裏窓4

    

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「ねえ。」
「んー?」
「へーさん達、いつ頃になるかな?」
「さあ。」
「先に夕飯食べてる?」
リオンが腕時計を確認しながら言う。
俺も横から覗き込んだ。
「もうそろそろご飯食べてもいいくらいの時間だけど・・・。」
「・・・まあ、それほど時間かかる事じゃないし、先に済ませちまおうか。風呂入るときもその方が楽だし・・・。」
シャワールームとトイレは全員共用なので、全員が決まって利用するような時間帯はものすごく混む。
飯の類も配当制なので、それらしい時間には竜人が殺到するのだ。
「じゃ、貰ってこようか。」
リオンがそう言ったので、俺も付き合うことにする。
テントを出ると、いつもよりも大分竜出が少なかった。
代わりに、午前中に来た人間の集団が一箇所に固まって飯を食んでいる。
テントから竜人と一緒に出てきた俺を見て、怪訝な顔を浮かべるものも多い。
「君さ。」
「んあ?」
「名前要らないの?そういえば。」
リオンが彼らを見ながら言う。
何を感じているのかは、よく分からない。
「要らないね。今のところ。」
俺も彼らを眺めながら答えた。
「ほかにも人間増えてきたらどうなるか分からないけど、とりあえず今は『人間』で十分用足りてるし。」
「・・・・・・なんかさ、淋しいよね。」
リオンが間を取ってから言う。
「何が?」
「君がそれでいいならいいけどさ、でも、彼らの真似しろって言うつもりは無いけど、」
リオンが俺の方を振り返り、後ろを親指で指しながら続ける。
「でも、僕は・・・、そうやって呼ばれるのは淋しい。」
「・・・・・・・・・・・・。」
そのまま、個包装にされたサンドイッチを4人分受け取り、テントに戻るまで、リオンは一言も口を聞かなかった。
俺も同じ。
テントに戻り、2人分を冷蔵庫に突っ込んでから自分たちの食べる分を開ける。
リオンが片手でパンを持ち、片手でノートPCのキーボードを叩く。
「昼間渡してたディスク、中庭の見取り図で、間違いなく本物だって事が発覚したって。」
「マジで?」
俺もそう言いながら14インチの低輝度モニタを覗き込む。
「明日の午前中のうちには全員に配布されるから、何らかの形で持ってろだってさ。」
「人間・・・、なかなかやるな・・・。」
人間のクセに人間に感心する。
つか、最近自分が何処に属しているのか分からなくなってきた。
「だよね。」
リオンがあははと笑う。
と、キーボードに視線を落とした俺はあることに気付いた。
「あれ?リオンって、指5本ある?」
「へ?」
リオンがそう言い、言葉を濁らせた。
「ああ、ある・・・ね。」
話したくなさそうなので黙っていようと思い、話題を変える。
「黒たち、いつ帰ってくるかな・・・。」
「・・・・・・まだだと思うよ。見取り図のこと公表されてから30分は経つけど、まだ来ないってことは、新しくなんか話し合い始めたってことだし。」
「ああ、会議やってるんだっけ?流石に迅速だな・・・。ご苦労なこった。」
俺がそういって、食事の包装紙をくずかごに入れる。
包装は全て紙で作られており、これだけはまた回収して再利用するそうだ。
布団の上に戻り、イリスの部屋から拝借してきた本をひろげる。
いつの間にか、リオンの手が止まっていた。
「・・・・・・・・・僕さ・・・、」
「ん?」
リオンがポツリと口を開く。
「・・・・・・純粋な竜人じゃない。」
「・・・・・・どゆこと?」
「・・・竜人じゃなくて、ただの雑種。竜と人間のハーフ。」
そういって手を広げた。
皮膚の質感は竜人的な光沢の、ぷにっとした感じがするが、それ以外の骨格は、紛れも無く人間のものに見える。
もっとも、俺から言わせて貰えば指の本数以外は竜人と変わらないように思うのだが・・・。
「僕・・・、いくつに見える?」
「俺よりちょっと年上くらい?」
「・・・違う。黒よりも大分上。」
竜人の寿命は人間のそれと殆ど代わらない。
若干、人間よりも長い程度だ。
対して、竜の寿命はべらぼうに長い。
「だからさ、僕、普通の竜人じゃないんだよ。」
そう言いながら、上半身に着ている服を脱ぎ始めた。
俺は反射的にテントの入り口を閉める。
黒たちはまだ帰ってこないだろう。
振り返ると、リオンが上半身裸になって、背中を向けていた。
見ると、肩甲骨の辺りから、皮膚に覆われた軟骨のようなものが突起物になっている。
その先端には、縫合されたような跡。
皮膚が変質し、痛みは無いと思っていても痛々しかった。
「元々さ、翼あったんだけど、切られちゃった。」
腕をわきの下から背中に回して、傷跡を撫でながら哂う。
「誰に・・・?」
イリス、という答えを恐れながら、竜人という答えを恐れながら聞く。
「・・・・・・竜。」
予想外の答え。
「・・・竜に?」
「うん。」
そういって、もう一度服を着るリオン。
顔が服で覆われたとき、顔を服でぬぐっているように見えた。
服を着なおし、そのまま仰向けに布団に倒れる。
俺の足元にリオンの顔が来て、言われてみれば確かに骨格の構造が違うように見えるマズルが正面から見えた。
「この角度から見ると違うでしょ?」
考えていたことを言い当てられる。
俺ってそんなに顔に出やすいのか?
「あんまり、この向きでは見せないことにしてるんだけどね。」
そう言いながら頭を掻く。
笑顔が悲しそうだった。
俺もリオンの足元まで歩いていき、横に並ぶように仰向けになる。
脇を見ると、リオンが俺の顔を眺めていた。
俺の手がリオンにつかまれ、指を組む。
親指は俺が上だが、小指はリオンが上。
五本ずつの指が、しっかりと組み合わさる。
「ちょっとさ、抱いていい?」
リオンがそう言い、俺は何も言わずに頷いた。
「じゃ・・・。」
リオンが俺の体を横に向け、その上に腕を軽く乗せるように置く。
「・・・これだけでいいんだけどね。」
口に含んだような笑い方。
1日活動した後で、少し硬くなっている髪の毛が揺れた。
「・・・明日さ、もし、このまま行けば・・・、僕、多分中庭に入る。」
リオンが抱く手に力を込める。
俺はリオンの襟元に顔を押し付ける。
「僕、普段何が仕事か話したっけ?」
「・・・聞いてない。」
「僕の本業・・・、殺しなんだよね。」
リオンが静かに言った。
その言葉は、俺の耳から入り込み。心の底にしみこんでゆく。
じっくり、時間をかけて。
明日、予定通りの明日なら、彼が何をするのか。
「別に、やることはキチンとやるし、君に助けて欲しいわけでもないけどさ。」
そう言って俺の頭を撫でた。
「嫌だな、殺し。」
リオンは・・・、多分、ものすごい爆弾を抱えている。
心と体の成長は、ある程度は同じ速度で進む。
リオンは俺と同じ年齢の心で、何を感じているのだろうか。
分からない。
全く分からない。
でも、考えるだけで心が潰れるような気がする。
「・・・は。」
リオンが声を漏らす。
「愚痴ったらすっきりした。」
そういって立ち上がり、俺に手を伸ばした。
俺はそれを掴んで立ち上がる。
「ありがと。」
「・・・・・・。」
何の助けになったのか分からないけど、でも、助けになれてよかった。
リオンがそのままPCの前に行き、モニタを覗き込んだ。
「・・・さっきの人間たちが持ってきた情報によると、明日、人間側も正式に立場表明するらしいよ。」
イリスがそういって、俺に画面を見るように促す。
  ---   これにより、人間側との関係激化は避けられない事態とならざるを得ない
         即ち、人間としては交戦の構えを崩すつもりは無く、---
まあ、「そっちがその気ならこっちもその気で行く。」ってことだ。
俺は息を一つついて、PCのモニタを倒し、ノートPCを畳んだ。
「混み始める前に風呂入ろうか。そろそろ皆外出だす頃だし。」
イリスが頷き、俺たちは一緒にシャワールームに向かった。

結局、黒たちが帰ってきたのは、俺たちがシャワーから戻ってきてから小1時間経ってからだった。

目を覚ますと、脇でイリスが横になって天井を眺めていた。
黒とリオンは、いない。
「黒も行ったの?」
俺が聞くと、イリスは今気付いた顔をしてこちらを向いた。
「あぁ、・・・リオンの付き合いでな。」
「・・・そう・・・。」
「リオンの奴、今日・・・」
「知ってる。」
「?」
「昨日聞いた。」
俺がそう言うと、イリスは少し驚いた顔をした。
「・・・そうか・・・。」
そう言って、視線を天井に戻す。
「俺は2月経たないと教えて貰えなかった。」
そう言って口元を緩める。
「黒は?何だって?」
「だから付き合い。ああやって、1人が1人を殺すような時は、人数多い方が1人にかかる負担が少ない。」
・・・負担ね。
「それに、ウダウダ言っても、あいつを最終的に支えられるのはアイツだけだ。」
・・・。
「ところで、今日1日暇だが、何する?」
「あれ、暇なの?」
「暇。何も仕事無い。」
時間は、普段よりも1時間ほど早く起きたようだ。
「・・・とりあえず、飯食ってコーヒーでも飲もうか。」
「だな。」

噴煙を上げて、ジープが走る。
運転するイリスの脇で、俺は2本目の缶コーヒーを開けた。
後部座席に積んだボストンバッグががたがた音を立て、中に入った金属の塊の存在を主張する。
「良いの?あそこ離れて。」
「平気。常に誰かは詰めてるし。」
「ふーん。」
コーヒーを傾けた。
「こっちこそ、俺が行っても平気なのか?彼女、流石に忘れちゃいないだろ。」
「たぶん平気。ルネ、それほど根に持つタイプじゃないし。」
そう言って外を眺める。
タワーまでなので、数分で到着する。
時間もあるので、かなりゆっくり。
「・・・そう言えば、結局何したの?」
「・・・歯医者。と、掌に千枚通し。」
「うわぁ・・・。」
歯医者は・・・まあ言わずもがな。
掌は・・・たぶん貫通させたんだろーな・・・。
痛そ。
「言っとくが、手加減はしたぞ。本気でやったらそのまま病院送りにしてもやれたし。」
弁解するように付け加える。
「じゃあ手加減しなかったらどうなるの。」
「まず、口の血は5時間は止まらなくする。で、掌はナイフにして、骨に当たらないように裂いてやる。」
「なぁ・・・。」
「ん?」
「それ、やられた奴居るの・・・?」
「居る。」
即答かよ・・・。
「大の大人が大泣きして失禁してた。」
「・・・もう少しだよな。」
「着くまでか?・・・あぁ、そうだな。」

2つ並んだタワーは、中庭に近い方が1号棟、遠い方が2号棟だ。
俺たちの住居は全て1号棟にあり、大抵の何も問題の無い竜人はここに住んでいる。
それに対して2号棟。
こっちはいわゆる「ワケあり」の竜人が集まるようだ。
もっとも、自分は特に何も負い目が無くても、ここを希望して住んでる奴もいるらしいから、一概には言えないけど。
で、今日の俺たちの目指すところは2号棟だ。
イリスが付いて来たのは、ただ暇だったわけではないようだ。
何しろ「ワケあり」のトコだし。
人類関係で色々あった奴もいるわけだし。
構造的な違いは無いはずなのに、やたら片付いている所為で全く違った印象を持たせるエレベーターホールからエレベーターに乗り込み、イリスが持っていた鍵を鍵穴に入れる。
ドアが閉まり、エレベーターが動き出す。
さっきは平気だといったが、正直、ルネとイリスを会わせてもいいものかどうか、微妙な気がする。
よく考えたらあのジープの荷台以来、彼女とは会っていない。
根に持たないと言うのも、勘だ。
根拠はこれといってない。
彼女が何をされたのか聞いたのもさっきが初めてだし・・・。
こんな事ならもっと考えてから来れば良かった。
途中エレベーターが止まり、2人組の竜人が乗り込んでこようとしたが、俺たちの(ひょっとしたらイリスかもしれないけど)姿を見たとたん顔色を変えて、そそくさと出て行った。
誰も乗り込んでこないままエレベーターが動き出す。
階層数表示計が回り、ギアを爪が引っかき、ラチェットの要領で規則的な金属音がなる。
キーキーという金属音。
「なあ。」
イリスが口を開く。
「大丈夫なのか?俺が行っても。」
「・・・・・・・・・・・・多分。」
「多分ね・・・。まあ、お前が良いってんならいいけど。」
「・・・・・・・・・。」
肩にかけたボストンバッグの位置を直すかのように、一度持ち手を持ち上げ、また戻す。
あんまり意味無いけど。
慣性を感じ、エレベーターがゆっくり停止した。
「着いた。」
イリスが言って、エレベーターを降りる。
後に続く俺。
目の前にある扉がそうなのだろう。
イリスが俺の方をちらりと見て、俺の反応を待たずにドアをノックした。
金属的な音が響く。
一拍遅れて、中から鍵を開ける音が聞こえた。
イリスが俺の背中を押し、彼の前に立たせる。
ドアが開いた。
相変わらず寝癖のついたままの髪が濡れ、バスローブのみの無防備な格好でルネが顔を出した。
「・・・相変わらず無用心だな・・・。」
何か、最初に口から出た言葉がそれだった。
「・・・ほっときなさいよ・・・。」
ルネがそういって、扉を広げた。

「何か・・・、ごめん、色々と・・・。」
俺は今までの経緯(いきさつ)と現状を話した後、まずそういった。
「前にも言ったじゃんそれ。」
ルネがゆるい顔で言う。
「何?いまさら・・・。」
口が緩んでた。
「いや・・・、何やられたとか、全然聞いてなくて・・・、だから・・・、・・・もっと・・・、あの時・・・」
「平気だってば。大分手加減してくれたみたいだし・・・。私、もっと酷いコトされると思ってビビりまくってたんだから・・・。」
そう言ってイリスの方を見る。
俺の後ろで無表情に座っていたが、話題を振られて戸惑った顔をする。
「ありがと。次の日から普通に御飯食べられたよ。まあ、まだ掌の傷は残ってるけどね。」
彼女はそういってローブの袖から出た掌をイリスに見せる。
見せるもんだから、その袖口の奥が俺の視界に広がった。
「で・・・、竜のほう行くの?」
ルネが俺の方を突然向いたので、俺は間の抜けた声を出して意識を引き戻した。
「結局、人間相手ってコトは竜に多少は協力仰がないと、こっちが負けたときは向こうにも被害行くわけだし・・・。」
「・・・つか、最初は人間と竜の話で、竜人は関係なかったんじゃなかったっけか。」
「人間なんてそんなモンでしょ。」
「おい・・・、人間前にして言うかそれ・・・。」
「でさ。行くの?竜のトコ。」
「行く。近いうちに。で、行くとしたらたぶん俺は確実に連れてかれる。そうするとたぶんイリスも来る。」
「じゃ、私も行く。」
「それを頼みに来た。話が早いな。」
傍で聞いていたイリスが口を挟む。
「人間の口から俺たちに対する協力体制を頼ませるのはあまりに酷だ。ヒト殺してくれってことになるわけだし。」
そういって窓の傍まで行き、窓を開ける。
「・・・一雨来るかもな・・・。」
そういって空を見上げた。
人間(ヒト)殺してくれ、か。
まあ、多分俺は気にならないと思うが・・・。
・・・いや、嘘だ。
分からない。
自分でどう思うのか、本当に分からない。
こいつらは確かに完全に他人だから良いかもしれないが・・・。
俺としては一応同種だ。
リオンよりも近い。
「分かった。なら私も行くことにする。」
ルネが言った。
「すまんな。」
イリスが外を見ながら言った。
俺、何も言わない。
「で、やたら大荷物だけど、何持って来たの?」
ルネが壁際に置いてあるバッグを見ながら言う。
「ああ、お前の私物。俺が預かってた分。」
「にしては量多いよね・・・?」
確かに言われてみれば多い。
最初にジープに乗ったときは、全員分纏めてだったからそれほど量は覚えていないが、ルネ一人の私物があそこまでかさばるはずが無い。
「詰め物が殆どだよ。」
イリスが言った。
「まあ、その詰め物で包まれてんのは餞別だとでも思ってくれ。」
そう言いながらイリスは外に出て行こうとする。
「あれ?何処行くの?」
「先に下りてる。戻るときはルネに送ってもらえ。」
「分かったー。」
俺が何か言う前にルネが返事をしたので、イリスは俺の返事を待たずに手の甲と背中を見せてドアから出て行った。
ドアが閉まると同時にルネがバッグにダッシュし、上のほうのぼろきれと彼女が元々持っていた銃を脇に出す。
何事かと思った俺も、その光景を覗き込むためにルネの隣に座る。
バッグの丁度真ん中に、布で包まれたボール状の包みが出現した。
「・・・何これ?」
「多分新しい銃。」
そう言いながら、丁寧に急いでボールを解体していく。
布の山がだんだん大きくなった。
中から出てきたのは、プラスチックと金属の・・・水鉄砲・・・?
拳銃のようだが、グリップ部分はただの棒になっており、弾倉はそこには入らない。
代わりに、普通の拳銃ならスライドが来るところに、ボトルのような円筒状のものがついている。
大きさは、普通のハンドガンにしては大きい。
ルネの顔を見ると、口が顔の1/3くらいまで大きくなって、残り2/3の内の1/2が目になったような顔になっていた。
「え・・・M950だ・・・。」
そう言いながらゆっくりとそれを手に取り、見た目よりも軽そうにそれを構える。
壁の一点を狙うように、銃口をそこに向けた。
「M950って、ベレッタの?」
「違う違う、キャリコの方。すごい・・・初めて見た・・・。」
ルネがそう言いながら、口から勝手のこぼれるうんちくを止めようともしないで銃を眺める。
「これさ、9mmが一杯入って、しかもそれをフルオートで連射できる、ハンドガンみたいだけどこれ、軽機関銃なんだよ?」
同意を求められても困るわけなのだが・・・。
「このマガジンさ、これ・・・うわあ!コンバットモデルだぁ!100発入るよ・・・。」
円筒状の部分を見ながら感嘆する。
「カッコいい・・・。このマガジンね、弾は中に螺旋状に入れるようになってんの。で、それは・・・、・・・そう!ヘリカルマガジンって言うんだけど・・・、」
へりかる・・・?
いや、聞いたこと無い・・・。
でも、確かに良い銃だと思う。
持ってみてもやっぱり軽いし。
プラスチックで軽量化に成功したとか何とか・・・。

「でね・・・、あ・・・雨降ってきた・・・。」
窓の外を見ると、確かに雨粒が壁を打っている。
「へえ・・・、雨なんて本物見たの初めてだ・・・。」
「え・・・?」
ルネと一緒に窓際まで行って、感想を漏らした俺にルネが怪訝な顔を向ける。
「ああ、中庭だと雨降らないんだよ。まあ、天井ばっかりだしね・・・。」
時々人工的に水撒いたりはしてるけど、中庭は基本的に降水が無い。
雲も無いんだからしょうがない。
「そろそろ・・・、下下りた方がいいかな・・・。」
「・・・・・・そうだね。」
「ああ、着替えるんなら外出るy・・・おぉ。」
俺がそういって玄関近くまで行き、振り向いたときには彼女はもうローブを脱いで床に丸め、下着だけの姿だった。
「・・・あー・・・、じゃあ、外出てr
「待って。」
ルネがそういって、そのままの格好で俺の方に近づいてくる。
――ぐし。
抱 き つ か れ た 。
「お・・・おぼう!???」
無い胸が当たってるってば。
下着一枚だし・・・。
そこから出てる尾が何かもうアレだし・・・。
「次・・・いつ来る・・・?」
「・・・・・・・・・少なくとも今度竜のトコ行く前には・・・。」
「・・・分かった・・・。」

かち・・・、かち・・・、かち・・・、かち・・・。
エレベーターが下りて、表示計が回る。
「・・・お前、桐生と同棲してたんじゃなかったっけ・・・?」
「・・・同棲じゃない。アレはただの同居。」
・・・ふーん・・・。
この前の・・・俺が始めてあいつらと一緒に食った夕食を思い出す。
へーさん、結論出ました。
「ハイ着いた。」
ドアが開いた。

俺たちが地面に着いたときには雨は完全に本降りになっていて、ルネとは出入り口で分かれて俺はジープまで走った。
幸い、イリスがすぐ傍まで車を移動させていてくれたが。
「本降りだな。」
乗り込むとイリスが漏らした。
エンジンは切っているので、ワイパーは動かない。
「何してきた?」
「・・・別に何も?彼女の銃うんちくに耳を傾けながら窓の外眺めてただけ。」
「何だ、つまらん。せっかく二人っきりにしてやったのに・・・。」
「だから彼女もう売約済みだって・・・。」
あれ・・・?
何で嘘つくの俺?
別に素直に自慢すればいいやん。
何恥ずかしがってんだよ俺。
・・・結局、その日はそのまま他愛も無い四方山話で時間を潰し、夕方シャワールームで一人になった俺は、一人きりでなぜか狂喜乱舞しましたとさ。

どさ――。
目が覚める。
と、同時に顔にわずかな風圧を感じた。
まだ時間的には早いのだろう。
寝袋からはみ出した、汗ばんだ体がほのかに冷たい。
それを暖かい場所に避難させるために、わずかに身じろぎする。
衣擦れの音。
「・・・・・・起きたかな?」
リオンの声。
戻ってきたらしい。
時間的には、大体予定通りか、それよりもちょっと早い位。
で、起きたかだって?
ああ、起きてるともさ。
「平気だろ?まだ4時前だし。イリスが起きないくらいだ。」
黒がそういって、寝返りを打ったようだ。
微妙に開いた、地面と寝袋の隙間から細めた目で外を確認する。
イリスの体の向こうに、間違えようが無い二人のシルエットが見える。
否、そのまんま、上半身は何も身に着けていない背中が見える。
どうやら、シャワールームから直行直帰、ここに来たらしい。
中庭から、2人連れ立って戻ってきたばかりなのだろう。
「・・・嫌だったのに・・・、またやっちゃったな・・・。」
リオンが愚痴をこぼすように言った。
「・・・お前は何もしてないさ。ただ、動かされたように動いただけだ。」
黒がそういってまた寝返りを打つ。
こちらに背中が向いているということは、おそらくリオンの方を向いているのだろう。
「ああ、畜生、もう我慢できねえ。」
黒がそういって、転がるようにしてリオンの体の上に圧し掛かった。
リオンの口から変な声が漏れる。
金属的な音がせわしく響く。
・・・ベルト・・・?
・・・・・・まさか。
「そんな・・・、え、今からぁ?」
リオンがそういって、肘を突っ張ったようだ。
黒の背中の沈降が止まる。
「絶対二人とも気付くよ・・・。」
そう言って、少しの間。
こちらをしゃくりでもしたのだろうか。
「気付いたって、もう始めちまえば指摘なんて出来ないだろ・・・。」
黒がそう言って、リオンの細い手首を掴む。
遮る物が無くなった体が再度、布団の海に沈む。
「さっさと始めちまおう・・・。」
「あ・・・やぅ・・・・・・んっ。」
          (じるっ)
何だ今の「じるっ」ってSE。
「んっ!・・・んんぅっ・・・、――は・・・、や、そこは自分でやるんっ・・・。」
      (じるる)     (ぷふ)  (かちゃかちゃ)       (ふー・・・)
息遣いと、金属音と、衣擦れと、唾液。
「何だ・・・、体は正直だなぁ・・・。」
何ですかそのベタベタな台詞はっ!
いつもよりもトーンの高いリオンの声。
いつもよりも静かな黒の声。
「触るぜ?」
「へ・・・、黒・・・、止めた方がいいって・・・、絶対起きるってば・・・。」
んっ・・・、と余韻を残して、リオンの台詞が止まる。
「気にすんな・・・。どうせこいつら、後3時間は起きる予定じゃねーんだ。今起きて、俺ら見つけたって、悪いのは普段通りに起きてこないこいつらの方・・・。」
いや、そのりくつはおかしい。
ダメだ・・・、もう見ちゃダメだ。
一度見てしまうと、後戻りが出来なくなりそうだ。
「ふくっ・・・!ぐぅ・・・っん!」
ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、あ、あ、あ、あ、あ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ!
アー見えない、聞こえない。
アーアー。
・・・まあ、結局こいつら、予定通りに1時間以内にコト終わらせて、俺らが起きる前には二度目のシャワー浴びて就寝してたわけだが・・・、なんだかなあ・・・。

「・・・起きてた?」
テントからなるべく離れたところで朝食をとりながら、先ほどのことについてイリスに尋ねる。
「・・・起きてた。まさかあそこで本番行くとは思わなかった。」
「・・・・・・あんまり、ストレートな表現は良くないと思います。」
はは・・・と、イリスが笑った。
「・・・・・・昨日・・・。」
笑いが収まってからイリスが口を開いた。
「昨日・・・、彼女とは何かあったのか?」
ルネのことだろう。
「別に・・・?何で?」
「・・・・・・折角あんな状況まで行ったんだから、フラグの一つも立てとけよ・・・。」
「ああ、その話・・・。」
「絶対竜なんかよりはお前の方が良いって、彼女。」
「どうなのかねえ・・・。」
今日は風が強い。
また、雨が降りそうだ。
朝食の包装紙が湿って、時折吹く強い風で穴が開きそうになる。
「・・・で、あいつらにはもう話してあるんだが、お前に折り入って話がある。」
「・・・何?」
「彼女の方にも協力して欲しいんだが、竜人としては、竜側に全面的に、一時的休戦、及び協力を求めることになった。」
「・・・つまり?」
「まあ、アレだ。」
イリスが俺の肩に手を置く。
変に蒸し暑い陽気なので選んだランニングシャツ殻露出した皮膚に、竜人のひんやりした手が被さる。
「お前、交渉して来い。」
・・・はい!?
「・・・えっと・・・つまりアレかな?協力要請の交渉するときの矢面にたてと。」
「まあ、そーゆーこと。お前にはコネもあるし、ある程度口もまわる。」
「・・・そうか?」
「そうだ。」
「・・・で、いつ?」
「今日の午後。明日までに返事聞いて来いだとさ。」
「・・・マジすか?」
「大マジ。」

――車が揺れる。
いつも通り、派手に巻き上げる粉塵を竜連中に見られないように、中庭の壁の周りをぐるりと回って集落近くに出る。
近くの小さいオフィス街のビルの脇に車を隠すように停め、両側のドアが開いて中から出てくるのは、俺とルネ、それにリオンと黒だ。

――「イリスは行かないわけ?」
そう言った俺に、黒が代わりに答える。
「まあ、こいつは色々とマズイ事やってるし・・・。」
「誤解するなよ、変な意味じゃない。」
後に続くように、してもいない誤解を否定される。
「まあ、拷問関係で名前が通ってるから、今まで敵にしてた奴らと対面させるのは問題ありそうってだけだよ。深い意味は無い。」
いや、それ深いだろ、という突っ込みは、敢えて入れないでおいた。

「それにしてもここでいいのか?」
黒が歩きながら口を開き、背中のベルトに挟んだ拳銃のスライドを引き、弾を確認する。
P229は比較的大きい拳銃だと思ったのだが、黒が持つとまるでおもちゃのように見えた。
・・・使わなくてもいいことを祈ろう。
「アーケード街の入り口からまわった方が近いだろ?」
「ここで良いわよ?」
ルネが言う。
「フィアのところ行くんでしょ?」
俺の前に顔を乗り出す。
俺はああ、とだけ言って、フィアに貰ったM92Fの弾倉を確認した。
3週間足らずの間に、銃を持つことや撃つことに全く違和感を感じなくなっていた。
「ここの正面にあるバーが、地下まで貫いてるんだ。」
そういって道の反対側、片側3車線x2の、40m程の距離を消化しにかかる。
地面にはまだ5.56mmの弾痕が刻まれたままになっていた。
「ここで何か有ったの?」
今日始めて(初めてじゃないけども)リオンが口を開いた。
「何か、ものすごい勢いで弾埋まってるけど・・・、ねえ、へーさん。」
朝のうちにイリスに聞いたことだが、リオンが黒のことを「黒」と呼ぶのはエロい気分の時だけのようだ。
あれ?
一昨日の夜、俺に抱きつきながら黒のことなんて呼んでたかな・・・?
・・・まあ、いいや。
「ドンパチあった。」
俺が答える。
答えながら、縁だけが残った中央分離帯の植え込みを乗り越える。
「因みに、そのときに最初に原因作った竜人はあのビルに居て、」
後方のビル――そう、あのビルだ――を指差す。
「そこから機関銃。」
そして今度は目の前のバーを指差す。
「で、俺が・・・、よっと」
歩道の車道の境目であるガードレールを跨ぐ。
フィアの店には駐車場が無いので、店の前にも無遠慮にガードレールがあるのだ。
「ここのシャッターの隙間か頭打ち抜いたわけ。」
今まで秘密にしていたことをさりげなくバラす。
流されたようで安心した。
「じゃ・・・ここか。」
黒が店の前に仁王立ちして言う。
リオンがその脇にちょこなんと立つ。
俺はそれをすり抜け、ドアノブに手をかける。
立て付けが悪いので、ルネと二人で引っ張った。
かぼん。
アルミ製のドアが外れるような音を立てて開いた。

店の中は相変わらず閑散としていて、物が少ない。
何か、このスペースは兵たちの部屋と同じくらいの大きさに見える。
こっちの方が絶対広いけど。
暗いって恐ろしい。
見えない隅へと歩き出し、手探りで階段に続くドアを開ける。
ここはフィアたちが窮屈に感じることなく通れるように、微妙に大きく広げてあった。
何だか、始めて来たような感覚。
デジャヴのような記憶をたどって、手探りで迷うことなく手すりを掴み、階段を途中まで下りる。
黒とリオンは上に待たせて、俺とルネだけで降りる。
2階部分のドアを開けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・た・・・、ただいま・・・。」
「・・・・・・お帰りなさい。」
床から立ち上がり、俺の方に歩いてくる。
・・・酒臭い・・・。
竜人と全く違う体の構造をしているので、視線が普段と違うような気がする。
ここに始めてきたときはそんなに気にならなかったのにな・・・。
「・・・アンタ・・・、今まで何処に居たの?」
「竜人の所。彼女も一緒に。」
後ろに居るルネを指差す。
「・・・逃げて来でもした?」
「ちがう。」
ちらりとルネのほうを見る。
彼女、ここに来てからあまり喋らなくなった。
やはり、何か気まずいのかね・・・。
でも目が合うと彼女はすぐに頷いた。
俺も微妙に頷き、フィアの方に向き直る。
「・・・実は・・・、折り入って話があるんだけど・・・。桐生居る?」
「桐生の方に用?」
「違う、皆。」
「?」
「・・・皆に、用があってきた。」

「まあ、かいつまんで話せばそう言う事なんだけども・・・。」
話し始めてから約5分。
地上1階。
「まあ、多分そう来るんじゃないかとは思ってたが・・・。」
桐生が言う。
「要求自体は難しいことじゃない。と言うか、概ね今まで通りだろ?」
「今までだって、目立った争いは無かったしね。」
フィアが後に続く。
「それをノータッチにするんだったら、たぶん問題無いと思う。・・・私から言っとこうか?」
「言っとくって・・・、誰によ?」
「皆。私、結構発言力あるのよ?」
知らなかった。
「ただ、・・・これは個人的にだが・・・、気に食わない点も無いことは無い。」
桐生が口を挟んだ。
「お前らの態度が・・・、な。」
「・・・・・・へ?」
「そこの黒いの。」
黒のほうを向いて言う。
「ぁん?」
「黒・・・けんか腰は無しね?」
「・・・・・・。」
ああ、多分耳に入っていないなこれは。
「こいつらつれてきた意義は何だ?」
桐生が俺とリオンを指して言う。
「人間と、混血種。何がやりたい?」
「コネだ。後は数合わせ位の意味しかない。」
即答する。
黒のこめかみに、早くも青筋が浮いた。
「文句あっか。」
「ある。」
桐生は何処までも真顔で答える。
そこまで顔に出さないで我慢できるんならわざわざ面倒臭い事言わなきゃいいのに・・・。
もっとも、そんなこと考えていられるのは俺くらいの様で、狭苦しい空間に緊張が広がる。
「同情誘いたいんなら、もっとましな手考えろ。」
「はぁ!?」
「ちょ・・・、へーさんストップストップ・・・。」
黒がついに仁王立ちできなくなり、リオンが止めに入る。
「こいつらは俺らよりも辛い立場です、こいつらを救済するためにも協力して下さい。」
桐生の方も黒に近寄る。
首が長いので、それだけで威圧感がある。
「看板の代わりにして矢面に立たせた後はどうする?え?」
ぶちっ。
――ばこん!
黒の右ストレートが桐生の眉間にヒットし、額が少しめり込んだ。
桐生の方も右手を上げるが、フィアが後ろから手首を掴んで引き離す。
「てめぇらいい加減利用されてることにくらい気付け!これの後でお前らには何が残る!?」
桐生が唾と血糊を撒き散らして叫ぶ。
後ろから押さえつけるフィアの顔が本気だ。
対照的に、黒は完全無視を決め込んで、上着の襟を直し、回れ右して外の道に出て行こうとする。
ルネが慌てて後を追った。
フィアと一緒に地下に降りて、桐生を座らせ、また地上に上がる。
「・・・なんか、ごめんね?彼も・・・あなたたちのこと心配してたから・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「協力の件、必ず前向きに検討させるから・・・。」
俺達は何も言わず、そのまま店を後にした。

がしゃん!
黒が道端に放置されていた自動車の窓ガラスに拳を叩き込む。
派手な音を立ててガラスが砕けた。
ルネが泣きそうな顔で黒の後を歩いている。
「ねえ・・・。」
リオンが後ろから話しかけてきた。
「・・・僕達・・・、やっぱり違うのかな?」
「・・・違うと言えば違うだろ・・・、やっぱり。」
リオンがある程度年上だと分かってから、言葉に遠慮が無くなった。
その代わり、リオンは感情表現に遠慮や妥協が無い。
リオンは、世界が終わったような顔になった。
「何処まで行ってもペットなのかな・・・?僕ら。」
「・・・・・・黒に獣姦趣味なんてあったっけか?」
「・・・?」
「無いなら、お前のこと別種だと思ってたら、あんなに大胆に襲わねーよ。」
「・・・・・・・・・あんなに・・・。・・・・・・・・・・・・・・・!?!!!??!?!?!!?」
「今朝とか・・・、色々。」
「み・・・・みみみみみ見てたの!?」
・・・お前らが見せ付けてきたようなもんだろ・・・。
「まあ、チラッとな。」
「・・・・・・どこら辺から・・・?」
「・・・どさっ、かちゃかちゃの辺りから・・・。」
「・・・その前には僕ら何してたんだっけ?」
「外歩いてたんじゃね?」
「はあああああああああああ・・・。」

「で、最初に殴ったのはどっちだ?」
皆で黒を指差す。
黒以外。
「その後は?」
「フィアが止めに入ったから、そこで終了。」
ルネが答える。
「あ、フィアってのは彼の面倒見てた竜。」
俺の方に視線を投げた。
「・・・・・・ってーことはだ。」
イリスは煙草を吸わない。
その代わり毎日のように黒酢を飲む。
紙パックに入った、りんご風味の黒酢。
そのパックに刺したストローから息を吸い、下にぶら下げて手を放した。
1秒も経たない内に落下し、それをまた手で受け止める。
「休戦協定の交渉行って、それに関しては全く進展が無いまま、物を頼みに行った立場のお前らが先方をぶん殴って帰ってきた、と。」
「いや・・・、一応、善処するって言われたし・・・。」
「善処だ?は――、善処ねえ・・・。」
ちう。
・・・ぽと。
「血気が多いのも良いが、ぶち切れて自分の首を絞めるってのもなあ・・・。」
「お前が・・・、」
今まで黙ってた黒が、イリスの口に紙パックがへばりついたのを狙って口を開いた。
「お前が俺の立場で、何もしないで黙って話し聞いてくるだけだったら、俺は後で戻ってきたお前を撃ち殺してるだろーな。」
「・・・それとこれとは別だ。」
「同じだなんて言ってねえ。」
「・・・・・・・・・ねえ・・・。」
リオンがここで口を挟む。
「・・・僕らを連れてきたのって・・・、何のため?」
「・・・・・・・・・。」
黒が黙る。
「コネがあるからだ。あと、こうなったときに黒にブレーキかける奴はどう考えても必要だろ?・・・で、黒は何だって?」
「・・・・・・何でもねえ・・・。さっさと帰るぞ。」
エンジンがかけられ、サイドブレーキが下ろされる。
今日も念のため、普段の大回りのルートで帰る。
このルート使うの、今日が最後になるといいな。
「・・・・・・ああ、それから、」
イリスが思い出したように言う。
黒酢のパックは、べこべこになってダッシュボード上に放置されていた。
「リオンと黒、やるなら多少はばれない努力をしろ。」
リオンの頭部が、耳まで真っ赤になった。

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