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真 スーパーロボスレ大戦 EXS

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――――――――――――――――限りなく遠く、限りなく近い世界で―――――――――――――――

業火、炎上。崩れる事の無い平和を描いたその街は、今や悪によって赤黒く塗りつぶされていた。
逃げ惑う人々を品定めする様に、その機体はゆっくりと、堂々と道路に深き傷跡を残しながら闊歩する。
やがて肉食獣を思わせる戦慄の咆哮を激しく唸らせて、その機体―――ワルレックスの搭乗者、悪山博士はニタリとした笑みを浮かべた。

ワルレックスの足元を潜りぬけていく、粗暴でかつ獰猛に、野獣の如き動きで疾走する野良オートマタ達。
逃げ遅れた母と娘が、必死に野良共の魔の手から逃げようとするが、娘が疲労のあまり、足を挫く。
娘を起き上がらせようと、涙ながらに起き上がらせようとする母。しかし娘は限界だと、嗚咽を漏らし動こうとしない。
炎による灼熱と、絶望的な状況下。やがて娘と母の元に、野良の魔手が――――その時。

野良のヘッドパーツを打ち砕く、閃光にも似た鋭く突き抜ける攻撃。

娘と母は、自らを助けた優しき鉄の騎士を見上げた。鉄の騎士の目に映る、か弱くも咲き誇ろうとする、二つの花々。
何も言わず、鉄の巨人は再び地面を抉りながら走りだし、野良共を手足を巧みに振るいながら撃破していく。
その完成された一切の無駄の無い鉄拳による連続殴打は、まるで鉄の巨人その物が、生きているかのようだ。

と、鉄の騎士の背後に、野良が忍びよる。
鉄の騎士は動かない。が、それは油断や欺瞞によるモノでは無く、自らの背中を預けているが故の、余裕。

野良を即座に蜂の巣へと変える、正確無比で沈着冷静な一斉射撃。
それは鉄の騎士を襲わんとした野良だけでなく、悪鬼の様に群がる他の野良共を容赦無く鉄クズへと変えていく。
薬莢が地面に落ちた瞬間、野良共が一斉に爆発する。その機体が両手に持つ銃火器を投げ捨てる。

兎を思わせる頭部が印象的な、しかし決して華奢では無く、強靭たる信念を感じさせる、その機体と
鮮やかな色彩と共に、剛健な意思を思わせる優しき鉄の騎士。二つの機体の視線が重なり合う。

「やるじゃねえか、先生」

優しき鉄の騎士――――アイリス・ジョーカーの搭乗者、一刀の言葉に、強靭なる兎――――スカンクエイプの搭乗者、ツクヨミは無言で踵を返す。

そんなツクヨミを、守屋はハッと笑う。定番の、反応。

しかしその二機は同時に、空を見上げる。空で奔る、二体の巨人。


操り人形を思わせる細身でありながらも凶暴な武装で身を包む量産型戦闘兵器――――マリオネットを切断していく、黒調と漆黒の巨人。
黒調の巨人は縦横無尽に空を泳ぎながら、体以上に巨大な槍で、マリオネットを寸断しつつ飛びまわり。
漆黒の巨人はマリオネットの猛攻を避ける事無く、力ずくでマリオネットを所持している鋭角的な槍で、胴体モロごと叩き斬る。

「面倒だな……」

黒調の巨人の搭乗者である青年はそう呟いた。途端、黒調巨人の手元から槍が消え、代わりに巨大なライフルが召喚される。
落下していくのとを合わせ、黒調の巨人がライフルでマリオネットを撃ち抜いていく。花火の様に連鎖しながら爆発していくマリオネット。
その爆発を背に受けながら、漆黒の巨人の搭乗者である、鷹の様に鋭い目つきの青年は――――笑って見せた。

マリオネット達が痺れを切らし、一斉に漆黒の巨人へと群がっていく。得物を貪る蟻の如く、漆黒巨人を覆っていくマリオネット――――が。
黒き巨人から深き闇を瞬かせながら放たれた光が、一瞬でマリオネットを虚無へと変えた。振り払う、槍。
反転した黒き巨人が、漆黒の巨人の元へと向かう。その時。
「何時まで遊んでいるつもりだい?」
二機の巨人はその声に、頭部を向ける。

巨大な剣をブラつかせながら、甲殻類の様なフォルムの禍々しい機体が、二機を待ちかねている様に睨んでいる。

「博士の余興の手伝いとはいえ、君達には大分借りがある」
その機体が巨大な剣を、二機へと突き付ける。

「さぁ――――殺し合おう!」


「行こう、潤也」
「下の名で呼ぶな」

黒調の巨人――――ヴィルティック・オウガの搭乗者、ハクタカに、漆黒の巨人――――リベジオンの搭乗者、潤也は鬱陶しそうに返した。


「面白い……最高に、面白いぞ」

モニター越しから見える、様々なロボットの戦いを見、悪山博士は子供の様な笑顔を浮かべた。
本気になればこのワルレックスで全てを滅す事が出来る。だが、それを実現させるには難しいだろう。
何故なら今戦っているこの者達の意思と正義、そして信念は非常に強く、悪に対して、絶対に折れる事は無いだろう。

――――だからこそ、面白いのだ。こやつらと戦うと、最高に生きる実感を味わえる。


その時、何かが数十メートル前で着地し、地面を歪めた。
悪山博士はその何かを見据える。そして――――笑う。

「待ちかねたぞ、正義の味方よ」


その巨大で圧倒的で、しかし汚れなき正義を具現化させた逞しき巨人が、ワルレックスを見返す。


「……俺は、少しでもアンタを信じていた」

逞しき巨人の搭乗者――――が、静かに悪山博士への口火を切る。

「何故だ。何故、エリスちゃんを裏切った?」


「悪山―――――博士!」

「悪に理由がいるか? だからお前は……アホなのだぁ!」

「……ならば―――――」


逞しき巨人が、ビルよりも大きな右腕を振り上げる。戦闘態勢をとる、ワルレックス。


「聞かせてもらうぞ……その理由をな!」

「来い、田所カッコマン! 貴様の正義を刻んでみろ!」



「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」」



現代に蘇りし肉食獣の王者、ワルレックスと、逞しき正義の巨人――――ネクソン・クロガネ。

今、この二機が互いの正義を掛け、激突する。





                          真 スーパーロボスレ大戦 EXS





                            2100年 発売予定



         ――――――――――――――――君の正義を、見せてみろ―――――――――――――――――-

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