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記憶

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hayate

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俺が彼女に出会ったのは十五夜の夜だった…


=記憶=


当時の俺は記憶を失い…

暗殺者として生きていた…

ある日…

さる要人を暗殺せよと依頼が入った…

俺はその要人が出席するパーティに忍び込んだ…

世界の頂点に立つ者共の吹き溜まり…

反吐が出る…

人混みを散策し…

そして見つけた…

パーティの主催者と握手しスピーチの最中…

その横にはスーツを着た秘書の女性とサングラスを掛けたガードが数名…

すぐに終わる筈だった…

照明に細工しホールが暗闇になったその時だった…

要人の首を切り裂き…

血飛沫を立てて倒れる筈が…

鉄と鉄が鈍い音を立てた…

相手は要人の隣にいた秘書だった…

女にしては力が有りすぎる…

あの華奢でか細い腕にそんな力があると思えなかった…

だが、現実にあの暗闇の中で瞬時に俺のクナイを防いた…

それも立食用に置かれたナイフ数本で…

失敗した…

その言葉が脳裏に過ぎった…

俺は改めて要人を狙う事とし撤退した…

隠し持っていた煙幕を使い…

暗闇に満ちたホールの視界を更に悪くさせ…

そのスキを付いて脱出した…

だが…


「そんなに急いで何処へ行くの…?」
『…?』

あの女は俺を見て嘲笑した…

先程まで下の建物の中にいた女が…


『貴様には関係なかろう…』
「ふうん……まあ、貴方はあの要人を殺そうとしたらしいけど…」
『…』
「殺されると困るのよね…あの要人には殺人罪と横領罪の嫌疑が掛けられてるから調べてるのに…」
『それがどうしたと言うのだ…?』
「人の獲物を横取りするな……と言っているのよ?」
『たとえ貴様の獲物だったとしてもそれを俺が奪い去ろうが何をしようが関係ないだろう…』
「そうだろうね……名も無き暗殺者さん?いや…ネームレス…」
『…』
「ここ数年前から裏稼業に流れ…記憶を失い出身や経歴不明の謎の暗殺者…あるタトゥーを除けばね?」
『…』
「ウロボロスの刻印……それは錬金術師の紋章でありホムンクルスに与えられる烙印…」
『…何が言いたい?』
「貴方は…錬金術師…もしくはホムンクルス…ではなくて?」
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