~~寝室


前アーチャー「おう、何か用か、イリヤのかーちゃん。日頃飯を食わせて貰って、わりーな」

アイリ「いいのいいの、気にしないで。それより、アーチャーにお願いがあるんだけど」

前アーチャー「何だい、改まって。借金なら、ある程度は用意できるぞ」

アイリ「そんな甲斐性の無いことは言わないわよー」

前アーチャー「ほんじゃ、何をすればいいんだ?」

アイリ「私を魔法少女にして欲しいんだけど」


前アーチャー「……えーと、こちら年齢審査がございまして、前向きに検討させて頂きまして、追って改めて合否をお伝えしたいかと」

アイリ「アーチャー、あなた絶対に拒否する気でしょう」

前アーチャー「うお、放せー! だって、三十路の魔法少女なんて洒落になんねーよ!」

アイリ「ふーん? イリヤちゃんにお痛しておいて、そういうことを言うんだー?」

前アーチャー「うっ! いや、それはライダーがやったわけであって、俺は……」

アイリ「じゃあ、ライダーちゃんに頼もうか」


※ アイリさんの実年齢は、もっと若いです。



~~五分後

ライダー「お義母さま、お呼びですか?」

アイリ「娘の女友達にそう呼ばれると、何だか複雑ねー。まあ、それはともかくとして……」

前アーチャー「ライダー、助けてくれ! イリヤの母ちゃんが魔法少女にしてくれって無茶を言うんだ!」

ライダー「あ、あの……お、お義母さま、それは無理が」(汗)

アイリ「ふーん……ライダーちゃんも反対するんだ。
      娘を勝手に玩具にさせられるの嫌だし、イリヤちゃんに考え直すように話し合おうかな」

ライダー「アーチャー、お義母さまと契約しなさい」(ジャキッ)

前アーチャー「トンプソンコンデンターを持ち出すんじゃねー! 
         大体何で魔法少女になりたいんだよ。俺はエロい願い事しか叶えられねーぞ」

アイリ「最近、旦那とご無沙汰なの……どうも元気が無いみたいで」

前アーチャー「倦怠期の悩みを解消するために俺は英霊になったわけじゃねーのに……」(泣)




~~イリヤの部屋

前アーチャー「そういうわけで、イリヤ、お前のかーちゃんは今日から魔法少女だ」

イリヤ「あ、そうなんだ。私と一緒だね」(汗)

前アーチャー「おまえ、ことの重要性をわかってねーな」

イリヤ「何か問題でもあるの?」


前アーチャー「まだ教えてないけど、魔法少女にはおまけで変身機能がついてくる。想像してみろ」

イリヤ「えっと、ヒラヒラの服を着たママって、可愛いと思うよ」

前アーチャー「……イリヤの優等生っぷりな回答に、たまに殺意が芽生えそうになるぜ」

イリヤ「ええっ!?」

前アーチャー「三十路でヒラヒラキャピーンな魔法少女なんて、誰が得するんだよー! 神様、助けてくれー!」

イリヤ「いや、でも……ほら、ミユちゃんみたいなスラッとしたシンプルなデザインかもよ」

前アーチャー「お前のかーちゃん、パンツかぶるのか?」

イリヤ「いや、ライダー仮面のことじゃないよ」

ライダー「あのマスクがいいのに」



前アーチャー「とりあえず、変身機能については極秘にする。
         俺はアイリが変身したときのことを想像すると、何処でもおしっこ漏らす自信があるぜ」

イリヤ「そんなに嫌なんだ」

前アーチャー「うう、カレンたちのこともあるし、俺もそろそろ引退の時期が近づいてきた気がするぜ」

イリヤ「そういえば、ママはどうしたの?」

前アーチャー「スルーするなよ! とりあえず、エロい下着を山ほど渡しといた」

イリヤ「ママがエッチな下着着てるの考えると、複雑な気分。ところで、さっきからギシギシって家が揺れてるのって……」

前アーチャー「……イリヤ、寝室には近づくな。トラウマが増えるぞ」




~~数日後、リビング

前アーチャー「ゴクウ、おっぱいの大きい女には気をつけろよ。
         おっぱいの大きさに目が眩むと、気がついたら結婚させられてるかもしれないからな」

ゴクウ「おっぱい! おっぱい! 姉ちゃ、おっぱい!」

前アーチャー「うむ、イリヤもあの着やせす……はしてないおっぱいで、
         既にストーカーを一匹釣り上げてるからな。ゴクウも警戒しろよ」

アイリ「ねーえ、ちょっと、人の家のペットに変なこと吹き込まないでくれないかしらー」

前アーチャー「ぬあっ! 帰ってきてたのかよ。ちょっとゴクウとボーイズトークをだな……」


アイリ「どういうボーイズトークなのよ、もう。まあいいわ、アーチャーにお願いがあるんだけど」

前アーチャー「部屋のインテリアのデザインのコーディネートについてなら、いいアドバイザーを知ってるぞ」

アイリ「誰もインテリアデザインなんて頼まないわよ。実は最近、旦那を誘っても乗ってくれないのよ」

前アーチャー「イリヤのとーちゃん、げっそりしてたから、毎日は勘弁してやれよ」

アイリ「そこを何とかしてくれるのが、貴方の役目でしょ。お願い、頼みます!」

前アーチャー「うーむ、自分の体を持て余した人妻と言うと聞こえがいいが、実際に見ると恐怖を感じるぜ」



~~台所

切嗣「悪いね、晩御飯作って貰って」

ライダー「いいえ、お気になさらずにお義父さま」

切嗣「あの、ライダーさん、その呼び方がいつも気になるんだけど……」

ライダー「ほら、娘と息子さんの婚約者……もとい友達が料理してるんだから」

イリヤ「パパはゆっくり休んでいて。ここは私達に任せて」(にっこり)

切嗣「ありがとう。ところで、今日のメニューは何だい?」

ライダー「レバニラ炒めにスッポン鍋です」(ムフ-ムフ-)

切嗣「そ、そうなんだ、楽しみだな……」(汗)



~~夕飯後、リビング

ゴクウ「アーチャー、ギシギシしてる」

前アーチャー「そうだな。家が大きく揺れてるな。だけど安心しろ、地震じゃねーから」

ゴクウ「ジシン?」

前アーチャー「うむ、地震じゃない。だがそれ以上に恐ろしいことが、
          お前のご主人の部屋で進行中だから、今日は俺様と大人しく遊んでようぜ」

ゴクウ「あそぶあそぶ!」



~~数日後、リビング

アイリ「ただいま、アーチャー」(つやつや)

前アーチャー「お帰り。お宅の旦那、最近顔に死相が出てきてるぜ」

アイリ「そうなの? それなら、もっと張り切ってサービスしてあげないとな」

前アーチャー「イリヤ、若くして父親を亡くす不幸を許してくれ」



アイリ「ところで、アーチャー、相談があるんだけどね」

前アーチャー「ちょっと孤児院にプロレスのファイトマネーを寄付しに行く用事を思い出したぜ……」

アイリ「まあ、そう言うな」

前アーチャー「は、放せー! 三十路オーバーの願いを叶えても、リビドーの利用が難しいんだよ!」

アイリ「最近、旦那とマンネリ気味なの。何かいい方法はない?」

前アーチャー「う、うう、何が悲しうて、三十路魔法少女のマスコットをやらなくちゃいけねーんだ……」



~~イリヤの部屋

前アーチャー「うおー、もう我慢できねー! 俺は実家に帰るぜ!」

イリヤ「実家って?」

前アーチャー「サーヴァントの本星よ。そこでライダーで稼いだエネルギーで、悠々自適な暮らしを送るぜ」

イリヤ「もしもし、カレンさん。実はアーチャーが実家に……」

前アーチャー「やめろー! 俺の一生がカレンのマンションで終わっちまうじゃねーか!」

イリヤ「だって、アーチャーが帰ったら、寂しいよ」

前アーチャー「あんなに散々酷いことされて、それでも俺にまだ居て欲しいっていうイリヤは、
         女神のような心の持ち主か、単なるマゾだな……」

ライダー「私はどちらでも構わないわ。両方なら、最高だわ」(ムフームフー)

前アーチャー「イリヤ、良かったら俺と一緒に別の星に逃げないか?」

イリヤ「……少し考えちゃうかも」



前アーチャー「まあ、とりあえずカレンに監禁されたくないから、逃げるのは諦めるとして、何か対策を打たないとな」

ライダー「私の秘伝プレイリストを、お義母さまに貸してあげてもいい」

前アーチャー「止めておけ。そんなのに耐えられるのは、真性のマゾだけだ」

イリヤ「えーっ!?」

前アーチャー「くそっ、こうなったら、奥の手を使うしかない。インターネットですぐに発注をかけるぞ」



~~数日後

イリヤ「アーチャー、パパがもう三日も寝込んでるんだけど……」

前アーチャー「切嗣は犠牲になったのだ、嫁の犠牲にな」

ライダー「一体何をしたの?」

前アーチャー「イリヤの学校の制服を、アイリのサイズに合わせて作って、彼女に渡した」

イリヤ「ええっ!?」

前アーチャー「三十路の制服姿の破壊力は壮絶だったに違いない。
         切嗣、おまえの犠牲は忘れない。だが、これでアイリも少しは大人しくなるだろう」

ライダー「そういえばお義母さまから、コスプレ写真を頂いたわ。記念にということだけど」

イリヤ「見せて見せて」

前アーチャー「や、やめろおおおおおお! 俺にそんなもん見せ……た、たわばっ!」

イリヤ「ひっ! アーチャーが爆発しちゃった!」