創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめ@wiki

30分で即興で書いたよ!!

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ParaBellum

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だれでも歓迎! 編集
「アパーム!! 弾持って来いアパーム!!」
「はいいいいい今すぐ持って行きます!! 行きますから!!」

私の名前は稲葉 優(いなば ゆう)
アパムとか呼ばれて、4mパワードスーツサイズの大きな弾薬箱を
やっぱり4mのパワードスーツ、87式砲側弾薬機士に抱えさせて運んでいる。
現在は陸上自衛軍第7師団第7機甲連隊第5中隊所属の学生兵士、
数ヶ月前まで、札幌市内の女子高に通う花の女子高生だった。

「敵が7分に地上が3分! 敵が7分に地上が3分だ!!
狙いを付ける暇もねえな!! どっち向いても敵に当たるぜ!!」

塹壕の中を機士を四つんばいにして、這うように進む。
こうしないと頭の上を飛び交うタイプBの発射するフレシェット弾や
タイプHのAPDS弾にざっくりと装甲を貫かれて、五寸釘を打たれ過ぎた藁人形のようになってしまうのである。
しかし、今ワームに対して弾幕を張っている、どこかの重歩兵中隊の皆さんは、そんな事お構いなし
なのか、物凄いハイテンションで応射を継続している。


「こんにちわ!! 毎度おなじみ25mm重機関砲弾と100mm超振動極熱ミサイルのデリバリーです!!
次のご注文はいかがいたしましょうか!!」
「弾薬キター!! あ、優ちゃん次はコーヒー淹れて来てくれ」
「俺は玉露」
「俺、チョコレートサンデー!」

…そんなものは塹壕陣地にはありません。
そもそも、なんで私が弾薬運びなんかしなきゃいけないんでしょうか?
なんかよくわからない、陸上自衛軍の装備ではなさそうな、触手がウネウネ動く給弾車とかあるのに
なんで機士使ってイチイチ重い弾薬を出前サービスの往復をしなければいけないのか、さっぱりわかりません。

「うど…優ちゃんが弾薬を運んでくれるってだけで、皆張り切って戦えるってもんさ。
それに、女の子が陣地内にいるとなんかこう、『この子を守るために戦ってる、絶対死なせちゃいけない』って感じがするんだ
だから、ここにいてくれ」

まあ…普段、中隊の中でもいちばんふざけている中隊長さんが真面目腐ってそんな事を言うので、
私も不承不承こうやって少しでもお手伝いをしているわけですが。
てゆーか、私のこと「うどん」って言いかけましたよね? その仇名、私は嫌いって言ったの覚えてますよね?
「新手だ!!」

誰かが叫んだ。 ワームたちの射撃も同時に止んでいる。
こっそりと塹壕の淵から頭を上げて視認すると、ワームの大群を掻き分けて、巨大な…
機士の6倍くらいはありそうな、大型の「人型」の物体がこちらに近づいてくるのが見えた。
…何あれ。 非常識に大きい。 大型のワームよりさらに大きい。

「ヤバイな…ありゃあ見たこと無いタイプだ。 別の異世界から参戦してきやがったな」

いつの間にか隣にいた中隊長さんが呟く。
機士の装甲越しで見えないはずなのに、私の心の振るえを見透かしたかのように、
中隊長さんはパワードスーツの手で私の87式の頭を『グシャグシャ』と撫でた。

「心配しなくていいって、優ちゃんはここにいるムサい男ども全員が、命と引き換えにしてでも守るからな。
じゃ、ちょっくら行ってやっつけてくる!!」

そういって中隊長さんは塹壕を飛び出し、ローラーダッシュで突撃を敢行しに…ってえええええええ!!
何を無謀な事をやってるのあの人!?
他の皆さんも止めてよ!! いや、『隊長だからなあ』って何!?
命と引き換えにって! 冗談とか比喩じゃなくて本気!? あんな大きいの相手じゃどう考えても無理でしょ!?
勇気と無謀は別物でしょ!? 無駄死にしちゃうだけだから、今はそんなバカなおふざけとかしなくていいから、
お願いだから今すぐ帰ってきてください!!!!

…5分後、中隊長さんは「いやー必中・ひらめき・熱血・魂・幸運・加速・奇跡・自爆をやってなきゃ撃墜されてた」
とか言いながら、どこかの参戦作品のロボ(多分量産型)をやっつけて帰って来た。
この人、デタラメだと思う。


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