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木乃香「なぁ、風香。何か飲み物買ってきてくれへん?」
風香「え?」
木乃香「え?じゃなくて。ほら、史伽のぶんも買ってきてもええさかい」
そう言って、3人分の代金を渡すこのか。
風香「え?・・・・・・え?」
木乃香「どうしはったん?そんなに嫌?」
アスナ「どうしたの?」
木乃香「風香に飲み物頼もうかと思ったんやけど、どうも嫌らしくてなあ」
風香「い・・・嫌じゃないよ。何がいい?」
木乃香「んー、適当に頼むわ」
アスナ「じゃあ、私も頼んでいいかな。このかと同じのでいいから。・・・はい」
言いつつ、小銭を渡すアスナ。
風香「うん、それじゃいってくるね」
見送られる風香。その足は自然と速くなっていた。

教室から一番近い自動販売機に着く。
殆どの生徒が使用している所で、欲しい物が売り切れていると言うことは殆どない。
はずだった。目の前に並ぶ「売切」の文字。
少し不安になった。
別の自動販売機にいく。やはりそこも「売切」の文字が並んでいる。
怖くなる風香。
(急がないと)
焦って他の場所へ。
・・・・あった。辛うじて一種類だけ残っている。
「みんな一緒でもいいよね・・・」
誰に尋ねるでもなく一人呟く。残っていたジュースは幸いにも変な物じゃなかった。
自分の分も含めて4本買う。
走ったおかげでそれほど時間は経っていない。けれど帰りは出来るだけ急ぐことにした。

また虐められるんじゃないのか、そんな不安を抱えながら教室に急ぐ。 
途中何人かのクラスメイトとすれ違った。
走る風香に驚きながらも、
「急ぎすぎて転ばないようにね」
と、軽く声をかけてくれた。いつも通りだった。

風香「買ってきたよ~」
戸を開ける。そこには史伽の姿もあった。3人で話してる。
木乃香「お帰り。速かったなあ」
風香「そんなこと無いよー。みんな同じのにしちゃったけどいいよね?」
いいつつ、木乃香・アスナ・史伽に買ってきたものを渡す。
自動販売機がおかしかったことは言わなかった。
木乃香「ありがとう」
アスナも礼を言い、ふたを開ける。
風香「何の話してたの?」
史伽「ただの世間話。勉強どうしてるーとか」
風香「ふーん・・・そっか」
史伽「そうそう──・・・」
久々の4人での会話。

風香がジュースを開け、一口飲んだときだった。
木乃香が思い出したように口を開く。
木乃香「そうそう、せっかく買ってきてもろたんやから、なんかお礼せんとなあ」
風香「お金出してもらったんだし、いいよ~」
木乃香「あんまり遠慮すんなや~。それとも嫌?」
風香「う・・・ううん。そんなことないよ」
木乃香「そうかー、なら受け取ってや」
風香「え?」
間の抜けた声と同時に、風香の頭上にジュースがかけられる。
木乃香の目はただ楽しんでる。それだけだった。
ジュースをかけ終わると同時に
アスナ「私もお礼しなきゃねー」
と言って、更にジュースがかけられる。飲んでいないのか、ジュースの量はそのままだった。

だが、彼女が最も驚いたのは次の瞬間だった。
史伽「・・・わ・・・私も」
その声と同時に、史伽からもジュースがかけられる。
木乃香「あははー。おいしかった?ほな帰りましょか」
アスナ「それじゃ、床綺麗にしといてね」
史伽「・・・バイバイ」
風香はただ呆然とその場に立つだけだった。

木乃香「まさかあんなに不快とは思わへんかったわぁ」

『了』