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「ふー、スッキリ。」
ゼロは頭をバスタオルでガシガシと拭きながら脱衣所を出てきた。
そのまま自分の部屋へと直行し、すぐさま小型のラジオを付ける。
軽快な音楽や、誰かの声が部屋全体へと響いた。
「・・・・つかれたなぁ~。」
ゼロは布団の上へと倒れこみ、一度大きく溜め息をつく。
そのまま寝てしまいそうだったが、いきなりラジオから変な音がしたので寝れなかった。
機械が軋むような、誰かの悲鳴の様な音。
何かと起き上がってラジオをいじるが、未だに変な音は直らない。
ぶっ壊れたか?と首を傾げてラジオを叩く。
「・・・・痛いよ。」
それがラジオから聞こえた音。
「・・・・・?」
ゼロはさらに首を傾げる。
「だから痛かったんだよ。」
小型のラジオからまた声が聞こえてきた。
ゼロは小型ラジオを持ったまま硬直、手からラジオが滑り落ちる。
落ちた瞬間にも、「いてっ」とラジオから聞こえてきた。
「・・・・何だこれ。」
「だーかーらー、君の所有物のラジオだよ。」
ラジオにちょっと呆れた言い方で言われて、ゼロはまたビックリする。
「・・・・何でラジオが喋るワケ?」




「お前、本当にラジオか?」
「そうだよ。」
ラジオとゼロは面と向かって話していた。
と言ってもラジオはただ置いてあるだけ。
「まったく何が何だか・・・・・。」
「それはこっちのセリフだよ、いきなり手からすべり落とされてさぁ。」
良くは分からないが、声や言い方からして怒っているようだ。
「お前も何いきなり喋ってんだよ、つーかラジオって普通喋るか?」
ゼロがやや呆れ気味に言う。
「ボクだって知らないさ。さっき突然意識が出てきて、突然叩かれるんだもん。」
ラジオはちょっと強い口調で言う。
「で、ラジオは聴けないワケ?」
「聞けるよ。ボクが喋るから片方のスピーカーだけからだけど。」
「じゃあ喋るな」
「イヤだね。ボクにだって意識はあるんだ、起きてる時ぐらい喋りたいよ。」
「・・・・コイツ。」
ちょっと怒り気味。
そこへ、
「ぴんぽーん ぴんぽーん」
呼鈴が鳴った。
何かな?とゼロが見に行くと、
「政府の者です、ゼロさんは居ますか?」
青い制服に、対照的な金髪。
どう見ても「美人。」としか言えないその人間は、キールだった。
変装の為かメガネをかけていて、髪の毛はツインテールにしている。
「あの、ウチの子が何か・・・・。」
心配そうにゼロの母親が聞く。
「ええ、ちょっと協力して欲しい事がありまして。」
「そうですか。じゃあ呼びます・・・・・って、ゼロそこに居たの。早く来なさい、お客様よ。」
ゼロは仕方なくキールの前までトコトコと歩く。
「ゼロさん、用事が出来ました。」
と言ってゼロの手を握り、出口へとひっぱっていく。
「ちょ、ちょっとまて。靴を履かせろ。」
ゼロはそう言ってキールの手を振り払うと、急いで靴を履いた。
履き終わり外に出ると、家の真前に真っ黒い車があった。
その車のドアが開き、キールが
「早くして下さい、緊急なんです。」
と言って、ゼロの手をまた乱暴に引っ張る。
「え?ちょ、まっ・・・・・・。」
そのままゼロは黒い車に吸い込また。
それを運転手が確認すると、車を急発進させた。
その黒い車は、真っ暗な道へと消えていってしまった。
「・・・あの子も大変ねぇ。」
そう言って母はドアを閉めて家へと入っていってしまった。
それを見ていた目が二つ。
真っ暗な夜中に、真っ黒な服を着ている。
目まで真っ黒。
そして、
「まさかアイツが・・・・・。」
その後何か言ったと思ったが、風の音で掻き消されてしまった。
そして歪んでいた顔をニヤリと微笑ませた「女性」は、闇へと消えていった。

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