第二話「マッスレンジャー出動!」

オープニング歌省略

「説明は以上だが他に質問はあるかね?」
吹っ切れたマッスルゴールドを見届けた神父は改めて最初の言葉を投げかけてきた。

「どうでもいいが、服を着やがれ。野郎の裸を見て喜ぶ趣味はねぇんだよ」
もう心底どうにでもしてくれと言わんばかりにマッスルブルーは溜息を零す。

「いやしかし人間ながら良い肉体だ。我ら筋肉英霊と比較しても決して劣っていない。
 …ん?そういえばブルー。マッスルレッドはどうしたんだ?」

さっきまでマッスルゴールドにポジションチェンジを嘆願していたマッスルイエローが周囲を見回しながらブルーに訊ねた。

「ブルー言うんじゃねえ。あの野郎は第一話が終わると同時に「付き合ってられん」とか言って帰っちまったよ。
 いけ好かねえ奴だがアレがマスターじゃなかったら俺も一緒に帰ってるところだ」

憎々しげに履き棄てるマッスルブルーを見ながら神父は
「なんだブルー。今世間で大人気の俗に言うツンデレとか言う奴かね?」
などと戯言を抜かしていた。


───五分後。

「まあいい。どうやらまだ言いたい事はあるだろうが先に進まんから全て却下させてもらうぞ」
神父の戯言で危うく戦場になりかけた基地内の会議室で本日三度目の仕切り直しが行われている。

「指令殿、その意見には同意したい。早く先に話を進めるべきかと」
「流石はマッスルブラックだ。ブルーにもこれくらいの落ち着きを持ってもらいたいものだな」
と神父がわざわざ余計なことを口走ってくれた。

「で結局我等は何を為せばいいんだ?マッスル指令」
終始ノリノリなマッスルイエローは己の出番はまだかまだかと張り切っている。
「なんでお前らはそんなにやる気があんだよ…」
このノリに付いて行けないブルーの肩に物言えぬマッスルグレーが優しく手を置き労っていた。

「ようするに諸君には戦隊ヒーローをやって貰う。手っ取り早く言えば街の平和を保つのが仕事と言うわけだ」
これ以上無いくらいのわかりやすい説明をする神父に向かってブルーが禁断の言葉を口にした。
「おい言峰。この街の平和を保ちたいってんならテメエと俺らと聖杯を排除すれば…」
「マッスル指令と呼べい!!」

ブルーの企画の根底を破壊しかねない暴言を言わせ切る前にマッスルイエローの太陽ラリアットが炸裂する!

「おのれ、マッスルブルーよ。貴様まさか我等の出番を潰したくて言ってるわけではあるまいな!?」
太陽ラリアットでブルーを吹き飛ばしたイエローがブルーを指差しながら声を荒げた。

「ぐっ…痛っ~テメェ…やろうってんなら相手になってやるぞ」
太陽ラリアットが炸裂した首と怒りを抑えながらブルーがイエローを睨めつける。
再び一触即発の空気になった基地内にマッスルブラックの一喝が木霊する。
「いい加減にしろ二人とも!」
ブラックの爆音の様な声が両者の頭に上った血を吹き飛ばし、緊迫した場も一掃してしまった。


「よいかブルー。確かにお前はそれで良いかもしれん。なぜならゴッド(きのこ)自らが描写し、ビーナス(武内)自らが姿を与えてくれ
ているのだから」
静かな怒りを灯しながらマッスルブラックはマッスルブルーに諭す。

「その通りだブルー。そしてレッド、グレー、ゴールド。お前は既に確立された地位がある…絶対的な足場がある!
 我らに比べたら喋れないマッスルグレーでさえも絶対的な立ち位置があると言うのに………我らにはそれが無い…っ!」
溢れ出した内に溜まった想いを抑える事無くマッスルイエローは続ける。

「貴殿から見たら確かに俺は見苦しいことだろう。太陽の騎士とまで謳われた男の今のこの必死な姿はな。
 泉の騎士でさえあんなスマートに活躍したと言うのに…。しかし我等とて必死なのだ。
 ──多くの者の力を借りて生み出された以上は責任を果たさなければならない!
 我等はお前たち(本編鯖)とせめて、せめて恥かしく無い程度の位置には並ばなければならんのだ!
 その為には例えこの様なフザケタネタですら完璧にやり通して見せよう、生み出してくれた多くの者に報いる為にな──!」

肩を上下させながら切なる想いを吐露し終えたマッスルイエローの激情を受け止めて
「その通りだ!共に頑張ろうマッスルイエローよ!」
マッスルブラックが心から同意し、
「■■■■ーーーー!!」
マッスルグレーが惜しみない賞賛と感涙を贈り、
「ちっ、悪かったな」
マッスルブルーが謝罪を口にし、
「ふ、ふははははははははは!良いぞ道化、我が許そう。雑種どもを押し退け好きなだけ目立ってくるが良い」
マッスルゴールドが後押ししてくれた。

「ではマッスレンジャー出動だ」
これ以上はない程に士気が上昇したマッスレンジャーに、ついにマッスル指令から出動の命令が下されるのだった。