「やめろキャスター!死者の蘇生など願ったところで、何にもなりはしない!過去にとらわれず、未来を見据えろ!」
「うるさい!ならば我々はどうなのだ、セイバー。かつて死んだものたちが、英雄だというだけの理由で蘇り、殺しあう・・・。私は口惜しい!なぜ我々は許され、なぜエウリュディケは許されん!」
「キャスター・・・」
「私は振り返らない・・・私は省みない!決して・・・決してだ!そして・・・再びこの手で、妻を抱きしめてみせる!」
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「エウリュディケ・・・エウリュディケ・・・どこだ、どこにいる・・・?ほら、私の後を・・・しっかりついて、来ない、と・・・」
「キャスター・・・哀れな男だった・・・」


オル「行きたまえ、士郎。私はここで歌い続けよう。お前達のために」
士郎「キャスター……」
オル「そんな顔をするな、私の友はもっと堂々としていたはずだ」
士郎「すまない、キャスター!」
振り切るように言って、士郎は走り去っていった。キャスターもまた、背後を振り返ることはしなかった。
そんなことをしなくても、士郎が振り返ることなく駆け去ったことを感じることができたからだ。
オル「そうだ、それでいい。……死者は還らない。私に出来ることは、士郎を死者にしないことだけなのだから」
キャスターは竪琴を掻き鳴らした。その音は気高く、そして今までにないほどに透き通っていた。
オル「さあ、くるがいい! 残骸どもよ! 貴様らには過ぎた音、とくと味わえっ!」