無垢な視線

    

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まだ薄暗い早朝の森の中をあてもなく歩きながら、ワシは午後の予定に頭を悩ませていた。
「フゥ・・・今日は何を話してやればよいのか・・・」
ここ最近昼過ぎになると、暇を持て余した子供達がワシの寝ている大きな一枚岩の周りにガヤガヤと集まってはやかましく騒ぎ立てるのだ。
そのせいでとても昼寝などできるような環境ではなかったものの、長年自分の居場所として過ごしてきた岩の上を子供達に取り上げられてしまうのも癪だったワシはある日子供達に色々な話を聞かせてやることにした。
これまでに見てきた珍しい物、珍しい場所、珍しい体験・・・
せいぜいワシの50分の1程度の年月しか生きていない彼らにとってはそんな話でも興味があるらしく、ワシが何かを話し出すと茂みを揺らすような子供達の喧騒がピタリと止むのだ。
肝心の昼寝こそできないものの、静かに寛げる時間が取り戻せたのは大きな喜びだったといっていいだろう。
だが最近はワシも話の種が尽きてきたのか、あまり子供達の心を掴むような話題を捻り出せなくなっている。

「・・・む?」
考えるのを諦めて道を引き返そうとしたその時、ワシは何か不思議な匂いを嗅ぎ取った。
過去にも何度か嗅いだことのある匂い・・・そうだ、これは人間の匂いだ。
ワシはそっと息を殺すと、キョロキョロと辺りを見回した。
すると、前方の小道を1人の人間の若者が重い荷物を背負いながらフラフラとこちらへ登ってきているではないか。
それを見た瞬間、ワシはある名案が頭に浮かんだ。
「フム・・・なかなか面白そうだな」
ワシはニヤリとほくそえむと、人間に見つからぬように近くにあった巨木の陰にそっと身を伏せた。

「はぁ・・・重いなあ・・・ちょっと荷物を持ってきすぎちゃったかも・・・」
俺は背中にかかる大きな荷物の重量に辟易しながらも、ヨロヨロと1歩1歩緩やかな傾斜の山道を登っていった。
初めて登る山だけに、俺も少し慎重になりすぎたのかもしれない。
落としていた視線を上げると、前の方に一際大きな大木が聳えているのが目に入った。
「あそこで少し休憩するか」
手近な目標を心に決め、目の前の木に向かって少しずつ歩を進めていく。
やがて太い太い幹の根元にまで到達すると、俺は背に乗せていた大きな荷物をドスンと地面に降ろした。
「ふう・・・疲れた・・・」
だが一息ついたその瞬間俺はガサッという物音とともに背後から何者かに襲いかかられ、そのまま固い砂の地面の上に押し倒された。
ドスッ
「うぐっ・・・」
さっきまで背負っていた荷物などとは比べ物にならぬ程の恐ろしい重量が、ズッシリ背中に預けられた。
それだけで、ミシミシと体中の骨が軋む音がする。
「う・・・あ・・・な、何だ・・・?」
俺は呻き声を上げながらも首を回して背後を確認すると、突然の襲撃者の正体を知って震え上がった。

「グフフフ・・・フフ・・・」
全身茶色の鱗に覆われた巨大なドラゴンが、ニヤニヤと笑いながら後ろを振り向いた俺の顔を見つめていたのだ。
「う、うわああ!!な、なんだお前!?」
だがほとんど悲鳴に近い叫び声を上げながら抵抗しようとした瞬間、ドラゴンは俺の両手を掴むと地面の上へグッと押しつけた。
「あ・・・あう・・・」
それだけで完全に身動きを封じられてしまい、背中に冷たい汗が滴り落ちるのを感じる。
「い、一体・・・何をするんだ・・・」
俺はもはや背後を振り向くのも忘れて、ガタガタと震えながらドラゴンの反応を待っていた。

ペロッ・・・
「ひっ・・・」
何の予告もなく、突然ドラゴンの唾液にぬめる舌が首筋に這わせられる。
レロ・・・レロレロ・・・ピチャ・・・
「う・・・うぅ・・・」
無防備に曝け出された急所を弄ばれる感触に、俺はグッと身を硬くして耐えていた。
もっとも、その巨大な口に生え揃った鋭い牙を突き立てられてしまったらそれまでなのだが・・・
「フフフフ・・・なかなか美味そうな人間だな・・・」
一通り首の周りを舐め回した後、ドラゴンはさも満足そうにそう呟いた。
唾液に濡れた部分にドラゴンの鼻息が吹きつけられ、気化熱を奪われた首筋が急速に冷えていく。
「た・・・たす・・・・・・助けて・・・」
ドラゴンに食い殺される・・・!
そう思った瞬間恐怖で息が詰まり、俺は短く喘ぎながらドラゴンに懇願した。
目からポロポロと後悔の涙が流れ落ち、土の地面を濡らしていく。
「グフフ・・・このままワシの朝食になりたくなければ、黙っておとなしくしているのだな」
ドラゴンはそう言いながら体を少しだけ浮かせると、地面に押しつけていた俺の体に細かな茶色い鱗で覆われた尻尾を巻きつけ始めた。
締め殺すつもりではなさそうだから、おそらくどこかへ俺を連れて行こうとしているのだろう。
「ど、どこへ連れて行くつもりなんだ?」
「なかなか察しがいいではないか・・・何、ワシの安眠の為に少し協力してもらうだけだ」

驚く程に長い尻尾で全身をグルグル巻きにされると、俺はドラゴンの背に尻尾のとぐろごとドサッと乗せられた。
このドラゴンの安眠のため・・・一体どういうことだろう?
頭の中を色々な想像が過ぎるものの、そのどれもが恐ろしい結末に辿りついてしまう。
捕われの身になった以上下手にドラゴンを刺激するのは恐ろしかったものの、俺はついに耐え切れずドラゴンに尋ねていた。
「ほ、本当に助けてくれるんだよな・・・?」
「ワシはもう人間などとうに食い飽きたからな・・・黙って言うことを聞いておれば食い殺したりはせぬ」
サラッととんでもないことを言われた気がしたが、俺はとりあえず命は助かりそうだと知って安堵した。

ドラゴンは昼近くになってようやく目的地へと着いたらしく、大きな岩の上へと攀じ登るとゆったりと蹲った。
そしてまるで誰かの視線から隠すように、自らの体の横へと尻尾のとぐろを引き寄せて俺の頭を両手で覆い隠す。
「う・・・何を・・・?」
「静かにするのだ」
その言葉とともに体に巻きついた尻尾の圧迫が少し強まったような気がして、俺は慌てて口をつぐんだ。
ふと耳を澄ますと、何やら甲高い騒ぎ声が辺りに響き始めている。
そんな大勢の何者かの声でガヤガヤとざわめく最中、ドラゴンは唐突に話し始めた。
「ほらほら静かにしろお前達。今日は少し面白い話をしてやるからな」
その言葉に、何やら興味深げな声が問い返している。
「え?面白い話?なになに~?」
「今日は人間の話だ」
それを聞いた瞬間、俺はドラゴンに視界を塞がれた暗闇の中でまたしても背筋に嫌な予感が走るの感じていた。

「ニンゲン?ニンゲンって何?」
「どこにいるの?」
まるで人間という言葉を初めて聞いたというふうに、次々と辺りに湧き上がる甲高い声が耳に届いてくる。
「人間は頭がよく、我ら竜族の10分の1も生きることができぬというのに豊富な知識や技術を持っているのだ」
「見てみたいなぁ」
「僕も!僕も見てみたい!」
ドラゴンに押さえつけられたままそのやり取りを聞いていた俺は、それがドラゴンとドラゴンの子供達との会話であることを感じ取った。
しかもあれほどザワザワと辺りが騒がしくなっていたことを考えれば、恐らく相当の数の仔竜達がこの岩の周囲に群がっていることだろう。
「お前達がそう言うだろうと思ってな、今日は本物の人間を捕まえてきてやったぞ」
「本当!?人間が見れるの!?どこどこ?」
「フフフ・・・それ!」
ドラゴンは軽い掛け声とともに俺の体をグイッと持ち上げると、ポイッと中空へ放り投げた。
ドサッ
「うぐっ!」
大きな岩の上から下へ無造作に投げ落とされ、地面にもろに腹を打ち付けてしまう。
だが苦痛に呻きながらも顔を上げた途端、俺はそんな痛みなどどこかへ吹き飛んでしまっていた。
20、30・・・50匹以上の小さなドラゴンが、一斉に俺を取り囲んで一心に好奇の視線を注いでいたのだ。
子供とはいえ体高は1メートル近くもあり、
地面に這いつくばった状態では辛うじて手前にいる仔竜の上から奥が見渡せる程度でしかない。

仔竜の体はフサフサと長い体毛を生やした者から大きな鱗、細かな鱗に覆われた者、中には光沢のある柔らかそうな皮膚で身を包んだ者など様々で、多様な種族がそこに集っているのが見て取れる。
俺をここへ連れて来たドラゴンほど鋭さも凶悪さも感じられなかったものの仔竜はみな手足の先に獲物の肉など容易く切り裂けそうな爪を生やしていて、その小さな口の周りには黄みがかった牙がギッシリと生え揃っていた。
「うぅ・・・」
そんな恐ろしい生物達に周囲を完全に取り囲まれて、俺は興味深げにこちらを見つめる仔竜達から視線を外した。
「へぇ・・・これが人間かぁ・・・」
「僕初めて見たよ」
「私も初めてよ」

まだ彼らは物珍しさに俺を遠巻きに窺っているだけだったものの、やがて更なる1歩を踏み出す者が現れる。
「ねぇ、触ってもいい?」
どうやら俺にではなく、俺を連れてきたドラゴンに向かって言っているようだ。
「構わぬぞ。お前達の好きなようにするがいい。ただしワシは昼寝するから、静かにするのだぞ」
「なっ・・・ちょ、ちょっと待てよ・・・それじゃ話がちうぶっ・・・」
仔竜の群れの中へ俺を放置して昼寝を始めようとしたドラゴンに抗議の声を上げようとした刹那、俺は背後から飛び掛って来た柔らかい体毛に覆われた1匹の仔竜にベシャッと押し潰された。
ドラゴンとしては小さいながらもミッチリと厚い筋肉の詰まった仔竜の体は非常に重く、人間1人を組み敷いて動きを封じるには十分過ぎるほどの体重が遠慮なく浴びせられる。
「へっへー、1番乗りー!」
背中の上で陽気に声を張り上げる仔竜の明るい表情とは裏腹に、俺は無事に生きて帰れるのかという不安がドッと顔に溢れ出していた。

「あーずるいよ!僕も触るっ!」
「私も私もー」
1匹の仔竜が俺に飛び掛ったのを合図に、無数の手がこちらへ向かって伸びてくる。
「う、うわあああ・・・」
ロクに身動きもできないというのに、俺は鋭い爪の生えた様々な手に体中をまさぐられた。
くすぐったいような気持ちいいような感触の合間を縫って、時折爪先が引っかかるチリッとした痛みが走る。
「なんだろ、これ?ブカブカしてるね」
「邪魔だから取っちゃおうか」
ゴソゴソと腹の辺りを触っていた数匹の仔竜達は何やら言い合うと、突然俺の服を掴んで両側へと引っ張った。
ビリッビリビリッビリリッ
「お、おい・・・何を・・・」
「あはっ、これで触りやすくなったね」
「暖かくて気持ちいい~」
ほんの一瞬の間に着ていた服も下着も全部剥ぎ取られ、相変わらずモコモコした大きな仔竜に組み敷かれたまま素っ裸にされる。
そして露出した背中や太腿の辺りに、新たな手が無数に這わせられた。
「や、やめて・・・くれ・・・もう離して・・」
幼い仔竜という無邪気な悪魔達の群れの中で弄ばれながらも必死で助けを求めてみるが、手を突き出せばそれを掴まれ、足をバタつかせれば上からのしかかられて、とても逃げることなどできそうにない。
結局、俺は体の上で跳ね回る仔竜達の暴挙に頭を抱えて必死に耐えていた。

「じゃあ、そろそろ味見でもしてみようか?」
あ、味見だって・・・?ま、まさか・・・俺を食う気なのか・・・?
「味見って・・・人間って食べられるの?」
「お父さんは何回か食べたことあるんだって」
「あ、私のお母さんも前に食べてたみたいよ。雄より雌の方が肉が柔らかくておいしいんだって」
周囲で明るく繰り広げられる恐ろしい会話に、背筋がブルブルと震える。
「そういえばさ、この人間は雄と雌、どっちなのかな?」
「多分雄だと思うけど・・・もし雌だったら皆で分けましょ」
皆で分ける・・・言葉で聞く分にはそうでもないが、俺は地面に押さえつけられて生きたまま50匹以上の仔竜達に食いつかれるという地獄の光景が頭を過ぎった。

「とりあえずこのままじゃわからないから、引っくり返してみましょうか。ねえ、ちょっとそこどいてよ」
恐らくは雌であろうピンク色の体毛に覆われた仔竜はそう言って俺の上にのしかかっていた仲間をどかすと、俺の体をごろんと仰向けに転がした。
その拍子に、今まで仔竜達の目に触れていなかった恐怖に萎えたペニスがポロンとその姿を曝け出す。
そして、俺は100個以上の視線がその小さな肉棒に集中したのを肌で感じていた。
「これ何かしら?」
「僕にも同じようなのがついてるよ」
「あ、俺にもついてる!」
雄の仔竜達が、次々と自らの股間を仲間達に晒していた。そこには、確かに小さく隆起したドラゴンの肉棒が顔を覗かせている。
「これ、触るとちょっと気持ちいいんだよね」
「じゃこの人間も気持ちよくなるのかな?」
「試してみようよ」
再び、仔竜達の視線が俺のペニスに集まった。
四方からゴツゴツした鱗やフサフサした毛が生えた手が伸ばされ、ペニスへと近づいていく。
「よ、よせ・・・うわあ、うわああああ・・・・・・」
小さな手でペニスが掴まれそうになった瞬間、さっきまで背中に乗っていたモコモコした白い仔竜が今度は顔の上へと飛び乗ってきた。
ぼふっという音とともに俺の鼻と口を塞ぎながら、グリグリと柔らかい腹で顔をすり潰される。
「む~~~むぐぅ~~~!」
息苦しさにもがきながら顔に乗った仔竜の体を掴もうとしたとき、俺のペニスにサワサワと肌触りのよい仔竜の手が触れる感触があった。

「う・・・うく・・・」
何とか首を回して顔を塞いだ柔らかい腹の横から空気を確保すると、俺はペニスに与えられる快感に呻いた。
ショリ・・・ジョリリッ・・・サワサワ・・・
種族によって感触の違う複数の手がペニスを撫で回しながら、時折先端部分を捻り回される。
ギュッ
「うああっ!」
だがそんな快楽の波に終止符を打つように、1匹の仔竜が俺のペニスを強く握った。
「あ、なんか苦しがってるよ?」
「あら違うわよ。気持ちよくてもっとやってほしいって言ってるのよ」
「や、やめむぐ・・・」
なおも続行を主張する雌の仔竜に反論しようとした瞬間、上に乗った仔竜が俺の顔をガバッと抱え込んだ。
サワッ・・・
「うぐぐ・・・た・・・助けて・・・」
抵抗も空しく再びペニスが肌触りのよい手に掴まれ、両手で左右から固定される。
「じゃあ、私がちょっと味見してみるわね」
ペニスを鷲掴みにした雌の仔竜の言葉に、嫌な予感が走る。

パクッ・・・レロレロ・・・ジュルッ・・・
「ふあ!?よ、よせ・・・うああっ・・・」
次の瞬間ペニスが生暖かい空間に包まれたかと思うと、仔竜の長い舌がペニスに巻きつけられた。
快感に膨張したペニスに赤い肉塊がねっとりと絡みつき、唾液に濡れたザラザラとした感触でペニスを擦り上げながら締め付けられる。
「ど、どう?」
「どんな味がするの?」
熱心にペニスを吸い立てる仔竜を取り囲むようにして、他の仔竜達が興味深げに甘いフェラチオの様子を眺めていた。
「ん・・・ちょっとしょっぱい気がするけど・・・あなた達も味見してみたら?」
「そうだね」
「じゃ僕はこっちを・・・」
ペロッペロペロペロッレロ・・・ピチャ・・・ペチャ・・・
「ああ・・・あ・・・やめ・・・く、くすぐった・・・はああ・・・」
怪訝そうな面持ちでペニスから口を離した仔竜の一言に、俺は全身を一斉に舐め回された。
乳首が、脇腹が、足の裏が、首筋が、その他ありとあらゆる性感帯が、チロチロと震える小さな舌に弄ばれる。
「はぅ・・・だ、だめだ・・・我慢できない・・・・・・う・・・うあ~~~~~~!」
遠慮を知らない仔竜達の容赦ない舐め回しに屈して、俺は大量の精をペニスを咥え込んでいた仔竜の口内へと放っていた。

ブシュッ・・・ビュルルル・・・
「きゃっ!?なにこれ・・・?」
突然熱いものを口に含まされ、ピンクの仔竜が慌ててペニスから口を離した。
そして唾液と精が交じり合って糸を引いたペニスを見つめながら、小さな声でポツリともらす。
「雄の人間も・・・結構おいしいかも・・・」
「それじゃあ、皆で食べてみようよ」
半分塞がれた視界の中で、俺はその恐ろしい提案に頷く仔竜の姿がいくつも見えた。
「う、うぅ・・・そんな・・・嫌だ、助けてくれぇ・・・あうぅ・・・・・・」
想像していた悪夢が、現実のものになろうとしている。
俺は恐怖と射精の脱力感に抵抗することも諦めると、ぐったりと地面に横たわって泣いていた。

「ねぇ、どこ食べる?」
「僕この太い足がいいなぁ」
「私はなんかこの棒みたいなの気に入っちゃった」
力なく横たわった俺を尻目に、仔竜達が肉の取り分の交渉を始めている。
生きた獲物の前で食事の算段をするなど、無邪気で恐ろしいのは人間も竜も同じらしい。
「でも皆で分けたら一口くらいしか食べられないよ?」
「じゃあもう好きなところに齧り付いちゃおうか?」
「や、やめてくれぇぇ・・・」
いよいよ食われるという切羽詰った状況に、俺は精一杯声を絞り出して仔竜達に懇願した。
そのただならぬ様子に、1匹の仔竜が怪訝そうに近寄ってくる。
「どうしたの?僕達に食べられるの、嫌・・・?」
悪気のない仔竜のその一言に、俺は怒鳴る気力も失せ果ててひたすらにコクコクと頷いていた。

「どうしよう?食べられるの嫌だって」
「あら、構わず食べちゃえばいいじゃないの」
「お、お願い・・・何でもするから・・・食べないで・・・」
そう言って涙を流しながら身を捩ると、意外なことに手足を地面へと押さえつけていた仔竜達が手を離した。
「この人間、何かかわいそうだよ・・・泣いてるし・・・」
「でも、だからってこのまま逃がしちゃうのはもったいないわよ」
「じゃあさ、僕らの遊び相手になってもらえばいいんだよ!」
それまで口をつぐんでいた小さな仔竜がそう叫んで、俺の方へと向き直る。
「ね、それならいいでしょ?」
「え?あ・・・うん・・・」
よくわからないが、とりあえず食い殺されるよりはマシだろう。
どうしてよいか分からずに呆けていると、数匹の仔竜達が俺の眼前へと寄ってくる。
「それじゃあ、何して遊ぶ?」
「何か人間のする遊びってないの?面白そうなの」
口々に仔竜達に詰め寄られ、俺は少し後ろへ仰け反りながらも何とか答えた。
「そ、そうだな・・・じゃあ・・・かくれんぼでもしようか?」

子供達のはしゃぐ声すら聞こえない不気味なほどの静けさに、ワシはそっと目を開けてみた。
見れば、ぐったりと疲れ果てて地面の上へと横たわった人間の腹を枕にして数匹の子供達が眠りこけている。
その周りでも、あれほどいた大勢の子供達が満足げな笑みを浮かべて眠っていた。
あの人間も、この好奇心旺盛な子供達の群れの中へ放り込まれてよく食い殺されなかったものだ。
「・・・ふぅ・・・どうやら、人間を連れてきたのは予想していたよりもいい方向へと転んだようだな・・・」
久し振りに味わう静かな昼下がりの一時。
偶然にも最良の子守り役を手に入れて、ワシは組んだ両腕の上に顎を擦りつけるとゆったりと目を閉じた。
だが幸せで一杯なはずのワシの脳裏に、一抹の不安が過ぎる。

あの人間の世話は・・・一体誰がするのだ・・・?



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