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赤ずきんちゃん

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ParaBellum

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 むかしむかしあるところに、一条 遥という年齢の割に小さな、可愛い女の子がいました。女の子は赤い頭巾が似合っていたので、みんなから赤ずきんと呼ばれていました。
 ある日、お母さんが赤ずきんに言いました。
「おばあちゃんの家までケーキと葡萄酒を持って行ってちょうだい。道に迷わないように気をつけるのよ」
「大丈夫、まかせて!」
 赤ずきんはお母さんと指切りをして、家を飛び出しました。


 ♪  ♪  ♪


 赤ずきんが歌を口ずさみながら森の中を歩いていると、ばったりと狼に出会いました。赤ずきんは狼に礼儀正しく挨拶をしました。
「こんにちは、狼さん」
「やあ、赤ずきんちゃん。どこへ行くんだい?」
「おばあちゃんの家までちょっとお使いに」
「そうかい、偉いね。おばあちゃんの家はどこにあるんだい?」
「森を越えてすぐのところ」
「そうかそうか」
 狼はこう言いました。
「赤ずきんちゃん、お花を持って行ってあげたらおばあちゃん喜ぶんじゃないかな」
「なるほど」
 赤ずきんは納得して、花を摘み始めました。
「じゃあ、僕はこれで」
 ――――赤ずきん、なんてかわいらしくてぷにっとした娘だろう。しめしめ、婆さんと一緒に食ってやるか。


 ♪  ♪  ♪


 赤ずきんと別れた狼は、真っ直ぐにおばあさんの家へ向かいました。
「誰だい?」
「赤ずきんです。ケーキと葡萄酒を持ってきたから、中に入れてください」
 ちょっと無理のある裏声でした。
「まあ、赤ずきんちゃん。鍵は開いているから、早く入っていらっしゃい」
 狼は心の中でほくそ笑み、扉を開けてそのままおばあさんを丸呑みにしてしまいました。


 ♪  ♪  ♪


 それから少しして、赤ずきんはたくさんの花をケーキや葡萄酒の入ったバスケットと一緒に抱えて、おばあさんの家にたどり着きました。
 ――――なんか雰囲気が今日はおどろおどろしいなあ。
 赤頭巾は首を振ってその感情を払い落とすと、大きな声で挨拶しました。
「こんにちは、おばあちゃん」
 すると家の奥からくぐもった声が聞こえてきました。
「おお、赤頭巾か。こっちへ来なさい」
 なんか声がおかしいような気がしましたが、おばあさんは病気なのでそのせいだと赤ずきんは考えました。
 赤ずきんは言われた通りに奥の部屋へ行きました。しかし、横になっているおばあさんの様子がなんだか変です。
「おばあちゃんの耳、なんで大きいの?」
「赤ずきんの言う事がよく聞こえるようにだよ」
「じゃあおばあちゃんの目は、なんで大きいの?」
「そりゃ赤ずきんがよく見えるようにだよ」
「じゃあじゃあ、おばあちゃんの手はなんでこんなに大きいの?」
「赤ずきんをしっかり掴めるようにだよ」
「おばあちゃんの口、恐ろしく大きいね」
「それはね、お前を一口で食べ」

「お前のようなババアがいるか」

 ジョインジョインハルカァ。

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