思っている)の眼鏡、そして華道茶道の教室で出会った眼鏡の友人。
特に宗家の令嬢への傾倒ぶりはかなりのもので、幼い頃から「姉さん」と呼んで子猫のようについて回っていたらしい。
シスコンと呼ばれる事も甘んじて受け入れるほどに懐いている。
彼の行動理念の多くは、その宗家の令嬢から得たもの。
気紛れな猫のような性質は、生来の性格にそれがプラスされての結果と思われる。

「誰かの支えになりたい」というのが行動の基本骨子。
多分に、歪な他者を受け入れがたい性質の人間を模範としてきた為、反面教師的な意味で他者との絆を大切にするようになったといえる。
だが人の好き嫌いがはっきりしており、大抵の相手には好意的に接するが、敵と断じた相手には一切の容赦が無い。

+ 能力
一言で言うと、零の能力は『変な一能特化型』
特定の分野に秀でるのでは無く、一つ一つの分野で限定的な行動に秀でている。
例えば、繊細なものを作るのは得意で菓子や軽食を作るのは得意だが、大量生成は苦手。
経理能力が異常で資産運用は並外れているが、細かい金の管理は大雑把。
将棋など頭を使うゲームは苦手だが、何故かUFOキャッチャーが病的に上手い。
自室には夥しい数のぬいぐるみの類が転がっているらしい。
「祟られそうで怖い」という理由から中々捨てないので、偶に学校で女生徒相手に配り歩いている。
etc,,,
通称『四象零、77の特殊能力』

癒しの概念武装


自己を概念武装に改造するのが四象の特性。
四象零も多分に漏れず凰精を宿しており、『癒し』の概念武装としての能力を持ち、生来の感応能力の一部として形で機能している。
感応能力自体は殆ど共感能力に近く、感応すると互いの情報をやり取りしてしまう場合がある(但し、肉体的なダメージなどのフィードバックはない)。
他者の能力を高める事は出来ないが回復力は凄まじく、肉体の損傷のみならず精神の傷まで癒すと言われている。
能力発動のトリガーは、体液の交換。
但し、相手に自分の血を含ませる程度で事足りる。
また、変異条件として、対象が『自分より弱っている』と言う状態でなければならない。
戦闘には一切関わらない特殊能力であるが、代わりの戦闘手段として刃物の扱いに長ける。

霊媒透視


霊視の一種。
物質的な透過ではなく、概念に対する透過。
本来の機能は『モノの本質を見極める能力』
その片鱗として、霊体や概念、現象など本来はカタチとして視えないモノを視覚化する事が出来る他、霊的魔術的に隠蔽されたモノを暴きだすことも出来る。
尚、人間が外界の情報を視覚情報に頼る事が多いため、魔眼の一種に数えられる事があるが、性能としては五感(場合によっては第六感まで)全てに対応した特異知覚。
体そのものを概念武装に変質させる為か、人間の認識の埒外にある存在を五感で知覚する事が可能。
概念に生きるが故に、概念を捉える事に特化するのが四象の在り方である。

幻燈剣


幽玄の刃。
”術”の域まで到達した神域の魔剣を操る四象零が手にした、唯一無二の四象零という存在に合致した剣
剣を扱う概念武装としての四象零の欠落を埋めるモノであり、真の意味で手足の延長線上の器官としての剣を生み出す
魔術や架空元素の類ではない、それらの埒外にある”この世ならざる刃”。
”無”、あり得ざるモノ。
心の鞘から引き抜かれる事によって顕現する、現実でないにも関わらず、確として”そこに在る”事を許された碧光の刀。
対幻想兵装、常識の埒外の相手を更なる理不尽で駆逐するための武装であり、”魔”を斬るモノである四象零が編み出した至剣であり、その形状は一定ではない。
どこまでも四象零が、扱いやすい事のみに特化した剣である為、普段は淡い燐光が集まっただけの不定型な刃しかない。

尤もこれは、後述の理由により全機能を発揮する”刀”を構える事に対する戒めであり、リミッターの様な扱い。
零が自身で宗家に学んだ”刀を構える事での自己の変態”という業の封印を解く時、その姿を四象零を完成させるカタチへと変化させる。
極北の魔剣。
神代、幽世を侵す魔刃。

因みに、この『不定型な刃』と『四象零が最も扱いやすい形状を取る』と言う特性を活かす事で、間合いを変幻自在に変化させる事も可能。
特に剣閃を視認距離まで伸ばす事による超遠距離斬撃という荒技も隠しており、剣の間合いを外した所で四象零の間合いから逃れた事にはならないと言う地味な強みがある。
最大射程は対象を視界に収めていれば届くが、零は千里眼を持たない為、視界外から狙撃に対する目測でのカウンターなどには使えないが、下記の凰弓が連発が効かない事を考えれば、十分な対遠距離戦へのアドバンテージとなる。
尚、剣閃を伸ばすと言っても実際に刀身が伸びている訳では無い(※元々実体が希薄だからこそ出来る裏技のようなモノ)ので、大多数をなぎ払うというような使い方は出来ない。
また、完全状態の”刀”の形状では至剣と言える状態になっている事が重要な為、このような芸当は出来ないが、任意に形状を崩して無理矢理使うことは可能。
神楽太刀の精度が落ちてしまう他、最大の切り札たる無空の剣閃は、呼歩体剣全てが揃って初めて使える技である為、同時には使用不可能となる。
基本的には射程外への対策用の裏技であり、四象零の本領はやはり白兵戦である。

強力な特殊能力を持つわけでもなく、担い手に加護をもたらすわけでもない。
ただ扱いやすい、と言うそれだけの剣であるが、それが故に至剣と呼ばれる。
荷重、重心、反り、長さ、質量、その全てが己が体の機能を完全にき出す、半身とも呼べる得物。
人剣一体の極地であり、自らが鍛えた技の全てを余すことなく発揮できる剣士にとっての真の意味で誉と評される。
欠けず、折れず、曲がらず、常に自分の力を、技を、限界まで駆使できる最優の武器。
それ故の至剣である。

凰弓


弦を弾くことによって内に飼う凰精を矢として放つ。
主に弓などを用いて使用する他、銀糸を張った即席の結界の様な使い方も出来る。
所謂鳴弦等と似ており、本来は空間を浄化する為のモノ。
矢として放つことによって、五色の風となって対象を射抜く。
一時的とは言え、体内に馴染ませたモノを放出する為、切り札的な使い方しか出来ない。
連発が効かないのも勿論だが、内に飼う凰精が機嫌を損ねる為、一度撃つと一晩は休ませないといけないらしい。

神楽太刀


四象零の操る剣技の一つ。
『是』の呼吸、歩法、体捌きによって斬る。
ただそれだけであるが、全てが神域の挙動である為、『是しく全てを斬り裂く』魔剣。
斬る事に最適な動作、ではなく、「斬る事が是しい動き」である為、因果の”原因”をすっ飛ばして、”斬る”という”結果”のみを世界に残す
一つの技、というより零の剣術そのものがその性質を備えている。
理論上は零が認識しうるものなら、それが何であれ斬り捨てることが可能。
ただし、零は概念でモノを見ることに特化した性質を持つ為、ほぼこの世に斬れないモノはない、といっていい。
さもありなん、元々が怪異相手に斬った張ったする為に編み出した秘剣である。
四象の”自己を概念武装にまで改造する”性質を突き詰めた”剣を扱う概念武装”としての零の姿
相手が魔術だろうが異能だろうが、果ては死者であろうが霊体であろうが、零が視える以上は斬れない道理は無い。
また、太刀は『絶ち』の言代でもある為、これに斬られた魔術式などは雲散霧消する。
カタチの無いモノにすら、否、そうした存在にこそ威を振るう最強の概念破壊者にして”幻想殺し”

斬る、という結果を与える為の技術ある為、自然ならざる蘇生が困難であり、復元呪詛や屈折延命と言った不死体に対しても効果は高い。

因みに、刀以外の武装を用いても精度は落ちるが使用可能。
剣、弓、果ては素手まで対応するが、刀のカタチから離れるほど錬度は落ちる。
尚、神楽とついてはいるが、別に零が神道に通じているわけではない。
あくまで動作が似ている為にそう呼ばれているに過ぎない。

無空の剣閃(アカシックブレイク)


神楽太刀の究極系とも言うべきモノ。
元より神楽太刀自体が、数年前彼の『姉さん』が、死に触れていた際に感応能力を施そうとした際に、自分もその『死』に触れてしまった為に、それに対抗すべく修練を重ねた結果編み出したもの。
『死』を克服する為の手段の行き違った成れの果て。
別名『直死の魔剣』
自己を一つの概念の域まで高めるのが四象の在り方であるが、その行き過ぎてしまった性質が、自己を”直死の概念武装”と呼べる領域へのし上げたもの。
単に相手を斬り捨てるのみならず、その意味への抹殺を可能とした、文字通り『斬れぬもの無き魔剣』
剣を扱う概念武装である、という事は即ちその果ては『剣』の本質である『殺傷』である。
『斬る』事の最上級は対象の滅殺に他ならない。
一太刀にして、対象の大きさも強度も、況や有機無機も実体概念凡そあらゆる条件を無視して『断絶』させる。
そもこの技は斬るという本質を極めた剣術における極地の一つである為、通常の剣技の枠組みに当てはまらない。
間合い、対象の大きさ、と言った概念が通用せず、触れる前に余波で吹き飛ぶような大火力に対しても、問答無用で斬り捨てる(※但し、攻撃に用いる場合は対象を間合いに捉えている必要がある)。

ルールブレイク、条理破壊、世界の理を絶ち斬る対界魔剣
尚、”直死の魔剣”と銘打たれてはいるが、高次の概念の死を視る為に負荷が増大する為、仏舎利の様な最上級の神秘で対抗可能な同名の魔眼とは真逆で、対象を括る神秘性が上がるほどに破壊性能が増す、という特徴がある。

尤も、この状態はこの業にとって未完成。
本来は『死』という概念を打ち払う為に編み出した技であるため、最終到達点はあくまで『死』の克服である。

+ 以下裏設定

生い立ち


生まれは冬木市。
両儀の分家であり、退魔組織にも連なる家系。
混ざり物が多すぎるため、”魔”に対する根源的な恐怖を打ち消す本能の薄い四象家は、代々幼い頃からそれに代わる強固な精神制御術を身につけている。
代わりに人間性を欠如しやすく、零も例外ではなかったが、10年程前、第四次聖杯戦争に前後するように一族は彼を残して断絶。
最後の生き残りである零は、宗家である両儀に引き取られた。
養子縁組などはなされていないが、これは単に両儀家の方が零を引き取ったのは、両儀式への情操教育の一環としてだった為。
しかし、それが逆に、図らずも四象零の方の人間性を開花させる切欠となる。

当事、既に霊媒透視の片鱗を見せ始めていた零は、式の自身=織を表に出さぬ為に殺害する、という精神の在り様を見抜いていた。
本質はどうあれ、四象零にとってはその在り方はどうしようもなく優しく視えた
自分以上に『壊れて』いながら誰よりも”命”の価値を知るその姿に魅せられ、真似事のように自己の精神の殺害を試みる。
人として最低限活動可能な部分を残して他を封殺した事で、それまでの自分をただの『記録』にまで落とし込む事で決別を図った。
これに対し、式が告げた「私のようにはなるな」という旨の言葉を受けた事で彼の人生は一変する。
式にしてみれば何気ない一言だったろうが、零にとっては正しく福音に等しく、以来両儀式を反面教師とすることでヒトとしてマトモな人格を形成していった。

以後、真っ当な人間性を取り戻してからは交友関係も広がり、式を通じて出会った黒桐幹也や習い事の先で出会い、後に学友にもなる遠野志貴等を通して健全な(?)精神を育んでいった。
故に、零にとって両儀式という女性は特別な人となり、シスコンということも甘んじて受け入れるほどに懐くようになる。
恩人として、また淡い思慕の念も混じった事で零の人格形成において、非常に大きなウェイトを締めている。
後に四象零が”愛”や”恋”といった感情に拘るようになるのも、この初めて感じた思慕の情が彼にとって初めての情動であり、潜在的に最も大切な思い出であるから。

しかし、両儀式が黒桐幹也との出会いから”壊れ”始め、結果的に自身を『殺した』こと。
生涯最高にと慕い、幼い頃から付いて回っていた相手。
それ以上に、自分を”人間”に戻してくれた恩人である彼女の変化、少しずつ壊れていくその様を当事、学校も違い、近くにいなかったとはいえ、気づけもしなかった自分に打ちのめされ絶望を味わい深いトラウマとなった。
新しく出来た友人知人、人間関係にほだされ、肝心な時に間に合わなかったという記憶が彼の心にはこびりついている。
その後、罪悪感から逃げるように宗家を後にし、冬木に舞い戻った。

性格


作為的な人格の再生である為、感情の触れ幅が正の方向に偏っている。
喜怒哀楽はあるが、人間として最も暗い部分、憎しみや恨みといった感情が欠如してしまっている(※先天的な欠落ではないので、麻痺しているという方が正しい)。
この性か、大抵の相手を好意的に捉える傾向がある。
尚、人格の再生こそ作為的なものだが、彼自身の人格が意図的に作られたものというわけではない。
現在の人格は、生来の気質に十数年の年月を積み重ねて得た、紛れも無い『四象零』というカタチそのものである。

普段のクールで年齢にそぐわぬ達観した落ち着きは、そういう人間を模範として生きてきたから
基本、零の行動原理は、一貫して『大切な人の為』という個人的な理由のみに端を発する。
偏に想い人の助けになるためであり、主義主張義務正義感での行動は稀。
根本的に守勢の性質であり、自分から世界を変える、救うといった壮大なドラマ性は皆無といっていい。
但しその守り方は攻撃的で、「その線を超えたら死ぬよ?」という攻勢防御。
境界を侵すものには容赦なし。
反面、身内と断じた相手には真摯。

冬木に戻ってから、近所の呉服屋(詠鳥庵)で買った着物を式に贈って喜ばれたことから、以来好意を持った女性にはそこで買った着物を贈るという奇癖を持つ。
また、男物の服のセンスはお世辞にもいいとは言えないが、女性の衣服を見立てるのは得意。
因みに旧四象の遺産は全て相続しているので、土地及び資産は結構なモノ。

水仕事が好きで、衛宮士郎程ではないが、主夫体質。
「炊事洗濯掃除などをしていると落ち着く」、とは本人の弁。
但し、あくまで”趣味”として好きでやっている事なので、あまり入れ込んだモノではない。
一言で言うと、やる事はやるが、やり方は大雑把。
成した事での成果に満足するのではなく、やること自体が楽しいと言う、過程を楽しむためのもの。
但し、自他ともに認める趣味である製菓やパン作りなどに関しては別で、自分が作るからには不味いものは絶対に許さない、と言うのは両儀式に似る。
自宅の隅に竈をこしらえる程凝り性で、これに関しては妥協を許さない。

弓道部での立ち位置はマネージャーモドキ。
一応部員だが、その経理能力他を活かして自動部費生産マシーン弓道部の裏帳簿美綴のポケットマネー等の異名をとる。
剣術家であるにも関わらず、弓道部に籍を置いているのは1年の頃美綴綾子に一目惚れしたから。
2年の終わり頃に告白したが、結果は玉砕。
振られた理由は、零は依存心が強い傾向にある為、甘えられる相手にはとことん甘えてしまう為、面倒見の良い美綴とでは互いにだめんずうぉ~か~になってしまうから。
美綴曰く、「お前にはもっと護ってあげたくなるような相手じゃなければダメだ」との事。
その為、以降は対等な友人として持ちつ持たれつの関係になっているが、惚れた弱みか零は常に頭が上がらない。

尚、第五次聖杯戦争に於ける顛末から、美綴綾子に対しては上記の両儀式と同じ位の負い目を持っている。
助けられた筈が助けられなかったと言う事実は根深くトラウマになっており、長くその事実に苦しんできたが、後に傷付けられた過去を無かった事にするのではなく、そこからどう癒していくべきか、と言う答えに辿り着き、心の整理を付けることが出来た事を、言葉にせずとも深く感謝している。

基本、受動的な為、何も無いとぼーっとしている事が多いが、周囲が熱気に包まれるとそれに反応して自分のテンションも上がるタイプ。
お祭りごとだと派手に騒ぐ事も多く、眠れる珍獣の異名はそこから来ている。

最初に発した異能が『癒し』である事からも解るとおり、零の本質はである。
穏やかな気質をしているが、四象の性か周囲からの刺激が無いと反応が薄い。
能力的には極めて高いものを有しながら、自分独りでは生きていけない。
これをして「他人を護る事には長けているが、自分を救う事は苦手」と評されている。

能力


神憑り的な危機回避能力と、圧倒的な攻撃性能と破壊性能に基づく迎撃能力を武器に、致命の一撃を極限まで回避しきり接敵、必殺の一刀で相手を倒す戦闘スタイルを取る。
その機能は単一にして万能と評される。
斬る、と言う事にのみ特化した戦闘技術であるが、対象を選ばないという事があらゆる事象への干渉を可能としており、言うなれば斬るという事で万事を解決できる
また、本質は『癒し』である為か、病などの概念のみを斬り裂いて治療する事も不可能ではない。
長じ臨界を極めれば、すらも斬り捨て、蘇生させうるのではないか、と言うのもあながち冗談では済まないのかもしれない。

尤も、四象零の技術の本質は防性に重きを置かれている。
万象を斬り裂く最高の攻撃性能も、何モノにも侵されざる為に鍛えた結果に過ぎない
対界魔剣の名が示す通り、本来は世界の理を崩す為の技術であり、全てを殺す一撃でありながら”死”を打ち祓う、本来の属性である『癒し』が根本である事は変わりない。
偶々、素養として剣技の資質があったが故に、それを鍛え抜いた先が”無空の剣閃”という技術の本性。
殺す為に鍛えたのではなく、自他共に生かす為に鍛え抜いた途上が現在の状態
その剣技は一種の結界とも言うべきものであり、云わば”無空の剣閃”とは史上最高の切り払いでもある。
全てを斬り裂く一撃によりあらゆる侵害を防ぎ切る。
究極の一撃による至高の護り

強みを一言で言うなら黄金律の戦闘技術
肉体、精神、技術の方向性、生活環境、人間関係等々、20年にも満たない年月でありながら、奇跡の領域に指をかける技術を獲得できたのは人生経験における要素が芸術的なまでに噛み合っていたから。
どれか一つの経験でも欠けていれば、崩れ去るような危ういバランスの中、一個の精密機械の様に『強くなる条件』を積み重ねていった結果が四象零の強さの根源である。
どこまで行っても人間でありながら、人間には倒せないはずモノを倒す性能を与えられたその様は、才能では片付けられない。
芸術品に近しい様から、天才や鬼才とはまた別のベクトルの”祈才”と表現される。
ヒトの祈りを体現したような、呪い染みた強さを持ったモノとして、ヒトの強さという名の幻想の象徴ともされる。

また、肉体の全機能を発揮する事に関しては他に並ぶものが無いほど図抜けた性能を持つ。
息が乱れれば乱れた息で、足場が悪ければ悪い足場で。
どれだけ性能を損なう要素があっても、それに瞬間的に適応する。
圧倒的に無駄が無い事が武器であり、精密精緻さこそが四象零の最大の強みである。
但し、自分で”使わない”というルールを課している場合は別であり、スポーツ競技などでは十全の性能を発揮できない場合が多い。
また、機械などの肉体から離れた複雑なものに成ればなるほど精度は落ちていくという欠点もあり、手に持てる武器までが四象零にとっての最適な武装であるらしい。
他にも魔術回路などを必要とする魔術など、先天的な要素を必要とする技術も極められない。

着痩せするため解りづらいが、身長の割りに体格はしっかりしており、こと瞬発力には定評がある。
矮躯である為、筋力の積載量はそれほどでもないが、同程度の身長の人間よりは多い部類。
足りない部分は技で補っており、戦闘技巧の優秀さが彼の最大の武器といえる。
体格に恵まれた訳でもなく、天性の強力な特殊能力を与えられた訳でもない。
獲得した超能力も戦闘手段とはなりえない等、およそ戦いに向いた能力を持ち合わせていなかった四象零という存在にとって、技で他者を圧倒するという選択肢は必然であったと言える。
自身の膂力が追い付かぬなら、工夫を凝らす事でそれを克服する。
無空の剣閃という技術は、不可能を可能にするための世界の在り方を歪ませる技巧という領域に辿り着いた渾身の一であり、技を超えた”術”と呼べる存在にまで昇華された奇跡。
限界のある人間の体で、数多の幻想に挑む為、練り上げ続けた結果に手にした最大にして唯一の牙である。

”無空の剣閃”と言う秘剣の本質は、未来の否定
如何に未来と言うモノがあやふやであり、決定されたものでは無いとは言え、そこ到るまでに積み上げられた数え切れない事象の積み重ねである事に変わりは無い。
その結果を紡ぎだす因子が幾重にも重なってできた歴史の重みが、現代未来と言う結果を創り出している。
故に、僅かなボタンの掛け違えが歴史を変えてしまうと言う事は起こりえるし、些細な違いだけでは歴史が揺らぐ事もあり得ない、と言う二律背反が成り立つ。
しかし、”無空の剣閃”はそうした歴史の積み重ね、と言う因子の全てを無視して対象を滅却する。
転じてそれは、年月の重みが創る統計としての未来を破壊する
抗いがたい未来へ挑む、無限の可能性を斬り拓く一撃
だが、無限の可能性と言えば聞こえはいいが、それは逆に積み重ねられたモノを無視する、と言う事でもある。
定められた滅びを否定する死すらも祓う魔剣ではあるが、同時にそれまでの努力の否定にも繋がりかねない。
四象零は連綿と重ねられたヒトの祈りの具現ともされる様に、そうした繋いで来た年月の重みを最も尊いモノとしている
矛盾した技術ではあるが、ヒトの身に余る魔剣であるが故に、その尊さを知る四象零が担い手として最も相応しい。

四象零のみが持ち得る究極の一、彼だからこそ辿り着ける領域はあくまで”無空の剣閃”であり、神楽太刀はその副産物に過ぎない。
言い換えればダウンサイジングした”無空の剣閃”が”神楽太刀”の正体。
これと対になるのが、四象麗の持つ約束の地
究極の一撃による至高の護りに対する、至高の癒しによる究極の死であり、陰陽の理を顕す縮図でもある。
但し、どちらの完成にも”幻燈剣”は不可欠である為、これこそが四象零の本質中の本質であるとも言える。

”魔”の天敵。
人間の埒外の存在である幻想に挑むなら、本来は異能や魔術を極める方が手っ取り早い。
自身のルールが通じないからこその異端であり、脅威であるモノに対しては、同じ土俵に立つのが最短の道程だからである。
しかし、四象零は神秘を学ばずして”魔”と拮抗する。
条理が通じ無いが故に異端が脅威であるのなら、彼らのルール、本来ならば干渉できない筈の物理現象で対抗可能にした神業の担い手。
それは即ち、本来の彼ら、幻想に生きる者達の優位性を覆すモノ。
どんな異端であろうと、異端には異端の『常識』が存在する。
理解の範疇の外にある、自然ならざる不条理こそが脅威であるのなら、彼らの常識を人間の常識で打ち破る四象零は異端にとっての異端である。
神秘が条理の外にあるから神秘足りえるのであれば、その神秘の理の外にある理を顕す人間と言う名の化け物

自身を概念武装に改造するという性質上、四象の者は特定事のみを実行するだけの装置になりやすい。
”剣を扱う概念武装”にまで高めた零にとって、最大限の能力を引き出すことは、人間性を破棄する事に近く、精神的な負担が大きい。。
まして”直死の概念武装”たる無空の剣閃を扱うには、最低でもサーヴァント換算でBランク以上の《透過》のスキルを備えている必要がある。
自己を完全に御する平静の精神性を維持出来る時以外は、本来の得物を使うことは硬く縛められている。
体術に関しても、七夜のそれを引き継いでいる為、並外れた能力を持つが、こと剣術に関しては別格。
宗家に学んだ、『刀を持つ事での肉体の変態』という業により、完全武装時の戦闘力は剣技に限ればサーヴァントにすら匹敵する。

尚、普段はサルビアの花があしらわれた白塗り柄の小型の愛用しているが、これは唯一誕生日プレゼントとして姉さんと慕う式から気まぐれに贈られた物。
守り刀として大切にしている。

剣術の下地は、主に両儀式のやっているものを見よう見真似している内に資質を見いだされて鍛えられた。
高校に上がる頃には幻燈剣への階を見せていたが、概念化による人間性の欠落、という欠点から他ならぬ式自身から「折角、人間らしく成ろうとして自分を造り替えたくせに、自分からそれを捨てるような真似をするなんて馬鹿げている」という言葉を受けて無意識化で封印を施している。
決定的に必要とされる時点まで、刀はおろかその前の段階である長剣として扱う事も出来なかった。
自身の力不足から再燃し、幻燈剣の領域にまで上り詰めるが、それでも刀の段階は持て余していた。
後に、『剣はどこまで行ってもそれそのものは意志無き道具。担い手と言う要素が揃って初めて”現象”としての意味を持つ』という答えに到達。
剣の扱う概念武装とはそれ即ち、剣と一体となりて、己の意志を遂行する者という四象零の本質に行き着くことで、初めて自身の意志で自在に扱うことが出来るようになる。

尚、ヒトの身でありながら、10余年余りで宿した凰精に所縁の無い”剣を扱う概念武装”というカタチにまで成りえたのは、一所に執念の成せる業でもあるが同時に四象の一族が冬木に根差していた事も一因。
第三次聖杯戦争の折りに、四象零の曾祖母に当たる人物がこれに介入。
記録に残る戦果こそないが、その際に当時のセイバーのクラスのサーヴァントと何がしかの縁があったのか、剣の英霊の因子を取り込んだのが発端。
普通は遺伝しない筈の四象の特性だが、英霊と言う規格外の存在であった為か、潜在的な特性として零の代までその因子が体内に残り続けた。
完全な同化の類ではない為、衛宮士郎の様に起源や属性を変化させている訳ではないが、逆にそれ故にではなく、”剣を扱う”という部分が色濃く出ており、零が本格的に剣術を会得し、またそれが突出した自己暗示による変態という方向性を極めた種類のモノであったために、異常なまでの習熟速度を誇るに至った。

因みに、武器戦闘に特化した性能を持つ為か、素手での戦闘技術はそれ程でもない。
本人曰く「素手で戦ったら美綴の方が強い」との事。

※但し、これは零が体の全機能を駆使してて戦うスタイルを得意としているので、柔道や剣道などのルールのある試合形式の戦いでは全性能を出し切れない為。
ルールの無い本気の殺し合いなら圧倒できるスペックがある(逆に言うと、ルールのある競技ではてんで弱いという事でもあるのだが)

+ オマケ
サーヴァント換算でのステータス。

平均的な宝具を持つサーヴァントと互角に戦える。
但し、”幻想殺し”という属性上、神秘や異能で武装した相手にはめくらめっぽう強いため、(ORTなどの規格外を除き)死徒二十七祖、第五次、第四次、EXTRAのサーヴァントほぼ全員に対して勝つ目がある。
あくまで可能性の話で絶対ではないが、それでも”絶対に”勝てないという、所謂詰みの状態にはならない。
適応性の高さと、究極の番狂わせである無空の剣閃の存在、加えて干渉不能の存在に干渉できる事と、それを活かせる卓越した技量というディスアドバンテージの少ない能力特性により、決定的に不利になる要素が少ない事が一因であるが、反面同じように素の技量を競い合うと厳しい状況に置かれやすい。
具体的には剣の技量自体はアサシン(佐々木小次郎)と同程度。
但し、体格差と相対相性(小次郎は宝具を持たず、神秘に依存しないので幻想殺しのアドバンテージが活きない)の問題から、戦うと零はかなり不利になる。
これは零の剣技が『倒せないはずのモノを倒す』為のモノに特化しているのに対し、アサシンは『必中であり、ただの人間には致命的』となる対人魔剣使い手であることも影響している。
反面、バーサーカー(ヘラクレス)や、ネロ・カオスのような相手には、その防御性能を無視した一撃必殺を叩き込める分有利に立ち回れ(それでも膂力の差は覆しようがないので確認された四人のバーサーカーとはいずれも最も相性が悪い。時点で五次、EXTRAの両アサシン)、アーチャー(エミヤ、ギルガメッシュ)の様に武器や能力に重きおかれた相手なら格上でも優位に戦闘を進められる。
また、元が退魔の家系である事からライダー(メドゥーサ)の様に相手が人間離れしていればしているほど強い。

性別:男性
身長・体重:161cm・51kg
属性:中立・善

筋力:D   魔力:E
耐久:E   幸運:A+
敏捷:B++宝具:??

  • 保有スキル

  • 心眼(偽):EX
※直感・第六感による危機回避。
虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知。
零自身の才能と言うより、四象の一族が培ってきた血筋の培養の結果。
サーヴァントという規格外の存在に挑む為、圧倒的不利な身体能力のハンデなどを補う戦闘本能と言うべきスキル。
霊媒透視との連結により、視覚妨害のみならず、五感全てへの妨害に対して耐性を持つ。

  • 透過:C+
※武芸者としての極み明鏡止水。
魅了や恐怖といった精神への影響をシャットアウトする。
元々四象零が学んだ精神制御術に、剣術家としての能力が加わった結果。
気配遮断というより、精神防御に重きを置かれる。
達人というには十分とは言いがたいレベルであるが、集中時に一時的には極みの域まで達する。
零は精神が高揚する程に、クールダウンしていく性質を持ち、例えて曰く「熱く熱した玉鋼が、冷え固まり鋭い一本の刀になるよう」と評される。

  • 心眼(真):C
※それまで得た情報を元に、状況を打破する危機回避能力。
圧倒的経験値によるもの。
零は、冬木に戻って以降、退魔組織からの依頼で(所属はせず、あくまで外部協力者としての協定)多くの”外れた魔”を相手に修練を積んでいる。
人間を遥かに凌駕する”魔”を相手取っての戦闘経験によって会得したスキル。
四象零の真価は、卓越した技量もさることながら、霊媒透視に代表される規格外の知覚に依る部分も大きい。
膂力の不利を覆す為に徹底的に鍛え上げた眼力であり、ステータスで悖る存在が格上を打倒する為に必須とした弱者の眼

  • 人間観察:C
※人々を観察し、理解する技術。ただ観察するだけではなく、名前も知らない人々の生活、好み、人生までを想定し、これを忘れない記憶力が重要。
心眼(真)同様、只管磨いてきた眼力による技術。
人生経験の浅さゆえに、このランクに落ち着いている。
単純な他者の弱みを見出すだけの眼力では、四象零は『癒しの概念武装』とは足りえない。
そうした、防性の面を顕すスキル。
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