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短編40


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ゲームセンターの音が虫の声を掻き消し、それと同時になんとも言えない涼しさに包まれた
VIPとラウンジはゲームセンターのうるさい音を聞きながらもため息をつく
一緒についてきているクラウンはゲームセンターに入るや否やクレーンキャッチャーの景品を見ている
本当に真夏が続いているような、そんな気がする・・・暑すぎる・・・
今年は最高気温を叩き出しているらしく、夏の太陽も記録更新に必死なようだ
それに付き合わされる人間はいい迷惑なのだが
「うはぁ・・・涼しい」
「やっと開放された感じね」
麦藁帽子を取ったラウンジは髪をきれいに整えているようだ
クラウンはやはりと言うべきなのか、クレーンキャッチャーの景品であるコアラのマーチに釘付けだ
「VIPおにいちゃん!取って取って!」
「はいはい無理無理」
腕をつかんで引っ張るクラウンにVIPはため息をつきながら「普通に売ってるのを買え」と言った
その言葉にクラウンは唸った様な声を出し、わかったとあきらめた様だった
「あれやらね?」
VIPが指差したのはパンチングゲーム、あのパンチ力を測れるゲームだ
クラウンはそれを見て面白そうだと駆け出し先にパンチングゲームの前に行ってしまった
「やらない?」
「まぁ・・・一回だけなら・・・」
あまり乗り気じゃないような感じのラウンジも一応やってくれるらしい
VIPはゲームの前に行くと財布を出してコインを入れる
「んじゃ、俺いっちばーん!」
VIPが殴ると機械が鈍い音を立てて揺れる
一瞬壊れたんじゃないかとラウンジは思ったがそんな簡単に壊れるはずがない
機械に赤い文字で86と書かれていた
「うへ・・・」
落ち込んだような表情を見せるVIPにラウンジとクラウンは不思議そうな顔をする
今まであまりゲームセンターに来た事のない二人に数字がどの程度意味があるのか理解できなかった
ゲームはゲーム、実践とゲームは違うものだ
「じゃあ、次私!」
クラウンは助走をつけて思いっきり殴るが手が最後まで届かずにボスンという音を立てた
さっきVIPがやったときはドンっという音だったのに・・・VIPはやはり力が強いのかと実感する
機械の画面に赤い文字で48と表示され、クラウンは気の抜けた声を出しながら笑ってる
真剣になる必要はないんだろうけど、48は超えたい・・・超えなきゃ・・・
姉としての威厳を保つためにも60くらいは欲しい
「ちょっと帽子持ってて」
クラウンに帽子を渡すとラウンジは助走をつけて走り出す
「うおらぁ!」
機械が少し跳ねた気がした
音自体がおかしい、ボスンでもドンでもなく、ガシャンという何かが壊れた音がした
VIPとクラウンは二人で顔を見合わせ顔を顰める
壊れたのだろうか・・・?と思ったが、機械はまだまだ余裕があるようだ
数字は108と書かれていて、VIPとクラウンは震え上がる
VIPとクラウンの後ろで何か笑い声が聞こえた

「ん?ああ・・・心と宗教か・・・」
VIPは振り返るとため息をつく
心と宗教、神社仏閣に出会って今まで面白いことがあったことがない
前は塩をかけられるし・・・いきなりお払いされるし・・・
VIPは嫌そうな顔をしながら心と宗教を見る
「せっかく意味がありそうな登場したのに」
「そうだよね~」
心と宗教の言葉に神社仏閣が相槌を打ち、二人でなにやら言い合ってる
クラウンは二人を見て何この漫才師という視線で見ている

―――中略―――

「今日は楽しかったね~」
「うん」
神社仏閣と宗教と心は二人で楽しそうに帰っていった