薔薇乙女寿史料館

ひいらぎレースジャーナル富士300キロレース

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healagi

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序章その1「富士までの道のり」


手前の黄色いのが自分の愛車、向かって右の黒いの2台が連れ

2012年9月8日午前0時。愛知県新城市。
東名高速道路の新城パーキングエリアにて我々は集結した。


ここから3台が連なって静岡市小山町にあるレース場、富士スピードウェイまで移動することになる。


夜間の運転は眠気との戦いである。
1台に付き最低2人は乗っておき片方が運転してる間に片方は眠っておく。
そして休憩場についたら交代するのである。


ちなみに経路は約半年前に開通したばかりの「新東名高速道路」を通ることにした。
自分がこの道路を運転するのは初めてである。


新城から新東名の静岡サービスエリアまでは自分が運転を担当。

えらい大量の大型トラックがひしめきあいながら走っていたが、思ったより早く移動する事ができ、午前1時には静岡SAに到着していた。


マヨナカのサービスエリア。
迎えてくれたのはなんとガンダムであった・・・。



こんなガンダムTシャツの自販機も。1着2000円だそうで。

さすがはバンダイのおひざ元。
売店コーナーでは普通にガンプラが売っていた。

こんなとこでRGインフィニットジャスティスとかHGバンシィを買う人がいるんですかね


静岡で1時間の休憩を終え、運転交代して出発。自分は休むことに。

思ったよりもずっと快調に進む事ができ、午前3時を回ったところで富士スピードウェイ西ゲート前に到着した。


ゲートの開門は午前4時30分であったが、すでに開門待ちのクルマがずらっと行列を作っており、その状態で各々エンジンをとめて休んでいた。
自分たちもそれにならって開門直前まで休憩。

そして、ゲート開通と共に一斉に行列が動き出す。
ゲートでチケットを係員に見せ、いよいよ場内へ。


サーキットコースを取り囲むような通路を進んでゆき、サーキット西側のところでクルマをとめるスペースを確保。

クルマから降りたときには東の空が明けかかっていた。



それにしても高速を降りてからレース場までの道はお世辞にも広いと言えない。いや、はっきり言って狭い!

一時期、富士スピードウェイでF1日本グランプリが開催されたが、史上最悪のレースと参加者・観戦者・マスコミ全てから叩かれた理由がここにあると言える。

いや、えてしてサーキットは山の中でどこでもその道のりは大抵狭いものではあるのだが・・・・同じくF1グランプリを開催している鈴鹿に比べて整備が行き届いていないのは明白だった。


序章その2「野営準備して飯にしよう」


さて、夜が明けかけてはいるもののまだ暗い中、まずやっておくことがテントを張ることであった。


なにしろサーキット周りの宿泊施設は限りがある。予約も面倒で金もかかる。
ならば、自分たちで用意しておこうという考えができるものである。

自分たちがクルマを止めたスペースではテントの設営が許可されているのだ


設営スペースはクルマを絶妙に動かして確保。
そこにブルーシートを引いてその上にテント本体を乗っける。
写真は2人用テント。2人で使うならこれくらいのスペースで十分。

骨組みを通してテントの形にしたら四隅をペグで固定。


ものの数分でテントの設営完了である。
ここが次の日までの住処になると同時に観戦スポットとして機能するのだ。


テント設置が終わった頃、お日様が顔を出し始めた。


ここらで一旦腹ごしらえである。


用意したのはホルモン、もやし
これらを焼いて食べる。じつにお手軽。


さらに、これに焼きそばを加えて出来たのがこれ。
我々のうちではこれをホルゲッティと呼称している。

その由来は「ホルモン+スパゲティ」と言うことだが、スパゲティを使ったことは一度もなく、どこで「焼きそば→スパゲティ」に改変されたのかは不明である。


それはともかく、ホルモンのたれで味付けされてるので他に調味料が要らず、またタレと焼きそばの相性が絶妙である。

野外で簡単に作れるのでキャンプなどで定番になりつつあるメニューなのだ。

第1章「そもそも富士スピードウェイってどういうコース?」


やることも終わってだらだら過ごす我々。

ここらで富士スピードウェイと言うものがどういうサーキットなのかこの人に解説してもらうことにした。


弦巻マキ
誕生日:9月15日
星座:おとめ座
血液型:A型
好きな食べ物:ラザニア
嫌いな食べ物:なし
苦手なもの:ダジャレ
趣味:スポーツ観戦、映画鑑賞、読書
好きな映画:Streets of Fire、ダンシング・ヒーロー
近況:通販で購入したブートキャンプ系DVDに入隊してダイエットに成功!メイクも少し大人っぽく変えてみました。

マキちゃんよろしく!


はい、ぎゅんぎゅんやってもらいました。
ちなみに陣取ってるところはダンロップコーナーの辺りである。
高速域からのフルブレーキングによる駆け引きが見られるところだ。


第2章「土曜の午前は練習走行」



そのうち明るくなってくると北西の方に富士山が顔を出した。

今日は良い天気である。

「ぐっも~に~ん♪みなさ~ん!オハヨーゴザイマース♪」


どこかファンキーな口調で場内にアナウンスが流れる。
来たことある人に聞いたところいつもこんな感じらしい。

富士スピードウェイ内が動き出したのだ。


自分たちも観戦の準備体制に入る。


土曜日の午前の日程だが、最初にやるのは前座レースの一つ、「スーパーカートカップ」の公式予選である。




マリオカートなどでおなじみ、レーサーの第1歩であるカート。

スーパーカートはそのカートよりも装備が充実したマシンを使っていて、パワーもカートよりかなり上だ。

たくさんのちっちゃい豪華マシンたちがわらわらと駆け抜けた後でいよいよSUPER GTのマシンたちが現れる。
午前中は公式練習走行が行われる。


ちなみにスーパーカートの時から、自分たちはプリウスコーナーの方へ移動していた。

なんでプリウスコーナーと言うのかと言うと


この看板がすぐ近くにあるからである。


第3章「三つ巴のGT500クラス、ハイブリッド車外車痛車入り乱れるGT300クラス」


SUPER GTはGT500とGT300という2つのクラスに分類される。

数字の違いはパワーの違い。要は500馬力と300馬力という事である。

だが特色の違いはそれ以外にも大きく表れている。


GT500クラスにエントリーしているのは15台だが、3車種に別れる。

モチュール・オーテック・GT-R

日産GT-R

ペトロナス・トムス・SC430

レクサスSC430

エプソンHSV-010

ホンダHSV-010

である。要は日産VSトヨタ(レクサス)VSホンダの三つ巴である。

エンジンは3車種とも3.4リッターのV型8気筒自然吸気で、駆動方式がFR(フロントエンジン・後輪駆動)と揃えられている。


一方GT300クラスは24台がエントリー。
その車種バリエーションは豊富。日本車だけじゃなく外国車も多数参戦している。

いくつか挙げてみると

aprハセプロ・プリウス

トヨタプリウス

無限CR-Z GT

ホンダCR-Z

なんとレーシングカーの世界にもハイブリッド車が出てきたのである。
もちろんエンジンはそれなりのチューニングが施されている。


そしてアクの強いマシンたち

GSR初音ミクBMW
GSRProjectMiraiBMW

初音ミク
のBMW。
それも2台!

エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電

エヴァ初号機
のプロトマシン「紫電」

マッハGOGOGO車検フェラーリ458

マッハGOGOGO
のフェラーリ458イタリア

パシフィックNACイカ娘フェラーリ

イカ娘
のフェラーリF430

スタンド席にはこんな横断幕も飾られていた


DIJON音々キャラウェイ・ワコーズED

大阪日本橋活性化プロジェクトのマスコット、音々(ねおん)
のシボレー・コルベット



これらだけ見るともはやレーシングカーなのか単なる痛車なのか解らなくなってくるほどのこのバリエーション。
ちなみに最後のDIJONは音々にするまではハルヒだった。どっちもイラストはいとうのいぢ氏である。

今までレースって硬派でストイックなものという概念はひっくり返されつつある。

特にGSR初音ミクBMWはその元祖であり、さらには昨年のGT300クラスのチャンピオンでもあるのだからその実力は侮れないのである。

自分もまた・・・・


サンシェード買っちゃいました!


第4章「遅いやつから脱落する公式予選」



メインストレート前でサーキットの娘たちと戯れた後、自分の陣地であるダンロップコーナー前まで戻る。


レース場内にはこのような巡回バスがあるので移動は楽である。


さて、戻った時点で昼が過ぎる。

午後からはいよいよ公式予選が始まる。

予選とはスターティンググリッド、つまりスタートする時の並び順を決めるために行う。
陸上の短距離みたいにみんな固まってスタート!と言うわけにはいかないからだ


そのやり方ではあるが、今回の富士ではノックアウト方式という方式を採っている。

この方式では全員でコースを周回し、1周のタイムが最も遅かった何台かを脱落させる。
残った者たちで再び周回し以下同様に遅いものから脱落していく

これを3回行い、3回目で最も1周タイムが速かったのをポールポジション、つまり1番グリッドにするのである。



GT300クラスのQ1


GT500クラスのQ1

さて、その結果だがGT500、300ともに3回目に大どんでん返しが起きた。


GT300の方であるが

このハンコック・ポルシェというマシンがコースレコードを更新してトップタイムをキープしており、このままポールポジションは確実かと思われていたが、最後の周回でなんと


プリウスがそれを更新するタイムをたたき出してポールポジションを獲ったのである。

しかも3番にはCR-Zも付けており、上位陣にハイブリッド車が食らいついてきた結果となった。


一方GT500クラスであるが、ホンダHSV-010はコースとの相性が悪いらしく、なんとQ2までにHSV-010全車が脱落。
レクサスと日産での争いとなったが、全体的にレクサスが優位に立っていた。


      • が、

これまた最後の周でこのマシン、カルソニック・インパルGT-Rが怒涛の走りでレクサス勢からポールポジションをもぎ取ったのであった。

さらに2番手にもGT-Rが付けており、最後の最後にレクサスの優位を崩したのだった。


こうして劇的に予選は幕を閉じ、夕方になる。

その日最後に行われたのは、午前中にもやっていたスーパーカートの決勝レースであった。


その後、近くの温泉へ移動、夕食もそこで済ませ、その日の1日が終わったのだった。

第5章「決勝の朝はサーキットサファリ」



次の日9月9日。
この日も富士山が良く見えるほどの快晴。

2日続けてこんな快晴になるのってものすごく珍しいらしい。
富士スピードウェイは天候が変わり易いことで有名なのだ。



朝のうちにテントを片づけておく。

決勝日は予選日よりお客さんがたくさん入り、少しでも駐車スペースを増やさなければならないためだ。


さて、午前中はまたフリー走行である。
決勝レースは午後からで、それまでに最後の調整をするのだ。

だが、この時間帯では同時にちょっとしたアトラクションも行われる。


なんとコース上をバスが走っていてその横をマシンが抜き去ってゆく。
これがバスでサーキットを巡回しながら間近でレーシングマシンを見る事ができる、サーキット・サファリである。

自分は鈴鹿で経験した事があるが、今回はこうやって外から見る側になっている。

とても迫力があるのだが、それはチームや選手にとって最後の調整のチャンスであるため本気で走っているからである。


第6章「そして何かgdgdなまま決勝レースへ」


あまりの天気のよさに汗ばんできたので決勝の前に一度着がえることにした自分。


サンシェードと一緒に買ったのがこのTシャツ。

初音ミクBMWを擁するチーム「チームグッドスマイルレーシング」のオフィシャルTシャツである。

なんだかんだではまってるのが自分なのである。



さて、この動画に決勝レースの一部始終をあげたのだが、最初のコースインで何台かガレージから出てこなかったマシンがいる。


このエヴァ初号機カラーのプロトマシン紫電もその一つで結局グリッドにつかずピットからスタートすることになった。

またフォーメーションラップで発車できず、ガレージに引き上げられたマシンもあり、どこか煮え切らない状態でのスタートになった。


SUPER GTでは「ローリングスタート」を採用している。
フォーメーションラップを行ったら一旦停止せず、そのままスタートする方式だ。

レースはスピードの速いGT500が先にスタート、遅れてGT300がスタートするがそこから2つのクラスが混走することになる。


スタート直後に変化が現れたのはGT300の方。


なんと、予選1番だったプリウスが第1コーナーでスピンしてしまったのだ。
せっかく1番だったのにこれでいきなりビリけつを走る事になってしまった。


なんともgdgd感に拍車をかけた序盤になったが、その後は周回を重ねるごとに熱いバトルも展開されてゆく。


GT500クラスではポールポジションのカルソニックが独走態勢に入ってしまうが、それ以下では激しい順位争いが繰り広げられた。


GT300クラスでは一旦ビリになったプリウスだが、怒涛の追い上げを見せつけ、代わって1位を走っていたポルシェとのバトルも展開された。

スーパーカーVSハイブリッド車という異色の対決である。


そうして富士での300km、66周にわたるレースはあっという間に終わりを迎えた。


結果的にはGT500ではポールポジションのカルソニックがそのまま1位を飾った。
実は1年半ぶりくらいの勝利だったらしい。

GT300ではプリウスとの激戦をしのいでポルシェが1位、プリウスは2位になった。さらに3位にホンダCR-Zが入っており、ハイブリッド車2台とも表彰台に上がると言う快挙を成したのである。


そのほかの結果、出走車などはこちらから参照願いたい
SUPER GT公式サイト


そして帰宅となるのだが、案の定道路は混んでいた。
しかし、それは高速に乗るまでで、そこから先は思ったほど混んでなく、割とスムーズに帰れたのでありがたかった。


自分、生でレースを見たのは久々で、しかもSUPER GTも富士スピードウェイも初めてだったのだが、その臨場感・興奮は十分堪能できた。

そして時代の流れも感じた。初代プリウスが出た時は遅い遅い言われてたのにこうやってレースでトップを争えるようになったからすごい。

また、数々の萌えを追求したマシンの存在も見逃せない。


初音ミクBMWのチームGSRでは個人スポンサーという制度を採っている。
要は看破みたいなもので、個人的にスポンサーとしてお金を提供する。引き換えに特別なグッズをもらえたり、額によってはマシンに名前が載ったりするというものだ。

どうもイカ娘フェラーリの方でも同様の事をしているようだ。


こんな風に様々なレース関係の変化に驚きつつこのリポートを終了させていただく。


  • 完-
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