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鬱蒼とした、森の中。 普通の森よりは大きい木が光を遮り、夕方でもかなり薄暗い。 そんな森の中に通った道路の隅で、ゼロは座っていた。 「・・・・・・暇だなぁ。」 ゼロはつまらなそうに草を引っこ抜いている。 その隣には引っこ抜いた草で山が出来ていた。 草で作られた山の向こうには 「・・・・・・。」 二つのクリクリした、しかし大人びている大きい目が木の影からじぃっとゼロを見続けていた。 物音も立てず、息を潜め、ただこっそりと。 「はぁー、暇だなぁ。」 ゼロは草を掴もうと手を伸ばすが、手で届く位置にもう草は無い。 一瞬分からなかったのか、目をぱちくりさせた後また溜め息をついた。 何か無いかと学校指定のバックの中身を探していると、分厚い本が入っていた。 「そいや、昨日買ったんだっけ。黒金の所で。」 その言葉を聞いて、後ろの少女は少し体が硬直した。 ゼロは気配を感じて、後ろを振り向く。 少女も気付かれまいとサっと隠れた。 気のせいか、とゼロはもとの体制に戻る。 少女もそれを確認すると、またゼロを影から見る体制へと戻った。 「それより、読もうかな。」 分厚い本を取り出して、それを読み始める。 重いらしく、普通に読もうとすると手から落っこちた。 膝に本の角が思いっきり当たる。 10キロはあるのだろうか、当たった瞬間鈍い音がした。 「っつてぇ・・・・・。」 凄く痛そう。 とりあえず膝に乗せて、やっと1ページ目を開く。 『生と死について。』 と、1ページ目にはレタリングで描かれていた。 それを少女は後ろから興味ありげに見つめている。 「・・・・・。」 無言だが、目は輝いていた。 パラパラと、そしてゆっくりとページを捲っていくゼロ。 それを後ろからキラキラとした目でじぃっと見つめる少女。 二人はゆっくりと本を見ながら片方は暇な、片方は「大切な事」を忘れて時間を過ごした。 それが何分か続いた。 「・・・・・っ!」 先に動いたのは少女だった。 ようやく「大切な事」を思い出したらしい。 ゆっくりと、手を平たい胸の前に出す。 「・・・・・・。」 その手に力を入れると、周りの空気が蠢き始めた。 ゼロはまったく気付かない。 蠢きは段々と大きくなり、ついには少女の上半身ぐらいの直径になった。 そこでやっとゼロは異変に気付く。 ゼロの後ろで、空気が大きな弾を作っている。 「・・・・なっ。」 ゼロは驚いた。 少女に、今やっと気付いたのだ。 混乱したのは言うまでも無い。 今もなお、空気は風の力で凝縮され密度が通常より数倍高くなっている。 空気の塊、が完成した。 ゼロは急いで武器を生成、攻撃を阻止しようとするが・・・・・・遅かった。 空気の弾は知らぬ間に少女の手より放たれ、そして。 ゼロを思いっきり殴りつけた。 殴りつけられたゼロはそのまま吹っ飛び、道路脇のガードレールを乗り越えゼロが居た道路の反対側の崖まで飛んだ。 ゼロの視界は、朱色に染まった空しか見えない。 もう何も考えれない、分かるのは・・・・・・ 自分が死ぬ、ことだけ。 そう、私は死ぬのだ。 ゼロはそのまま落下、森の中へと落ちていった。
鬱蒼とした、森の中。 普通の森よりは大きい木が光を遮り、夕方でもかなり薄暗い。 そんな森の中に通った道路の隅で、ゼロは座っていた。 「・・・・・・暇だなぁ。」 ゼロはつまらなそうに草を引っこ抜いている。 その隣には引っこ抜いた草で山が出来ていた。 草で作られた山の向こうには 「・・・・・・。」 二つのクリクリした、しかし大人びている大きい目が木の影からじぃっとゼロを見続けていた。 物音も立てず、息を潜め、ただこっそりと。 「はぁー、暇だなぁ。」 ゼロは草を掴もうと手を伸ばすが、手で届く位置にもう草は無い。 一瞬分からなかったのか、目をぱちくりさせた後また溜め息をついた。 何か無いかと学校指定のバックの中身を探していると、分厚い本が入っていた。 「そいや、昨日買ったんだっけ。黒金の所で。」 その言葉を聞いて、後ろの少女は少し体が硬直した。 ゼロは気配を感じて、後ろを振り向く。 少女も気付かれまいとサっと隠れた。 気のせいか、とゼロはもとの体制に戻る。 少女もそれを確認すると、またゼロを影から見る体制へと戻った。 「それより、読もうかな。」 分厚い本を取り出して、それを読み始める。 重いらしく、普通に読もうとすると手から落っこちた。 膝に本の角が思いっきり当たる。 10キロはあるのだろうか、当たった瞬間鈍い音がした。 「っつてぇ・・・・・。」 凄く痛そう。 とりあえず膝に乗せて、やっと1ページ目を開く。 『生と死について。』 と、1ページ目にはレタリングで描かれていた。 それを少女は後ろから興味ありげに見つめている。 「・・・・・。」 無言だが、目は輝いていた。 パラパラと、そしてゆっくりとページを捲っていくゼロ。 それを後ろからキラキラとした目でじぃっと見つめる少女。 二人はゆっくりと本を見ながら片方は暇な、片方は「大切な事」を忘れて時間を過ごした。 それが何分か続いた。 「・・・・・っ!」 先に動いたのは少女だった。 ようやく「大切な事」を思い出したらしい。 ゆっくりと、手を平たい胸の前に出す。 「・・・・・・。」 その手に力を入れると、周りの空気が蠢き始めた。 ゼロはまったく気付かない。 蠢きは段々と大きくなり、ついには少女の上半身ぐらいの直径になった。 そこでやっとゼロは異変に気付く。 ゼロの後ろで、空気が大きな弾を作っている。 「・・・・なっ。」 ゼロは驚いた。 少女に、今やっと気付いたのだ。 混乱したのは言うまでも無い。 今もなお、空気は風の力で凝縮され密度が通常より数倍高くなっている。 空気の塊、が完成した。 ゼロは急いで武器を生成、攻撃を阻止しようとするが・・・・・・遅かった。 空気の弾は知らぬ間に少女の手より放たれ、そして。 ゼロを思いっきり殴りつけた。 殴りつけられたゼロはそのまま吹っ飛び、道路脇のガードレールを乗り越えゼロが居た道路の反対側の崖まで飛んだ。 ゼロの視界は、朱色に染まった空しか見えない。 もう何も考えれない、分かるのは・・・・・・ 自分が死ぬ、ことだけ。 そう、私は死ぬのだ。 ゼロはそのまま落下、森の中へと落ちていった。 [[次ページ>http://www13.atwiki.jp/master/pages/39.html]]

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