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「で、二人は面識があると?」 「そうだが、」 「うん。」 二人が同時に答える。 暗い古い本屋の中で、ゼロはひたすら驚いていた。 何故驚いてるのかというと、ついさっきの出来事のせいである。 「で、シロタカが行きたい所って?」 「うん。本屋なんだけど、そこを親友が運営してるんだ。」 シロタカがちょっと嬉しそうに言う。 「へぇ、本屋ねぇ。」 「凄い品揃えは悪いんだけど、面白い本が多いんだよね。」 「へぇ、品揃えがねぇ。」 ゼロは聞いたことがあると思ったが、それは無視した。 シロタカがちらっっとゼロを見て、 「・・・・聞く気ある?」 と言うと。 「まったく。」 とゼロが言った。 そしてついたのがゼロも知っている、やる気が感じられない店長、黒金が運営している「鉄筋書店」とゆうワケである。 「久しぶりだな、シロタカ。」 「元気にしてた?」 「まぁな。」 何気ない二人の会話をゼロは黙って聞いていた。 「それより、ゼロも施設に入っていたとはな・・・・。」 ピンクのエプロンを肩に引っ掛けている黒金が言う。 「あれ、黒さんは入ってないの?」 ゼロが不思議な顔をして聞いた。 「ん?ああ、入っていないぞ。IMも持ってないからな。」 「一度誘ったんだけど、断られちゃったんだ。」  「今の収入で十分できるし、何より面倒だ。」 黒金は面倒くさそうな顔をして答える。 本当に、興味がないんだなぁ。とゼロは感じた。 「そうだ、本だ本。新しい小説とか入ってる?」 「お前の後ろだ。」 シロタカはガバッっと振り返り、すぐそこにあった小説を手に取る。 その小説を黒金に差し出すなり「何円?!」と大声で言った。 黒金は指で「3」と「4」を作る。 シロタカは「安い!」と叫んでポケットからカードを取り出した。 「・・・・ウチではカードは取り扱っていないのだが。」 黒金は困った顔で答える。 シロタカも困った顔をして、俯いてしまった。 どうやらカードしか持っていないらしい。 まったく、どんな金持ちだアンタ。 ゼロは心の中でそう思うのであった。 そして、仕方なくゼロは財布を取り出し、340円をシロタカに差し出した。 「え、くれるの?」 シロタカは嬉しそうに340円を取ろうとする。 しかしゼロはさっと手を引いて、 「・・・・・後で返せよ、今丁度お小遣い貰う前で財布がスッカラカンなんだから。」 と言った後、340円を渡した。 分かってるよ、と言った後、340円を黒金に渡すシロタカ。 ゼロはエプロンのポケットにひょいと入れる。 よく見るとポケットには円形のシワが沢山浮き出ていた。 多分、殆ど小銭。 「なぁ、いつも思うんだけど・・・・。」 ゼロは黒金に問いかける。 黒金はゼロに視線を向けると、何だ?と言った。 「いつも会計とかちゃんとやっているのか?」 黒金は手を振って「no」と答える。 「それでよく自営業やってられるな・・・・。」 やや呆れ気味でゼロが言った。 赤字にはなった事は無いぞ、と黒金が言う。 初めて聞いたらしく、ゼロは露骨に驚いていた。 「さて、僕はもうそろそろ帰るとするよ、ゼロ君も早く帰った方がいいんじゃない?」 立ち読みしていた本をそっと置いて、シロタカは車のキーを取り出す。 「また今度な、黒金。」 黒金は何も言わず、ただ手を振った。 「そうだ、ゼロも一緒に乗ってくか?一応それが任務だしな。」 シロタカが出入口を少し出た所で言った。 「楽だし、そうしようかな。」 ゼロは荷物を持って、シロタカの方へと歩いていく。 座っている黒金がすれ違い様に、「今日の夜は注意しろ。」とゼロに囁いた。 やはりどうゆう意味かは分からないが、「まぁいいや」と割り切った。 そのままゼロとシロタカは本屋を出て行き、車に乗って出発した。 「・・・・さぁ、どう動くか。」
「で、二人は面識があると?」 「そうだが、」 「うん。」 二人が同時に答える。 暗い古い本屋の中で、ゼロはひたすら驚いていた。 何故驚いてるのかというと、ついさっきの出来事のせいである。 「で、シロタカが行きたい所って?」 「うん。本屋なんだけど、そこを親友が運営してるんだ。」 シロタカがちょっと嬉しそうに言う。 「へぇ、本屋ねぇ。」 「凄い品揃えは悪いんだけど、面白い本が多いんだよね。」 「へぇ、品揃えがねぇ。」 ゼロは聞いたことがあると思ったが、それは無視した。 シロタカがちらっっとゼロを見て、 「・・・・聞く気ある?」 と言うと。 「まったく。」 とゼロが言った。 そしてついたのがゼロも知っている、やる気が感じられない店長、黒金が運営している「鉄筋書店」とゆうワケである。 「久しぶりだな、シロタカ。」 「元気にしてた?」 「まぁな。」 何気ない二人の会話をゼロは黙って聞いていた。 「それより、ゼロも施設に入っていたとはな・・・・。」 ピンクのエプロンを肩に引っ掛けている黒金が言う。 「あれ、黒さんは入ってないの?」 ゼロが不思議な顔をして聞いた。 「ん?ああ、入っていないぞ。IMも持ってないからな。」 「一度誘ったんだけど、断られちゃったんだ。」  「今の収入で十分できるし、何より面倒だ。」 黒金は面倒くさそうな顔をして答える。 本当に、興味がないんだなぁ。とゼロは感じた。 「そうだ、本だ本。新しい小説とか入ってる?」 「お前の後ろだ。」 シロタカはガバッっと振り返り、すぐそこにあった小説を手に取る。 その小説を黒金に差し出すなり「何円?!」と大声で言った。 黒金は指で「3」と「4」を作る。 シロタカは「安い!」と叫んでポケットからカードを取り出した。 「・・・・ウチではカードは取り扱っていないのだが。」 黒金は困った顔で答える。 シロタカも困った顔をして、俯いてしまった。 どうやらカードしか持っていないらしい。 まったく、どんな金持ちだアンタ。 ゼロは心の中でそう思うのであった。 そして、仕方なくゼロは財布を取り出し、340円をシロタカに差し出した。 「え、くれるの?」 シロタカは嬉しそうに340円を取ろうとする。 しかしゼロはさっと手を引いて、 「・・・・・後で返せよ、今丁度お小遣い貰う前で財布がスッカラカンなんだから。」 と言った後、340円を渡した。 分かってるよ、と言った後、340円を黒金に渡すシロタカ。 ゼロはエプロンのポケットにひょいと入れる。 よく見るとポケットには円形のシワが沢山浮き出ていた。 多分、殆ど小銭。 「なぁ、いつも思うんだけど・・・・。」 ゼロは黒金に問いかける。 黒金はゼロに視線を向けると、何だ?と言った。 「いつも会計とかちゃんとやっているのか?」 黒金は手を振って「no」と答える。 「それでよく自営業やってられるな・・・・。」 やや呆れ気味でゼロが言った。 赤字にはなった事は無いぞ、と黒金が言う。 初めて聞いたらしく、ゼロは露骨に驚いていた。 「さて、僕はもうそろそろ帰るとするよ、ゼロ君も早く帰った方がいいんじゃない?」 立ち読みしていた本をそっと置いて、シロタカは車のキーを取り出す。 「また今度な、黒金。」 黒金は何も言わず、ただ手を振った。 「そうだ、ゼロも一緒に乗ってくか?一応それが任務だしな。」 シロタカが出入口を少し出た所で言った。 「楽だし、そうしようかな。」 ゼロは荷物を持って、シロタカの方へと歩いていく。 座っている黒金がすれ違い様に、「今日の夜は注意しろ。」とゼロに囁いた。 やはりどうゆう意味かは分からないが、「まぁいいや」と割り切った。 そのままゼロとシロタカは本屋を出て行き、車に乗って出発した。 「・・・・さぁ、どう動くか。」 [[次ページ>http://www13.atwiki.jp/master/pages/46.html]]

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