クリフトとアリーナの想いは @ wiki

2006.04.04_2

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kuriari

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クリフトとアリーナの想いは Part4.2
797 :隙間風1/1:2006/04/04(火) 16:16:19 ID:wPcTlD/d0

ー隙間風ー

その日は夕方から風が強かった。
そんな中山小屋を見つけられたのは幸運だった。
資材置き場として使われていたのだろうが生憎と火を起こせる様な場所は無かったが
この強風が避けられるだけでもありがたいことだった。

「ふ~すごい風~」
アリーナ姫の美しい髪も今日は砂埃や葉っぱが絡みついている。
ようやく風を避けられ、ほっと一息つきながら手串を通して必死に髪を整えていた。
何とか3人が横になれる場所はあったのだが粗末なつくりの山小屋隙間風が吹き込んでくる。
季節外れの強風、寒さ対策をするには早い季節で手持ちの防寒具が少なかった。
クリフトはお歳を召してるブライ様を心配して自分の分を渡して就寝した。

「クッシュン」
深夜可愛いクシャミで目を覚ました。
いまだに風が吹き止まずギシギシを山小屋を揺すり、隙間風が体温を奪っていく。
「姫さま眠れませんか?」
クリフトが毛布を渡したかい合ってか、寝息を立ててるブライを起こさぬようにそっと声をかける。
声をかけられたアリーナはマントと毛布を自分の体に巻きつけながらモゾモゾと身を起こした。
「そうね、小屋なのにけっこう風吹き込むわね」
動きにくいと言って厚着を嫌うアリーナは薄着なのでこの隙間風は堪える様だった。
「私どもの準備が悪く、姫さまにご不便をおかけして申し訳ございません。」
「ん、クリフトのせいじゃないわよ。」
そう入ったもののアリーナの肩は小刻みに震えていた。
自分の毛布はすでにブライに渡してしまっいて他に渡せるようなものはない。
何か方法は無いかと考えをめぐらせるクリフト。

あっ、この自分のコートみたいな上着なら姫さまを包めるかもしれない。
必着することになってしまうけど、ここは仕方ありません!
そう他に方法が無いんだし、不本意ではありますがこの不肖クリフトが姫様を
あっためて差し上げるしかないんです!!!

クリフトはプチプチと早急に上着のボタンを外していく
「ちょっ、ちょっと、な、なに!?」
「ひ、ひめ・・・」
明らかに暴走した考えに取り付かれてるクリフト
いきなり服を大きく広げ、覆い被さって来ようとする。
その姿はなんというか・・・・コートを広げて見せてくる変態っぽかった。
しかしクリフトがアリーナまで達することは無かった。
「なに考えてるのよーー!!!」

ドガッ!!

アリーナの強烈な鉄拳が決まってクリフトは壁まで吹っ飛ばされた。
「ぐ、ぐえ・・・」
断末魔を残してクリフトは気絶した。
「ったく、突然なにしようとするのよ!」
大きく肩で息をしながらアリーナは突然のクリフトの行動に今でもドキドキして胸が熱かった。
クリフトの本意とは違ったがとりあえずアリーナは暖まったようだった。
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