魂片的筆記
立喰いうどん『伯楽』ブランコ店
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立喰うどん『伯楽』∥鉄棒|滑り台|雲梯|地球儀|登り棒|ブランコ|砂場|噴水|シーソー|アニマルオブジェ∥
立喰うどん『伯楽』 -ブランコ店-
「らっしゃーいっ!」
立ち食いうどん屋チェーン『伯楽』
暖簾をくぐると、威勢のいい大将の声が響いた。
森の中にあるその店は、店内にも木が植えてある。
というより、木が生い茂る中、その内のいくつかを切り倒すことなく店を作った――
およそそんな感じだった。
縦に伸びる太い幹、そして横に伸びる太い枝。
そこからロープで吊された簡素な板が座席であるらしい。
座って地面を蹴ると、きーこきーこと前後に揺れる。
椅子がこれであるならば、机は通常これの少し前方に置かれるはずである。
しかし机は遙か上。かなり離れた場所に宙づりになっている。
このブランコを漕げば、理論上辿り着けるであろう、その位置に。
店員はそこに水とおしぼりを置き、こちらを見下ろしにやりと笑った。
(PT名)がお品書きに遭遇した!
立喰うどん『伯楽』 -ブランコ店- ~その後~
机は、ブランコをかなり強めに漕いだ先にある。
食器はその机に固定されており、揺り返しでお持ち帰りできない徹底ぶりである。
つまり、思いっきり漕いで机の所まで辿り着き、そこで素早く口にかっ込み、行って帰って
の間に咀嚼する。
反芻する暇はない。
ひたすらそれの繰り返しである。
ちなみに、机に辿り着いた際にそれにつかまるのは反則らしく。
抱きかかえるように机にしがみついた隣のお客さんの指を一本一本、丁寧に、だが力強
く店員さんが外していた。
隣の人は泣きながら、ブランコに揺られていた。
立喰うどん『伯楽』∥鉄棒|滑り台|雲梯|地球儀|登り棒|ブランコ|砂場|噴水|シーソー|アニマルオブジェ∥