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ふと、私はインクが無くなりそうな事に気付いた。 そういえば、今日は友人と買い物に付き合う約束をしていた。 危うく忘れてしまう所だった。 ある程度、御洒落をして、玄関の隅の、革靴についている大量のホコリを掃う。 最近は、外に出るにも、染みだらけの、汚れた布のブーツを履いていた。 食料を買うだけだったので、そう御洒落なしなくてよかったのだ。 ルーに手伝ってもらいながら、やっと革靴のホコリを掃い終わり、やっと玄関の扉を開いた。 民衆が革靴で石畳を歩くたびに、乾いた音が響く。 会話や、客寄せの声や、馬車の音も重なり、耳が痛くなりそうなぐらい大きい音が道に充満していた。 ルーと少し言葉を交えながら、街の歩道を歩いて行く。 人が非常に多いので、 途中、一人で話しているように見えるので、妙な目で見られたりもするが、もう慣れてしまった。 小さい頃だってそうだった。 私だけを仲間はずれにし、 私だけが特別扱いされ、 私しか残らなかった。 ――――――辛気臭い話になりそうなので、話題を変えるとしよう。 今日行く所は、有名な作家である友人に紹介してもらった店だ。 普通の文具屋よりは、品揃えも質も格段に良い、と言っていた。 うっすらと記憶に残っているだけなので、記憶が曖昧でこれ以上は思い出せない。 わずかな記憶を頼りに、私は待ち合わせ場所に5分程遅刻して現れた。
ふと、私はインクが無くなりそうな事に気付いた。 そういえば、今日は友人と買い物に付き合う約束をしていた。 危うく忘れてしまう所だった。 ある程度、御洒落をして、玄関の隅の、革靴についている大量のホコリを掃う。 最近は、外に出るにも、染みだらけの、汚れた布のブーツを履いていた。 食料を買うだけだったので、そう御洒落なしなくてよかったのだ。 ルーに手伝ってもらいながら、やっと革靴のホコリを掃い終わり、やっと玄関の扉を開いた。 民衆が革靴で石畳を歩くたびに、乾いた音が響く。 会話や、客寄せの声や、馬車の音も重なり、耳が痛くなりそうなぐらい大きい音が道に充満していた。 ルーと少し言葉を交えながら、街の歩道を歩いて行く。 人が非常に多いので、途中で他人とぶつかったりもした。 その度に、私は謝っていた。 途中、一人で話しているように見えるので、妙な目で見られたりもするが、もう慣れてしまった。 小さい頃だってそうだった。 私だけを仲間はずれにし、 私だけが特別扱いされ、 私しか残らなかった。 ――――――辛気臭い話になりそうなので、話題を変えるとしよう。 今日行く所は、有名な作家である友人に紹介してもらった店だ。 普通の文具屋よりは、品揃えも質も格段に良い、と言っていた。 うっすらと記憶に残っているだけなので、記憶が曖昧でこれ以上は思い出せない。 わずかな記憶を頼りに、私は待ち合わせ場所に5分程遅刻して現れた。

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