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魔皇凶女ゴスペルブラック ストーリー2

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hanptidanpti

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魔皇凶女ゴスペルブラック ストーリー2



第十話~第十三話

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第十話 裏切りのゴスペルブラック 魔法天使全滅!?

突如として妖禍界ブルーツァへと寝返ったゴスペルブラック。
彼女の効率的かつ合理的な指揮により、妖禍界は一気に勢力を盛り返し、魔法天使達を追い詰めていく。
その功績で、妖禍界の最高幹部、妖禍大元帥となる。妖禍皇を丸め込み、贅沢三昧の日々を送るゴスペルブラック。
そんな中、魔法聖女達は起死回生をかけて妖禍皇の居城へと奇襲をかける。そして始まる魔法聖女とドンドリアンの激しい戦い。両者が消耗しきったところで、ゴスペルブラックが参戦。万事休す……と思いきや、ゴスペルブラックの鎌がドンドリアンの首を跳ね飛ばす。ゴスペルブラックは、事もなげに言い放った。
「敵を騙すにはまず味方からってな!」
爪楊枝で歯の汚れを落としながら……


第十一話 聖帝陛下とお呼びなさい

ドンドリアンを葬ったゴスペルブラックは、裏切り者から一転、魔法天使界の英雄となる。
魔法天使界では日夜宴会が催された。彼女は何かと理由を付けて魔法天使界を離れようとせず、巧みなイメージ戦略で純粋な魔法天使界の住人達の支持を集め、また上層部の不正や汚職を暴き立て、彼らを要職から追放する。
いつしか彼女は魔法天使界の表と裏の富と権力を牛耳る、最高権力者『魔法聖帝』となっていた。
かくして魔法天使界は魔法聖帝による支配時代に入ることになる。

魔法聖帝ゴスペルブラックは毎晩豪遊に耽っては、思い出した時には妖禍界の残党や反抗的な魔法天使をいたぶって遊び、充実した日々を送っていた。

皆がゴスペルブラックの支配に諦め、あるいは順応する中、ただ一人諦めない男がいた。
魔法聖帝ゴスペルブラックにより、最下級魔法天使に落とされたナサニエル・キングストーン神父である。
彼はゴスペルブラックの政権を打倒し、彼女への度重なる恨みを晴らすため、最強の魔法聖女を誕生させると言われる伝説の魔法天使を求め、百階層、生還率0%の迷宮へと挑む。
凶悪なモンスターやトラップ、壁の中に飛ばされるワープ装置と、ズタボロにされ、何万回も死にかけるが、持ち前のしぶとさと不屈の根性でついに迷宮最下層に到達する。
だが、ようやく見つけた目的の宝箱の前には先客がいた。キングストーンが生死の境をさ迷いつつやっとの思いで攻略した地下迷宮を、かすり傷一つ負わず、鼻唄混じりで制覇したその人物は……

黒蜜ざらめの姉、黒蜜かんろは、地下迷宮に眠る伝説の魔法天使、カギエルと契約し、
魔法聖女セラフィックヴィーナスとなる。
かんろは一撃で、百階建てのビルに相当する地下迷宮を跡形もなく消し飛ばし、地上への道を開く。


第十二話 お金より大切なもの

姉が魔法聖女になって自分を殺しにやって来る……
勝ち目はないと即断したざらめは姉が来る前に人間界へと逃亡。
かんろは魔法天使界が総力を結集した軍勢を、一分足らずで崩壊させるが、ざらめはその僅かな時間に救われ、間一髪逃げ延びる。

こうして魔法聖帝ゴスペルブラックの支配体制は僅か一週間で崩れるのだった。
横暴な支配者であるゴスペルブラックを敗ったことで、かんろは魔法天使界の救世主、女神として持て囃され、ざらめの地位にそのまま収まることになる。
だが、それが大きな過ち。
単なる金の亡者だったざらめと異なり、かんろは真性のサディストだった。
表面上は笑顔のままだが、ざらめに逃げられ機嫌が悪くなったかんろは魔法天使達を相手に壮絶な八つ当たりを開始。
誰も今のかんろを止められる者などおらず、魔法天使界は独裁政権から真の地獄に変貌するのだった。

人間界へと逃亡したざらめはかんろの影に怯えながら、逃亡生活を送っていた。
しかし最早魔法聖女、魔法天使の中で勝てる可能性があるのはゴスペルブラックしかいない。
同じく人間界に逃げてきたダニエルとバグレンジャーは、
かんろを倒した場合の莫大な富と名声の話を持ち出してざらめを説得するが、全く耳を貸さない。
そんな中、ざらめの父、黒蜜橿太郎が通りがかる。
彼はおもむろに財布から一円玉を取り出すと、ざらめの傍へと放り投げる。
その音を聴き、ざらめの目の色が変わった。
黒蜜ざらめを突き動かす何よりも大きな力……
それは未来に約束された大金よりも今そこにある現ナマだったのだ。

それに気付いた害虫六匹は必死で金をかき集め、
『銭の道(ロード・オブ・マネー)』を創り出し、ざらめを魔法天使界へと誘導する。
金を拾っていく中で、ざらめの中でも金銭に対する飽くなき執着が目覚め、姉への恐怖を上回るほどに燃え上がる。

ざらめの前に現れる最強の敵、黒蜜かんろ。
しかし完全なる金の亡者と化した今のざらめに恐れるものなど何もない。
互いに変身する黒蜜姉妹。ここに三界の運命を掛けた最終決戦が始まった。


第十三話 最終決戦!ゴスペルブラックよ永遠に…

凶皇ゴスペルブラックとセラフィックヴィーナスの対決。
その舞台は雲の上を越え、宇宙空間へ。
魔法天使界全てから魔法力を吸収し、進化し続けるゴスペルブラック。
一方でかんろも、妹を全力で虐められる喜びに更なる進化を続けていた。
エスカレートを続ける二人の戦いに、魔法天使界の魔法力は急速に消耗されていく。
このままでは、どちらが勝っても魔法天使界は滅ぶ――!

そんな中、二人の持つ携帯のアラームが鳴る。

「何だ親父、今取り込み中なんだよ……何? 晩飯を奢ってくれるだと!?
信じられねぇ……頭に隕石でも喰らっておかしくなったんじゃねぇか!」
「嬉しい……親子揃っての食事だなんて、何年ぶりかしら!こうしちゃいられないわ!」


戦いを止めて人間界へと戻る二人。
三界存亡が掛かった戦いを止めたのは、ただの人間、黒蜜橿太郎による一本の電話だった。

決して余人には理解出来ぬ歪な関係であったとしても……
何だかんだで彼らは仲の良い家族なのだった。
黒蜜一家の絆を見て、魔法天使たちは叫んだ……

「納得できるかァ――!!!」



それから……

ざらめは心境の変化か、人間界へと戻り、
表の顔は女子高生、そして裏の顔は魔法聖女ゴスペルブラックとして
いつも通り金を稼ぐ日々を送っていた。
ダニエルはその傍らで虐げられつつゴマを擦っている。
十文字ソリアはざらめの誕生日に何を送るか考えつつ、
彼女をゴスペルブラックの人格から解放する方法に頭を悩ませている。
キングストーン神父もゴスペルブラック抹殺を諦めてはいない。
今度は十二星座の力を持つ十二人の魔法聖女チームを結成しようと考えている。
かんろは外国で仕事をしながら、今度はどんな悪戯で妹と遊ぼうかと考えている。

その頃、妖禍界ブルーツァは妖禍の樹そのものが進化して誕生した
妖禍皇帝ドロビ・ガール率いるネオ・ブルーツァとなって蘇っていた。
人間界の初日町へと押し寄せるネオ・ブルーツァの軍勢。

だが、この街には、純粋な心を持ち、人々を守って戦う正義の戦士たちがいた。
彼女らは……

「ブルーツァが蘇っただと!おのれぇ!これも全てゴスペルブラックの仕業か!!」
「ああ!女神エリーゼ様の教えを信じられない迷える子羊があんなに……これは改心させるしかありませんわ!!」
「くくくくく!今日はまた大漁だぜ。一匹たりとて逃がしはしねぇ。てめぇら!!有り金全部置いて逝けぇー!!」


END

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