Take a shot


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漆黒の夜空に咲く光の華。
だがそれは月や星の類ではない。
なぜなら月や星は少し前の戦闘で消滅してしまったからだ。
では、この夜空に咲き誇る華は何であろうか。

「あ、あれって……」
「ドラゴン。それに誰か闘っているみたいだね」

夜空に咲く華の正体は戦いによる爆発によるアート。
人の手によって映し出されるまやかしの月や星。
それを見上げているのは速筆魔王LXとエロスの鐘の煩悩寺の二人。
F-3のホテル跡地で用事を済ませた二人は病院へ向かうべく移動していた。
当然の事だが、行きと同じで魔王が驚異的な速さで疾走しているので煩悩寺はまたもや軽くグロッキー状態であった。
そして病院まであと少しという所で二人は空へと躍り出たドラゴンとそれと闘う何者かを発見したのだった。

「嘘……なんなのよ、あれ」
「さすがに終盤になると規模が桁違いだね。まるでアニロワ2ndみたいだ」

煩悩寺は目の前で繰り広げられる次元違いの戦闘にただ圧倒されていた。
どう足掻いても自分が太刀打ちできるような相手ではないという考えが心の底から溢れてくる。
不意に今までの事が思い出される。
最初はシーツ1枚で困惑していたところで変態3人に出くわした。
困惑の内にエロスの極致に目覚め、ミニ・サスペリアとエロスの鐘を手に入れてその3人を葬った。
しかしそこまでだ。
エロス頂上決戦では目の前の魔王に一敗地に塗れてスタートラインまで逆戻り。
意気投合してエロ師匠とコンビを組むもホテルの一戦ではバトルマスターに敗退し、エロ師匠は消滅。
煩悩寺自身もギリギリのところで生き残るのが精一杯だった。
気を取り直してステルスマーダーを目指すも、結果はいいように流されるばかり。
思い返してみれば、なんと自身の小さき事か。
煩悩寺は自身の限界に絶望する。
終盤になった今ではもうエロスな展開の望みは薄い。
自身のエロ力もあとは少しずつ減っていき弱体化する一方、他の者は次々とチートな覚醒を遂げていく。

(え、なに。私ってこんなに弱かったの。
 もう今となっては……私なんて凡人も同然、醜くて小さい存在。
 勝てない、このままだと終わる、いや、そんなの嫌。
 周りは凄い人ばかり、なのに私は、私は……無力だ……)

煩悩寺は気付かない。
自分があるキャラに引きずられかけている事に。
自身の無力さに絶望して、破滅の道を歩み始めた事に。
あと一つきっかけがあれば、煩悩寺の鐘はもろくも割れてしまうようなところまで追い詰められていた。
だが自身を追い詰めたのは紛れもなく自分の思い込み。
その点ではかける言葉はない。

「ところで煩悩寺さん、病院に着く前に一つお話を聞かせてもらいたいんだけどいいかな」

自身の無力さに打ちひしがれる煩悩寺は魔王の次の言葉を待つ。
それが最後の一押しになるとも知らずに……


          ▼


一方、魔王と煩悩寺が目撃したドラゴンと対峙する者との戦いは新たな局面を迎えていた。
ドラゴン――クールなロリスキーはさらなる吸血鬼の力を得て、柊かがみの身体へと戻っている。
だが元通りではなく、なにより彼女は闇に囚われて思考が崩壊寸前だった。

「私に近づかないで……殺す……殺してちょうだい……」

そんなロリスキーを救おうと決意する者が3人。
ミスターマダオ、神行太保のDIE/SOUL、衝撃のネコミミスト。
出会って間もない3人だが、ロリスキーを救うという想いは一緒だった。

「で、具体的にはどうするんだ?」

DIE/SOULがドラゴン殺しを構えながら二人に声をかける。
相手がドラゴンだった事もありドラゴン殺し的には本望だろうが、DIE/SOUL的にはそれは気が進まない。
なにせ死んだと思っていた仲間だ。
穏便に済ませたいと思うが、ロリスキーの様子を見る限り手荒い方法になりそうなのは明らかだった。

「攻撃力が落ちた訳でもなさそうだな。厄介だぞ」

そう嘆くようにマダオは答えを返す。
ついさっきまで闘っていた身としてはこの中で最も今のロリスキーの力を把握しているつもりでいる。
とにかく今のロリスキーは一気にチートレベルまで強さが跳ね上がっている。
加えて不死者というある種の攻略不可能要素まで秘めているとなると、難易度はさらに上がる。
自身の仲間でもあるロリスキーの撃破ではなく、あくまで説得や取り押さえるといった結果を求める事も難易度を上げている。

「あの……私に考えがあります」

光明をもたらしたのはネコミミストだった。
ネコミミスト自体にロリスキーとの面識はない。
ただ二人の仲間だと聞いただけだった。
だが、ロリスキーを救いたいという気持ちに変わりはない。
ネコミミスト自身、今まで数多くの人に励まされ助けられてきた。
だから今度は自分が誰かを救いたいと強く思っていた。

「時間が惜しい、手短に説明してくれ」
「はい」

ネコミミストは二人に自分の考えた策を説明する。
こうしている間にもロリスキーが行動を開始するかもと思っていたが、なぜか動きはなかった。
自閉と絶望、諦観と恐怖、これら負の感情の連鎖に囚われたロリスキーがこの場を自発的に立ち去る事はなかった。
そうこうする内にネコミミストの説明も終了した。

「それでいくか」
「ああ。とりあえず私達は時間稼ぎか。それくらいならいけそうだな」
「すいません、無理言って」
「気にすんな、いくぞマダオ」
「ああ、その前に少し荷物を見せてくれ」

今のロリスキーに対抗するのに手数が多い事に越した事はないとの考えから、マダオは適当に使えそうな道具をいくつか拝借する。
マダオとDIE/SOUL、二人の役割は時間稼ぎと隙を作る事。
後はネコミミストがやってくれるはずだ。

「さて、どうする。あまり斬りつけたりするのは気が進まねえんだが」
「仕方あるまい。ロリスキーは不死者だ。多少の事は承知してもらうぞ」

仲間であるロリスキーを攻撃する事に少なからず罪悪感を覚えながらも異形の戦いは再開された。


          ▼


先制の一撃はDIE/SOULのドラゴン殺しでの斬撃だった。
裂帛の気合と共に上段から袈裟懸けに斬りかかるが、ロリスキーはあっさり回避してみせた。
DIE/SOULにとってこの一撃は本気ではなかったので、その行動は織り込み済みだった。

「これでどうだ」

ロリスキーが回避した先には大鉈を構えたマダオが待っていた。
峰の部分を向けつつマダオは大鉈でロリスキーを吹き飛ば――せなかった。
その一撃はロリスキーの細腕で受け止められていた。

「私を殺してくれるんじゃないの?」
「バカ言うな。救いに来たんだ」
「……なら、近づかないでよ!!」

今の一撃が止められたのはマダオが幾らか手加減を加えた事もあるが、ロリスキー自身の変化も関係している。
二人のアーカードの血肉を食らいロリスキーの力はかなり上がっている。
さらにアニロワ2ndのかがみの影響で狂人ラッドの経験も知らず知らずのうちに秘めている。
力の込め方、受け流し方、今のロリスキーはそれらが自然とできるようになっている。

「何があったのかは知らないが話を――」
「……近づかないでって……言ってんのよ!!」

ロリスキーの叫びに呼応してマダオに向かって衝撃波が放たれる。
避けようとするが、大鉈はロリスキーに掴まれてすぐに動かせない。
マダオは大鉈を手放してぎりぎりのところで衝撃波を回避する。

「すまんDIE/SOUL。少しばかりミスをした」
「なに、大鉈一本どうってことないぜ」

話す間にロリスキーはマダオの放棄した大鉈を振り上げてかなりの速さで向かってきた。
背中に顕現された翼の力で飛ぶように突っ込んでくる。
上段から大鉈が力の限り振り下ろされるが、二人は当然の如くそれを回避する。
ロリスキーはそれを見てマジシャンズレッドの火炎を紅蓮の大輪のように浴びせかける。

「武装錬金!」

DIE/SOULの声と共に核鉄「ブレイズオブグローリー」が発動して、炎を吸収していく。
ロリスキーは火炎による攻撃が無効と分かると、すぐさま衝撃波に切り替えた。
だが身体が炎と化しているDIE/SOULに衝撃波が通じる事はなかった。

「殺してよ……私なんか生きてちゃいけないのよ」
「何言ってんだ。こっちはお前が死んだと思っていたんだぞ。いったい何があったんだ」

マダオとDIE/SOULにしてみれば死んだと思っていた仲間が実は生きていたという状況だ。
しかも様子がおかしいとくれば、心配するのは当然であった。
だが今のロリスキーにはその対応は酷だった。
ギャルゲロワ版最速の人、忘却のウッカリデス、地球破壊爆弾No.V-7。
3人も自分のせいで死んだと思い込んでいる今のロリスキーにとって誰かが傍にいる事は一種の毒薬でもあった。
自分と関わった者は死んでいき、最も大切な人までこの手にかけてしまった。
もう誰かと関わりたくなんてなかった。

「なんで私なんかに構うのよ……私といたら死ぬのよ、厄病神なのよ!
 ……さっさと殺して……」

しかしロリスキーの身に起こった出来事を知らない二人はただならぬ事があったという雰囲気が感じられるだけだった。
よもやスーパーかがみんの力を継承して暴走したなど分かるはずなかった。

「ロリスキー、とりあえず落ち着――」
「もういい」

全てに絶望したロリスキーはそう呟く。
その声は今までの彼女とは思えないほどひどく冷たいものだった。

「あんたら私になんか殺されないって思っているんでしょ、きっとそうよね!
 そんな温いあんたらは殺す! こなたのためにも犯す!
 そうしたら私は一人になれる!」

絶望の淵より吹っ切れたようにロリスキーは宣言する。
もう誰も近付いてほしくないから。
もう誰も失いたくないから。
その考えがひどく矛盾しているものだとも気付かないままに。

「……死んで!」

大鉈に殺意を乗せてロリスキーは二人との間合いを刹那の間に縮めていく。
今は説得が困難と判断すると、マダオは足止めにパニッシャーの機関銃を撃った。
だがロリスキーは機関銃の弾など全く気にせずにスピードを緩める事なく突っ込んでくる。
巧みな機動力でかわし、かわしきれなかった弾は大鉈で弾いたり身体で受けたりして迫ってくる。
そして終にパニッシャーの弾幕を突破してロリスキーはマダオめがけて大鉈を振るうが、それはDIE/SOULのドラゴン殺しに受け止められる。
市街地に甲高い金属音が響き渡る。

「落ち着けロリスキー!」
「うるさい!」

ロリスキーは大鉈で斬りつけようとするが、どの斬撃もDIE/SOULには届かなかった。
だがDIE/SOULのほうも有効な手段がなく、ジリ損であった。

「DIE/SOUL!」

マダオの叫び声を聞き、DIE/SOULは一気に後方へと下がる。
そして手持無沙汰となったロリスキーにパニッシャーを鈍器として振るうマダオが襲いかかった。
さすがに反応が遅れて、ロリスキーは大鉈でパニッシャーを頭上で受け止める格好となった。

「許せよ」

不意にマダオが装備しているフライングアタッカーの両翼が変形してビームキャノンを撃ち放った。
次の瞬間、ロリスキーとマダオを中心に小規模な爆発が起こり、二人は別々に弾かれる。

「おい、派手にやったなあ」
「そんな事ないぞDIE/SOUL。砲口は地面に向けたし、あくまで爆風で吹き飛ばしただけだ」

爆風が巻き上がる場所を見つめる二人。
当然二人が気にしているのはその向こうにいるはずのロリスキーだ。
爆風が晴れると、そこには予想通りロリスキーが肩で息をしながら立っていた。
新たな力を得たが、まだ身体がついてきていないのであろう。

「……殺してよ……殺し――ッ!?」

その瞬間、地面から幾筋もの光の鎖や条が発現してロリスキーを一部の隙もなく拘束する。
ロリスキーは逃れようとするが、幾重にも施されたバインドは容易には解けない。

「遅いぞ、ネコミミスト」
「すいません。思っていたより強度を上げるのに手間取って……」

二つの拘束魔法を発動させているのは今まで動きがなかったネコミミストだ。
拘束魔法「戒めの鎖」と「鋼の軛」
共にクラールヴィントによって使える古代ベルカ式の拘束魔法だ。
ネコミミストはこの二つの拘束魔法でロリスキーの動きを封じたのだ。
発動が今に至ったのは魔法の強度を最大限まで上げるのに手こずっていた事とロリスキーの動きが止まる時を狙っていた事が原因だった。
生半可な強度ではロリスキーに破られると考えての措置だった。
結果、ロリスキーは二つの拘束魔法に動きを封じられている。

「ふう、これでようやく落ち着いて話ができるな」
「ああ。まずはロリスキー、あの後なにがあったか教えてくれ」

マダオが3人を代表してロリスキーにあの時の事を尋ねる。
だがロリスキーは一向に話す気配を見せようとしなかった。
余程口には出せない事があったのかと思い始めた時、ロリスキーの口から答えが発せられた。

「いい加減にしてよ!!!」

返ってきた答えは拒絶と、赤い火炎と衝撃波だった。


          ▼


ロリスキーにしてみれば、あの時の事は思い出したくもないまさしく悪夢のような出来事。
ゆえに拒絶する。
元からの仲間であろうと、新しく仲間になった者であろうと、関係なかった。
ロリスキーはこの世界を憎んだ。
自分に不幸な仕打ちを押し付ける世界に、大切な人が死んでいく世界に、報われない世界に。
たくさんの人が死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ――――
みんなが死んだのは自分のせい……そんなつもりはない、違うはずだ。
でもあの3人は別だ。
私のせいで死んだ、私に近づいたから死んだ、私が厄病神だから死んだ。
ならもういいでしょう。

――殺す、私のせいで殺す。

ロリスキーの精神は激しく推移する状況に摩耗していた。
ゆえに短絡的に破綻的に堕ちる。

「いい加減にしてよ!!!」

身体に力を入れて自身を拘束するものを排除する。
自身の奥底から湧き上がる感情を火炎と衝撃波にして放つ。
一瞬でロリスキーを中心に周囲は紅蓮の炎と暴風に支配された。
周辺の建物をマジシャンズレッドの火炎が焼き払いアルベルトの衝撃波が蹂躙する。
当然のごとくマダオ達3人も例外なく防御する間もなく吹き飛ばされてしまった。
吹き飛ばされた3人の状態は一様に酷いものだった。
建物に突っ込んだ衝撃で身体中血に塗れ、内臓にもダメージがいっているようだった。
追い討ちの火炎と衝撃波でさらに傷は深くなっている。

「……私に近づくからよ」

ロリスキーは傷つく仲間達を見渡してある事に気づいた。
ネコミミストとマダオは各々の再生能力で傷が癒えていっているのだ。
マダオはアーカードの能力だと知っていたが、ネコミミストのものは初めてだった。
だが見覚えはある。
あれは自分と同じ不死者の能力だ。

――ははは、なら喰えるじゃない。

そんな暗い考えがロリスキーの思考を支配していく。
自分に関わったために与えられる災難をネコミミストに演出するべきと頭が考える。
ぴくりとも動かないDIE/SOULはそのままにして、念のため触手2本でマダオを拘束しておく。
万全ならともかく今のマダオなら触手2本で動きを封じるには十分だった。
そして残り6本の触手でネコミミストを締め上げる。
4本は両手両足に、2本は身体を締めるように巻きつける。
ネコミミストは6本の触手で締められて苦悶の表情を浮かべる。

「苦しい? 私に関わるからこんな事になるの……私、厄病神だから」
「な、なんで……こんな――ぁぁぁっ!?」

ネコミミストが答えようとすると、ロリスキーは触手で締め上げてその言葉を最後まで言わせなかった。
ネコミミストは自分の身体が今にも千切れそうに感じていた。
ロリスキーがネコミミストにこのような仕打ちをするのは、不死者の他にも理由があった。
いわゆる同族嫌悪というものだ。

「あんた見てるとさ、自分を見ているみたいでイライラするのよ。
 それに……それにも関わらず何であんたはそんな……そんなに頑張っているのよ!
 なんで私だけこんな目に遭うのよ!!」
「がぁぁぁあああ――ッ!!!」

苛立ちと羨望の狭間でロリスキーは心を乱して、その捌け口をネコミミストに求めた。
ネコミミストもロリスキーの苦悩をなんとなく感じ取れるが、今の状況では何もできなかった。


「もういい! さっさと私に喰われなさい!」

触手に縛られたネコミミストを右手の元へ誘導する。
ネコミミストに逃れる術は皆無だった。

「ロリスキーさんに、何があったか……私は知りません。
 でも! そこで諦めないでください!
 あなたがこんな事するのをあなたにとって大切な人は望んでいないはず――がああああッ」
「……黙って……喰われなさい!!!
 私は厄病神! もう私はみんなみんな殺すのよ!!!」

ネコミミストの言葉に一切耳を貸さず、ロリスキーは自らの右手を目の前の不死者の額へと運ぶ。
30㎝……20……10……5………………止まった。
横から伸びてきた腕によってロリスキーの右腕の進行は止められていた。

「なっ!?」

次の瞬間、8本の触手全てがロリスキーから剣の一閃で斬り離された。
ネコミミストとマダオは地面へと解放され、ロリスキーは自分の邪魔をした者の方に顔を向けた。

「なんで……無理して……そんなこと言うんだ?」

腕の主は全身血にまみれて今にも倒れそうなDIE/SOULであった。
二つの核鉄『ニアデスハピネス』と『ブレイズオブグローリー』で必死の身体を回復させている状態だ。
どう見ても立っているのがやっとといった感じだがロリスキーの右手の束縛が外れる事はなかった。

「はあ、何言ってんのよ!? 無理なんてしてないわよ!! これが……これが私の――」
「ロリスキー!!!」

DIE/SOULの一喝がロリスキーの言葉を問答無用で遮る。
DIE/SOULはこの状況に軽いデジャブを感じていた。
それが何か分かったのはついさっき。
ならば自身がやるべき事は決まっている。
それが正しいのかは分からないが、不器用な自分はこれしか思いつかなかった。
DIE/SOULはロリスキーを止めるため直感に従って心に浮かぶセリフを口に出す。

「お前に、悪人は似合わないぜ」

それはとあるロワで殺し合いに乗った女の子を救った少年の言ったセリフに酷似したものだった。
その展開を作り出したのは他でもないDIE/SOUL自身だ。
あの時と同じようにいくとは思っていない。
だが、この言葉でロリスキーが何か感じてくれたら、それで良かった。

ロリスキーの表情が凍りつき――

砕けなかった。

「……今更、どうしろっていうのよ!!!」

ロリスキーは湧き上がる感情に流されるままに左手の大鉈をDIE/SOULの首めがけて振るった。
その速さは到底目に追えるものではなく、当然瀕死のDIE/SOULが反応できるものではなかった。
ネコミミストとマダオもまた解放されたばかりで反応できなかった。

(……SSのように、上手くはいかないか……)

そう思いながらDIE/SOULは自身の首筋に迫る大鉈を目に映した。
死が迫っているせいか、心は驚くほど静かだった。
30㎝……20……10……

「翔けよ、隼! シュツルムファルケン!!」

刹那、彼方より飛来した紫炎の矢がロリスキーの大鉈を完膚なきまでに破壊した。
大鉈を失ったロリスキーの左手は自然とそのまま虚しく空を切った。
それはレヴァンティンが扱える最強の古代ベルカ攻撃魔法。
ロリスキーの知る限りレヴァンティンを持っていたのは一人だけ。
だが、まだ同じ武器を使用しただけという可能性もある。
なぜならレヴァンティンの持ち主は自分が――――

「ロリスキーさん」

しかしロリスキーの考えは一瞬で覆された。
聞き間違えるはずがない。
自分にとって最も大切な人。

「……こなた――ッ!?」

――見渡したら君がいて ためらう事なく戦う意味は 鮮やかに咲き誇れるように 弱い心と 向き合うこと……


          ▼


269:異形の花々 投下順に読む 270:BRAVE PHOENIX
269:異形の花々 時系列順に読む 270:BRAVE PHOENIX
264:新訳・これより先怪物領域 速筆魔王LX 270:BRAVE PHOENIX
264:新訳・これより先怪物領域 エロスの鐘の煩悩寺 270:BRAVE PHOENIX
269:異形の花々 クールなロリスキー 270:BRAVE PHOENIX
269:異形の花々 神行太保のDIE/SOUL 270:BRAVE PHOENIX
269:異形の花々 ミスターマダオ 270:BRAVE PHOENIX
269:異形の花々 衝撃のネコミミスト 270:BRAVE PHOENIX
267:愛を取り戻せ! 地球破壊爆弾No.V-7 270:BRAVE PHOENIX
268:クレイジー・ダイヤモンドは砕けない バトルマスター 270:BRAVE PHOENIX
268:クレイジー・ダイヤモンドは砕けない ギャグ将軍 270:BRAVE PHOENIX
268:クレイジー・ダイヤモンドは砕けない 熱血王子 270:BRAVE PHOENIX
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