「小説や小説その18」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

小説や小説その18」(2006/11/24 (金) 19:42:51) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「・・・い、おいってば。キール、聞いてるのか?」 ゼロの顔がいきなり目の前に出てきた。 キールは驚いて後ろのガラスに頭をぶつけてしまった。 目から涙を流して痛がっている。 「・・・・大丈夫か?」 ゼロは心配そうに見ている。 「だ、大丈夫ですけど、びっくりさせる様なことはあまりしないで下さい。心臓に悪いです。」 キールは仰け反りかけている体制から姿勢を整え、いつものぴしっとした体制になった。 ゼロも自分が座っていた後部座席へと戻る。 「・・・で、何の話ですか?」 キールが暫くしてゼロに聞いた。 「あ、そうだった。イヴシリウムってある物質にだけ変換するんだろ?なら『氷』って物質は『水』から出来ているんだから、シロタカの能力はのかしくないか?」 「そうですね。」 「そうですね、ってアンタ・・・・。」 キールは少し間を置いた後、静かに言う。 「私だって知りませんよ。」 「・・・・・へ?」 「知りませんよ?」 ゼロは露骨に驚いている。 「因みに、これは科学者に聞いた結果です。」 「で、何でそんな分かっていない物を普通に使えるんだ?」 「だから、保護するんですよ。」 「どゆこと?」 キールがまたちょっと間を置いて話し始めた。 「・・・鈍いですね。」 「うるせぇ。」 「人間とゆうのは自分と違う物は排除、又は支配下に置こうとします。」 「まぁ、そうだな。」 「だから、国家が保護するんです。有能な存在ですから。」 「じゃあ俺達は利用されているのか?」 「・・・・どうゆう事ですか?」 「有能じゃなければ切り捨てるだろ、国家も。」 「総理はそんなことしません!」 いきなりキールが怒鳴った。 ゼロは驚いて硬直してしまっている。 いつもは冷静なキールがいきなり怒鳴ったのだから、誰でも驚くとは思うが。 「あ・・・・・、すみません。」 キールは俯いてしまった。 「あやまらなくてもいいだろ。」 「・・・・・。」 「・・・・・。」 二人は何だか黙り込んでしまい、気まずい空気が車の中に漂った。 そして。 「おーおー、青春だなオイ。」 運転手が意地悪っぽく言った。 どこかで聞いた事のある声。 「・・・・ジャック?」 「お、やっと思い出したか。」 ジャックは運転席であきれた声を出す。 「・・・・あまり茶化さないで下さい、ジャック。」 「イヤですよ、こんなに面白いのに。」 キールは深く溜め息をついた。 そんな三人を、 「面白いなー。」 発言通り面白そうに「見る」ゼロの所有物、ラジオ。 ゼロはやっと、ラジオも連れてきてしまったことに気付いた。 「お前、いたのか。」 「アンタが持ってきたんでしょ。あー始めて見るよ、あの家以外の世界。」 「とりあえず黙ってろ!」 ゼロはラジオに向かって小さく叫んだ。 「ふげっ」 その小さなラジオはポケットにしまわれてしまった。 「・・・・・ふげ?」 キールが不振な目でゼロを見る。 「な、ななななんででもないいいよ!」 「あれー?どうしたのかなゼロ君?」 ジャックは凄く楽しそう。 「何でもないって、それで今日の用事は?まだ聞いてないんだけど。」 丁度ゼロの携帯にメールが来たらしく、ポケットから携帯を取り出す。 「話をそらさないで下さい。・・・・総長が貴方に会いたいので、早急に来て欲しいらしいですよ。」 「こんな夜にご苦労な事で。」 ゼロは携帯をいじりながら皮肉った。 キールはそれを見て、深く溜め息をつく。 「そう言わないで下さい、貴方の様なタイプは今まで居なかったんです。」 「そういや、そんな事言ってたっけな。」 「それぐらい覚えて下さい。」 「学校で手一杯なんでね。」 「・・・・まったく。」 また沈黙が流れると思いきや、 「いやー、青春だねぇ。」 おっさん臭い発言でその場の空気を吹き飛ばす。 「茶化すのはやめろ」「茶化すのはやめで下さい。」 二人は同時に大きい声で言う。 見事にハモっていた。 それでジャックはもう大爆笑。 二人は顔をリンゴやイチゴや赤いパプリカや(以下略)みたいに赤くして、恥ずかしがっている。 「いい雰囲気のところ悪いけど、もう施設に着くよ。お二人さん。」 まだ少し笑いながらジャックが言う。 「いい雰囲気じゃねぇだろ。」「いい雰囲気じゃありません。」 夜、一台の車の中。 三人の人間が喋っていた。 一人は少女で、一人は少年。 二人は不機嫌な顔をしている。 もう一人は男で、顔からして30代だろうか。 結構賑やかで、楽しそうだった。 苦しくて、悲しくて、残酷な悲劇が訪れる事も知らずに。
「・・・い、おいってば。キール、聞いてるのか?」 ゼロの顔がいきなり目の前に出てきた。 キールは驚いて後ろのガラスに頭をぶつけてしまった。 目から涙を流して痛がっている。 「・・・・大丈夫か?」 ゼロは心配そうに見ている。 「だ、大丈夫ですけど、びっくりさせる様なことはあまりしないで下さい。心臓に悪いです。」 キールは仰け反りかけている体制から姿勢を整え、いつものぴしっとした体制になった。 ゼロも自分が座っていた後部座席へと戻る。 「・・・で、何の話ですか?」 キールが暫くしてゼロに聞いた。 「あ、そうだった。イヴシリウムってある物質にだけ変換するんだろ?なら『氷』って物質は『水』から出来ているんだから、シロタカの能力はのかしくないか?」 「そうですね。」 「そうですね、ってアンタ・・・・。」 キールは少し間を置いた後、静かに言う。 「私だって知りませんよ。」 「・・・・・へ?」 「知りませんよ?」 ゼロは露骨に驚いている。 「因みに、これは科学者に聞いた結果です。」 「で、何でそんな分かっていない物を普通に使えるんだ?」 「だから、保護するんですよ。」 「どゆこと?」 キールがまたちょっと間を置いて話し始めた。 「・・・鈍いですね。」 「うるせぇ。」 「人間とゆうのは自分と違う物は排除、又は支配下に置こうとします。」 「まぁ、そうだな。」 「だから、国家が保護するんです。有能な存在ですから。」 「じゃあ俺達は利用されているのか?」 「・・・・どうゆう事ですか?」 「有能じゃなければ切り捨てるだろ、国家も。」 「総理はそんなことしません!」 いきなりキールが怒鳴った。 ゼロは驚いて硬直してしまっている。 いつもは冷静なキールがいきなり怒鳴ったのだから、誰でも驚くとは思うが。 「あ・・・・・、すみません。」 キールは俯いてしまった。 「あやまらなくてもいいだろ。」 「・・・・・。」 「・・・・・。」 二人は何だか黙り込んでしまい、気まずい空気が車の中に漂った。 そして。 「おーおー、青春だなオイ。」 運転手が意地悪っぽく言った。 どこかで聞いた事のある声。 「・・・・ジャック?」 「お、やっと思い出したか。」 ジャックは運転席であきれた声を出す。 「・・・・あまり茶化さないで下さい、ジャック。」 「イヤですよ、こんなに面白いのに。」 キールは深く溜め息をついた。 そんな三人を、 「面白いなー。」 発言通り面白そうに「見る」ゼロの所有物、ラジオ。 ゼロはやっと、ラジオも連れてきてしまったことに気付いた。 「お前、いたのか。」 「アンタが持ってきたんでしょ。あー始めて見るよ、あの家以外の世界。」 「とりあえず黙ってろ!」 ゼロはラジオに向かって小さく叫んだ。 「ふげっ」 その小さなラジオはポケットにしまわれてしまった。 「・・・・・ふげ?」 キールが不振な目でゼロを見る。 「な、ななななんででもないいいよ!」 「あれー?どうしたのかなゼロ君?」 ジャックは凄く楽しそう。 「何でもないって、それで今日の用事は?まだ聞いてないんだけど。」 丁度ゼロの携帯にメールが来たらしく、ポケットから携帯を取り出す。 「話をそらさないで下さい。・・・・総長が貴方に会いたいので、早急に来て欲しいらしいですよ。」 「こんな夜にご苦労な事で。」 ゼロは携帯をいじりながら皮肉った。 キールはそれを見て、深く溜め息をつく。 「そう言わないで下さい、貴方の様なタイプは今まで居なかったんです。」 「そういや、そんな事言ってたっけな。」 「それぐらい覚えて下さい。」 「学校で手一杯なんでね。」 「・・・・まったく。」 また沈黙が流れると思いきや、 「いやー、青春だねぇ。」 おっさん臭い発言でその場の空気を吹き飛ばす。 「茶化すのはやめろ」「茶化すのはやめで下さい。」 二人は同時に大きい声で言う。 見事にハモっていた。 それでジャックはもう大爆笑。 二人は顔をリンゴやイチゴや赤いパプリカや(以下略)みたいに赤くして、恥ずかしがっている。 「いい雰囲気のところ悪いけど、もう施設に着くよ。お二人さん。」 まだ少し笑いながらジャックが言う。 「いい雰囲気じゃねぇだろ。」「いい雰囲気じゃありません。」 夜、一台の車の中。 三人の人間が喋っていた。 一人は少女で、一人は少年。 二人は不機嫌な顔をしている。 もう一人は男で、顔からして30代だろうか。 結構賑やかで、楽しそうだった。 苦しくて、悲しくて、残酷な悲劇が訪れる事も知らずに。 [[次ページ>http://www13.atwiki.jp/master/pages/52.html]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: