ようこそルナティックパーティー(中編)


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◇ ◇ ◇


全力で病院まで戻ってきた漆黒の龍と孤高の黒き書き手は、愕然とした表情を浮かべていた。

「なんで…なんで巨大ロボが出てきてるのさ!」

思わず、間の抜けた声を出してしまう漆黒の龍。
そう、彼らの前にいたのは地球破壊爆弾第6の姿、キングゲイナーであった。

「もうたいがいのことじゃ驚かないつもりでいたが…。さすがにこれは許せるかァァァァァァァァ!!」

悪態を付きながら、義手から砲弾を放つDIE/SOUL。しかし、サイズの違いはいかんともしがたい。
いかに強力な武器と言えども、キングゲイナーの巨体が相手では有効打になるはずがない。

「おまえは下がっていろ、DIE/SOUL!まだ万全ではあるまい!」

そう叫ぶのは、零号解放済みのマダオだ。
さすがに零号解放ともなればサイズの差はある程度カバーできるが、それでも苦戦を強いられているのが現状だ。
何せ相手は単なるキングゲイナーではなく、アーカードの基礎能力を持ったキングゲイナーなのだから。
コロンビーヌもゾナハ蟲をフル活用して援護に回っているが、はっきり言って焼け石に水である。

「絶望的じゃないですか…。どうしろって言うんですか、こんな状況…。」

顔を青ざめさせ、孤高の黒き書き手は地面に膝をつく。
なお、変化の杖の効果は少し前に切れている。以前使った時には数時間効果が続いたのだが、その辺はかなりいいかげんに設定されているらしい。

「絶望するのはまだ早いんじゃないかしら、孤高氏。」
「「tu4氏!」」

背後からの声に、漆黒の龍と孤高は思わず声をシンクロさせて叫ぶ。
そう、そこにはtu4氏が立っていた。長門に切断されたはずの右腕は、元通りにくっついている。

「tu4氏、その腕は…。」
「セフィロスのジェノバ細胞で再生させたわ。今回参戦してないロワのキャラだからか、だいぶ回復に時間がかかったけどね。
まあ、そんなことはどうでもいいの。それより孤高氏、あなた、そんな簡単に諦めていいの?」
「だって、しょうがないじゃないですか!超人クラスの人たちが集まってあれなんですよ?
私なんかがどうやって希望を持てって言うんですか!」

眉をつり上げ、孤高は反論する。

「能力の話じゃないのよ、信念の問題。あなたの書き手としての信念は、ここで折れる程度?
私は違う。さっきあいつは、私のやり方を否定した。でも、私は自分の信念を曲げるつもりはない。
私はあいつを倒し、空気キャラの復権を為す!」

そう言い残し、tu4氏は飛び立っていった。目の前の強大すぎる敵、地球破壊爆弾を倒すために。

(そんなこと言ったって、力無き信念なんて無意味ですよ…。
私の切り札のギアスも、あの人には通用しなかった…。
この場で、私にどうやって信念を示せというんですか!)

ぎゅっと唇を噛みしめる、孤高の黒き書き手。漆黒の龍は、ただそれを黙ってみているしかできなかった。


◇ ◇ ◇


(あれ?そう言えば私、元々ロリカードと戦いにきたんじゃなかったっけ?
ま、まあいいや、目立てれば…。)

自分の行動にセルフつっこみを入れつつ、tu4氏はキングゲイナーとなった地球破壊爆弾に向かっていく。

(このデカブツを、ちまちま攻撃したところでどうしようもない!大技で一気に決める!)

迫りくる攻撃をかわし、tu4氏はキングゲイナーの巨体に肉薄した。

(行くわよ、脳内補完!)

再び右手にはめられた手甲を、キングゲイナーの装甲に押し当てる。

「出でよ、覇龍!!轟覇、機神拳!!」

病院を崩壊させた一撃が、零距離から地球破壊爆弾に叩き込まれる。
放たれた闘気が、地球破壊爆弾を貫く。さらにその体に亀裂が入り、バラバラに分解されていく。

(やった!ついに私はアーカードを…。)
「惜しかったなあ、空気王よ。」
「え?」

虚空から響く低い声が、tu4氏の喜びをかき消す。

(そんな、まさか、まさか、まさか!)
「残念だったが、体はバラバラでも心臓は無事だ。じゃあな。」

胴体からちぎれ落ちた地球破壊爆弾の右手が、tu4氏に叩きつけられる。tu4氏は、それをよけられない。

「…………!!」

悲鳴すら上げられずに、tu4氏は吹き飛ぶ。

(やば…。全身の骨がいったわ…。これで地面に叩きつけられたら、さすがにジ・エンドね…。)

朦朧とする意識の中で、そんなことを考えるtu4氏。そんな彼女に向かって、飛翔する影がひとつ。
仮面ライダーカブト、漆黒の龍だ。
空中でtu4氏の体をキャッチする漆黒の龍。しかし勢いを殺すことは出来ず、そのまま一緒に地面に激突する。

「があっ!」

着地の衝撃で、口から盛大に血を吐くtu4氏。とはいえ、漆黒の龍がクッションになる形となったため、即死は免れたようだ。

「大丈夫ですか!すいません、かばいきれなくて…。」

漆黒の龍は、心底申し訳なさそうな口調でtu4氏に謝る。

「かはっ…!あなたも、物好きね…。なんで初対面の…私を……かばうわけ……?」
「いや、前に一回会ってますが。」
「そう…だったっけ?」
「それはともかく…。約束したんですよ、あなたを救うと。ツキノ氏とね。」
「ツキノ氏?」

巨大な疑問符を浮かべるtu4氏。ツキノはこのロワに参加していないはず。何を言ってるんだ、こいつ?

「それに、さっき孤高さんを励ましてくれたじゃないですか。
孤高さんは僕の友達です。それだけで十分理由になりますよ。」

仮面の下に笑顔を浮かべそう言うと、漆黒の龍はtu4氏の体を地面に横たえさせる。
そして、地球破壊爆弾の元へ歩き始める。今の地球破壊爆弾は、バラバラになった体を再構成していた。
ただしキングゲイナー状態でのバラバラはさすがにきつかったのか、その姿は泉こなたのものになっている。

「へっ、だいぶ縮んだもんだな、地図氏。これなら何とかなりそうだ。」

地球破壊爆弾の姿を見て、DIE/SOULはうそぶく。
むろん、彼にもこの状態になったからといって易々と勝てる相手ではないことはわかっている。
あくまで、自分を鼓舞するための台詞だ。

「さあ、行こうぜ、マダオ…。って、いねえ!!」

ついさっきまで近くにいたはずの相棒を見失い、DIE/SOULは狼狽する。

「ああ、マダオちゃんならさっきのバラバラのどさくさで、思いっきり蹴り飛ばしておいたよ~。
アーカードの身体能力でも、戻ってくるまで10分はかかるんじゃないかな?」
「なんだとぉぉぉ!!」

あっけらかんと告げられた事実に、DIE/SOULは青筋を浮かべて吠える。

「まあまあ、いいじゃん?元々貴様の目的は、アーカード対ガッツを実現することだったのだろう?」

後半から声をアーカードに変え、地球破壊爆弾はDIE/SOULを挑発する。

「くっ…。」
「まあ、マダオがいなくなってもまだ貴様に味方する奴は残っているようだがな。」

DIE/SOULから視線をずらす地球破壊爆弾。その視線の先には、こちらに走ってくる漆黒の龍の姿があった。

「食らえ!ハイパーライダーキック!!」

いつの間にやらハイパーフォームに変身し、いきなり必殺技を放つ最初からクライマックスな漆黒の龍。
それに対し、地球破壊爆弾は姿をその名前通りの物体、地球破壊爆弾に変化させた。

「ええ!?」

その姿に、漆黒の龍はとまどう。彼は、地球破壊爆弾の具体的な恐ろしさは知らない。
だが、「あれ」を攻撃してはいけないと本能で感じ取っていた。
その結果彼は技を中断し、力無く地球破壊爆弾の前に着地する。

「馬鹿野郎!何やってやがる!!」

DIE/SOULの怒号が飛ぶが、もはや何を言っても遅い。

「そう言うな、彼の判断は正しいよ。あのまま彼が攻撃を続けていたら、私は死んでいたが彼も死んでいた。
というか、参加者全員が死んでいた。」

こなたの姿に戻った地球破壊爆弾は、漆黒の龍の頭をつかむ。
そう、先ほどと同じように。だが、今度は投げはしない。

「があ…あっ…!」

そのまま、内側へと力を込めていく。こなたの小さく短い指が、ライダーのマスクにめり込んでいく。
カブトのスペックなら、理論上はこの状態からでも十分反撃は可能だ。
だが頭部へのダイレクトな痛みが、漆黒の龍にまともな思考能力を与えない。

「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」

見ていられなくなり、竜殺しを振りかざしてDIE/SOULが突っ込む。
だが、その動きは未だ万全とはほど遠く。

「スローリィ!実にスローリィだぞDIE/SOUL!」

漆黒の龍を適当に放り投げ、地球破壊爆弾はDIE/SOULに突進する。
精彩を欠いた竜殺しの一撃を難なくかわし、懐に入り込んでいつの間にか拾い直していたレヴァンティンで斬りつける。

「ぐぅっ!!」
「ゲームオーバーだ、DIE/SOUL!」

自らが付けた傷を、さらに蹴りつける。DIE/SOULは傷口を押さえ、地面にうずくまる。

「さて、他に戦えるのはおまえぐらいか…。どうする、自動人形。」

次に地球破壊爆弾が視線を向けるのは、この地獄において未だ目立ったダメージを受けていないコロンビーヌ。
だが、それは彼女の力量が高いことを意味しているのではない。
たまたま地球破壊爆弾の攻撃の矛先が、彼女に向かなかったというだけのことである。


「悲しい人ね…。」

地球破壊爆弾と目を合わせ、コロンビーヌは小さく呟く。

「いきなり何を言い出すのだ、貴様は。」
「あなたを動かしているのは、愛を失った悲しみ。それを闘争という手段でごまかそうとしている。
ねえ、もう十分に暴れたでしょう?そろそろ終わりにしない?」
「戯れ言を…。失うも何も、私には最初から愛という感情は存在しない。
分身に持っていかれてしまったからな。」
「嘘よ。だったらなんで、あなたに無想転生が使えたわけ?
あれは愛を知る者にしか使えない技。あなたが愛を持っていたことの何よりの証明じゃない。」
「適当なことを言うな!」
「いいかげんに認めなさい。
あなたはあの女の子を愛していたのでしょう?泉こなたではなく、地球破壊爆弾として!」
「黙れ!!」

地球破壊爆弾は、レヴィに姿を変える。同時にソード・カトラスを投影し、それを乱射する。
だが銃弾は、コロンビーヌをかすめるばかり。一発とてまともに当たらない。

「何故、愛を否定するの?この世界で恋愛より素晴らしいものなどないというのに。」
「てめえの物差しを人に押しつけるな!!」

ソード・カトラスを消し、地球破壊爆弾は再びレヴァンティンを構えコロンビーヌに突進する。

次の瞬間、地球破壊爆弾を二方向から光が包んだ。



時はわずかにさかのぼる。
地球破壊爆弾に投げ捨てられた漆黒の龍は、図らずもtu4氏の前に戻ってきていた。

「くそっ…。」
「やっぱり、一筋縄じゃいかないようね。」

悔しさのあまり声を漏らす漆黒の龍に、tu4氏が声をかける。

「そんなことはさっきからわかっていたことです。こっちが力尽きるまで、何度でも立ち向かってやりますよ。」
「よしなさい。同じことを繰り返したって、同じ結果にしかならないわ。」
「じゃあ、何か策があるんですか?」
「あるわ。」

そう言うと、tu4氏は自分の右腕をゆっくりと動かす。

「こいつをもう一度撃ち込めば…。さっきはあの巨体だから倒しきれなかったけど、今の大きさなら十分に消し飛ばせるはず。」
「なるほど…。」
「問題は、今の私が大技の反動に耐えられるコンディションじゃないってことね。」
「ええ!?じゃあどうするんですか!」
「あなたが撃ちなさい。」
「え?」

予想外の一言に、漆黒の龍は驚きを隠せない。

「本来、この手甲は私の専用装備。私以外には使えない。
けど、なんだかあなたなら使えるような気がするの。」
「そんな、憶測でものを言われても…。」
「うるさい!!ごちゃごちゃ言ってないで、さっさとやりなさい!」
「は、はい!」

tu4氏の迫力に圧倒され、漆黒の龍は言われるがままに彼女の右腕から手甲を外す。
そして、それを自らの右腕に装着し直す。

「これは…!すごい!まるで最初から自分の体の一部だったようなフィット感です!」
「私の読みは当たっていたようね…。さあ、撃ちなさい!私のために!」
「別にあなたのためだけじゃないですけど…。いきます!」

本来なら、漆黒の龍がその技を使えるはずがない。
だが、不思議な因縁で結ばれた脳内補完とのシンクロ。
それが奇跡を起こした。

「出でよ、覇龍!!轟覇、機神拳!!」


時を同じくして、孤高の黒き書き手は自分の荷物からあるものを必死で引っ張り出していた。
彼女は思う。確かに自分は無力だ。だが、tu4氏や漆黒の龍は必死に頑張っている。
それなのに、力がないからといって自分一人が傍観しているわけにはいかない。
使える駒があるなら、それをここで使い切る!

「やっと…出せました…。」

彼女がデイパックから引きずり出したのは、ソルテッカマン一号機。
この金属の塊を少女の細腕だけで取り出すのは、並大抵の苦労ではない。
すでに、両腕は死にたくなるぐらいに痛い。だが、彼女のやるべきことはこれからが本番だ。
ハッチを開け、孤高はソルテッカマンの中に乗り込む。
説明書が紛失しているため、ソルテッカマンをパワードスーツとして使いこなすには多量の時間を費やす必要がある。
だが、「固定砲台」として使うのならさほど難しくはない!

「クラールヴィント、おねがい!」

電子関係に強いクラールヴィントを使い、ソルテッカマンのシステムを掌握。
そして、それが持つ最強の兵器を作動させる。

「フェルミオン砲、発射!!」


別々の方向から放たれた、二つの光。それが、同時に地球破壊爆弾を包んだ。


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