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生物班/発表原稿1


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発表原稿



導入

岡崎市内には、ニホンタンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポというタンポポが生息している。在来種と帰化種のタンポポの形態的,生殖的特徴の違いを利用し,古くから都市化の度合いを示す環境指標生物として利用されてきた。以前までは、外総苞片の反り返りと種子の色を利用して判別してきた。しかし,今までの研究の結果から,岡崎市内のタンポポ,特にセイヨウタンポポについては,そのほとんどがニホンタンポポとの雑種であることがわかった。雑種化することで,本来なら在来種の生息域である部分にまで進出するため,その分類法では正確なタンポポ地図を作ることは困難となった。

研究に至るまでの流れ

03年、04年の研究では、岡崎市内で採取したタンポポの葉緑体DNAと酵素の多型を解析することによって正しい種を判別し、タンポポ地図を作成した。04年度は、雄核単位生殖個体の分布と、遺伝子の量と外総苞片の反り返りの関係を示した。05年度の研究では,従来どおりタンポポの採取と遺伝子と酵素の解析を行なうことに加えてそれらの個体の形態を詳しく計測し,遺伝子データとの比較を行い,形態の観察による種の判別の可能性を探った。また,形態が限りなくニホンタンポポに近い雑種個体について,その謎を探った。

雑種系政治における生殖

 例えば,この図のように3倍体の帰化タンポポと2倍体のニホンタンポポが交雑する場合,帰化タンポポの花粉がニホンタンポポのめしべに受粉し,4倍体の雑種を形成する。この雑種個体は無融合生殖で増える。帰化タンポポの花粉の大きさにばらつきがあることから,ここに示した以外の雑種化のパターンも考えられる。この他に,雄核単位生殖による個体もある。しかし,核が帰化種のものであるため,比較的真の個体に近い形態を示していた。そこで,研究をより明瞭にするためにそれらには注目せずに考察をした。

アカミの雑種化の促進

 アカミタンポポの雑種率は,03年度からの雑種率の推移を見てみると,急激に増大していることがわかる。これほどの変化は,過去にも大阪府で行なわれた調査でも見られていることから。今後も増えていくであろうと考えられる。アカミタンポポが雑種化することでニホンタンポポの生育域を奪っている様子はなかったものの,帰化種が徐々に在来種に自らを近づけていることは否定できない。

タンポポ地図

 今年度の真の地図,つまり雑種でない純粋なタンポポのみに着目して作成した地図は03+04年度のものと似通った色合いをしているが,帰化種の多い位置は移っていることわかる。また,05年度の方が真のアカミタンポポがより散らばっている印象を受ける。ニホンタンポポもアカミタンポポも分散していると考えると,雑種率がもっと一様になっているはずだが,そうではない。下の地図からも分かるように,雑種個体の多い地域が広がっていることから,アカミタンポポの雑種化が進行していることがわかる。

形態について

 今まで述べてきたように,タンポポの雑種化は年々進行している。帰化タンポポがニホンタンポポの遺伝子を取り込むことによってニホンタンポポの生息域に入り込む。それによって,真の帰化種であれば生えていないような場所に,あたかも真の帰化種のように雑種個体が生息することがある。それらを計測値から取り除くために,遺伝データを得ることによって正確なタンポポ地図の製作に取り組んできた。しかし,その過程は手間がかかるうえに,“手軽に”調査することが難しい。確かに真の帰化種か雑種かという判別は難しい。しかし,遺伝子の違いはどこか形態の特徴として現れてくるはずである。その考えのもと,葉,外総苞片,花粉の体積,株の大きさについて,合計10通りの視点で考察し,遺伝子データとの比較を行い,信頼できる特徴はないかを模索した。

葉の形態

 (葉の形態の方に移る)葉の形態については,長さ,鋸歯の数,小さな鋸歯の有無,Leaf index,面積率について考察した。
 葉の長さについては,雑種セイヨウはニホンの形態に近づき,比較的長いものが見られた。アカミタンポポに関しても,真の個体は小さな葉が多いのに対し,雑種セイヨウほどではないものの,ニホンタンポポの形態に近づいているように見える。
 鋸歯の数については,ニホンタンポポと雑種セイヨウはほぼ同じような傾向が見られるのに対し,アカミタンポポは,真,雑種共に多いという傾向を示した。
 小さな鋸歯の有無は,他の条件とは異なり,雑種セイヨウよりも雑種アカミの方がニホンタンポポにより近い傾向を示した。このことから,セイヨウタンポポは,小さな鋸歯が少ない種であるという仮説が立てられる。
 Leaf indexというのは,葉の長さと幅の比のことで,他の植物では,近縁種間であってもその値が大きく異なることもあるそうだ。しかし,この5種類のタンポポにおいては,その差はほとんど無いように思える。
 面積率については,まず鋸歯が無かったと仮定したときに推測される葉の形を描き,その面積に対して実際の葉が占める面積の割合(S1 /S2)をドローソフトで測定した。ニホンタンポポはその値が高い傾向となり,真,雑種共にアカミタンポポは低い傾向となった。このことから,一般的に言われている『アカミタンポポは小さくて切れ込みが深い』傾向にあるという説に当てはまっているのではないかと思われる。

外総苞片の形態

 外総苞片については,先端の突起の大きさ,反り返りの角度,表面に生えている毛の数を測定した。
 ほとんどのニホンタンポポの突起は,ある程度の大きさがあった。帰化種は全体的に小さい個体が多い傾向を示した。しかし,帰化種の中でも雑種セイヨウはニホンタンポポに近い傾向の個体が見られた。
 外総苞片の反り返りは,ニホンタンポポについて言えばほぼ全ての固体が反り返っていなかった。アカミタンポポは,真,雑種共に90°~200°程度反り返っていて,この二種については判別に使うのに信頼できそうである。しかし,雑種セイヨウは他の形態同様,ニホンタンポポの影響を大きく受けているものもあり,中にはニホンタンポポと見間違えるほどのものも見られる。
 ニホンタンポポの毛の数は,50~60本台まで存在する。顕微鏡で見たときに『毛が多い』という印象を強く受ける。また,アカミタンポポは0~4本と少ない個体が多く,25本以上では該当する個体がほとんどなくなってしまうのに対し,雑種セイヨウは10~14本あたりが最も多く,25本以上の個体も少ないながらも存在している。ニホンタンポポは毛が多いものもあるが,ほとんど無いものも見られ,全体的に見るとその量が極端に多いものでないと,信頼できるとは言いきれない。

花粉

 花粉については,ニホンタンポポは顕微鏡で覗くと,その大きさは驚くほど揃っている。標準偏差をみても,その値は小さかった。一方で帰化種の平均値はニホンタンポポと類似していたものの,標準偏差が比較的大きく,顕微鏡で見たときの印象もかなり違う。

株の大きさ

 株の大きさは主観的になりやすいが,最終的には計測者の主観によるので,検討の結果比較することにした。真の帰化種は半分程度が小さく,のこりはほとんど中くらいである。雑種はニホンタンポポに似て,やや大きくなる傾向が見て取れる。

形態調査から

 以上の10項目の中で特にニホンタンポポと帰化種の間に違いが見られた2つをX軸,Y軸にとり,散布図を作成した。
 アカミはそりかえり角度が80°以上であって,それ以下の帰化種は全て雑種セイヨウであった。また,アカミタンポポは真と雑種の差があまり無く,雑種セイヨウと比べて分布が重なっているように見える。このことから,アカミタンポポは雑種セイヨウよりもニホンタンポポの影響が少ないと考えられる。ニホンタンポポの大まかな分布域付近に入り込んでいる雑種セイヨウ(D1,D15,H4)と,突起の大きさが他より極端に大きい雑種アカミ(B3)について遺伝子お調べてみると,雑種個体がニホンタンポポと戻し交配をしてできた,よりニホンタンポポの遺伝子が濃い個体である可能性が示唆された。真の帰化タンポポは続々雑種化していき,これまで雑種であったものもさらにニホンタンポポの遺伝子を取り込もうとしている。この結果から,雑種個体がどのような点で有利であるのか,戻し交配を行なうことで本当にニホンタンポポに形態が近づくのかなど,雑種化のメカニズムなどを解明できればと思う。

文責:Intron

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