ワニ

    

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まだ眠気の残る早朝、突然110番通報があった。
なんでも、男性が相模大橋の岸辺でワニを見つけたと言ってきたらしい。
「またペットのワニが逃げたのか?」
同僚と呆れ顔でパトカーに乗り込むと、俺は現場に急行した。

現場に到着すると、確かに体長1.1メートルほどのワニが岸辺から約3メートルの川中を泳いでいた。
「心配ない。俺が捕まえてくる」
同僚に一言言いおくと、俺はズボンのすそをまくって川に入った。
決して大きくないとはいえ相手はワニ、油断すれば危険だが俺はあまりそのことは考えないようにした。
後ろから行けば大丈夫だ。どうってことない。
俺は水音を立てないようにそっとワニの背後に近づき、そのゴツゴツした鱗で覆われた太い尻尾を両腕でがっちりと掴んだ。
ビクンとワニが暴れ、右脇に抱えているワニの尻尾が激しく跳ねる。
「こいつ!おとなしくしろ!」
だが、ワニは抵抗をやめなかった。必死で暴れるワニを抑え切れず、つい掴んでいた尻尾を離してしまう。
「しまった!」
その様子に岸から見ていた同僚が叫んだ。
「大丈夫ですか!?」
大丈夫なわけないだろ。ヤツは今怒っているんだ。
なおも泳いで逃走を図るワニに俺は突進した。バシャッと水の中に倒れ込むようにワニの尻尾を両腕で抱き締めるように掴み、力づくで抵抗を封じた。
噛みつかれさえしなければ大したことは・・・
「ぐあっ!」
突然、股間に強烈な快感が走った。正面から抱き付いたことで股間に押し付けられていたワニのゴツゴツした尻尾が、暴れた拍子に俺の股間を擦り上げたのだ。
「くそ、こいつ!」
だが俺のその様子に気付いたのか、ワニはさらに俺の股間を尻尾で叩いた。
水中で動きが鈍っているとはいえ、筋肉がみっちり詰まった尻尾の一撃をもっとも弱く敏感なところに食らい、俺は苦痛と快感に悶えた。
「うああっ!」
半ば溺れるような姿勢で暴れる俺を見て、同僚も川の中に慌てて入ってくる。
そして、俺と一緒にワニの背後から掴みかかった。
さすがに2人で取り押さえられてはワニの抵抗も通じず、ワニはあえなく岸に引きずり上げられた。
そのままワニ用の籠の中に押し込み、蓋を閉める。
「ふう、やっと捕まえましたね」
「ああ・・・やっとな」
「どうしたんです?なんか悲鳴上げてましたけど。どこかけがを?」
「いや、なんでもない」
俺は同僚の詮索を断ち切ると、タオルで頭を拭いてパトカーに乗り込んだ。
同僚が怪訝そうな顔でこっちを見ていたが、俺の頭に中には別の思考が流れていた。
「ワニも・・・いいかもな」
それが、俺の中で何かが目覚めた瞬間だった。



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