劇場版ブッチギルンジャー 救え少女の魂! 倒せ悪鬼ドS!! 同時上映 少女の恋獄(前編)


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「ぶっちぎるぜぇぇぇぇぇぇぇ!!」

影の繋ぎ師は、何も考えなしに精神世界を駆けまわっているのではなかった。
意識を取り戻した今、彼は全力を出しさえすれば、ドSから身体の主導権を取り戻すこともできた。
聖杯の泥に浸かっていたはず?
NO!!
勇次郎は生命の水に溶ける白銀の意識を弾き返して見せた。
繋ぎ師もまたしかり!
強者を強者として描くことに優れた彼にとっては、聖杯の泥すら枷にはならない。
それがたとえ、型月世界が誇る魔術の果てと黒き少女と、この世全てのの憎しみと怨念で織り成されていたとしても、だ――!
彼が未だに精神世界に居るのはひとえに悪に囚われた悪たる少女を救う為。
ドSにより聖杯の泥を媒介に繋ぎ師の身体とDG細胞、黒い蟹座氏は繋がっているのだ。
同様に彼らの精神世界もまた繋がっている!!

「待っていてくれ、黒い蟹座氏!!」

繋がった心に響くのだ、黒き少女の嘆きの声が。
――お母さん、私はここだよ?
母を純粋に愛する想いが。
――あはは、私はやっぱり汚いんだ。悪にしかなれないんだ。
悪たれと定められた悲しみが。
――……これで、よかったのかな。良かったんだよね?
救いの手を払いのけてしまった後悔が。
――お父さんは、私を愛してくれるよね?
愛して欲しいという懇願が。
――嫌だ、置いて行かないで。待ってよ、待ってよ、みんな!
一人にしないでと、他人を求める本心が。

「救って、みせる。その哀しみから、君を!!」

彼が分離しッブッチギルンジャー達と力を合わせればドSも今すぐ倒せはする。
けれども、それでは少女の心は救われないのだ。
だから、任せる。
ドSのことは、外で戦う仲間と過去の自分達に。
彼らなら、ドSになんか負けないと、繋ぎ師はそう信じている。


繋ぎ師の意図を悟ったディーは思う。
ヒーローとは何か?
悪を倒す存在か?
違う。
悪を倒すのは、手段の一つであって目的では無い。
ヒーローとは誰かを守る為に立ち上がれる人間のことだ。

「ああ、そうか、これが仮面ライダーか」

ライダーだから、人助けをするのではない。
誰かを助けようとするからこそ彼は仮面ライダーなのだ。




唸るエグゾート、轟くエンジン音。
金の彩色を施されたバイクが蟹玉を駆ける。
古今東西のロワの施設が入り乱れるこの拠点は決してバイクが走りやすい空間では無かったが、そこは仮面ライダー専用機。
速筆魔王LXの騎乗するサイドバッシャーは障害を物としない。

「魔王さん、これは!」
「うん。何か大きな戦いがあったみたいだね」

サイドカーからネコミミストが大きく上半身を乗り出す。
どこか不気味さを漂わせ聳え立つ魔城ギガゾンビ城。
豪華客船エリアを抜けた後も、アースクレイドルやダイクロフト、サザンクロスといった超施設を通過したが、
それらの場所では見受けられなかった光景が彼らの前には広がっていた。
砕かれた柱、溶解した壁、消し飛んだ天井、穿たれたクレーター。
戦いの後だ。
それも相当派手な戦いの。
良く見れば血痕や肉片らしきものも飛び散っていた。

「っ……」

ネコミミストは唇を噛み締める。
一見したところ、誰の死体も転がってはいないが、痕跡は激闘だったことを語っている。
単に死体が残らない程の攻撃で塵と化したとも考えられるのだ。

「ネコミミストくん……」
「大丈夫、です。それよりも先に進みましょう。
 もう随分バイクを走らせました。そろそろ旅の扉に行きついてもおかしくはありません」
「そうだね。けど、気をつけておいて欲しい。ゴールが近いということは、わかるね?」
「はいっ!」

十中八九仕掛けてくる。
RPGにおいてガーディアンの存在はお約束だ。
目的地、ジョーカー共にRPGに関わりがある以上、間違いなく立ち塞がるボスキャラが待ち構えていることだろう。
それでも、止まるつもりはない。
仲間のことは心配だ。
未だに魔王以外の誰とも合流できていないのだから。
もしかしたら既に多くは命を落としているかもしれない。
最悪、自分達が最後の生き残りだということもあり得るの。
けれど。
死は、終わりでは無いと幻夜に教わったから。
何よりも彼らのことを信じているから。
死んでいった者達と、生きている者達。
両方の為にも前へと進む。

バイクを降り、玉座の間の奥に聳え立つ門を魔王と二人で押しあける。
彼らを迎えるは狭い通路。
一切の装飾を廃し、暗い道を一直線に伸ばしている。
そして、地に落ちる小柄な一つの人影。

「え?」

独りでに灯った蝋燭の明かりに照らされたその顔を、ネコミミストは知っていた。





地球破壊爆弾No.V-7は知っていた。

「ちょ、今度は一体何よおおおお!!」

機械のような、生物のような銀の触手を伸ばし、生きとし生ける者を取り込んでいくその巨体を。

「黒い蟹座氏!!」

少女の像を胸に掲げる悪魔の姿を。

「「「「「マスク・ザ・ドS、そこまで命を弄ぶのか!!」」」」」

デビルガンダム。
悪魔の名を冠した異端の機体。
いや、ディスレヴと聖杯の泥の力を得てより大きく禍々しいフォルムと化したそれを現すには、悪魔という言葉はいささか役不足かもしれない。
悪魔を超えた悪魔。
言うならば、魔王ガンダム!!

「芸がねえなあ、おい! いい加減デビルガンダム出し過ぎだぜい?」
「いやはや、これは痛い。ですが、DGは多くのロワに登場していますし。書き手ロワ的にはむしろ正しい選択なのですよ!」

生体コアである黒い蟹座氏から溢れ出る無限の負の念の力をディスレヴで制御し、魔王ガンダムと化したドS。
デビルガンダムなら巨大なガンダムの頭部にあたる巨大なゼロの仮面である脚部。
その周りの地面が割れ、巨大なガンダムの頭部を持つ、幾つものワームが姿を見せる。
本体同様、黒く染まりより鋭角的になってはいるがデビルガンダムヘッドだ。
本体を守るかのごとく次々と出現し、大空洞を所狭しと埋め尽くしていく。
天も地も、魔王とその僕からは逃れられはしない。
魔王ガンダムヘッドに包囲された爆弾達が生き残るには本体である魔王ガンダムを倒す他に手段は無い。

「さあ、長かった喜劇に幕を下ろすとしましょうか!!」

顔の装甲を引き裂き、魔王ガンダムが咆哮を上げた。
肩より伸びる第三、第四の巨大な両手――魔王フィンガーに光が灯る。
1つしか灯っていなかった光はいくつもいくつもいくつも増えていく。

「……!おめえら、みんな散開しやがれえ!」

次に起きる事態を察した爆弾が声を張り上げ、キングゲイナーに姿を変える。
ロリスキーとブッチギルンジャーの面々もアニロワ2書き手でもある爆弾の警告に疑問も言葉も挟まず散った。
その直後。何十本もの極太の閃光が駆け抜け、大空洞を白き光が包み込む。
加えて、拡散ギガ粒子弾の発射に合わせ、魔王ガンダムヘッドが襲いかかる。
ビームを避けようにもガンダムヘッドに邪魔され、よしんば避けても避けた隙を狙われる。
回避もままならない爆弾達に、弾幕を物ともせず再生し続けるガンダムヘッド。
ドSを倒すどころか近づくことすら叶わない。

「うー、ちょっとまずいかなあ、これは」

オーバースキル『加速』を用いて弾幕を抜けつつ爆弾がぼやく。
破壊しても無駄だと踏み、オーバーフリーズをメインウェポンに切り替えはしたものの、
邪魔な取り巻きを凍らせて封じきるより速く、ガンダムヘッドは生成されていく。

「っく、何かあるはずだ、この劣勢を覆す手が!!」
「キーワードはやはりサイズ差か。くそ、俺達以外のみんなも同じ土俵に上げることができれば!!」

チートシルバーが、巨大化しガンダムヘッドを引きちぎる。
チートキングも天上天下光王爆砕剣でビームを弾き返してはいるが、明らかに手が足りない。

今やまともに戦いに参加できているのは、ある程度のサイズを誇るこの3人だけなのだ。
いくら束になっても、蟻では象に敵わない。
踏みつぶされ、叩き落とされるのが関の山だ。
能力差で埋めようにも、同サイズであっても単体ではドSが最強だ。
この絶対的な差は埋められない。
ブッチギルンジャーの残る3人は手も足も出せず、彼らを守ろうとする味方の足を引っ張る始末だ。

護るって決めたのに。
お互いに支え合って生きて行こうって約束したのに。
ロリスキーが見上げる空をキングゲイナーが飛翔する。
ドラゴンになったところで、彼女はもはや戦力外だ。

「ああ、っもお! かがみ、どうせならバスターバロンどっかで使ってなさいよ!」

そのことが耐えられなくて、どうしようもないと分かっていながらも遂愚痴を零してしまう。

「っ、バスターバロン……」
「あんたアルレッキーノでもあるなら知ってるでしょ、チートブラック」

核鉄№XVII(17)破壊男爵(バスターバロン)。
発動すれば身長57メートル、体重550トンという巨大な体躯を誇るロボットになる。
だが、ロリスキーがその名を出したのは巨体故にではなく特性故にだ。
サブ・コクピットに載せた人物の武装錬金の特性を増幅して使用出来る能力。
例え直接戦闘に参加できなくとも、共に闘える方法。
無いものねだりだとは分かっている。
それでも、彼女は求めずにはいられなかった。

「「「それだっ!!」」」

だから、訳が分らなかった。
まるで光明を得たとばかりに顔を上げるブッチギルンジャー達の返事が。




火の光に照らされ浮か上がった人物は全身をカブトムシを模した装甲で覆っていた。
現在ネコミミストが変身できるあるライダーに非常に酷似した姿。
本来銀色であるべき部分を黒く塗りつぶされた写し身。
仮面ライダーダークカブト。
ダブトの略称で親しまれる、大別すると敵役のライダーである。
ただ、今問題なのは原作では敵だったことでは無い。
誰が変身しているのかだ。
突入した仲間の中でダークカブトゼクターを持っていた人間はいないのだから。

「誰が変身しているのですか!」

となれば考えられる可能性ではジョーカーが一番高い。
仲間達が何らかの手段で手に入れた可能性も無きにしも非ずだが。
そうならそうと答えてくれるはずだと問いかける。

そして返ってきた答えは予想だにしないものであった。

「クマのプー太氏です、初めまして、ネコミミストさん、速筆魔王LXさん。
 いつもあなた達が書く、いえ、込められた物語を楽しませてもらってます」
「「なっ!?」」

傍らで無言を保っていた魔王と驚きの声が重なる。
クマのプー太氏。
新旧アニロワとLSロワで活躍する絵描きさんだ。
WIKIから得た情報で支給品として参戦してもいた主催者側の人間だとは知ってはいたが、
まさかこの局面で単独で立ち塞がるとは思ってもいなかった。

「どいてください、プー太氏! 私達はあなたとは戦う理由が無い!」

倒すべきはwiki管理人。
ジョーカーとして召喚されたテイルズロワ、ニコロワの書き手とは違い、プー太氏は戦闘員ではなかったはずだ。
話が通じるかもしれないと、ネコミミストは訴えかける。

返ってきたのはまたしても意外な答えだった。

「いいですよ」
「え?」

壁際に逸れ、どうぞどうぞと先に行くことを促すプー太氏。
自分で言いだしたことではあったが、あまりにもあっさりしすぎていて拍子ぬけしてしまう。

「どういった風の吹き回しだい?」

そのことを疑問に思うのは当然の反応だ。
テックセットを果たした魔王の視線がプー太氏を射抜く。
常人ならそれだけですくみ上るだろう眼力を前に、しかし、プー太氏は飄々と答え、

「いえ、通してくださいと言われているのですよ、黒猫さんから、ネコミミストさんだけを、とね!」

鎚を、振るった。




ガンダムヘッドの侵略から、天と地が次々と解放され、日の光も刺さないはずの地に青い空が広がっていた。
飛翔するキングゲイナーのあまりの速さが、白と青の残像を次々と天蓋に刻みつけているのだ。
再び巨龍の如く胴を揺らし檻を形成しようとするも、
蒼を纏った白き巨人の舞に巻き込まれたガンダムヘッドの群れは片っぱしから凍結、粉砕される。
数多の牙も触手も一本とて届きはしない。
音の壁を遥かに超え、神速の領域にまで至った機体に押し出された空気の渦が、
ソニックブームとなりキングゲイナーを守る絶対の壁として立ちはだかるからだ。
もちろんそれだけの速度に比例したGは相当なものであり、機体を激しく揺らすはずだ。
なのに巨人の左腕の銃から放たれる絶対零度の弾丸は、ただの一発も外れることなく化け物の頭部を撃ち抜いていく。

――鮮烈な銀を湛え、冷酷な輝きを欲しい侭にする回転式拳銃(リボルバー)、イタクァ。

いつまでたっても僕が獲物を捕らえることができず、業を煮やした魔王ガンダムの肩から極光が迸る。
大空洞を丸ごと埋め尽くすほどの桁ハズレな太さのビームだ。
回避も何もあったものでは無い。
空洞にある全てを無に帰すほどの絶対的な一撃。
それほどの一撃があろうことか右腕が握る銃より撃ち出されたたった一発の弾丸の前に霧消する。
空間をも湾曲する無限熱量の前にはいかに収束された光とて直進することあたわず。

――黒い光を湛え、強暴な灼熱をその身に躍らせる自動拳銃(オートマチック)、クトゥグア。

両の手にチェーンガンに代わり携えるは二丁の魔銃。
最適の武装を媒介とし、オーバーフリーズとオーバーヒートの力は何倍にも跳ね上がる。
武器だけでは無い。
外見こそはキングゲイナーだが、全長は本来のものよりも3倍ほど大きい。
フォトンマットも緑ではなく月を思わせる蒼みのかかった銀の輝きを放っている。
何よりも相対した時に感じる威圧感が違う。

ドSは生まれて初めて恐怖で震えていた。
魔王ガンダムの巨体が揺れる音は、カタカタといった可愛らしいものでは無い。
地の底の悪鬼が唸り声を上げるかのような音だ。
怯えを認めようとせず、ただ叫び続けるしかない惨めな悪魔たちの泣き声。

「これだから光太郎は、嫌なのですよ……」

巨大とはいえ魔王ガンダムの半分にも満たない相手。
だが、機体内で荒れ狂う無限のエネルギーは魔王ガンダムのセンサーでも計測できない。

「爆弾やロリスキー達と合体するとは、どこまであなたはぶっちぎるつもりですか!!」

「「「「「「「「搭乗、スーパーチートロボ!!」」」」」」」」




足裏から衝撃波を生じさせ、ネコミミストは全力で狭い通路を走り抜ける。
『黒猫』。
思えばこのロワの終盤で何度か聞いた名前だ。
直接会ったことは無いが、蟹玉突入前の情報交換で聞いた話では、ジョーカーと組み非道の限りを尽くした極悪外道だという。
何人もの人間をその手に掛け、何人もの人間の運命を狂わせた女性。
許せなかった。
散っていった仲間達と、今を共に闘う仲間達。
彼らから多くのものを受け取り、私はここにいる。
多分、他のみんなもそうだ。
関わった大切な人達に多くのものを与え、受け取ってきたのだ。

でも、黒猫は違う。

一生懸命生きようとする者の努力を嘲笑い。
何かを残すことすら許さず不意を打ち。
他者を利用し使い捨て。
残された大切な物すら踏みつぶした。

過去も、現在も、未来も。
全てを蹂躙する悪魔。

――僕は大丈夫だよ。ここはお言葉に甘えるとしようよ、ネコミミストくん。

わかってます、魔王さん。
もう、黒猫の好きにはさせない。
事情はわからないが、プー太氏が戦う理由は黒猫にあるみたいだった。
なら、元凶であるその女を倒せば、彼女との戦いは回避できる。
殺さないで済む。
うまくいけば、彼女とも仲間になれるかもしれない。

「流石に楽観視しすぎかな」

――そういやネコミミストくんはこのロワを終わらせたらどうするんだい?

魔王の言葉が蘇り、大切な人達とどこかの世界で笑い合う光景を幻視する。
その中で笑っている体はスクライドで出来ているも、幻夜・フォン・ボーツスレーも、
派手好き地獄紳士『666』も、静かなる ~Chain-情~も、もういない。
他のみんなももしかしたら居なくなってしまっているかもしれない。

それでも。

できるだけ多くの人達に生き残ってほしい。
プー太氏だってそうだ。
魔王のことだって諦めてなんかやるものか。
私は、牙なき人の剣なのだから。

突き当りが見えてきた。
違う、扉だ。
旅の扉は所謂渦のようなもので、床に設置されているものだと説明を受けた。
前方に見えるのは普通の扉だ。
多分開けた先の部屋に用意されているのだ。
魔王が編んでくれた制服の裾をギュッと握りしめる。
相手は噂に聞く黒猫だ。
どんな罠が待ち受けているかわからない。

でも、大丈夫だ。

私にはこんなにも頼れる仲間達がいるのだから。
一人で動いてる時でも私を強くしてくれる仲間が。

さあ、扉を開けよう。
どんな罠にも打ち勝とう。
防御面はばっちりだ。
後は私という剣を振り下ろすまで。

オーガドライバーに手を添え来るなら来いと勢いよく扉を開け放つネコミミスト。


その部屋には旅の扉である井戸が鎮座しているのみ。
誰も、他には、居なかった。






ドSの悲鳴もなんのその。
滲み出るエネルギーが為した爆発を背負い、ヒーロー物のお約束とばかりに名乗りを上げたブッチギルンジャー+3。
何も本当に全員が合体したわけでは無い。
しかし、確かに今の彼らは、8人全員の力を合わせて闘っていた。

「いい加減、きっちりあの世に行きなさい!!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

十を超えるガンダムヘッドが融合し、一際巨大なガンダムヘッドとなり牙を剥く。
他のガンダムヘッドを盾に接近。
スーパーチートロボを飲み込み、噛み砕こうとするも、真正面から受け止められる。
信じられないことにそのまま抱えたガンダムヘッドをハンマーのように振り回し、魔王ガンダムと衝突させる。

「いっぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

チートキングとチートブルー。
二人が細胞融合でキングゲイナーと一体化し、その全身体能力を高めた故のしろものだ。
強化されたのは腕力だけでは無い。
脚力、反応速度、頑強さ、動体視力、聴力、スタミナ等々多岐に渡っている。
アーカードとしての特性を持っていたことが上手く作用した。
爆弾が純粋に無機物のロボットだったなら、バイオライダーの能力では強化できなかったのだから。

「今度はこっちからいくわよ!」

残る五人はというとコクピットに搭乗していた。
本来のキングゲイナーは一人乗りだが、巨大化に伴いコクピットのスペースも広がり、難なく五人を収容している。
それどころか、変身能力の応用か、はたまた長門の情報改変能力によるものか。
その内装は完璧に戦隊ものの五体合体ロボの操縦席そのものだった。
正面右にチートイエロー、左にチートブラック、奥右端にツキノン、奥左端にロリスキー、中心にチートシルバーという席順である。

「ツキノン!!」
「任せるのです!!」

両正面に座る二人が己が力を解放する。
ロリスキーは触手と剣の翼、更には支給品のレヴァンティン、龍騎のデッキ、マジシャンズレッドのDISCを。
ツキノンはトラペゾヘドロンからバルザイの偃月刀、クトゥグア、永遠真剣『世界』の力を引き出す。
するとどうだろう。
チートロボの力として今将に二人が発動した力が再現されていた。

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンッ!

七つもの偃月刀がチートロボの周りを回転し、近づく全てを斬り捨てる。
相乗された炎はプラズマ火球として巨腕から放たれ、触手の海を焼きつくす。
融合したチートキングのロボライダーとしての特性も得たチートロボは、自身が発した炎をエネルギーとして吸収。
更なる攻撃にへと繋げる。

「行動予測完了、標準誤差修正!!」
「右27度からダブルクロー、続いてガンダムヘッド、地底座標B-73より来ます!!」

爆弾の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースとしての情報処理能力を、
ハイパーリンクにより得たチートイエローが、高速演算により魔王ガンダムの行動を予測。
瞬間の判断は0,1秒の隙すら逃さないチートブラックの見切りが補っていく。

「絶望したー! 攻撃が全く当たらないことに絶望したー!!」
「こっちはクーちゃんや、みんながついてる! 一人ぼっちの君には負けないよ!!」

チートロボから伸びゆく触手が魔王フィンガーに次々と突き刺さり絡め取っていく。
無理やり引きちぎろうともがくも、激戦により瞬時に再生する触手からは魔王ガンダムといえど逃れられない。

「さあ、力比べといこうか、ドS!!」
「いささか、私を嘗め過ぎですよお!!」

自由の利く両の手で、振り下ろされた激戦を受け止める魔王ガンダム。
大きさでは未だにドS側が勝っているのだ。
正面からの激突に負けるはずが無い。

なのに。

押されているのは魔王ガンダムの方だった。
中央コクピットに陣取るチートシルバーのキングストーンの属性は『月』。
吸血鬼の属性を持つ爆弾にとって、これ以上にない動力源。
チートキングの物と合わせて2つの月の石の恩恵を受けたチートロボは、サイズ差すら無視して激戦の刃を突き立てた。

「百鬼夜行を、ぶっちぎる!!」

本体:地球破壊爆弾&チートブルー
火器管制:ツキノン&ロリスキー
動力源:チートシルバー
策敵:チートブラック&チートイエロー
統括:チートキング

これがスーパーチートロボだ!
ブッチギルンジャーの新たな力だ!!




豪ッ!!
細腕から繰り出されるとは思えない重い攻撃をすんなりとかわすLX。
先ほどから何度も何度も繰り返されてきた光景だ。
ゴルディオンハンマーはLXを捉えることなく、LXも一度も攻撃に移らない。

「少しは反撃してくれませんか? 
 いくらネコミミストさんが黒猫を打倒するまで私を傷つけないためとはいえ、なんか一人盛り上がっちゃってるのは虚しいですし」
「あれ? よくわかってるじゃないか、黒猫さん。一人よがり程他人からすれば迷惑なものはないって」

攻撃の手が止まりる。

「なんのことですか、魔王さん。黒猫さんならネコミミストさんが……」
「いい加減、三文芝居はやめにしないかい? いや、もう飽きちゃったし」
「……やれやれ、ばれちゃってたか」

誤魔化せないと悟ったダブトの仮面が解けていく。
ベルトも、ゼクターも、スーツも。
どれも本物では無くダブトを模したバリアジャケットだったのだ。

「顔を見せないには良い手だと思ったんだけどね。声だってばれないようプー太氏に担当してもらったというのに」
「わざわざデイパックから腹話術でプー太氏が話しかけてきた時には本気で驚いたよ。手が凝ってるなあって。
 でも失敗だったね。君が取り込んだ膨大な精気は、可愛らしい絵を書くプー太氏には似合わない」
「なるほど。つまり私と君がエロすぎたのが原因なんだね」
「身も蓋もない言い方だなあ」

くくくくくくくく。
ふふふふふふふふ。
互いに笑い合う二人の魔人。
口元とは違い、その眼に笑みはない。

「じゃあ、本題に入ろうか。別にほんとにプー太氏に僕を任せても良かったんじゃないのかい?」

ネコミミストの性格ならプー太氏とのバトルよりも、黒幕の打倒に向かうのは明確だった。
LXをプー太に任せさえすれば、今頃は彼女の目論見通り二人っきりで再会できていたであろうに。

「なに、君の相手をするには氏には悪いが、少々役不足と思ったんでね」
「そんなあ、ひどいですよ、666さ~ん」
「ははははは、すまない。けど不貞腐れる君も中々萌えるものだね」
「もお、浮気は嫌われますよ?」
「これは一本取られた。どうかネコミミストには黙っていてくれたまえ」

宥めようと頭を撫でる666。
プー太氏もまんざらでは無いのか気持ちよさそうに眼を細めている。

「それで、わざわざ自分から出向いてきたと?」
「ああ。いくら私が異能『ロリショタ以外では倒せません』に覚醒したとはいえ、君が厄介な相手に変わりはないからね」

◆LXe12sNRSs。
速筆魔王、長文作家、紙視点、「タイトル」、考察担当、舞台裏、ネタ師、パヤパヤ魔王。
様々な二つ名を持ち、熱さも渋さも切なさも演出できるオールラウンド書き手。
だが、それら全てを置いて最も彼を有名たらしめているのは『魔球』である。
全書き手と読み手の想像を遥かに凌駕するいい意味での超展開。
マーダーキャラが途中脱出、一人ハッピーエンドを迎えた『Berserk』。
主催者がロワを放棄して別世界に逃亡したキノ風味な『螺旋の国 -Spiral straggler-』。
主催ルルーシュを誕生させ新たなチームを結成させた『天のさだめを誰が知るⅠ』

666は恐れた。
LXなら自身が気づいていない穴をついて彼女を打倒しかねないと。
最悪、グリフィスやマダ王のように、途中退場という形に持って行かれるのではないかと。

「ふうん。君がそこまで警戒する僕にここで倒されたら全てが終わりだとは考えなかったのかい?」
「なに、予想できないタイミングで仕掛けられるよりは、想定済みの状況で戦う方が幾分ましだからね」

彼女から漂う余裕にLXは眉を顰める。
言っていることはわからないでもない。
ダブトが万一本物のプー太氏なら、間違いなく彼女を倒して666にもちょっかいを出しに行っただろう。
しかし、LXを排除するだけなら、とにかく時間を稼げば良かったのだ。
ウイルスが全身に回り、彼が死ぬその時まで。
……時間?

「まさか!?」
「何より今の君なら私は指一本触れずに無傷で倒すことができる」

気付いた時にはもう遅い。
666の手には時を操る魔剣が握られていた。

「ああ、本当に私はついている」


【速筆魔王LX@アニロワ2 死亡】




「っがあああああああああああああああああ!!」

魔王ガンダムの右腕が落ちる。
ドSから洩れる絶叫を余所に、チートロボの攻撃は止まらない。
振り抜いた勢いを殺さずに、変則的な回転斬りで追撃する!

「舐めるなと言ったはずですよ!」

瞬時に右腕を再生し、激戦の柄を殴りつけ軌道を逸らし回避。
チートロボの触手に縛られた魔王フィンガーを自らパージ。
即座に再生しつつ、ミドルレンジでの戦闘は不利と判断し、大きく後退して距離をとる。

見くびっていた。

地球破壊爆弾やぶっちぎりのこともそうだが、何よりもロワ因子補正をだ。
wiki管理人の最終目的であるフィードバックの対象は書き手2に参戦しているロワだけでは無い。
古今東西あらゆるロワの書き手・読み手に処置を施すつもりなのだ。
そして、最終フェイズに移行した現在、全てのロワ関係者の精神にダイダルゲートは接続を完了している。
それは裏を返せば彼ら・彼女らが属するロワの因子が混在しているということだ。

ラス1であるツキノン、ロリスキー、繋ぎ師、爆弾はいわば自ロワを背負っており、丸ごと補正が働いている。
バスターバロン譲りの武器の巨大化はその最たる例だ。
ブッチギルンジャーも戦隊キャラになり切っているが故に戦隊ロワ補正を受けている。
実際は主催の嫌がらせのため、対主催涙目なロワではあるが、巨大ロボは別だ。
本編で出せない可能性が高い分、書き手ロワで大暴れする腹積もりなのか、チートロボを支援しまくっている。
こちらも二次スパ補正でゼストとも、シャリダムとも違うデビルガンダムを降臨させたが、まだ足りない。

良いでしょう、新規ロワ補正を受けれるのがあなた達だけでは無いことを教えてあげましょう。

魔王ガンダムが両手を広げる。
何かを迎え入れるように、誰かを称えるように。
声高らかに呪言を唱える。

「まっくろくろすけでておいでー!」

ドSは一体化した大蟹杯を撫でつつ、狂気の笑みを浮かべてそう叫んだ。
すると、ごぽり、ごぽりと、蟹杯の穴より巨大な聖杯の影が出現する。
クラゲのような、チューリップの花のような頭部を持つ巨大な黒き人影が膨れ上がる。
ごぽり、ごぽり、ごぽりと!!

「っ、これは!?」
「いくら貴方達でも聖杯の泥により汚染すればただでは済まないでしょう!!」

アーケード用ゲームFate/unlimited codesにおける桜の必殺技、おなかがすきました。
KSKロワのロゴを作ったドSにより発動されたそれは、補正も加わり最強の爆弾と化す。

「喰らいなさい!!K(カオス)S(すぎるでしょ)K(このロワ)!!」

手前で気球のように膨張を続けたアンリマユが、空洞に収まらないまでに膨れた己が巨体に耐えきれず破裂する。
限界まで力を貯めた上での爆発により飛散した聖杯の泥がチートロボを襲う!

「甘いよ、ドS!! 確かに新規の風は祝福すべきものだよ。けどね、未完の旧ロワでもね。読んで損はないロワもある!!」

爆弾の叫びに応えるように両の魔銃が輝き、炎の獣と氷の獅子が宙に顕現する。

「右手からオーバーヒート、左手からオーバーフリーズ! 合体!! 神弓爪牙 オーバーメドロオオオーーーアァァァアアアアア!!!!」

炎と氷、相反する力をスパークさせ、対消滅を起こし究極の矢を番え、射る。
片や全てを侵す悪の波動。
高潔たる騎士王も、ギリシャの大英雄も。
抗うことは許されない久遠の闇。
片や究極の消滅呪文。
凍れる時をも動かす、人の魔術の最果て。
闇を払いし光の弓矢。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「っはああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

『この世全ての悪』の猛威に、『魔を絶つ剣』より放たれた『大魔道士』の矢が撃ち込まれる。

世界が、二分される。
白き光と、黒き闇に。
拮抗する二つの色。
されど、一方の色がもう一方を吹き飛ばす。

世界が色を取り戻した時、ドSは見た。
魔王ガンダムの胸部、コクピット部分へと降り立つ神の姿を。

大蟹杯の穴が、いつしか閉じられていた。


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