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短編36


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「心ちゃん!知ってる?」
「何をだよ・・・」
「おまわりさんの幽霊」
神社仏閣の言葉に興味なさそうにしていた心と宗教は少しだけ首を傾げる
確かにそんな噂を聞いたことがあるが、被害にあったということは聞いていない
人を驚かせるのが好きなだけの奴じゃないのだろうか?
神社仏閣のベットの上に転がりながら漫画の内容も読まずにパラパラとページをまくる
「それで?」
「その幽霊、急に話しかけてくるんだってぇ・・・」
いかにも怖そうな声でいう神社仏閣に心と宗教はぷっと吹き出した
霊感の無い人間にとって幽霊なんて存在しないのと同じだ、信じていなかったら幽霊なんて言葉すら日常には出ない
ということは、その話しかけられた奴がたまたま霊感が強かったか、そいつと波長が合ったんだろう
「で?」
「むぅ・・・せっかく新しいお仕事なのにぃ!」
「誰からだよ」
漫画をベットのすぐ傍にある本棚に戻しながら心と宗教は溜息をつく
また小学生からの大した意味も無い怪談話か
最近頻繁に起こっている行方不明者を探すということを寺の神主に任せられているっていうのに・・・
「こつこつ解決するの!」
「遠回りしかしてないような・・・」
苦笑いをしながら心と宗教は立ち上がって背をぐっと伸ばす
「まぁ、行きますか」
「やった!!」
飛び跳ねる神社仏閣に心と宗教はまた溜息をつく
まさかその幽霊が事件にかかわっているわけないだろう・・・

夜の街には人が一人もいない、むしろ人が居ることの方が珍しい
ここはそこまで都会でもないし、夜に楽しいイベントがあるわけでもない
ただ、夜になると決まって何処かの建物が壊れたりするのが最近の流行だ
道路も線路も何でも壊れるというのは不思議だが、自分達にはどうしようもない
何がどうやって壊しているのかも全く不明なのだから
「ここだよな?」
古ぼけた神社で、街灯は無い、あるのは木々の囁きと虫の鳴き声
闇の中にぼんやりと浮かんでいる御堂がなんとも不気味だ
こんな場所に来るのは肝試しでもしている奴くらいだろうか・・・?
「うーん、見えないね」
「気配は全く・・・じゃないけどな、そのおまわりさんは居ないんじゃ?」
「おっかしいなぁ・・・」
確かに聞いたのに・・・っと落ち込んだ顔をする神社仏閣の肩を心と宗教が慰めようと手を伸ばした
そのときだ
急に道路の方から眩しい光がこちらに結構な速度で近づいてきているのが見えた
心と宗教は素早く両手を構えると神社仏閣の前に出る
相手の姿は確認できないが、光はこちらに一直線に向かってくる
「神社仏閣!」
「うん!」

棒を構えると神社仏閣はお経のようなものを唱えながら地面をガリガリと削る
丸い円を書き、そこの中心を手に持っている棒で突き立てるように突く
「来た!」
「悪霊た―――」
「何をしている!?」
少し太い声が聞こえて心と宗教は少し目を細めた
神社仏閣も棒を構えたまま固まっている
その光はゆっくりと真上を向き、暗闇の中にまるで生首があるかのように顔が浮かび上がる
流石に二人ともが驚いた顔をしてその場から飛びのいた
「あぁぁぁぁおばけぇっぇぇぇ!!」
神社仏閣が先に走って逃げるのを見て心と宗教は顔を顰める
「こんな時間に何をやってるんだ?」
「・・・本物かよ・・・」
心と宗教はそれだけ呟いて走って逃げだした
深夜徘徊は11時からなので捕まらないように頑張りましょう<>;