“護るべきこと3ヶ条”

「なんだそれ?」
「貴方は危なっかしいから」
「・・・・・・そか?」
「・・・自覚無しか。困ったもんね」
「???」

良くも悪くも、この条項が俺の今後の生き方に影響を与えた。



国家という枠組が破綻して、数十年。
世界は無法地帯と化し、このまま滅びへの道を一直線・・・
とは、ならないところが人類の“しぶとさ”というものかもしれない。

元来、人類を統治・・・もしくは、抑止していた法は、
現在は形を変えて、より強く人類を縛っていた。
それは・・・金と技術力。


「ヘッドォっ!?あいつら、最新型投入してきやがったっ!」
「型式はっ!?」
「わかってたら、言ってるよっ!」
「役に立たねぇ電子斥候だなっ!?」
「・・・・・・データベースに無いからしょうがない?」
「「おめぇはもうちょっと焦れよっ!?」」


金と技術力による支配・・・すなわち、軍事技術を持つ企業により統治。
各企業は国家崩壊の後、こぞってそれぞれが持つ“戦いの力”を用いて、
周辺地域を押さえに走った。


「・・・・・・まぁ、負けても命失うわけじゃないし・・・」
「や、スポンサー様は大激怒だからな? わかっているか?」
「相手側は、規模・売上・利益で大きく上回っているから勝てるわけない」
「つか、ヘッド・・・なんで、こんな負け戦を受けたんだよ?」
「・・・・・・・・・・・・酒は奢られるもんじゃねぇよなぁ」
「ざけんなっ! 概ね、あんたのせいじゃねぇかっ!?」


しかし、あくまで企業は企業。
軍事兵器を生産する技術はあっても、操縦・戦闘を行なう技術を
持ち合わせているものは少なかった。
そこで、登場したのが、“傭兵”である。


「まぁ、受けてしまったものはしょーがない」
「お前は優しいな・・・・・・」
「とりあえず、ヘッドを生贄・・・もとい、囮にしてここを切り抜ける」
「・・・と思ったけど、そんなことはなかったぜぃ!」
「それ、言い直してるけど、意味変わってないぞ?」
「・・・・・・・・・てへ」
「「誤魔化せてねぇっ!?」」


各企業の統治領域境界においては、その軍事力を用いた小競り合いが頻発する。
その際に、多くの企業は“傭兵”と呼ばれる者に各々の軍事技術にて生産した兵器を貸与し、
その力を持って、小競り合いに決着をつける。
この戦いは、傭兵は腕を、企業は技術力を競い合う・・・その場となっていた。


「しかし、真面目にどうするか考えないとな」
「技術力を腕でカバー?」
「はっはっはっ、そんな超人的なことができたら、こんなことになってない」
「向こうさんに雇われてるだろうしな」
「「はっはっはっ」」
「二人とも笑い事じゃない」
「「ごめんなさい」」


傭兵として勝ちを重ねれば、力のある企業からも声がかかる。
企業としても、自社の製品が力あるとわかれば統治を安定することができる。
すなわち、性能の高い兵器と腕のいい傭兵は惹かれあうのが常であった。


「でも、実際問題、白旗揚げる?」
「それはなんか悔しいな」
「俺は酒が飲めたからもうい―――」
「「落ちろ」」
「ぐあぁあああっ!?」