魂片的筆記
立喰いうどん『伯楽』シーソー店
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立喰うどん『伯楽』∥鉄棒|滑り台|雲梯|地球儀|登り棒|ブランコ|砂場|噴水|シーソー|アニマルオブジェ∥
立喰うどん『伯楽』 -シーソー店-
「らっしゃーいっ!」
立ち食いうどん屋チェーン『伯楽』
暖簾をくぐると、威勢のいい大将の声が響いた。
(プレイヤー1)は空いていた、カウンター席の隅に歩先を向けた。
座席は一つの長椅子で、背もたれはなく間々に鉄製の肘置きのような仕切りがある。
椅子が若干斜めに傾いていたのは気になったが、とりあえずと隅の席に腰を下ろした。
そうすると、ふいに体が浮いた。
しかし浮いたと思ったのは感覚のみで、実際には落下していた。
すとん、と椅子が沈んで体がそれに追従する。
軽い衝撃が背骨を抜け、およそ1秒と待たずに落下は終わった。
そこかしこで、『熱ぁっ』とかいう短い悲鳴が上がっている。
衝撃で、うどんの汁でも飛んだのだろう。
となりの人の膝の上には親子丼が丸ごとひっくり返っていたが、しくしく泣いていたので見
てないことにしてあげた。
長椅子には足がなく、足と呼べそうな物は横長の座板のほぼ中央にあるだけだった。
その足を支柱として、座板が完全には固定はされずに乗っかっている。
それによって、左右にぎっこんばったんと上下するらしかった。
一通り納得したところで。
ちょうど目線と同じ高さにあるカウンターに、店員が水とおしぼりを静かに置いた。
(PT名)がお品書きに遭遇した!
立喰うどん『伯楽』 -シーソー店- ~その後~
「お代はここに置いとくよー」
と、一人の客が席を立つ。
そうすると、カウンター席の右寄りの人が一斉に沈み、逆側の人が一斉に浮き上がる。
また新しい客がやってきてその席に座ると、逆の現象が起こる。
それが、食事の合間に何度も繰り返されるわけである。
落ち着かない上に、結構尻が痛かった。
常連客ともなれば慣れたものらしく。
席移動が行われる数瞬前に落ち着いてうどんをカウンターに置き、席が動くのを確かめて
から器を手に取る。
そしてまた優雅にうどんを口に運ぶのである。
その様は、実に慣れたものであった。
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